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第1章
第21話 反撃と魔族(前編)
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どごおおぉぉぉぉおぉおぉおぉおぉおぉおんんんん!!
轟音がとどろく。
けほけほ、と土煙に咽びながら現れたのは、俺だ。
周囲を見渡す。
どうやら、王宮の裏手にある庭に出たらしい。
綺麗に手入れがされた庭に瓦礫が降り注ぎ、まるで戦場のようである。
その中で、噴水がちょろちょろと呑気な音を立てていた。
「お主、もうちょっと遠慮というのを知らないのか? これでも、余らはお尋ね者なんだぞ」
「俺たちは何もやましいことはしていない。違うか?」
「ほほっ……。はっきり言いおるのぉ」
「悪いのは、魔族だ。だから、ぶっ飛ばす!」
パチン、拳を打ち鳴らした。
カタナは手元にないが、俺にはまだ拳がある。
何より『縛りプレイ』がある!
「王様は隠れていてくれ」
「良かろう。余のことは捨て置け。1発かましてこい!」
「ああ!」
俺は王を置いて、飛び出す。
騒ぎを聞きつけた衛士たちが、ぞろぞろと集まってきた。
こいつらは、魔族に騙されているだけだ。
傷つけるわけにはいかない。
「いたぞ! 外れ勇者だ!!」
「外れ勇者を捕まえろ!」
「相手は外れ勇者だ! のしちまえ!」
ぶちっ!
前言撤回!
ちょっとお灸を据える必要性があるようだ。
俺は拳を振り上げる。
「衛士たちを死なない程度に痛めつける!!」
『縛り;衛士たちを死なない程度に痛めつける』を確認しました。
『縛り』ますか? Y/N
YES!
確認しました。『縛りプレイ』を開始します。
ステータスを確認せず、俺は大きく飛び上がった。
衛士たちの群れに突撃する。
ゴッ!!
地面に己の拳を叩きつけた。
俺は地面を割った。
大きく陥没する。
瓦礫と一緒に、衝撃波が衛士たちを襲った。
「「「「ぐわあああああああああああ!!!!」」」」
衛士たちは吹き飛ばされていく。
地面に叩きつけられると、気を失った。
一部意識もある者もいるが、大きく陥没した跡を見て、おののいている。
完全に戦意を失っていた。
ふむ。
どうやら、死者はいないようだ。
衝撃で気を失っているのが、ほとんどだな。
いくら王が偽物だったとはいえ、異世界に来たばかりの人間を虐げるのは間違っている。
ネレムさんや、ウォルナーさんは、そんな素性の俺でも優しくしてくれた。
こいつらには、そういう心が足りない。
今回の事件で、大いに反省してもらおう。
ふん、と俺は鼻を鳴らし、謁見の間へと向かうのだった。
◆◇◆◇◆
謁見の間の大扉をぶち壊す。
扉は派手な音を立てて、部屋の中で跳ね上がると、赤い絨毯の上に広がった。
俺は踏み込む。
薄暗い。
燭台1つ灯っておらず、カーテンも閉め切られていた。
ゆっくりと前へと歩いていく。
俺の靴音だけが妙に響いた。
誰もいない。
否――。
いる……。
正面だ。
玉座の前に人影が動いた。
現れたのは、王だ。
おそらく偽の王だろう。
胸元まで伸びた髭は艶があり、恰幅もいい。
着ている物も豪奢だった。
真王には申し訳ないが、よっぽど王様としての貫禄がある。
だが、どことなく冷たい印象は、俺が召喚された当時から変わらなかった。
「またお前か、外れ勇者。とうとう我が国に弓を引くとはな」
「くさい芝居はやめろ。お前が、魔族だということは知ってるぞ」
「ほほう……」
その時だった。
偽王の瞳が変わる。
それは表情が変わったというものではない。
言葉通り、紫色から赤黒い色へと変色したのだ。
やはり、爺さんがいった事は本当だったらしい。
すると、偽王は鼻で笑った。
「それがどうしたというのだ?」
「なに?」
「外れ勇者と、オレ様の言葉。民はどっちを信じるかな」
「はっ! 関係ないね、そんなこと」
バチッと拳を打ち鳴らす。
魔法やスキルがある世界で、証明しろなんていわれても無駄な努力だ。
裁判をやったところで、俺は勝てないだろう。
ならば、やることは1つである。
ぶっ飛ばす!
とりあえず殴る。
今までの所業も含めてな。
「野蛮だな」
「勝手に人を召喚して、人の記憶を奪って、さらにスキルに細工したヤツがいうことかよ」
「ほう……。そこまで知っているのか」
「覚悟しろよ、王。いや、偽王!」
「息巻くのは結構だが、これを見てまだそんなことを言えるかな」
「リックお兄ちゃん!」
「ご主人様……!」
玉座の横。
袖の方から現れたのは、ルーナとティレルだった。
(※ 後編へ続く)
轟音がとどろく。
けほけほ、と土煙に咽びながら現れたのは、俺だ。
周囲を見渡す。
どうやら、王宮の裏手にある庭に出たらしい。
綺麗に手入れがされた庭に瓦礫が降り注ぎ、まるで戦場のようである。
その中で、噴水がちょろちょろと呑気な音を立てていた。
「お主、もうちょっと遠慮というのを知らないのか? これでも、余らはお尋ね者なんだぞ」
「俺たちは何もやましいことはしていない。違うか?」
「ほほっ……。はっきり言いおるのぉ」
「悪いのは、魔族だ。だから、ぶっ飛ばす!」
パチン、拳を打ち鳴らした。
カタナは手元にないが、俺にはまだ拳がある。
何より『縛りプレイ』がある!
「王様は隠れていてくれ」
「良かろう。余のことは捨て置け。1発かましてこい!」
「ああ!」
俺は王を置いて、飛び出す。
騒ぎを聞きつけた衛士たちが、ぞろぞろと集まってきた。
こいつらは、魔族に騙されているだけだ。
傷つけるわけにはいかない。
「いたぞ! 外れ勇者だ!!」
「外れ勇者を捕まえろ!」
「相手は外れ勇者だ! のしちまえ!」
ぶちっ!
前言撤回!
ちょっとお灸を据える必要性があるようだ。
俺は拳を振り上げる。
「衛士たちを死なない程度に痛めつける!!」
『縛り;衛士たちを死なない程度に痛めつける』を確認しました。
『縛り』ますか? Y/N
YES!
確認しました。『縛りプレイ』を開始します。
ステータスを確認せず、俺は大きく飛び上がった。
衛士たちの群れに突撃する。
ゴッ!!
地面に己の拳を叩きつけた。
俺は地面を割った。
大きく陥没する。
瓦礫と一緒に、衝撃波が衛士たちを襲った。
「「「「ぐわあああああああああああ!!!!」」」」
衛士たちは吹き飛ばされていく。
地面に叩きつけられると、気を失った。
一部意識もある者もいるが、大きく陥没した跡を見て、おののいている。
完全に戦意を失っていた。
ふむ。
どうやら、死者はいないようだ。
衝撃で気を失っているのが、ほとんどだな。
いくら王が偽物だったとはいえ、異世界に来たばかりの人間を虐げるのは間違っている。
ネレムさんや、ウォルナーさんは、そんな素性の俺でも優しくしてくれた。
こいつらには、そういう心が足りない。
今回の事件で、大いに反省してもらおう。
ふん、と俺は鼻を鳴らし、謁見の間へと向かうのだった。
◆◇◆◇◆
謁見の間の大扉をぶち壊す。
扉は派手な音を立てて、部屋の中で跳ね上がると、赤い絨毯の上に広がった。
俺は踏み込む。
薄暗い。
燭台1つ灯っておらず、カーテンも閉め切られていた。
ゆっくりと前へと歩いていく。
俺の靴音だけが妙に響いた。
誰もいない。
否――。
いる……。
正面だ。
玉座の前に人影が動いた。
現れたのは、王だ。
おそらく偽の王だろう。
胸元まで伸びた髭は艶があり、恰幅もいい。
着ている物も豪奢だった。
真王には申し訳ないが、よっぽど王様としての貫禄がある。
だが、どことなく冷たい印象は、俺が召喚された当時から変わらなかった。
「またお前か、外れ勇者。とうとう我が国に弓を引くとはな」
「くさい芝居はやめろ。お前が、魔族だということは知ってるぞ」
「ほほう……」
その時だった。
偽王の瞳が変わる。
それは表情が変わったというものではない。
言葉通り、紫色から赤黒い色へと変色したのだ。
やはり、爺さんがいった事は本当だったらしい。
すると、偽王は鼻で笑った。
「それがどうしたというのだ?」
「なに?」
「外れ勇者と、オレ様の言葉。民はどっちを信じるかな」
「はっ! 関係ないね、そんなこと」
バチッと拳を打ち鳴らす。
魔法やスキルがある世界で、証明しろなんていわれても無駄な努力だ。
裁判をやったところで、俺は勝てないだろう。
ならば、やることは1つである。
ぶっ飛ばす!
とりあえず殴る。
今までの所業も含めてな。
「野蛮だな」
「勝手に人を召喚して、人の記憶を奪って、さらにスキルに細工したヤツがいうことかよ」
「ほう……。そこまで知っているのか」
「覚悟しろよ、王。いや、偽王!」
「息巻くのは結構だが、これを見てまだそんなことを言えるかな」
「リックお兄ちゃん!」
「ご主人様……!」
玉座の横。
袖の方から現れたのは、ルーナとティレルだった。
(※ 後編へ続く)
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