I.B.(そこそこリアルな冒険者の性春事情!)

リカトラン

文字の大きさ
66 / 173
1st season 第三章

065 胎動

しおりを挟む
「・・・と言う顛末です、クルスタット様。このメダル、お返しすべきでしょうか?」

俺は今、シリアとユリアを伴いクルスタット子爵様の元を訪れている。
本来、性奴隷など入れていいお屋敷では無いが、事情あってのこととお詫びし、すべてを話した。

「リッチモンド卿ですか・・・グライリッツ伯爵家の腰巾着、私をエルダーサに左遷したのもあの一派でしたよ」
「クルスタット様・・・」
「実はね、私もそいった趣味の悪い宴に呼ばれた事がありまして、戦場で名を挙げた貧乏子爵を子飼いにしたかったのでしょう・・・あまりに胸くそ悪く途中退席してしまいましてね?それで不評を買いました。ゆえに、ユリア嬢、あなたの苦しみ、少しは想像できます。たいした力は持っていませんが、可能な限りあなたの平穏を守れるよう、協力させていただきましょう」

「「「ありがとうございます」」」

「ご協力頂けるから・・・というわけでは無いのですが、騎士爵位ながら家臣のようなものが出来まして、ロックハウス家としても、この街に貢献したく考えています。何かお困りの事などあれば、何でもお命じ下さい。幸いにも資金を得る機会もありまして、よほどの無茶でなければ、街の財政に負担をかけることもありません」

「ほぅ・・・それは有り難いですな。近々何かお願いするやも知れません」

「はい。ギルドの連中も、俺達の厄介事を知った上で、仲間として受け入れてくれました。精一杯お役に立ちたいと思います」

~~~~~

さすがに買い物の気分では無かったので、俺達は白兎亭の裏庭に戻った。

「あー、みんな、いろいろ悪かった。ユリアの気持ちも考え、あまり細かいところまで説明していなかったら、それが良くなかった。今から説明するので、ラティアさんも呼んでもらえるか?」

「揃ったね。これからする話は、ユリアにとって、死んでも絶対に知られたくないような話だ。でも、それを知ってて貰わないと、みんなの身に危険が降りかかる可能性がある。だから話す。いいね、ユリア?」

「はい」

「貴族のバカ息子に襲われそうになり、反撃して殺したユリアは死刑になるはずが、性奴隷として弄ぶために犯罪奴隷にされた。そして普通とは違う、とんでもない奴隷を刻まれた。命令に逆らえないのや自殺できないのは当然ながら、まず、三日主の精を受けなければ体は疼き始め、次第に主に依存し始める、七日目に至る頃には、人前でも性器から手が離せないほどになるが、どれだけイッても主の精を受けるまで収まらない、そして、そのまま10日経てば、狂って死ぬ」

「・・・酷い」

「そしてこの奴隷紋は精神支配の機能もある。恥ずかしさに事が出来ず、恥ずかしければ恥ずかしいほど肉体の感度が劇的にあがってしまう。無理やりされても体だけは強烈な快感に支配されるんだ。そしてもう一つ、絶望することが出来ない呪いもある。そんな酷い目にあえば、普通は絶望して考えることを放棄し、人形になることが出来るが、ユリアにはそれが出来ない。気絶することも出来ない。精神が強制的にリセットされるんだ。唾棄すべき憎い男達から犯されても、どんどん体は感じてしまい、あまつさえその主に依存させられ、自殺して終わらせる事も、気絶して逃れることも、絶望して終わることも出来ない・・・それがユリアだ」

「・・・」

「ユリアが性奴隷になっていると知ったとき、俺は腹がたった。ラティア以外はその場にいたな?俺を裏切り、男達とふけり、挙句の果てに性奴隷でよろしくやってると思ったんだ。だから、ユリアの解放条件で三ヶ月それを見続けるという契約をした時も、よろしくやってる姿を見せつけられる程度の話だと思った。隷属の首輪をされ、お互い話すことを禁じられ、子爵に弄ばれてヨガるユリアを、おれは侮蔑の眼差しで見続けた。苦悩に歪む顔も、流す涙も、俺の目には、俺に対する侮蔑と嫌悪にしか見えなかったんだ・・・でも、違った」

ぐすっ ぐすっ

「そんな永劫の地獄の中にあって、そして家族のように育った俺にその姿を見られるという耐え難い状況にあって、ユリアは声の出せない体で、口の動きだけで俺の誕生日を祝ってくれた・・・自分でも忘れていた誕生日を、覚えていてくれて、自分を見下す男に、それでも伝えてくれたんだ」

っすん っすん

「俺は自分のおぞましさに吐き気を催し、そして精一杯ユリアに返事をした・・・そして、一緒に暮らしていたあの頃以上に、ユリアを愛してしまった・・・そして、それを子爵に気づかれた」

っすん っすん

「ユリアが複数の男に弄ばれるのに、俺が酷く動揺すると気づいた子爵は、館に多くの客を招き、毎日のように目の前で、ユリアを輪姦し続けた。最初は貴族、次は使用人、俺の周りにいる男で、ユリアを犯していないものは一人も居なくなった」

「アンタ・・・」

「そして、最後の日。最悪の日だ。あの男は俺達を王都の酒場に連れ出した。冒険者のたむろする安酒場で、その場に居あわせただけの冒険者たちにユリアを貸し出した・・・俺の位置からでは、ユリアの姿が殆ど見えないほどに男達が群がり・・・何時間も、何時間もユリアは犯され続けた・・・そして冒険者たちがそれに飽きると、あの男は言ったんだ『見かけたらまた可愛がってやれ』と・・・その中の二人をさっき殺した。あいつらを逃がせば、ユリアの居場所を知った男達が押し寄せるかも知れない。そしてそいつらは、ユリアを攫えば10日後に死ぬことを知らない。だから俺は、次があれば次も殺す。」

「わかった。この話はコレきりでいいわ。アンタはよく耐えたわ。よくユリアを助け出したわ」

「俺がA級を目指そうと思った一番の理由は、奴らに対抗するためだ。そのために、みんなを巻き込む。みんなを危険に晒す。そしてそれを知っても、みんなは残ることを選択するだろう・・・だから、自分でも、ユリアでも、危ないと思ったら躊躇なく殺すんだ。これは、ロックハウス家長としての命令だ」

「「「「「「はっ!」」」」」」

「そして、ラティア、どうしたらいい?ラティアだけじゃない、アリスまで巻き込んでしまうかも知れない・・・俺にはわからない」

「わかりました。人を雇います。私の代わりに店を切り盛りできる部下を雇います。そして、空いた時間で、私とアリスを鍛えて下さい。その王都の人達が来ても、攫われないくらい強くして下さい。そうすれば、何も問題ありません」

「・・・なんで俺の周りの女性はみんな、こんなに凄いんだ・・・そんな方法考えもしなかった」

「決まったわね、言っとくけどユリア?奴隷のあんたに自由意志は無いわ。勝手に自分の身を差し出そうなんて許さないからね?ロックハウス家の所有物を害するものは殲滅するわっ!」

「「「「「「おーっ!」」」」」」

この日誕生した女系武闘派集団、ロックハウス家がのちの世を震わせる・・・かは、まだわからない・・・。
しおりを挟む
感想 240

あなたにおすすめの小説

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

処理中です...