19 / 23
第一章 見習い聖女編
第十九話 王子の事情
しおりを挟む
エレーナは謁見の間から、別の広い部屋へと移動した。
広いとはいえ、何十人も入るほどではないため、入室する人数は制限された。
エレーナ側は五人
エレーナ、
シスター・クレア、
グリッセン、
サイモン教皇、
ドルーズ騎士団長。
王家側も五人
エドワード国王、
マリアンヌ王妃、
シリウス第一王子、
フィリップ第二王子、
それに大柄の騎士が一名。
マゼラン大司教もこの場にいるのだが、彼はエレーナ側とも王族側とも言えない位置に立っている。
彼はどちらの陣営なのだろうか。
エレーナ側の椅子は二つ用意してあった。
左の椅子にエレーナ、右にサイモン教皇が座る。
エレーナの左にグリッセン、椅子の真ん中にドルーズ騎士団長、そしてサイモン教皇の右にシスター・クレアが立っている。
王家陣営は、騎士以外の四人全員が座っている。
「ふん、久しいな、ドルーズよ」
相手側の騎士がドルーズ騎士団長に話しかけた。
「おお。騎士団対抗の親善試合ぶりであるな、ブラッドリーよ。息災であったか?」
ドルーズが嬉しそうに応えた。
相手の騎士はブラッドリーというのか。
「ククク、親善試合か。なつかしいな。俺様の足元に這いつくばる貴様の顔が今でも鮮明に思い浮かぶわ」
「うむ、あのときは我輩の完敗であった。だが次はそうはいかぬぞ?」
(え? ドルーズが負けたの? 聖女の加護をバッチバチに常備した聖騎士スーパーグリッセンと互角に渡りあう剛腕の騎士が?)
とはいえ、本人は負けたことを悔しいと思っていない風で、なぜかドルーズよりもブラッドリーのほうが悔しそうな顔をしている。
「……貴様はいつもそうだ。いつも俺様の上を歩いてやがった。だが今は違う! 今では俺様のほうが上だ!」
「む? 勝負は時の運でもあるのだぞ? 前回勝ったからといって貴殿の方が上とは、ちと早計ではないか?」
「……試してみればわかる」
「これこれ、剣から手を離さぬか、ブラッドリー! 場をわきまえよ! 我輩に剣を抜かせるでない!」
「余裕ぶりやがって……。俺様がその気なら、そっちの者、全員をこの場で殺せるのだぞ? お前も含めてな」
聞き捨てならない発言だった。
まさかのエレーナ、生命の危機である。
――へ? 殺すの? 私達全員を? いったいなぜ?
頭に疑問符が浮かび上がったが、エレガントに対応することにした。
「ブラッドリー殿といいましたか。頭に血が上っているのかもしれませんが、あなたの発言が王家の指示であると捉えられることを理解していますか? ――国王陛下。護衛の者にこのような暴言を許すということは、王家がアストレア教に対し、明確な謀反の意思を持っていると判断せざるを得ませんが?」
「まさか。謀反の意思など王家にはありません。おい、ブラッドリー、控えぬか。余は勝手な行動を許した覚えはないぞ」
エドワード国王が形ばかりの叱責をした。
どうやら本気でたしなめる気はなさそうだ。
ブラッドリーの手は、まだ剣に置かれている。
(なんなの? まるで茶番のようなやり取りね。王家に対する印象を悪くして、王家側に何の利点があるというのかしら?)
「……わかりました。知り合いに会ってつい軽口を叩いてしまった、ということにしておきましょう。ですがブラッドリー殿、次はありませんよ?」
エレーナの言葉に、ブラッドリーがフンと鼻を鳴らし、剣から手を離した。
「グリッセン、あなたも落ち着きなさい」
左に立つグリッセンを見やると、剣の柄を握りしめ、今にも抜剣しそうだった。
「……はい。失礼しました、エレーナ様」
グリッセンが剣から手を離すと場の緊張が緩和し、エレーナは人知れず胸をなでおろした。
(話がぜんぜん進まないわ。私との婚姻が不満ならそう言ってくれればいいのに)
もしや婚姻を中止させようとしている?
婚約中止は願ったりなのだが、アストレア教会としては?
初代聖女様の言いつけを破ることになるのだが、どんなペナルティがあるのだろう?
「……それでは聖女様との婚約の儀を続けさせていただく。シリウス、聖女様にご挨拶を」
国王の強引な進行に、シリウス王子が嫌そうな顔でエレーナに目を向ける。
「……シリウス・クルーウェルだ」
「………………」
え?
終わり?
まさかこれで挨拶が終了したの?
うそでしょ?
「では聖女様のご挨拶を」
国王の発言に耳を疑う。
どうやらシリウス王子の挨拶は終わったらしい。
(いやいや。おかしいでしょ? こんな嫌そうなる相手と婚約なんてありえないから)
「……私の挨拶の前にお聞きしたいのですが、シリウス殿下はなにか思うところがあるのでしょうか? あるのならば、ぜひ聞かせていただきたいのですが? このままでは婚約の儀を中止せざるを得ません」
エレーナは当然の疑問をぶつけた。
「そうですな。ワシらアストレア教の役目は聖女様の安寧に他なりません。それには当然、婚姻後の生活も含まれておりますじゃ。なのに、シリウス王子からは聖女様に対する害意しか感じられませぬ。理由も聞かぬまま、我らが宝である聖女エレーナ様を結ばせると、本気で考えておるのか? それとも王よ、もしや聖女様との婚約を中止なさるつもりなのか?」
サイモン教皇がエレーナの援護をする。
「むぅ、中止は困るな。おい、シリウス、どうして聖女様にそのような態度をとるのか説明せよ」
意外にも王様は婚約に賛成らしい。
てっきり、反対なのかと思ったが。
かといって、エレーナとの婚約をどうしても成立させたいって感じでもない。
おそらく、聖女の力に疑問を持っているのだろう。
平民の小娘の血を王家に迎えたくはないが、教会を敵に回したくもないので仕方なく、といったところか。
「俺は……ずっと努力してきた」
ん? シリウス王子の自分語りが始まったか。ふんふん。努力してきたのね。とにかく続きを聞いてみよう。
「物心ついたときから、王になるべく育てられてきた。俺自身も王になることを望んだし、王になるための厳しい課題も死ぬ思いでこなしてきたんだ」
ふむふむ。見かけによらず努力家ってことか。まぁ自己申告だけど。
「王としての心構えを学び、剣の修業、国家運営のための勉強もずっとずっと頑張ってきた。それもこれも王になるためだ」
ああ、なるほどね、とエレーナは納得した。
ただの平民嫌いかと思ったら、違ったようだ。
シリウスは第一王子である。
王家の第一王子に生まれたのだから、王になるのは当然だ。
シリウス王子は立場にあぐらをかくことなく、努力を重ねてきたと。
なのに、聖女が生まれてしまった。
聖女との婚姻は、王位継承権の放棄を意味する。
つまり今までの努力がすべて無駄になったのだ。
エレーナが聖女として現れたから……。
シリウス王子の立場からしたら、おいそれと納得できるものではないだろう。
エレーナは王子に対し、申し訳ない気持ちになった。
狂犬だとか、残念王子だとか、心の中で罵倒したことも反省した。
彼には彼なりの事情があったのだ。
というわけで、偏見ゼロ&フラットな気持ちで続きを聞くことにした。
「なのに汚らわしい平民から聖女が生まれたという知らせがあった瞬間から、すべてが変わってしまった」
ん? ケガラワシイヘイミン?
「俺が優秀なばかりに、黒毛の猿と婚姻を結び、死ぬまで猿の世話をしなければならなくなったのだ」
ん? クロゲノサル?
「俺は生まれながらの王だ! 王となるべく生まれ、王となるべく生きてきた王の中の王だ! 俺の役割は平民猿の飼育係なんかじゃねぇんだよ1」
……ダメだこいつ。選民思想&平民差別主義に、どっぷり染まったどうしようもない人間だわ。
少し見直してしまったことを後悔しながら、となりを見ると。
グリッセンは怒りのあまり、ぎりぎりと歯を食いしばっていた。
サイモン教皇とシスター・クレアは、今まで見たこともないような表情をしている。
例えるなら、家族を惨殺した犯人が、目の前で眠りこけているのを発見したときの顔だ。
さすがドルーズ騎士団長は平常心……と思ったら、握りしめた拳からポタポタと血が落ちている。
表情が普段通りなのが、逆に恐ろしい。
あれ? もしや王子様ってば、大ピンチなのでは?
広いとはいえ、何十人も入るほどではないため、入室する人数は制限された。
エレーナ側は五人
エレーナ、
シスター・クレア、
グリッセン、
サイモン教皇、
ドルーズ騎士団長。
王家側も五人
エドワード国王、
マリアンヌ王妃、
シリウス第一王子、
フィリップ第二王子、
それに大柄の騎士が一名。
マゼラン大司教もこの場にいるのだが、彼はエレーナ側とも王族側とも言えない位置に立っている。
彼はどちらの陣営なのだろうか。
エレーナ側の椅子は二つ用意してあった。
左の椅子にエレーナ、右にサイモン教皇が座る。
エレーナの左にグリッセン、椅子の真ん中にドルーズ騎士団長、そしてサイモン教皇の右にシスター・クレアが立っている。
王家陣営は、騎士以外の四人全員が座っている。
「ふん、久しいな、ドルーズよ」
相手側の騎士がドルーズ騎士団長に話しかけた。
「おお。騎士団対抗の親善試合ぶりであるな、ブラッドリーよ。息災であったか?」
ドルーズが嬉しそうに応えた。
相手の騎士はブラッドリーというのか。
「ククク、親善試合か。なつかしいな。俺様の足元に這いつくばる貴様の顔が今でも鮮明に思い浮かぶわ」
「うむ、あのときは我輩の完敗であった。だが次はそうはいかぬぞ?」
(え? ドルーズが負けたの? 聖女の加護をバッチバチに常備した聖騎士スーパーグリッセンと互角に渡りあう剛腕の騎士が?)
とはいえ、本人は負けたことを悔しいと思っていない風で、なぜかドルーズよりもブラッドリーのほうが悔しそうな顔をしている。
「……貴様はいつもそうだ。いつも俺様の上を歩いてやがった。だが今は違う! 今では俺様のほうが上だ!」
「む? 勝負は時の運でもあるのだぞ? 前回勝ったからといって貴殿の方が上とは、ちと早計ではないか?」
「……試してみればわかる」
「これこれ、剣から手を離さぬか、ブラッドリー! 場をわきまえよ! 我輩に剣を抜かせるでない!」
「余裕ぶりやがって……。俺様がその気なら、そっちの者、全員をこの場で殺せるのだぞ? お前も含めてな」
聞き捨てならない発言だった。
まさかのエレーナ、生命の危機である。
――へ? 殺すの? 私達全員を? いったいなぜ?
頭に疑問符が浮かび上がったが、エレガントに対応することにした。
「ブラッドリー殿といいましたか。頭に血が上っているのかもしれませんが、あなたの発言が王家の指示であると捉えられることを理解していますか? ――国王陛下。護衛の者にこのような暴言を許すということは、王家がアストレア教に対し、明確な謀反の意思を持っていると判断せざるを得ませんが?」
「まさか。謀反の意思など王家にはありません。おい、ブラッドリー、控えぬか。余は勝手な行動を許した覚えはないぞ」
エドワード国王が形ばかりの叱責をした。
どうやら本気でたしなめる気はなさそうだ。
ブラッドリーの手は、まだ剣に置かれている。
(なんなの? まるで茶番のようなやり取りね。王家に対する印象を悪くして、王家側に何の利点があるというのかしら?)
「……わかりました。知り合いに会ってつい軽口を叩いてしまった、ということにしておきましょう。ですがブラッドリー殿、次はありませんよ?」
エレーナの言葉に、ブラッドリーがフンと鼻を鳴らし、剣から手を離した。
「グリッセン、あなたも落ち着きなさい」
左に立つグリッセンを見やると、剣の柄を握りしめ、今にも抜剣しそうだった。
「……はい。失礼しました、エレーナ様」
グリッセンが剣から手を離すと場の緊張が緩和し、エレーナは人知れず胸をなでおろした。
(話がぜんぜん進まないわ。私との婚姻が不満ならそう言ってくれればいいのに)
もしや婚姻を中止させようとしている?
婚約中止は願ったりなのだが、アストレア教会としては?
初代聖女様の言いつけを破ることになるのだが、どんなペナルティがあるのだろう?
「……それでは聖女様との婚約の儀を続けさせていただく。シリウス、聖女様にご挨拶を」
国王の強引な進行に、シリウス王子が嫌そうな顔でエレーナに目を向ける。
「……シリウス・クルーウェルだ」
「………………」
え?
終わり?
まさかこれで挨拶が終了したの?
うそでしょ?
「では聖女様のご挨拶を」
国王の発言に耳を疑う。
どうやらシリウス王子の挨拶は終わったらしい。
(いやいや。おかしいでしょ? こんな嫌そうなる相手と婚約なんてありえないから)
「……私の挨拶の前にお聞きしたいのですが、シリウス殿下はなにか思うところがあるのでしょうか? あるのならば、ぜひ聞かせていただきたいのですが? このままでは婚約の儀を中止せざるを得ません」
エレーナは当然の疑問をぶつけた。
「そうですな。ワシらアストレア教の役目は聖女様の安寧に他なりません。それには当然、婚姻後の生活も含まれておりますじゃ。なのに、シリウス王子からは聖女様に対する害意しか感じられませぬ。理由も聞かぬまま、我らが宝である聖女エレーナ様を結ばせると、本気で考えておるのか? それとも王よ、もしや聖女様との婚約を中止なさるつもりなのか?」
サイモン教皇がエレーナの援護をする。
「むぅ、中止は困るな。おい、シリウス、どうして聖女様にそのような態度をとるのか説明せよ」
意外にも王様は婚約に賛成らしい。
てっきり、反対なのかと思ったが。
かといって、エレーナとの婚約をどうしても成立させたいって感じでもない。
おそらく、聖女の力に疑問を持っているのだろう。
平民の小娘の血を王家に迎えたくはないが、教会を敵に回したくもないので仕方なく、といったところか。
「俺は……ずっと努力してきた」
ん? シリウス王子の自分語りが始まったか。ふんふん。努力してきたのね。とにかく続きを聞いてみよう。
「物心ついたときから、王になるべく育てられてきた。俺自身も王になることを望んだし、王になるための厳しい課題も死ぬ思いでこなしてきたんだ」
ふむふむ。見かけによらず努力家ってことか。まぁ自己申告だけど。
「王としての心構えを学び、剣の修業、国家運営のための勉強もずっとずっと頑張ってきた。それもこれも王になるためだ」
ああ、なるほどね、とエレーナは納得した。
ただの平民嫌いかと思ったら、違ったようだ。
シリウスは第一王子である。
王家の第一王子に生まれたのだから、王になるのは当然だ。
シリウス王子は立場にあぐらをかくことなく、努力を重ねてきたと。
なのに、聖女が生まれてしまった。
聖女との婚姻は、王位継承権の放棄を意味する。
つまり今までの努力がすべて無駄になったのだ。
エレーナが聖女として現れたから……。
シリウス王子の立場からしたら、おいそれと納得できるものではないだろう。
エレーナは王子に対し、申し訳ない気持ちになった。
狂犬だとか、残念王子だとか、心の中で罵倒したことも反省した。
彼には彼なりの事情があったのだ。
というわけで、偏見ゼロ&フラットな気持ちで続きを聞くことにした。
「なのに汚らわしい平民から聖女が生まれたという知らせがあった瞬間から、すべてが変わってしまった」
ん? ケガラワシイヘイミン?
「俺が優秀なばかりに、黒毛の猿と婚姻を結び、死ぬまで猿の世話をしなければならなくなったのだ」
ん? クロゲノサル?
「俺は生まれながらの王だ! 王となるべく生まれ、王となるべく生きてきた王の中の王だ! 俺の役割は平民猿の飼育係なんかじゃねぇんだよ1」
……ダメだこいつ。選民思想&平民差別主義に、どっぷり染まったどうしようもない人間だわ。
少し見直してしまったことを後悔しながら、となりを見ると。
グリッセンは怒りのあまり、ぎりぎりと歯を食いしばっていた。
サイモン教皇とシスター・クレアは、今まで見たこともないような表情をしている。
例えるなら、家族を惨殺した犯人が、目の前で眠りこけているのを発見したときの顔だ。
さすがドルーズ騎士団長は平常心……と思ったら、握りしめた拳からポタポタと血が落ちている。
表情が普段通りなのが、逆に恐ろしい。
あれ? もしや王子様ってば、大ピンチなのでは?
0
あなたにおすすめの小説
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
「君は有能すぎて可愛げがない」と婚約破棄されたので、一晩で全ての魔法結界を撤去して隣国へ行きます。あ、維持マニュアルは燃やしました。
しょくぱん
恋愛
「君の完璧主義には反吐が出る」――婚約者の第一王子にそう告げられ、国外追放を命じられた聖女エルゼ。彼女は微笑み、一晩で国中の魔法結界を撤去。さらに「素人でも直せる」と嘘を吐かれた維持マニュアルを全て焼却処分した。守護を失いパニックに陥る母国を背に、彼女は隣国の軍事帝国へ。そこでは、彼女の「可愛くない」技術を渇望する皇帝が待っていた。
宮廷から追放された聖女の回復魔法は最強でした。後から戻って来いと言われても今更遅いです
ダイナイ
ファンタジー
「お前が聖女だな、お前はいらないからクビだ」
宮廷に派遣されていた聖女メアリーは、お金の無駄だお前の代わりはいくらでもいるから、と宮廷を追放されてしまった。
聖国から王国に派遣されていた聖女は、この先どうしようか迷ってしまう。とりあえず、冒険者が集まる都市に行って仕事をしようと考えた。
しかし聖女は自分の回復魔法が異常であることを知らなかった。
冒険者都市に行った聖女は、自分の回復魔法が周囲に知られて大変なことになってしまう。
短編)どうぞ、勝手に滅んでください。
黑野羊
恋愛
二度も捨てられた聖女です。真実の愛を見つけたので、国は救いません。
あらすじ)
大陸中央にあるルオーゴ王国で、国を守る結界を維持してきた聖女ロザリア。
政略のため王太子と婚約していた彼女は、突如『真の聖女』が現れたとして婚約を破棄され、聖女の座を追われてしまう。さらに、代わりに婚姻しろと命じられた聖騎士からも拒絶され、実家にも見捨てられたロザリアは、『最果ての修道院』へと追放された。
けれど彼女はそこで、地位や栄光、贅沢などとはほど遠い、無条件に寄り添ってくれる『真実の愛』と穏やかな日々を手にいれる。
やがて聖女を失った王国は、崩壊へ向かっていき――。
ーーー
※カクヨム、なろうにも掲載しています
私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜
AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。
そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。
さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。
しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。
それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。
だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。
そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。
※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。
聖女の力を隠して塩対応していたら追放されたので冒険者になろうと思います
登龍乃月
ファンタジー
「フィリア! お前のような卑怯な女はいらん! 即刻国から出てゆくがいい!」
「え? いいんですか?」
聖女候補の一人である私、フィリアは王国の皇太子の嫁候補の一人でもあった。
聖女となった者が皇太子の妻となる。
そんな話が持ち上がり、私が嫁兼聖女候補に入ったと知らされた時は絶望だった。
皇太子はデブだし臭いし歯磨きもしない見てくれ最悪のニキビ顔、性格は傲慢でわがまま厚顔無恥の最悪を極める、そのくせプライド高いナルシスト。
私の一番嫌いなタイプだった。
ある日聖女の力に目覚めてしまった私、しかし皇太子の嫁になるなんて死んでも嫌だったので一生懸命その力を隠し、皇太子から嫌われるよう塩対応を続けていた。
そんなある日、冤罪をかけられた私はなんと国外追放。
やった!
これで最悪な責務から解放された!
隣の国に流れ着いた私はたまたま出会った冒険者バルトにスカウトされ、冒険者として新たな人生のスタートを切る事になった。
そして真の聖女たるフィリアが消えたことにより、彼女が無自覚に張っていた退魔の結界が消え、皇太子や城に様々な災厄が降りかかっていくのであった。
2025/9/29
追記開始しました。毎日更新は難しいですが気長にお待ちください。
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
私が聖女であることが、どれほど重要なことか。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。
前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。
聖女を追い出しても平気だと思っていた国の末路
藤原遊
ファンタジー
聖女が国を去った日、神官長は分かっていた。
この国は、彼女を軽く扱いすぎたのだと。
「聖女がいなくても平気だ」
そう言い切った王子と人々は、
彼女が“何もしていない”まま国が崩れていく現実を、
やがて思い知ることになる。
――これは、聖女を追い出した国の末路を、
静かに見届けた者の記録。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる