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25時のバレンタイン・キス ④-2 〜遅れたバレンタイン〜 最終話
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「はぁーーー!食った!食った!!!」
膨れるお腹をさすりながら、カーペットの上にゴロンと横になる彼。
「そんな、食べてすぐ横になると、デブるよ!」
僕は、母親のように叱ると、彼のシャツの袖をツンツンと引っ張りながら、起き上がるように促した。
彼は、うぅ…んと駄々っ子のようにぐずると、チラッと僕の顔を見つめ、腕を引き寄せた。
グイッと掴まれたせいで、バランスを崩し、そのまま、彼の横になだれ込むように倒れる。
「こっち来いよ」
甘い声で囁く彼。
キッチンで遮られた戯れ合いの続きをするかのように、僕を後ろから抱きしめる。
彼の熱い吐息、纏わりつく腕、触れる体、熱風のように舞い上がる欲求に負けそうで、全てを委ねたくなる、
のを我慢して、
「待って!!!」
僕は大きな声で彼を制すると、ガバッと起き上がり、キッチンのほうへ足を運んだ。
またしても、イチャイチャを断ち切られた彼は、やや不満げな顔で、寝転んだまま手を頭の後ろで組むと、
「何だよ…せっかく帰ってきたのに…」
と、ボソッと小声で呟いた。
そんな彼の目の前に、僕はサッと小さな箱を差し出した。
「少し遅れたけど…ハッピーバレンタイン!」
大事そうに両手で包み込むように抱えた、ゴールドのリボンに真っ赤な箱。
「……」
彼は、無言のまま、大きく目を見開き、その箱を凝視すると、ムクっと体を起こした。
「俺に…?」
ちょこんと彼の隣に座っている僕は苦笑しながら、
「他に誰に渡すんだよ」
「だよな…」
と、彼は、自分の言った言葉に笑いながら、照れたように鼻を指で擦る。
僕は、少し節目がちに下を向き、
「ほんとは、14日に渡したかったんだけど…」
時計の針は、すでに午前0時を回って、1時に近かった。
すると、彼は、僕の口を指で塞ぎ、首を横に振った。
「大丈夫…俺の時計は、まだ2月14日の25時だから」
(えっ?)
彼の大きく包み込むような、綿飴のような、甘く柔らかな優しさに、僕は心を大きく揺さぶられ、泣きそうになる。
彼は、僕の頬を撫でながら、
「ありがと…今日は、ほんとお前からいっぱい愛情もらったな…」
その言葉に、僕は胸がキュンとなった。
「開けてみて」
彼はゆっくりリボンを解き、赤い蓋を持ち上げた。
中には、ココアパウダーで包まれた、まあるいトリュフチョコレートが不揃いな大きさで並んでいた。
僕は、少し申し訳なさげに言った。
「ご、ごめんね…お菓子も作ったことなくて、ちょっと形がいびつだけど、味は大丈夫だから…」
すると、彼は驚いて尋ねた。
「えっ?これも手作りなの???」
「うん、頑張って作った」
彼は、僕の肩を抱きしめて、小声で囁く。
「マジ、嬉しい…ほんとにありがとな」
そう言うと、チョコを1つ摘み、口に放り込んだ。
「…うん…甘いっ!」
「当たり前だよ!チョコレートなんだからー!」
お互い、顔を見合わせてアハハ…と笑い転げると、僕は、彼の胸に飛び込んだ。
「帰ってきてくれてありがと…」
彼の手が、僕の顎を持ち上げると、
「実は、俺の方がお前に会いたかったりして…」
そして、彼の唇が僕の唇に重なり合う。
「愛してるよ」
彼は、僕の唇を甘噛みしながら、背中に手を回すと、グッと引き寄せ、さらに強く唇を押し当てる。
彼の伸ばした舌先が僕の唇に触れると、僕は迎え入れるように唇をゆっくり開く。
彼の舌は、僕の舌を探り当てるように捻りながら入り込み、口の中で僕の舌と重なり合った途端、激しく絡み付いた。
まるで、まとわりつき戯れ合う猫のしっぽのように絡まり合う舌と舌。
蒸せるような、ねっとりと濃厚なチョコの甘さが口いっぱいに広がる。
その濃密な甘さが、甘美で夢のように痺れ、僕の全身を駆け巡ると、熱にのぼせ上がったように体が火照る。
「…んぐっ…」
頬張るように、彼は大きく口を開け、僕の唇に吸い付たり、顎をハフッと甘噛みしたり。
そのまま、甘い舌を僕の喉に這わせ、熱い吐息を吹きかけながら、ゆっくり舐め上げる。
「…ぁあっ、ぅう…んん」
僕は、思わず嗚咽が漏れ、下半身に熱い血流が流れ込む。
むさぼるように動く舌に合わせ、彼の手が僕の背中、腰、お尻を撫で回す。
その手は、お尻をくすぐるように撫でるかと思えば、急に荒々しく鷲掴みする。
彼は、ペロッと自分の舌で唇を舐めると、
「なぁ、バレンタインだから、もう1つおねだりしていい?」
「えっ?」
「朝まで、お前を味わ…ぃ…」
言いかける彼の口を、僕はキスで塞ぎいだ。
そして、
「今日は、僕がとろけさせてあげる…」
僕は、彼に跨り、覆いかぶさると、2人は、重なるように崩れ落ちた。
The End.
膨れるお腹をさすりながら、カーペットの上にゴロンと横になる彼。
「そんな、食べてすぐ横になると、デブるよ!」
僕は、母親のように叱ると、彼のシャツの袖をツンツンと引っ張りながら、起き上がるように促した。
彼は、うぅ…んと駄々っ子のようにぐずると、チラッと僕の顔を見つめ、腕を引き寄せた。
グイッと掴まれたせいで、バランスを崩し、そのまま、彼の横になだれ込むように倒れる。
「こっち来いよ」
甘い声で囁く彼。
キッチンで遮られた戯れ合いの続きをするかのように、僕を後ろから抱きしめる。
彼の熱い吐息、纏わりつく腕、触れる体、熱風のように舞い上がる欲求に負けそうで、全てを委ねたくなる、
のを我慢して、
「待って!!!」
僕は大きな声で彼を制すると、ガバッと起き上がり、キッチンのほうへ足を運んだ。
またしても、イチャイチャを断ち切られた彼は、やや不満げな顔で、寝転んだまま手を頭の後ろで組むと、
「何だよ…せっかく帰ってきたのに…」
と、ボソッと小声で呟いた。
そんな彼の目の前に、僕はサッと小さな箱を差し出した。
「少し遅れたけど…ハッピーバレンタイン!」
大事そうに両手で包み込むように抱えた、ゴールドのリボンに真っ赤な箱。
「……」
彼は、無言のまま、大きく目を見開き、その箱を凝視すると、ムクっと体を起こした。
「俺に…?」
ちょこんと彼の隣に座っている僕は苦笑しながら、
「他に誰に渡すんだよ」
「だよな…」
と、彼は、自分の言った言葉に笑いながら、照れたように鼻を指で擦る。
僕は、少し節目がちに下を向き、
「ほんとは、14日に渡したかったんだけど…」
時計の針は、すでに午前0時を回って、1時に近かった。
すると、彼は、僕の口を指で塞ぎ、首を横に振った。
「大丈夫…俺の時計は、まだ2月14日の25時だから」
(えっ?)
彼の大きく包み込むような、綿飴のような、甘く柔らかな優しさに、僕は心を大きく揺さぶられ、泣きそうになる。
彼は、僕の頬を撫でながら、
「ありがと…今日は、ほんとお前からいっぱい愛情もらったな…」
その言葉に、僕は胸がキュンとなった。
「開けてみて」
彼はゆっくりリボンを解き、赤い蓋を持ち上げた。
中には、ココアパウダーで包まれた、まあるいトリュフチョコレートが不揃いな大きさで並んでいた。
僕は、少し申し訳なさげに言った。
「ご、ごめんね…お菓子も作ったことなくて、ちょっと形がいびつだけど、味は大丈夫だから…」
すると、彼は驚いて尋ねた。
「えっ?これも手作りなの???」
「うん、頑張って作った」
彼は、僕の肩を抱きしめて、小声で囁く。
「マジ、嬉しい…ほんとにありがとな」
そう言うと、チョコを1つ摘み、口に放り込んだ。
「…うん…甘いっ!」
「当たり前だよ!チョコレートなんだからー!」
お互い、顔を見合わせてアハハ…と笑い転げると、僕は、彼の胸に飛び込んだ。
「帰ってきてくれてありがと…」
彼の手が、僕の顎を持ち上げると、
「実は、俺の方がお前に会いたかったりして…」
そして、彼の唇が僕の唇に重なり合う。
「愛してるよ」
彼は、僕の唇を甘噛みしながら、背中に手を回すと、グッと引き寄せ、さらに強く唇を押し当てる。
彼の伸ばした舌先が僕の唇に触れると、僕は迎え入れるように唇をゆっくり開く。
彼の舌は、僕の舌を探り当てるように捻りながら入り込み、口の中で僕の舌と重なり合った途端、激しく絡み付いた。
まるで、まとわりつき戯れ合う猫のしっぽのように絡まり合う舌と舌。
蒸せるような、ねっとりと濃厚なチョコの甘さが口いっぱいに広がる。
その濃密な甘さが、甘美で夢のように痺れ、僕の全身を駆け巡ると、熱にのぼせ上がったように体が火照る。
「…んぐっ…」
頬張るように、彼は大きく口を開け、僕の唇に吸い付たり、顎をハフッと甘噛みしたり。
そのまま、甘い舌を僕の喉に這わせ、熱い吐息を吹きかけながら、ゆっくり舐め上げる。
「…ぁあっ、ぅう…んん」
僕は、思わず嗚咽が漏れ、下半身に熱い血流が流れ込む。
むさぼるように動く舌に合わせ、彼の手が僕の背中、腰、お尻を撫で回す。
その手は、お尻をくすぐるように撫でるかと思えば、急に荒々しく鷲掴みする。
彼は、ペロッと自分の舌で唇を舐めると、
「なぁ、バレンタインだから、もう1つおねだりしていい?」
「えっ?」
「朝まで、お前を味わ…ぃ…」
言いかける彼の口を、僕はキスで塞ぎいだ。
そして、
「今日は、僕がとろけさせてあげる…」
僕は、彼に跨り、覆いかぶさると、2人は、重なるように崩れ落ちた。
The End.
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