I.B.(そこそこリアルな冒険者の性春事情!)

リカトラン

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1st season 第二章

038 バディ

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訓練を開始して10日、シリアは驚異的な成長を遂げていた。
カインでは当てることが、というかそもそも的が小さくなりすぎて、オープンサイト鉄枠照準器ではターゲットとして狙うことすら難しい400m超からのAMRアンチマテリアルライフル狙撃をモノにしていたのだ。
その距離でオーク程度の硬度なら複数体を串刺しにしてしまう。
単体狙いならその倍はイケると本人は豪語するのだが、そもそもカインはそんな遠射を想定していなかったため、バイポッド二脚の高さが足りず試していない。

魔法の射程がいいとこ20m、弓の実効射程が50mという状況において、400mからきっちり当てるシリアの狙撃は反則技と言って差し支えない。

「なんだろう、戦力アップで喜ぶべきなのにいまひとつ釈然としない」
「っふ、コレからは『シリア先輩』って呼んでもいいわよ?」
「わかりました乳首先輩」
「ちくびちくび言ってるわりにはわかってんのよ、アンタまたアタシのオシリに見とれてたでしょぉ?」
「うむ。この尻を救ったのは我が人生最大の英断だったと言っていいだろう」
「・・・アンタ、それは狡いから・・・何にも言い返せないじゃない」
「わるい。ちょっと不適切だった」

「この際だから言っとくけど、アンタなんかアタシと居ると無理してない?その・・・無理にテンションアゲてるっていうか・・・さすがにわかんのよ・・・これでも、ワリとアンタのこと見てるし」

「・・・んー、俺が試練の洞窟クリアしたの知ってたよな?」
「っん」
「アレ結構痛いんだけど、その痛いのがむしろヌルくて気持ちいくらいボコボコに落ち込んでた時期があったんだよ。で、まぁ、その原因とか関わってくんだけど、そんなんわざわざ自分から説明するって『ぼくちゃん傷ついたんです~慰めて~』って言ってるみたいで微妙じゃん?言われた方も困るだろうし」
「ふーん、ラティアさんに慰めて貰うのはいんだ?」
「ラティアさんとはどこまでもズルズル行くってお互い決めてるから」
「仮のバディであるアタシなんかには言えないってわけね」
「おまっ、そういう言い方すんなよ・・・わかったよ、言うよ。でも構ってちゃんで言うんじゃねーからな?変に誤解されないよう状況説明だから」

俺はユリアとの一連の出来事、結果としてラティアさんに甘えている事なんかを、かいつまんで話した。
やっぱ整理して話そうとすると色々思い出しちゃって結構クルよね。

「とまぁ、そういうわけで。同世代の人間、それも引く手あまたの美少女には特に・・・どんな裏切りに合うのか正直怖い」
「・・・ちょっとコメント無理だわ・・・」
「・・・だろ?」

「でも言っちゃう。こんなん何にも言わないとかストレスまっくす。とりあえず『アタシはアンタを裏切らないっ!』って声を大にして言いたくなるんだけど、人間の心なんてどう転がるかわからない。しかもあんなクズ男に惚れてた、どっちかって言ったらビッチのアタシが言っていいセリフじゃない。っていうかアンタを裏切らないってどゆこと?ラティアさんとか甲冑騎士団とやらと一緒にアンタのハーレムに入るの?それはちょっと無理。だから裏切らないとか言えない。でも裏切らないって言っときたい。そんな感じで堂々巡りしている感想終わり」

「おう」

「ねぇ、一つだけルール作んない?」
「ん?」
「アタシはアンタに言いたい放題言うことにするわ。こんな言い方したらアンタが傷つくんじゃないかとか、アンタが困るんじゃないかとか、自分が酷いやつだと思われるんじゃないかとか全部無視。んで、アンタはアタシに何を言われようと傷ついたり酷い女だと思ったりしない事」
「はぁっ?なんだそれ?」
「それがどんな傷つくような言い方だったとしても、アタシがアンタを傷つけようとして言ってるわけじゃないって、わかっとけって事よ」
「あー、いいなそれ。俺もそれ適用でいくわ」
「アンタは別にどうでもいいのよ。アンタがアタシのこと大好きなのはよくわかってっから」

・・・・・・・・・・・・・

「なぁ相棒」
「なによ相棒」
「この微妙な空気、どうしてくれんだよ?」
「・・・しっ、しんないわよっ!アンタがなんとかしなさいよっ!」

~~~~~

- 同刻、某地下牢 -

「どうだ?素晴らしいだろう?」
「なるほど、確かにワタクシ直々に奴隷紋を作れと言われるのもわかる」
「今回の依頼で特に繊細な要求は二つ。一つは決して絶望しないこと。もう一つは羞恥心しゅうちしんを増幅して性的興奮に変換することだな」
「理由を伺っても?」
「うむ。どんなに高級な違法奴隷を手に入れても、一月ひとつきも使えば心が壊れるか、媚びて娼婦の様になる。それではつまらんだろう?そこでワシは考えた。人が壊れるのは絶望するのが原因では無いかとな」
「その程度であればワタクシでなくとも事足りるのでは?」
「まぁそう答えを急ぐな。最初はワシもそう考えた。精神に異常をきたしたらキュアー状態異常回復で直せば良いとな?だが、ダメだった。能面を犯してもつまらなかろう?」
「なるほど・・・絶望という種の感情だけをリセットする呪いを作れと。確かにそれは人の手には余りますな」
「うむ、そしてな、どんなに刺激的な行為であっても人とは慣れるものだ、商売女のように恥ずかしいなどされてはそれこそ萎える。慣れとは記憶という免疫による不感症だ。かといってそのたびに記憶を消していたら、好みに調教するもままならんだろ?」
「ふむ、慣れという免疫が恥ずかしいという感情に影響できなくすれば良いのですな?」
「ああ、ワシは恥辱に耐えながらも身悶える女が好みでな?恥ずかしければ恥ずかしいほど興奮する機能も欲しい」
「賜りました。他には何かございますか?」
「そうだな、うむ、10日に一度はワシの精を子宮に受けねば死ぬことにしよう。一日ごとに身体がワシを欲するようにして、10日目には気が狂うて求めずにはおられぬほどにな。間男が入れば・・・その男のイチモツは即座に腐り落ち、女は激痛に苦しむ事にする。あとの誓約は普通の性奴隷と変わらんものでよい。恙無つつがなくできそうか?」
「さすがにお時間は頂きますが、もともと奴隷紋は我ら魔族が人族を家畜にせんが為に産み出したもの、サキュバス淫魔族にも手伝わせますので、その分も報酬は?」
「ああ、幾らでも払おう、50人か?100人か?死刑囚などいくらでもおる」
「少々手がかかりますゆえ、100ほど頂戴したく」
「構わん、いつもの手はずで用意しよう」
「それでは、この女はお預かりしてまいります」
「釈迦に説法とは思うがは外すなよ?」
「勿論でございます。では」

クククッ、あのクズ息子、最後に良い仕事をしてくれたものよ。
死刑のところを犯罪奴隷に減刑する代わりに、息子を殺された当家で預かりたいと言えば誰も横槍は入れられぬ。
かの氷結姫を性奴隷にして連れ回せるかと思うと、いまからマラがうずいてたまらんわ。
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