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2nd season 第四章
165 バイミーファン
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「いやぁ、カフィ豆のお土産まで貰っちゃったな~」
「アンタ・・・ベルガットさん、涙目だったわよ?」
「普通に仕事しただけなのに、関わった相手が不運だったかな?」
「主様っ!飯だろ?こんどこそ飯だろっ?」
ペルシラ大陸の食事も別に悪くは無い。
俺は海辺から塩を運べるし、種類は少ないながら香辛料もある。
だが、コーヒーがあり、これだけ洗練された文化を持つ新大陸。
おフランス料理的なソースとか普及しちゃってたりするんじゃまいか?
「しまった。名もなき補佐さんに旨い店を聞いておくんだった」
「その前に両替商を探さないとダメじゃない?」
「あー、そうだった。うん、両替商を探して、両替商に旨い店を聞こう」
潜入初日にして、この街のお墨付きを頂いた。
『奴隷の人権を守る会』というのがどの程度のモノかはわからないが、役場の会議室を好き勝手に出来る程度の権威はあるんだろう。
昨日までの無理ゲーが早くもデスモードくらいまで難易度下がった。
「あー、みんな、基本指針。この大陸ではペルシラ大陸の存在は絶対に秘密だ。安全の為に命令を使うぞ?」
「「「「「はーい」」」」」
「命令。この大陸に居る時は、ペルシラ大陸の存在を口にしてはならない。向こうの話をするときは・・・そうだな、代わりの地名で『シシラル村』と言うように」
「ん?どういう事だ?」
「あー、フレッド、例えばだ?んー、『聖都にはカフィなんて無かった』って言ってみ?」
「シシラル村にはカフィなんて無かった」
「「「「「おー!」」」」」
「な?これで安心だろ?」
「結構便利ね?奴隷紋」
鉄、銅、銀、金という貨幣の価値順位は同じだった。
両替で1割ほど目減りするが、まぁ、納得できるレートと言ってよいだろう。
「主様っ!どの店にするんだ!?」
両替商では何軒かのオススメを聞き出した。
「あー、まずは南方の変わった料理を出す店だな。自分達の土地の料理を知らないと、何かとまずいだろう」
「どんな料理か楽しみですねー」
「だんだん旅行してる気分になってきたかな?」
「魔族と聞いて身構えてたが、もう少し気楽に旅を楽しむべきだよな」
「そうだぞ主様っ!おれっちを見習えっ!」
店の名は『チサン亭』というそうだ。
教えられた通りを曲がり、数歩進んだだけで俺にはわかった。
これは運命の出会い。いや。再開になる。
「みんな・・・期待していいぞ、俺は泣くかもしれん」
「「「「「???」」」」」
「匂いでわかるんだ、この香りは・・・26年振りだ」
「さっきのカフィとは違うわよね?」
「やばい、我慢できんっ!走るぞ!」
看板も確認せずに店に飛び込む。
赤と黒のコントラストがどぎつい店内。
だが高級感は皆無。
時刻は三時を少し回った頃だ。
店内に先客は一組だけ。
俺は迷う事なく店の奥へと突き進み、大きな二段重ねの円卓へ腰掛ける。
「いらっしゃい。何にする?」
残念。
ウエイトレスさんの制服は普通だった。
「あー、そうだな。米はあるか?」
言いながらも視線は円卓の中央、筒状の容器に無造作に突き立てられた箸の束に釘付けだ。
「コメ?はわからないな?」
「あー、白くて小さくて硬い穀物で、茹でて食べるやつだ。あるか?」
「あー、バイミーファンな?あるよ?」
「なら、そのバイミーファンを人数分と、お勧め料理をじゃんじゃん持ってきてくれ。予算は金貨までなら問題ない」
「お兄さん、1000リラも食べるのは無理ね」
「ああ、でも色々食べたいんだ。諸々任せる、茶も頼む!」
「あいよー」
食べ物でここまでテンションあがったのは初めてだ。
みんなちょっと引き気味である。
「アンタ、そんなに好きなの?そのミーファン?」
「好きっていうか大好きだ!むこうの世界では主食にしてた。っていうか後で市場行こう!買い占める!」
「旦那様が楽しそうで嬉しいです」
「ああ、やばい、メチャメチャあがるぅー!あっ、ライザすまんっ、あんまり肉肉しい料理は無いと思う。野菜が多いんだ。だが旨いぞ?」
「肉ないのかー。でもおれっちも楽しみに、なってきた!」
ウェイトレスさんが前菜とお茶を運んでくる。
茶碗が小さい。
これは期待できるっ!
「お茶持ってきたよー。これ食べて待ってろー」
急須から皆の茶碗に茶を注ぐ。
うん、甘い香りが素晴らしい。
日本では烏龍茶というと、あの、ペットボトルに入った奴が連想されるが、ホンモノをちゃんと淹れると、安い奴でもメチャメチャ旨い。
フルーティーな甘みが僅かにあって、ショットグラスサイズの茶碗でガンガン飲むんだ。
「みんな、このお茶は一口で飲むんだ。そしてまた飲むときに注いですぐに飲む」
「へぇー、だからカップが小さいのね?」
「ああ、これは俺の生まれた国とは違う国のお茶だけど、よく飲んでたんだ」
紅茶と緑茶が同じお茶の木から作られる事は有名だ。
違いは茶葉を醱酵させるかさせないか。
そして烏龍茶に代表される中国のお茶は、半醱酵させた物が多く、紅茶の強さと緑茶の柔らかさを併せ持っている。
「ほんのり甘くておいしいです」
「果物みたいな香りね?」
「主力が出てくるまで前菜を食べよう」
円卓の二段目、少し高くなった円台をガラガラと回転させて見せる。
「食卓が回った!?」
「こうしてテーブルを回せば、沢山料理が並んでも、食べたい物を取れるだろ?」
「おもしろいですー」
「ん?フォークが無いぞ?」
「この国の料理は二本の棒で食べるんだ。慣れないと使い難いから、言えばフォークも貸してくれるんじゃないか?」
言いながら前菜に添えられた菜箸を手に取る。
なんだかこう、グッとこみ上げるものがある。
「こうやって使う」
お手本代わりに皆の小皿に取り分け、ガラガラと円台を回し、送ってやる。
「くっ、難しいぞ!?」
「慣れると小さな物も掴めて、かなり使いやすいんだが、まっ、最初はな?」
前菜は瑞々しい生野菜のごま油あえと、ピータン的な謎卵だ。
「・・・うまい・・・醬油だ・・・醬油の味がする・・・もう俺、この家の子になるっ!」
「カイン様はこの調味料が好きなのですか?」
「ああ、全ての調味料の中で一番好きだ!」
「では市場で探して、この味の料理を覚えますね」
「ありがとうラティア、愛してる」
「おまちどー、チサン名物豆石の赤炒めとオーク肉の辛ジャン炒めでーす」
麻婆豆腐と回鍋肉だ!
そしてお待ちかねの白飯だっ!
麻婆豆腐と一口に言っても、日本のご家庭で作られるアレは全然違う。ってういかアレは和食だ。豆腐のうま煮と言ったほうが適切だろう。
本物はまず香辛料の量が違う。
そしてネギと挽肉がしっかりと自己主張してくる。
赤くてうまいのもたまにあるが、基本的には黒い奴のが旨い!
鬼辛くて鬼うまいが、食べ終わったらもう当分食いたくないって思うくらい激しい。
そして半月も経つと、また食べたくてどうしようも無くなるんだ。
「まずは白飯を頂こう」
箸でつまむと少しパサパサしている。
そういう種類なんだろう。
逸る気持ちを抑えつつ、そっと口に運ぶ。
ふーふー、はふはふ
じんわり・・・
「うまい・・・泣きそう・・・って泣いてる」
やはり皆に箸は無理だった。
おこちゃまっぽくレンゲで口に運んでる。
「ちょっと甘みがあるのね?初めての食感だわ?」
「でも、泣くほどうまくは無いよなっ?」
「ふっ、それはどうかな?米の本領発揮はここからだ。この豆石のナントカを一緒に食べてみ?」
麻婆豆腐を白飯にぶっかけ、レンゲでガンガンかきこむ・・・感無量。
「全然違うっ!?」
「バイミーファンは他の料理と一緒に食べる事で旨さが引き出されるんだ!」
次々と運ばれてくる料理。
日本で有名な中華料理なんてほんの一部だ。
そしてココの料理がどれだけ地球に類似してるのかはもはやわからん。
だがコレだけは言える。
米、サイキョー!
「ふむ。他の料理と一緒に食べる為の食材、というのはなかなか新鮮だな。友よ、これはシシラルでも育つのだろうか?」
「あー、育つと思うぞ?是非とも育てたいところだが、なんでもかんでも持っていくのはダメだな。慎重に考えないと」
「ん?何故だ?」
「例えばこの食事、元はシシラルの金貨だよな?」
「うむ、そうだろう」
「じゃあ、俺がここで気に入ったものをガンガン買い続けるとどうなる?更にそれをシシラルで売って、また買いに来るような事を繰り返すとどうなる?」
「・・・わからぬな」
「あっ!主様っ!わっかた!シシラルの金が無くなる!」
「おー、スージー、よくわかったな?」
「もう少し説明してよ」
「ああ。貿易の基本だ。何かを買うなら、代わりの何かを売り付けないとダメなんだ。バイミーファンは種籾を買って帰って育てれば、取り引きはその一回で済むからシシラルの金貨が無くなって、こっちの金貨が増え続けるような事にはならないが、もしもそれがこの大陸の人間に知られれば逆に、俺に物を売ってくれる奴が居なくなるかもしれない。一度売ったらソックリ真似されるんかもしれない。そんな相手には売りたくないだろ?」
「なるほど・・・奥が深いな」
「まぁ、自分達で食べる分は確保するけどな!」
いかに26年ぶりとはいえ、俺の胃にも限界がある。
食道を通過すると同時に亜空間送りにすれば・・・などと一瞬考えたが自重した。
「よしっ!次は市場だ!」
##### 作者コメント #####
すんまそん。隙を見て、無理やり書いたらこんな気の抜けた話に(血涙
「アンタ・・・ベルガットさん、涙目だったわよ?」
「普通に仕事しただけなのに、関わった相手が不運だったかな?」
「主様っ!飯だろ?こんどこそ飯だろっ?」
ペルシラ大陸の食事も別に悪くは無い。
俺は海辺から塩を運べるし、種類は少ないながら香辛料もある。
だが、コーヒーがあり、これだけ洗練された文化を持つ新大陸。
おフランス料理的なソースとか普及しちゃってたりするんじゃまいか?
「しまった。名もなき補佐さんに旨い店を聞いておくんだった」
「その前に両替商を探さないとダメじゃない?」
「あー、そうだった。うん、両替商を探して、両替商に旨い店を聞こう」
潜入初日にして、この街のお墨付きを頂いた。
『奴隷の人権を守る会』というのがどの程度のモノかはわからないが、役場の会議室を好き勝手に出来る程度の権威はあるんだろう。
昨日までの無理ゲーが早くもデスモードくらいまで難易度下がった。
「あー、みんな、基本指針。この大陸ではペルシラ大陸の存在は絶対に秘密だ。安全の為に命令を使うぞ?」
「「「「「はーい」」」」」
「命令。この大陸に居る時は、ペルシラ大陸の存在を口にしてはならない。向こうの話をするときは・・・そうだな、代わりの地名で『シシラル村』と言うように」
「ん?どういう事だ?」
「あー、フレッド、例えばだ?んー、『聖都にはカフィなんて無かった』って言ってみ?」
「シシラル村にはカフィなんて無かった」
「「「「「おー!」」」」」
「な?これで安心だろ?」
「結構便利ね?奴隷紋」
鉄、銅、銀、金という貨幣の価値順位は同じだった。
両替で1割ほど目減りするが、まぁ、納得できるレートと言ってよいだろう。
「主様っ!どの店にするんだ!?」
両替商では何軒かのオススメを聞き出した。
「あー、まずは南方の変わった料理を出す店だな。自分達の土地の料理を知らないと、何かとまずいだろう」
「どんな料理か楽しみですねー」
「だんだん旅行してる気分になってきたかな?」
「魔族と聞いて身構えてたが、もう少し気楽に旅を楽しむべきだよな」
「そうだぞ主様っ!おれっちを見習えっ!」
店の名は『チサン亭』というそうだ。
教えられた通りを曲がり、数歩進んだだけで俺にはわかった。
これは運命の出会い。いや。再開になる。
「みんな・・・期待していいぞ、俺は泣くかもしれん」
「「「「「???」」」」」
「匂いでわかるんだ、この香りは・・・26年振りだ」
「さっきのカフィとは違うわよね?」
「やばい、我慢できんっ!走るぞ!」
看板も確認せずに店に飛び込む。
赤と黒のコントラストがどぎつい店内。
だが高級感は皆無。
時刻は三時を少し回った頃だ。
店内に先客は一組だけ。
俺は迷う事なく店の奥へと突き進み、大きな二段重ねの円卓へ腰掛ける。
「いらっしゃい。何にする?」
残念。
ウエイトレスさんの制服は普通だった。
「あー、そうだな。米はあるか?」
言いながらも視線は円卓の中央、筒状の容器に無造作に突き立てられた箸の束に釘付けだ。
「コメ?はわからないな?」
「あー、白くて小さくて硬い穀物で、茹でて食べるやつだ。あるか?」
「あー、バイミーファンな?あるよ?」
「なら、そのバイミーファンを人数分と、お勧め料理をじゃんじゃん持ってきてくれ。予算は金貨までなら問題ない」
「お兄さん、1000リラも食べるのは無理ね」
「ああ、でも色々食べたいんだ。諸々任せる、茶も頼む!」
「あいよー」
食べ物でここまでテンションあがったのは初めてだ。
みんなちょっと引き気味である。
「アンタ、そんなに好きなの?そのミーファン?」
「好きっていうか大好きだ!むこうの世界では主食にしてた。っていうか後で市場行こう!買い占める!」
「旦那様が楽しそうで嬉しいです」
「ああ、やばい、メチャメチャあがるぅー!あっ、ライザすまんっ、あんまり肉肉しい料理は無いと思う。野菜が多いんだ。だが旨いぞ?」
「肉ないのかー。でもおれっちも楽しみに、なってきた!」
ウェイトレスさんが前菜とお茶を運んでくる。
茶碗が小さい。
これは期待できるっ!
「お茶持ってきたよー。これ食べて待ってろー」
急須から皆の茶碗に茶を注ぐ。
うん、甘い香りが素晴らしい。
日本では烏龍茶というと、あの、ペットボトルに入った奴が連想されるが、ホンモノをちゃんと淹れると、安い奴でもメチャメチャ旨い。
フルーティーな甘みが僅かにあって、ショットグラスサイズの茶碗でガンガン飲むんだ。
「みんな、このお茶は一口で飲むんだ。そしてまた飲むときに注いですぐに飲む」
「へぇー、だからカップが小さいのね?」
「ああ、これは俺の生まれた国とは違う国のお茶だけど、よく飲んでたんだ」
紅茶と緑茶が同じお茶の木から作られる事は有名だ。
違いは茶葉を醱酵させるかさせないか。
そして烏龍茶に代表される中国のお茶は、半醱酵させた物が多く、紅茶の強さと緑茶の柔らかさを併せ持っている。
「ほんのり甘くておいしいです」
「果物みたいな香りね?」
「主力が出てくるまで前菜を食べよう」
円卓の二段目、少し高くなった円台をガラガラと回転させて見せる。
「食卓が回った!?」
「こうしてテーブルを回せば、沢山料理が並んでも、食べたい物を取れるだろ?」
「おもしろいですー」
「ん?フォークが無いぞ?」
「この国の料理は二本の棒で食べるんだ。慣れないと使い難いから、言えばフォークも貸してくれるんじゃないか?」
言いながら前菜に添えられた菜箸を手に取る。
なんだかこう、グッとこみ上げるものがある。
「こうやって使う」
お手本代わりに皆の小皿に取り分け、ガラガラと円台を回し、送ってやる。
「くっ、難しいぞ!?」
「慣れると小さな物も掴めて、かなり使いやすいんだが、まっ、最初はな?」
前菜は瑞々しい生野菜のごま油あえと、ピータン的な謎卵だ。
「・・・うまい・・・醬油だ・・・醬油の味がする・・・もう俺、この家の子になるっ!」
「カイン様はこの調味料が好きなのですか?」
「ああ、全ての調味料の中で一番好きだ!」
「では市場で探して、この味の料理を覚えますね」
「ありがとうラティア、愛してる」
「おまちどー、チサン名物豆石の赤炒めとオーク肉の辛ジャン炒めでーす」
麻婆豆腐と回鍋肉だ!
そしてお待ちかねの白飯だっ!
麻婆豆腐と一口に言っても、日本のご家庭で作られるアレは全然違う。ってういかアレは和食だ。豆腐のうま煮と言ったほうが適切だろう。
本物はまず香辛料の量が違う。
そしてネギと挽肉がしっかりと自己主張してくる。
赤くてうまいのもたまにあるが、基本的には黒い奴のが旨い!
鬼辛くて鬼うまいが、食べ終わったらもう当分食いたくないって思うくらい激しい。
そして半月も経つと、また食べたくてどうしようも無くなるんだ。
「まずは白飯を頂こう」
箸でつまむと少しパサパサしている。
そういう種類なんだろう。
逸る気持ちを抑えつつ、そっと口に運ぶ。
ふーふー、はふはふ
じんわり・・・
「うまい・・・泣きそう・・・って泣いてる」
やはり皆に箸は無理だった。
おこちゃまっぽくレンゲで口に運んでる。
「ちょっと甘みがあるのね?初めての食感だわ?」
「でも、泣くほどうまくは無いよなっ?」
「ふっ、それはどうかな?米の本領発揮はここからだ。この豆石のナントカを一緒に食べてみ?」
麻婆豆腐を白飯にぶっかけ、レンゲでガンガンかきこむ・・・感無量。
「全然違うっ!?」
「バイミーファンは他の料理と一緒に食べる事で旨さが引き出されるんだ!」
次々と運ばれてくる料理。
日本で有名な中華料理なんてほんの一部だ。
そしてココの料理がどれだけ地球に類似してるのかはもはやわからん。
だがコレだけは言える。
米、サイキョー!
「ふむ。他の料理と一緒に食べる為の食材、というのはなかなか新鮮だな。友よ、これはシシラルでも育つのだろうか?」
「あー、育つと思うぞ?是非とも育てたいところだが、なんでもかんでも持っていくのはダメだな。慎重に考えないと」
「ん?何故だ?」
「例えばこの食事、元はシシラルの金貨だよな?」
「うむ、そうだろう」
「じゃあ、俺がここで気に入ったものをガンガン買い続けるとどうなる?更にそれをシシラルで売って、また買いに来るような事を繰り返すとどうなる?」
「・・・わからぬな」
「あっ!主様っ!わっかた!シシラルの金が無くなる!」
「おー、スージー、よくわかったな?」
「もう少し説明してよ」
「ああ。貿易の基本だ。何かを買うなら、代わりの何かを売り付けないとダメなんだ。バイミーファンは種籾を買って帰って育てれば、取り引きはその一回で済むからシシラルの金貨が無くなって、こっちの金貨が増え続けるような事にはならないが、もしもそれがこの大陸の人間に知られれば逆に、俺に物を売ってくれる奴が居なくなるかもしれない。一度売ったらソックリ真似されるんかもしれない。そんな相手には売りたくないだろ?」
「なるほど・・・奥が深いな」
「まぁ、自分達で食べる分は確保するけどな!」
いかに26年ぶりとはいえ、俺の胃にも限界がある。
食道を通過すると同時に亜空間送りにすれば・・・などと一瞬考えたが自重した。
「よしっ!次は市場だ!」
##### 作者コメント #####
すんまそん。隙を見て、無理やり書いたらこんな気の抜けた話に(血涙
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