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40.バレてしまったリゾート自宅
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その週末、源蔵は晶と美智瑠を自宅に招いて、最初の土日講習を開催する運びとなった。
が、どういう訳か宅内は必要以上に騒がしい。
というのもこの日、美智瑠は折角だからと意味不明な理由で早菜と詩穂、更にはリロードでのアルバイトを早上がりした冴愛までをも連れて源蔵宅を訪れてきたのである。
試験勉強は広いリビングで進めるから良いとして、余計な来客三名はというと、源蔵宅内を自由気ままに歩き回り、かなり好き勝手に過ごしていた。
まず早菜だが、彼女は二階部の一室から、
「楠灘さーん! ルームランナー、お借りしてイイですかー!」
とスポーツウェアに着替えた上で呼びかけてきた。
美智瑠が事前に源蔵の宅内施設を聞き出していた為か、この日来訪した女性は全員、スポーツウェアや薄手の部屋着、更には下着の着替えなども一式用意してきたというのである。
(もうホンマに、何しに来てんのよ……)
源蔵は晶と美智瑠に情報処理資格試験の説明を行う傍ら、軽い頭痛を覚えていた。
早菜が足を踏み入れているその部屋は、源蔵がプライベートジムとして設備を整えた一室であり、彼女がこれから使おうとしているルームランナーの他にベンチプレスやウェートマシン、エアロバイク、サンドバッグなどの諸々一式が揃っている。
壁際にはサブスク契約を導入した4Kテレビも設置してあるから、映像や音楽を楽しみながら気軽に汗を流すことが可能となっていた。
次いで別の部屋からは詩穂が、
「マッサージチェアー、お借りしますねー!」
と、こちらも薄手の部屋着に着替えた上で声を飛ばしてきた。
現在彼女が居る部屋は超高級マッサージチェアや足つぼマシン、その他色々な種類のマッサージ用家電が数多く揃っているリラックスルームだ。
「んほぉぉぉ……き、効く~……!」
ドアを開けっ放しにしているのか、マッサージチェアに身を委ねている詩穂がまるで天国にでも昇天するかの様な変な声を垂れ流してきた。
そして冴愛はというと、
「サウナだー! すっごーい!」
などと叫びながらバスエリアへと特攻をかましていった。
源蔵宅のバスエリアにはミストサウナとドライサウナの二室が完備されており、そのすぐ隣にはジャグジーバスと檜風呂が並んでいる。
このバスエリアにはパノラマビューのガラス窓が張られており、東京都心方面の夜景を眺めながら入浴を楽しむことが可能だった。
「わー、イイなー……皆、楽しそー……」
高級なデザイナーズダイニングテーブル上で参考書と問題集を開きながら、美智瑠が遊びまくっている早菜、詩穂、冴愛の嬌声に羨ましそうな顔を向けていた。
が、今日は飽くまでも勉強会だ。
試験に臨む以上はしっかりと学んで貰わなければならない。
「ほらほら、集中して下さいよ。遊んでる場合やないですからね」
源蔵に注意された美智瑠は、仕方無さそうに生返事を返しながら手元の参考書に視線を戻した。
一方の晶は源蔵に何かいわれるまでも無く、最初から試験勉強に全神経を注いでいた。矢張り彼女は自身が抱えている事情をよく分かっている。
ここで手を抜こうものなら、その結果が全て自身に跳ね返ってくることを誰よりもよく理解している様子だった。
この日の勉強会は、三時間を予定していた。
それ以上は集中力と記憶力がどうしても維持出来ないと判断した為、三時間で上限を切った格好だった。
尚、この勉強会が終わった後には、美智瑠もサウナとジャグジーバス、更にはマッサージチェアでじっくり体を休める腹積もりらしい。
(まぁ、別にエエんやけど……)
源蔵は内心でやれやれと吐息を漏らした。
そしてどうせなら、折角なので晶にもひと通り楽しんで貰おうと考えていた。彼女だけ諸々の設備を利用させないというのも、それはそれで不公平であろう。
やがて予定の三時間が過ぎたところで、源蔵は夕食の準備に取り掛かった。
結構な人数が居るということもあって、今宵はプチディナーコースを手掛けてやろうと考えた。
その間、女性客五人はそれぞれの部屋で好き勝手に自由な時間を楽しんでいる。
彼女ら曰く、源蔵宅は隠れリゾート施設だということらしい。
(いや……普通にただの個人宅やねんけど)
そんなことを思いながら、源蔵は手早く調理を進めていった。
◆ ◇ ◆
プチディナーコースに招かれた五人の美女達は、ダイニングルームから望む東京都心の夜景に感嘆の息を漏らしながら源蔵の手料理に舌鼓を打っていた。
「あぅ~……帰りたくないよ~……楠灘さん、アタシのお嫁になってくれませんかぁ?」
源蔵がワインセラーから持ち出してきた最高級のボジョレーをがぶ飲みしながら、美智瑠が切々とした表情で訴えてきた。
「何しょうもないこというてはんのですか。明日もあるんですから、さっさと風呂入って寝て下さいよ」
この日、招かれた女性五名は全員、源蔵宅に泊まってゆくことになっていた。
客室として用意してある和室には五組の布団を敷いてある。彼女らにはそこで夜を過ごして貰う予定だ。
「オーナー、何気にハーレムじゃん。より取り見取りだねー」
冴愛が意味深な笑みを寄せてきたが、源蔵は相手にはせずに、デザートのアイスクリームの準備に取り掛かった。
(勉強会やっていうとんのに、完全にリゾート気分になっとるがな)
内心でぼやきつつ、それでも彼女らの自由にさせているのは、客として受け入れた以上は心行くまで楽しんで貰いたいという変なホスピタリティが働いた所為でもあった。
やがてディナータイムも終わり、後は入浴などを済ませて就寝時間へと雪崩れ込むだけである。
「楠灘さーん! 一緒にお風呂入りましょうよー!」
バスエリアの脱衣所から美智瑠が呼びかけてきたが、源蔵は洗い物やその他諸々に着手していた。
「もうエエからさっさと入って下さい。僕はやることようけあるんで」
「えー、ざんねーん」
その後、晶とふたりで嬌声を撒き散らしながらミストサウナへと飛び込んでいった模様。
(今日は寝る時、ベッドルームに鍵かけとかなあかんな……)
物凄く嫌な予感がした。
就寝の際には彼女らに邪魔をされぬ様に、警戒には警戒を重ねておいた方が良いだろう。
ただの勉強会で終わらせる筈が、気が付けば女子五人による都内プチリゾートお泊り会と化していた。
が、どういう訳か宅内は必要以上に騒がしい。
というのもこの日、美智瑠は折角だからと意味不明な理由で早菜と詩穂、更にはリロードでのアルバイトを早上がりした冴愛までをも連れて源蔵宅を訪れてきたのである。
試験勉強は広いリビングで進めるから良いとして、余計な来客三名はというと、源蔵宅内を自由気ままに歩き回り、かなり好き勝手に過ごしていた。
まず早菜だが、彼女は二階部の一室から、
「楠灘さーん! ルームランナー、お借りしてイイですかー!」
とスポーツウェアに着替えた上で呼びかけてきた。
美智瑠が事前に源蔵の宅内施設を聞き出していた為か、この日来訪した女性は全員、スポーツウェアや薄手の部屋着、更には下着の着替えなども一式用意してきたというのである。
(もうホンマに、何しに来てんのよ……)
源蔵は晶と美智瑠に情報処理資格試験の説明を行う傍ら、軽い頭痛を覚えていた。
早菜が足を踏み入れているその部屋は、源蔵がプライベートジムとして設備を整えた一室であり、彼女がこれから使おうとしているルームランナーの他にベンチプレスやウェートマシン、エアロバイク、サンドバッグなどの諸々一式が揃っている。
壁際にはサブスク契約を導入した4Kテレビも設置してあるから、映像や音楽を楽しみながら気軽に汗を流すことが可能となっていた。
次いで別の部屋からは詩穂が、
「マッサージチェアー、お借りしますねー!」
と、こちらも薄手の部屋着に着替えた上で声を飛ばしてきた。
現在彼女が居る部屋は超高級マッサージチェアや足つぼマシン、その他色々な種類のマッサージ用家電が数多く揃っているリラックスルームだ。
「んほぉぉぉ……き、効く~……!」
ドアを開けっ放しにしているのか、マッサージチェアに身を委ねている詩穂がまるで天国にでも昇天するかの様な変な声を垂れ流してきた。
そして冴愛はというと、
「サウナだー! すっごーい!」
などと叫びながらバスエリアへと特攻をかましていった。
源蔵宅のバスエリアにはミストサウナとドライサウナの二室が完備されており、そのすぐ隣にはジャグジーバスと檜風呂が並んでいる。
このバスエリアにはパノラマビューのガラス窓が張られており、東京都心方面の夜景を眺めながら入浴を楽しむことが可能だった。
「わー、イイなー……皆、楽しそー……」
高級なデザイナーズダイニングテーブル上で参考書と問題集を開きながら、美智瑠が遊びまくっている早菜、詩穂、冴愛の嬌声に羨ましそうな顔を向けていた。
が、今日は飽くまでも勉強会だ。
試験に臨む以上はしっかりと学んで貰わなければならない。
「ほらほら、集中して下さいよ。遊んでる場合やないですからね」
源蔵に注意された美智瑠は、仕方無さそうに生返事を返しながら手元の参考書に視線を戻した。
一方の晶は源蔵に何かいわれるまでも無く、最初から試験勉強に全神経を注いでいた。矢張り彼女は自身が抱えている事情をよく分かっている。
ここで手を抜こうものなら、その結果が全て自身に跳ね返ってくることを誰よりもよく理解している様子だった。
この日の勉強会は、三時間を予定していた。
それ以上は集中力と記憶力がどうしても維持出来ないと判断した為、三時間で上限を切った格好だった。
尚、この勉強会が終わった後には、美智瑠もサウナとジャグジーバス、更にはマッサージチェアでじっくり体を休める腹積もりらしい。
(まぁ、別にエエんやけど……)
源蔵は内心でやれやれと吐息を漏らした。
そしてどうせなら、折角なので晶にもひと通り楽しんで貰おうと考えていた。彼女だけ諸々の設備を利用させないというのも、それはそれで不公平であろう。
やがて予定の三時間が過ぎたところで、源蔵は夕食の準備に取り掛かった。
結構な人数が居るということもあって、今宵はプチディナーコースを手掛けてやろうと考えた。
その間、女性客五人はそれぞれの部屋で好き勝手に自由な時間を楽しんでいる。
彼女ら曰く、源蔵宅は隠れリゾート施設だということらしい。
(いや……普通にただの個人宅やねんけど)
そんなことを思いながら、源蔵は手早く調理を進めていった。
◆ ◇ ◆
プチディナーコースに招かれた五人の美女達は、ダイニングルームから望む東京都心の夜景に感嘆の息を漏らしながら源蔵の手料理に舌鼓を打っていた。
「あぅ~……帰りたくないよ~……楠灘さん、アタシのお嫁になってくれませんかぁ?」
源蔵がワインセラーから持ち出してきた最高級のボジョレーをがぶ飲みしながら、美智瑠が切々とした表情で訴えてきた。
「何しょうもないこというてはんのですか。明日もあるんですから、さっさと風呂入って寝て下さいよ」
この日、招かれた女性五名は全員、源蔵宅に泊まってゆくことになっていた。
客室として用意してある和室には五組の布団を敷いてある。彼女らにはそこで夜を過ごして貰う予定だ。
「オーナー、何気にハーレムじゃん。より取り見取りだねー」
冴愛が意味深な笑みを寄せてきたが、源蔵は相手にはせずに、デザートのアイスクリームの準備に取り掛かった。
(勉強会やっていうとんのに、完全にリゾート気分になっとるがな)
内心でぼやきつつ、それでも彼女らの自由にさせているのは、客として受け入れた以上は心行くまで楽しんで貰いたいという変なホスピタリティが働いた所為でもあった。
やがてディナータイムも終わり、後は入浴などを済ませて就寝時間へと雪崩れ込むだけである。
「楠灘さーん! 一緒にお風呂入りましょうよー!」
バスエリアの脱衣所から美智瑠が呼びかけてきたが、源蔵は洗い物やその他諸々に着手していた。
「もうエエからさっさと入って下さい。僕はやることようけあるんで」
「えー、ざんねーん」
その後、晶とふたりで嬌声を撒き散らしながらミストサウナへと飛び込んでいった模様。
(今日は寝る時、ベッドルームに鍵かけとかなあかんな……)
物凄く嫌な予感がした。
就寝の際には彼女らに邪魔をされぬ様に、警戒には警戒を重ねておいた方が良いだろう。
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