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番外編
ファースト•バレンタインデー2
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そんなわけで迎えたバレンタインデー当日。
(有名ショコラティエのチョコレートって本当にお高いんだなぁ)
ようやくゲット出来たショコラアソートを目の前にした朝香は溜め息を一つ吐く。自分の給料に対し買えないわけではない価格ではあるものの、なかなかの買い物になった。
(まぁ年に一回の大イベントだし、りょーくんの喜ぶ笑顔はプライスレスだもんねっ♪♪♪)
朝香はチョコレートを揺らさないよう気をつけながら亮輔の待つマンションへと帰宅する。
「りょーくんただいま!!」
真冬の寒さを全く感じないくらい、息を切らしながら玄関に駆け込むと
「あーちゃんおかえり」
亮輔が嬉しそうな笑みを浮かべて迎えてくれた。
「はい、あーちゃん♡ ハッピーバレンタイン!!」
「えっ??!」
すると亮輔の手から……これまた見た事のないオシャレ包装の箱を手渡されたものだから、朝香は両目を見開かせる。
(この包みって、もしかしてチョコレート?!)
今から彼に手渡そうとしているものがチョコレートであると予想し、その事にただただビックリしていて「ありがとう」の言葉が出せないでいる。
「あーちゃんや夕紀さんの仕事ってさ、クリスマスやバレンタインといったスイーツが関わるイベント時期は忙しくなるでしょ?
『逆チョコ』って結構昔に流行ったし、俺にとっては誰かからバレンタインに何かしたりされたりっていう経験も今回が初めてだったから……だから人生初のバレンタインのイベントは俺からあーちゃんに何かしてあげたかったんだ」
頭の中がフリーズしてどうすればいいか分からなくなってしまっていた朝香であったが、照れ臭そうにしながら言葉を紡ぐ亮輔のやわらかな雰囲気にすぐ引き込まれ、自然と笑みがこぼれて……
「実はね、私もりょーくんにチョコレート渡そうと思ってたの。りょーくんが食べた事のあるショコラティエのお店のチョコレートではあるんだけど」
そう言いながら朝香も亮輔へチョコレートの包みを手渡すと
「えっ? あーちゃん忙しいのにわざわざ買いに行ってくれたの?
器用なあーちゃんのことだからてっきり手作りスイーツをプレゼントしてくれるものだとばっかり……」
彼は「予想外」とでも言いたげな雰囲気で朝香よりも目を大きく見開かせていた。
「えっと、手作りも考えたんだけどりょーくんはチョコレート大好きな人だし、初めて過ごすバレンタインデーだったらりょーくんが好きなショコラティエの商品が良いかなって思ったの。でもまさかりょーくんも用意してて私にプレゼントしてくれるなんて思わなくて」
思いがけず沢山の量になってしまったショコラスイーツ。
「夕食食べたらチョコレート一緒に食べよう♡ スペシャルなコーヒーも淹れてあげるから♡」
(りょーくんからチョコを貰うなんて、思いもよらないファーストバレンタインデーになったんだけど……)
「ありがとう♡ あーちゃんの美味しいコーヒーも楽しみ♡」
亮輔は一層幸せな表情になって朝香をリビングへとエスコートした。
「わぁ♪ すっごく美味しい!!」
「このコーヒー、チョコレートにすっごく合う~♡」
お互いにとってファースト•バレンタインデーは大成功といえるだろう。朝香はユタカとミドリに心の中で感謝を述べた。
「美味しいチョコレート食べたら、なんだらムラムラしてきちゃった♡」
「私も♡ すごくドキドキしてる♡」
もっと楽しくなるのはきっと、食べ終えた今からの時間。
2人はこの後もなめらかなチョコレートの舌触りを確かめたいがに、舌を絡ませ濃厚な夜を過ごすに違いない…………。
そんなわけで迎えたバレンタインデー当日。
(有名ショコラティエのチョコレートって本当にお高いんだなぁ)
ようやくゲット出来たショコラアソートを目の前にした朝香は溜め息を一つ吐く。自分の給料に対し買えないわけではない価格ではあるものの、なかなかの買い物になった。
(まぁ年に一回の大イベントだし、りょーくんの喜ぶ笑顔はプライスレスだもんねっ♪♪♪)
朝香はチョコレートを揺らさないよう気をつけながら亮輔の待つマンションへと帰宅する。
「りょーくんただいま!!」
真冬の寒さを全く感じないくらい、息を切らしながら玄関に駆け込むと
「あーちゃんおかえり」
亮輔が嬉しそうな笑みを浮かべて迎えてくれた。
「はい、あーちゃん♡ ハッピーバレンタイン!!」
「えっ??!」
すると亮輔の手から……これまた見た事のないオシャレ包装の箱を手渡されたものだから、朝香は両目を見開かせる。
(この包みって、もしかしてチョコレート?!)
今から彼に手渡そうとしているものがチョコレートであると予想し、その事にただただビックリしていて「ありがとう」の言葉が出せないでいる。
「あーちゃんや夕紀さんの仕事ってさ、クリスマスやバレンタインといったスイーツが関わるイベント時期は忙しくなるでしょ?
『逆チョコ』って結構昔に流行ったし、俺にとっては誰かからバレンタインに何かしたりされたりっていう経験も今回が初めてだったから……だから人生初のバレンタインのイベントは俺からあーちゃんに何かしてあげたかったんだ」
頭の中がフリーズしてどうすればいいか分からなくなってしまっていた朝香であったが、照れ臭そうにしながら言葉を紡ぐ亮輔のやわらかな雰囲気にすぐ引き込まれ、自然と笑みがこぼれて……
「実はね、私もりょーくんにチョコレート渡そうと思ってたの。りょーくんが食べた事のあるショコラティエのお店のチョコレートではあるんだけど」
そう言いながら朝香も亮輔へチョコレートの包みを手渡すと
「えっ? あーちゃん忙しいのにわざわざ買いに行ってくれたの?
器用なあーちゃんのことだからてっきり手作りスイーツをプレゼントしてくれるものだとばっかり……」
彼は「予想外」とでも言いたげな雰囲気で朝香よりも目を大きく見開かせていた。
「えっと、手作りも考えたんだけどりょーくんはチョコレート大好きな人だし、初めて過ごすバレンタインデーだったらりょーくんが好きなショコラティエの商品が良いかなって思ったの。でもまさかりょーくんも用意してて私にプレゼントしてくれるなんて思わなくて」
思いがけず沢山の量になってしまったショコラスイーツ。
「夕食食べたらチョコレート一緒に食べよう♡ スペシャルなコーヒーも淹れてあげるから♡」
(りょーくんからチョコを貰うなんて、思いもよらないファーストバレンタインデーになったんだけど……)
「ありがとう♡ あーちゃんの美味しいコーヒーも楽しみ♡」
亮輔は一層幸せな表情になって朝香をリビングへとエスコートした。
「わぁ♪ すっごく美味しい!!」
「このコーヒー、チョコレートにすっごく合う~♡」
お互いにとってファースト•バレンタインデーは大成功といえるだろう。朝香はユタカとミドリに心の中で感謝を述べた。
「美味しいチョコレート食べたら、なんだらムラムラしてきちゃった♡」
「私も♡ すごくドキドキしてる♡」
もっと楽しくなるのはきっと、食べ終えた今からの時間。
2人はこの後もなめらかなチョコレートの舌触りを確かめたいがに、舌を絡ませ濃厚な夜を過ごすに違いない…………。
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