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25時のバレンタイン・キス ④-1 〜遅れたバレンタイン〜
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あれから、どれくらい時間がたったのだろう。
目を開けると、辺りは真っ暗になっていた。
「あれ?…僕寝ちゃってた?」
暗闇の部屋の中、起きたばかりの僕は、まだはっきりとしない意識の中、ゆっくり手探りで照明をつける。
シーンと静まり返った室内。
「本当に帰ってこない…今日はもう…無理だよな…」
ポツンと1人、部屋に立ち尽くす。
キッチンには、すっかり冷めた鍋いっぱいのカレーと、炊き上がって保温状態のご飯。
ふらぁ~とキッチンに立ち、お鍋の蓋を開けてみても、
「お昼から何も食べてないのに、なんかお腹へらないや…」
僕は、また蓋を閉めて、そのままシャワーへ向かった。
僕は、熱いシャワーで冷え切った体を温める。
顔を上に向けたまま、噴き出るお湯を浴び続ける。
(何も考えたくない…チョコ…もう自分で食べちゃおうかな?…でも…明日渡せばいい?)
背中を向け、うなじにも熱いシャワーを浴びせかけると、じんわりと体が火照り、しなやかな肌がピンク色に染まる。
(大阪はこっちよりあったかいのかな?彼、着がえどうしたんだろ?下着とかコンビニで買ったのかな…)
ハッと我に返り、両手で顔を覆い隠す僕。
「だめだ…何をしても彼のこと考えてしまう!」
結局、好きな人を思い悩む自分を認めるしかなくて、1つ深い深呼吸をすると、迷いを払ったように顔を上げ、前を見据えた。
「明日、1日遅れのバレンタインを2人でしよう…そうとなったら早速彼に連絡しなくちゃ」
シャワーを終えて、僕はスマホを握り閉めると、彼に連絡を取ってみる。
トゥルルル、トゥルルル、トゥルルル…。
鳴り続けるコール音。
「疲れてもう寝たのかな?」
再度、かけ直してみても、繋がらない彼の電話。
「仕方ない…メッセージだけでも送っておこう」
慣れた手つきで、彼の連絡先をスマホの画面に表示させると、指をなめらかに滑らせた。
《明日、会える?戻ったら会いたいから、こっちに来てほしい》
シュッと飛ぶように送られたメッセージ。
表示される送信済のままの文字。
なかなか既読に変わらない。
ムクッと頭をもたげる不安を振り払う。
「まあいいや、また明日電話してみよう」
僕はスマホをテーブルに置き、テレビをつけた。
時刻は、もうすぐ24時になろうとしていた。
深夜のお笑い番組を見ながら、僕は濡れた髪をドライヤーで乾かす。
ヴォォォーッと唸る音で、テレビの音声がかき消される。
まるで、無声映画を観ているように、テレビ画面の中の映像を眺めながら、僕は髪を乾かし続けた。
夕方から少し眠ったせいか?なかなか眠気がこない僕。
ドライヤーの熱風に喉が渇いたので、冷蔵庫から取り出した冷えたレモネードをグラスに入れる。
一口、喉を潤すと、また、髪を乾かし始める。
ヴォォォ……。
その時、小さく何かの音が聞こえた。
僕は、?と不思議に思い、ドライヤーを止めた。
「ただいま」
(え?)
その声に、後ろを振り返ると、部屋の入口に彼が立っていた。
「…え?…なんで?」
微笑みながら立つ彼の姿に、僕は幻でも見てるのか?驚きのあまり目を見開いたまま、言葉が続かない。
(錯覚?夢?いや、眠くないし!)
呆然とする僕に、彼は重そうなビジネスバッグを床にドサッと置き、よれ気味のスーツのジャケットを脱ぐと、
「疲れたぁーーー!!!ほんと参ったよ今日は!マジ、昨日からツイてない!!!」
と、大きな声で張り上げながら、ドカッと僕の横に座った。
「おかえりの言葉はないの?」
僕の頬を包み込むように手で掴む彼。
「え?なんで?どうして?どうやって帰れたの?」
不思議そうに尋ねる僕に、彼は、
「あれから大変でさぁ~、取引先の人に事情説明して、頼み込んで、名古屋方面行きの別の電車の駅まで送ってもらってさぁー」
ふぅーと大きく息をついて、緩めたネクタイを外し、続けて話す。
「それで名古屋まで出て、新幹線に飛び乗って帰ってきたってわけ」
と、言って、僕のおでこに自分のおでこをすりよせる。
「ただいま」
「おかえり」
会いたくて、恋しくて恋しくて、待ち焦がれた彼の顔が目の前にある。
僕は嬉しくて、彼に抱きついた。
「無理しなくてよかったのに…」
心とは裏腹な言葉が口から滑る。
もちろん彼は、そんなことは充分理解していると言いたげに、
「それ本心?会いたくて、死にそうな声出してたじゃん」
恥ずかしさに顔を背ける僕は、思わずつぶやいた。
「そんな…!…こと…ないわけでもなくて…ある…」
「???」
笑いながら、僕の顔を覗き込む彼。
「うそ、ほんとはすごく…すごく会いたかった…」
僕は、素直な気持ちを言葉にした。
「だと思った…だから、絶対帰ってこようと思った」
彼は、穏やかな表情をうかべ、僕の頭をなでた。
「ありがと…」
彼の胸に顔を埋め、抱きしめた瞬間、
ぐぅぅぅ~~~
と、僕のお腹が鳴った。
さっきまで1人の寂しさから、何も感じなかった僕の体は、彼の顔を見た途端、安心したのか?お腹の虫が目覚めたか?急にお腹が減ってきた。
「お前、何も食べてないの?」
「うん、さっきまでなんか食べたくなくて、でも君の顔を見たら、急にお腹へってきた」
笑顔で話す僕。
「俺も何も食べてないんだ、食べに行くって言ってもこんな時間でどこも開いてないし、何かコンビニに買いに行くか?」
立ち上がろうとする彼の手を掴み、僕は、彼をキッチンまで引っ張った。
そして、コンロの上の鍋の蓋を開け、彼に指さした。
「疲れてるだろうから、部屋で食べれるように作ったんだ」
「ほんとに?」
驚いて鍋を覗き込む彼。
「今すぐ温め直すよ、待ってて」
と、僕はコンロのスイッチを入れると、冷えて少し固くなっカレーを混ぜ始めた。
彼は、僕の横に立ち、
「へぇ~、作ってくれたんだ」
そして、後ろから腰に手を回し、顎をちょこんと僕の肩に乗せた。
「初めてだね、俺になんか作ってくれたの」
回した手をギュッと力強く抱きしめる彼。
僕は、顔を赤らめ、照れながら、
「うん、疲れて帰ってくると思ったから、家でゆっくり食べれてたほうがいいかな?って思って…一応上手くできた方だと思うけど、口に合わなかったらごめんね」
焦げ付かないように、ぐるぐる手際よくかき回す。
「なんで謝んの?お前のその気持ちが嬉しいんだよ」
と、ありがと…と小さく耳元で囁く彼。
僕は、込み上げる嬉しさを胸に抱きながら、出来るだけ平然と普段通りに振る舞う。
(まだ、まだだ…ご飯食べて、それから、チョコを渡すまで…)
なかなか僕から離れようとせず、後ろから抱きしめたまま、うなじに唇を這わす彼を、ちょっと待ってと牽制しつつ、温め終わったカレーを皿に盛り付ける。
「カレー運ぶの手伝って、冷めないうちに早く食べよう」
彼はイチャつきを制されて、物足りなさ感をもろに顔に出す。
それでも僕は、首を横に振ると、
「わかったー」
と、2つのお皿を両手に持つと、彼は、湯気が立ちのぼるカレー皿に鼻をクンクンさせる。
「うまそー!俺、お昼から何にも食ってないから、腹ペコなんだよね」
「ほんと?よかったぁ~」
僕は、お茶やサラダをトレイに乗せて、彼の後を追うように運ぶ。
テーブルに並べられた食事を囲み、僕と彼は両手を合わせた。
「いただきますっ!!!」
彼は、スプーンを持つと、こんもりとカレーライスをすくい、大きな口を開けて、一口でぱくつく。
「うん!うまいっ!」
と、一口、また一口と、カレーを頬張る。
「ほんとに美味しい?」
口をモゴモゴさせながら、彼が嬉しそうに答えた。
「マジでうまいよ!初めて作ったとは思えないくらい、もしかして、俺より料理の才能あるんじゃない?」
と、もう半分くらいのカレーライスが減っていた。
「おかわりたくさんあるからね」
「うん、ありがと」
がっつくように食べる彼を見ながら、僕は、
「そんなに美味しいんなら…僕もっともっと料理覚えて、たくさんレパートリー増やすよ」
と、スプーンを口にあてがいながら、嬉しくて頬を染める。
「無理しなくても、少しずつでいいよ」
と、話す彼がスッとお皿を差し出して催促する。
「おかわり」
お米一粒残さずに、綺麗に平らげたお皿を見て、僕は思わず驚いた。
「もう食べたの???」
ニコッと笑いながら、彼はスプーンをペロッと舐めて、
「美味かったし、それにカレーは俺にとって飲み物だから」
飲み物って…とクスッと笑い、僕は急いでおかわりのカレーを盛り付ける。
「ちゃんとよく噛んで食べなよ」
と、言う僕の言葉を聞く前に、彼はもうカレーを胃袋に流し込んでいた。
「お前も冷める前に早く食べな」
「うん!」
目を開けると、辺りは真っ暗になっていた。
「あれ?…僕寝ちゃってた?」
暗闇の部屋の中、起きたばかりの僕は、まだはっきりとしない意識の中、ゆっくり手探りで照明をつける。
シーンと静まり返った室内。
「本当に帰ってこない…今日はもう…無理だよな…」
ポツンと1人、部屋に立ち尽くす。
キッチンには、すっかり冷めた鍋いっぱいのカレーと、炊き上がって保温状態のご飯。
ふらぁ~とキッチンに立ち、お鍋の蓋を開けてみても、
「お昼から何も食べてないのに、なんかお腹へらないや…」
僕は、また蓋を閉めて、そのままシャワーへ向かった。
僕は、熱いシャワーで冷え切った体を温める。
顔を上に向けたまま、噴き出るお湯を浴び続ける。
(何も考えたくない…チョコ…もう自分で食べちゃおうかな?…でも…明日渡せばいい?)
背中を向け、うなじにも熱いシャワーを浴びせかけると、じんわりと体が火照り、しなやかな肌がピンク色に染まる。
(大阪はこっちよりあったかいのかな?彼、着がえどうしたんだろ?下着とかコンビニで買ったのかな…)
ハッと我に返り、両手で顔を覆い隠す僕。
「だめだ…何をしても彼のこと考えてしまう!」
結局、好きな人を思い悩む自分を認めるしかなくて、1つ深い深呼吸をすると、迷いを払ったように顔を上げ、前を見据えた。
「明日、1日遅れのバレンタインを2人でしよう…そうとなったら早速彼に連絡しなくちゃ」
シャワーを終えて、僕はスマホを握り閉めると、彼に連絡を取ってみる。
トゥルルル、トゥルルル、トゥルルル…。
鳴り続けるコール音。
「疲れてもう寝たのかな?」
再度、かけ直してみても、繋がらない彼の電話。
「仕方ない…メッセージだけでも送っておこう」
慣れた手つきで、彼の連絡先をスマホの画面に表示させると、指をなめらかに滑らせた。
《明日、会える?戻ったら会いたいから、こっちに来てほしい》
シュッと飛ぶように送られたメッセージ。
表示される送信済のままの文字。
なかなか既読に変わらない。
ムクッと頭をもたげる不安を振り払う。
「まあいいや、また明日電話してみよう」
僕はスマホをテーブルに置き、テレビをつけた。
時刻は、もうすぐ24時になろうとしていた。
深夜のお笑い番組を見ながら、僕は濡れた髪をドライヤーで乾かす。
ヴォォォーッと唸る音で、テレビの音声がかき消される。
まるで、無声映画を観ているように、テレビ画面の中の映像を眺めながら、僕は髪を乾かし続けた。
夕方から少し眠ったせいか?なかなか眠気がこない僕。
ドライヤーの熱風に喉が渇いたので、冷蔵庫から取り出した冷えたレモネードをグラスに入れる。
一口、喉を潤すと、また、髪を乾かし始める。
ヴォォォ……。
その時、小さく何かの音が聞こえた。
僕は、?と不思議に思い、ドライヤーを止めた。
「ただいま」
(え?)
その声に、後ろを振り返ると、部屋の入口に彼が立っていた。
「…え?…なんで?」
微笑みながら立つ彼の姿に、僕は幻でも見てるのか?驚きのあまり目を見開いたまま、言葉が続かない。
(錯覚?夢?いや、眠くないし!)
呆然とする僕に、彼は重そうなビジネスバッグを床にドサッと置き、よれ気味のスーツのジャケットを脱ぐと、
「疲れたぁーーー!!!ほんと参ったよ今日は!マジ、昨日からツイてない!!!」
と、大きな声で張り上げながら、ドカッと僕の横に座った。
「おかえりの言葉はないの?」
僕の頬を包み込むように手で掴む彼。
「え?なんで?どうして?どうやって帰れたの?」
不思議そうに尋ねる僕に、彼は、
「あれから大変でさぁ~、取引先の人に事情説明して、頼み込んで、名古屋方面行きの別の電車の駅まで送ってもらってさぁー」
ふぅーと大きく息をついて、緩めたネクタイを外し、続けて話す。
「それで名古屋まで出て、新幹線に飛び乗って帰ってきたってわけ」
と、言って、僕のおでこに自分のおでこをすりよせる。
「ただいま」
「おかえり」
会いたくて、恋しくて恋しくて、待ち焦がれた彼の顔が目の前にある。
僕は嬉しくて、彼に抱きついた。
「無理しなくてよかったのに…」
心とは裏腹な言葉が口から滑る。
もちろん彼は、そんなことは充分理解していると言いたげに、
「それ本心?会いたくて、死にそうな声出してたじゃん」
恥ずかしさに顔を背ける僕は、思わずつぶやいた。
「そんな…!…こと…ないわけでもなくて…ある…」
「???」
笑いながら、僕の顔を覗き込む彼。
「うそ、ほんとはすごく…すごく会いたかった…」
僕は、素直な気持ちを言葉にした。
「だと思った…だから、絶対帰ってこようと思った」
彼は、穏やかな表情をうかべ、僕の頭をなでた。
「ありがと…」
彼の胸に顔を埋め、抱きしめた瞬間、
ぐぅぅぅ~~~
と、僕のお腹が鳴った。
さっきまで1人の寂しさから、何も感じなかった僕の体は、彼の顔を見た途端、安心したのか?お腹の虫が目覚めたか?急にお腹が減ってきた。
「お前、何も食べてないの?」
「うん、さっきまでなんか食べたくなくて、でも君の顔を見たら、急にお腹へってきた」
笑顔で話す僕。
「俺も何も食べてないんだ、食べに行くって言ってもこんな時間でどこも開いてないし、何かコンビニに買いに行くか?」
立ち上がろうとする彼の手を掴み、僕は、彼をキッチンまで引っ張った。
そして、コンロの上の鍋の蓋を開け、彼に指さした。
「疲れてるだろうから、部屋で食べれるように作ったんだ」
「ほんとに?」
驚いて鍋を覗き込む彼。
「今すぐ温め直すよ、待ってて」
と、僕はコンロのスイッチを入れると、冷えて少し固くなっカレーを混ぜ始めた。
彼は、僕の横に立ち、
「へぇ~、作ってくれたんだ」
そして、後ろから腰に手を回し、顎をちょこんと僕の肩に乗せた。
「初めてだね、俺になんか作ってくれたの」
回した手をギュッと力強く抱きしめる彼。
僕は、顔を赤らめ、照れながら、
「うん、疲れて帰ってくると思ったから、家でゆっくり食べれてたほうがいいかな?って思って…一応上手くできた方だと思うけど、口に合わなかったらごめんね」
焦げ付かないように、ぐるぐる手際よくかき回す。
「なんで謝んの?お前のその気持ちが嬉しいんだよ」
と、ありがと…と小さく耳元で囁く彼。
僕は、込み上げる嬉しさを胸に抱きながら、出来るだけ平然と普段通りに振る舞う。
(まだ、まだだ…ご飯食べて、それから、チョコを渡すまで…)
なかなか僕から離れようとせず、後ろから抱きしめたまま、うなじに唇を這わす彼を、ちょっと待ってと牽制しつつ、温め終わったカレーを皿に盛り付ける。
「カレー運ぶの手伝って、冷めないうちに早く食べよう」
彼はイチャつきを制されて、物足りなさ感をもろに顔に出す。
それでも僕は、首を横に振ると、
「わかったー」
と、2つのお皿を両手に持つと、彼は、湯気が立ちのぼるカレー皿に鼻をクンクンさせる。
「うまそー!俺、お昼から何にも食ってないから、腹ペコなんだよね」
「ほんと?よかったぁ~」
僕は、お茶やサラダをトレイに乗せて、彼の後を追うように運ぶ。
テーブルに並べられた食事を囲み、僕と彼は両手を合わせた。
「いただきますっ!!!」
彼は、スプーンを持つと、こんもりとカレーライスをすくい、大きな口を開けて、一口でぱくつく。
「うん!うまいっ!」
と、一口、また一口と、カレーを頬張る。
「ほんとに美味しい?」
口をモゴモゴさせながら、彼が嬉しそうに答えた。
「マジでうまいよ!初めて作ったとは思えないくらい、もしかして、俺より料理の才能あるんじゃない?」
と、もう半分くらいのカレーライスが減っていた。
「おかわりたくさんあるからね」
「うん、ありがと」
がっつくように食べる彼を見ながら、僕は、
「そんなに美味しいんなら…僕もっともっと料理覚えて、たくさんレパートリー増やすよ」
と、スプーンを口にあてがいながら、嬉しくて頬を染める。
「無理しなくても、少しずつでいいよ」
と、話す彼がスッとお皿を差し出して催促する。
「おかわり」
お米一粒残さずに、綺麗に平らげたお皿を見て、僕は思わず驚いた。
「もう食べたの???」
ニコッと笑いながら、彼はスプーンをペロッと舐めて、
「美味かったし、それにカレーは俺にとって飲み物だから」
飲み物って…とクスッと笑い、僕は急いでおかわりのカレーを盛り付ける。
「ちゃんとよく噛んで食べなよ」
と、言う僕の言葉を聞く前に、彼はもうカレーを胃袋に流し込んでいた。
「お前も冷める前に早く食べな」
「うん!」
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