現実世界にワシらの居場所は無い

伸蔵

文字の大きさ
5 / 9
異世界突入編

冒険×冒険

しおりを挟む
ここは俺達3人が異世界へ飛ばされた最初の街イグリハナン、この門を一歩でも出れば、どんなモンスターが出てくるか分からない。期待と不安に胸を膨らませ、初戦へ望む。
怖さは無い。
現実世界の時から圧倒的な戦力を誇る仲間が両隣りにいるからだ。

右手5m前方にはリザードマンに転生したヒロが、Level1の平均値がどの項目も10程度らしい世界で丸腰の78を持つ男だ。現在Level13で、結構ゴツめの
黒鉄両刃斧  +32
を両手に持つ事で倍攻撃力を上乗せし、総火力188まで到達している。

左手3m後ろにはダークエルフに転生したシンがいる。
こちらは圧倒的な俊敏性78を持っており、最前線のヒロの所まで、ひと蹴りで到達する。
攻撃力も高目で、
ブロンズナイフ  +18
短弓  +17
を装備し、総火力112に到達。
両方見事に使いこなせるらしい。

俺は防御力、体力、精神力に秀でている様だ。
何も装備しなければそれぞれ、
25、23、22と平均値の2倍を超えている。にも関わらず、体力はヒロの方が高く、精神力はシンも同じだけある。
まあ、俺にしては上出来なのだろう。

しばらくだだっ広い草原地帯を進んでいると初めての敵と遭遇した。
骸骨人形が集団で動いている。
ここら辺にいるモンスターの中では最強クラス難敵のはずだ。

早速ヒロが粉砕し始めている中、シンが解説してくれる。

「あれは見たまんまスケルトンじゃなぁ。1番奥の奴だけ剣持っとるじゃろう?あいつがリーダーじゃ、雑魚はヒロが全部片付けるじゃろうけぇ、お前はあいつを狙いんさい。アイアンハンマーで一発じゃ。俺の武器はあいつらとは相性が悪いけぇ、牽制しょうるわ。」

そう言った直後、ヒロの後ろに位置するスケルトンに飛び蹴りをかましていた。 
装備はありがたいけど、初陣でリーダーとやらせんなよなぁ、と思いつつ盾を信じて目標に向かう。

ヒロやシンは全く動じていない様だが、近くで見ると勝手に動く骸骨など気持ち悪いし、かなり怖い。
しかも銅製らしき剣をガタガタ震えながら持っている。
ヤバい、怖過ぎる。
とは言うものの作戦通りにやればイケるはずだ。
まず、最初の一打は相手にやらせる。
俺ではまだ先手必勝が際どい可能性が高く、盾の使い方も慣れなくてはならないからだ。
なかなか怖いが剣撃を受ける。
盾で滑った剣先が身体に触れて怪我をしない様に軌道に気を付けながら、出来ればそのまま相手がのけぞる様に弾きたい。
タイミングは大丈夫、後は俺の力で押し返せるかだが、一気に体重を乗せて押し切る。

思ってたより全然軽い、さすが骨。
と言うか今は185cmの身長とウェザール特有のガッチリした体型のお陰で俺のイメージより頑丈なのだろう。

そのまま、ハンマーで頭蓋骨頭頂部から真っ直ぐ叩き潰す。
多少のブレはあるものの頸椎や肋骨を砕きながら腰骨あたりまで振り抜けた。

モンスターの生死の境は姿が淡い光となって散るかどうかによる様だ。
動けなくなろうが散らなければまだ生きているのだろう。
スケルトンリーダーは淡い光となって散り、ドロップアイテムであろう綺麗な骨と金貨が現れた。

気付けば13体いた骸骨の大集団が無くなっており、ヒロが粉砕した残骸をシンが丁寧に確認している。
生死の確認しながらドロップアイテムを集めている様だ。

「いやぁ、最高じゃったのう。」

「お前はええのぅ。骨粉々にしながら暴れまわって気持ち良さそうじゃったわ。
俺もパワー系の種族にすりゃ良かったかなぁ。」

「いやいや、パーティーには色んなんがおった方がええんじゃ。魔獣系のモンスターにはお前の方が向いとろぅ。リョウも上手いことやっとったじゃん。」

「俺、思っとったより強いわ。」

「そうか、そうか。そりゃ頼もしいわ。」

「やっぱり異人相手より、モンスター相手がええのぅ。気兼ねせんでええわ。殺した感触が人はあんまりええもんじゃないけぇなぁ。」

??  !!

こいつ、すでに何人かの異人を殺しとるんか?


いや、こいつらならありえる。
と言うか、間違いなくやっとる。
あえて聞くのはよそう。
そう考えていると、シンがそれを察したのか

「異人どうしのやり合いは試合扱いになるらしくて、殺す言うても決着がつきゃあすぐに最寄りの転生陣のある所に飛ばされるみたいで。一回どうなるんか試しとうて、殺しにかかったら瞬間移動したみたいに消えてしもうた。じゃけぇ街の人に聞いたらそうらしいって言うとったで。それからヒロみたいに半殺し状態で身包みはぎ始めたんよ。」

「そうですか。探究心がお強いですね。」

「まあ、まあ、そのおかげで、ワシらの装備はええ感じになっとるんじゃ。それに異人どうしは片方が拒否すりゃあ、戦闘行為は出来ん。ワシらが色々試したおかげで、お前1人なら何年たっても分からんような事を実験により検証しちゃっとんじゃ。もうちょっとシンとワシに感謝せぇ。」

確かにそうかもしれない。
本当にヒロとシンの行動力には驚かされる。それから俺らはここら辺に出没するモンスターを狩りまくり、全員Level10を超える経験値を積んだ。
Levelによるステータス向上もそうだが、実戦での身体の使い方・パーティーとしての連携に磨きがかかり、ここらでは負ける気がしなくなってきた。

今夜は宿でドロップアイテムの確認をして、明日は早速ジョブにつきに行こう。

ヒロLevel18 
シンLevel16
リョウLevel11
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持

空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。 その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。 ※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。 ※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから

渡里あずま
ファンタジー
安藤舞は、専業主婦である。ちなみに現在、三十二歳だ。 朝、夫と幼稚園児の子供を見送り、さて掃除と洗濯をしようとしたところで――気づけば、石造りの知らない部屋で座り込んでいた。そして映画で見たような古めかしいコスプレをした、外国人集団に囲まれていた。 「我々が召喚したかったのは、そちらの世界での『学者』や『医者』だ。それを『主婦』だと!? そんなごく潰しが、聖女になどなれるものか! 役立たずなどいらんっ」 「いや、理不尽!」 初対面の見た目だけ美青年に暴言を吐かれ、舞はそのまま無一文で追い出されてしまう。腹を立てながらも、舞は何としても元の世界に戻ることを決意する。 「主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから」 ※※※ 専業主婦の舞が、主婦力・大人力を駆使して元の世界に戻ろうとする話です(ざまぁあり) ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

聖女を追放した国は、私が祈らなくなった理由を最後まで知りませんでした

藤原遊
ファンタジー
この国では、人の悪意や欲望、嘘が積み重なると 土地を蝕む邪気となって現れる。 それを祈りによって浄化してきたのが、聖女である私だった。 派手な奇跡は起こらない。 けれど、私が祈るたびに国は荒廃を免れてきた。 ――その役目を、誰一人として理解しないまま。 奇跡が少なくなった。 役に立たない聖女はいらない。 そう言われ、私は静かに国を追放された。 もう、祈る理由はない。 邪気を生み出す原因に目を向けず、 後始末だけを押し付ける国を守る理由も。 聖女がいなくなった国で、 少しずつ異変が起こり始める。 けれど彼らは、最後まで気づかなかった。 私がなぜ祈らなくなったのかを。

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

処理中です...