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第二章
第16話
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「こんにちは、皆さん」
突然、その人は演武台の上に現れた。
サラサラの金髪に、すっと通った鼻梁。肌は雪原のように白く、その赤い瞳は雪の上に落としたルビーみたいに光っている。
「あの人は……」
私は思わず反応した。
確か王都の書店で出会った人だ。
あの時は私服だったけど、今は軍服を着ている。
しかもゼクレア教官のような紺色の軍服ではない。
白鳥のように真っ白な軍服を着ていた。容貌と同じく、皺や綻び1つない。
だけど、その後ろでは相変わらず黒い靄のようなものが見えた。
(『呪い』が大きくなってる?)
出会ったのは昨日なのに、清廉な白い軍服と正対するように黒い靄が倍以上大きくなっていた。
「「「「おおおおおおおお!!」」」」
突然、地響きのような声が上がる。
皆が演武台の上の人を見て、熱狂していた。
どうやら有名な人のようだが、私は知らない。
「ねぇ。ヴェルちゃん、あの人って――――」
私は横で目を見開いて、立ちすくんでいるヴェルちゃんに尋ねた。
「はあ! あんた、『勇者』様のことも知らないの?」
「え? ……ゆ、ゆゆゆ『勇者』!?」
「あんた、本当にうちの国の人間なの?」
ヴェルちゃんは「はあ」と深くため息を吐く。
その姿を見て、ちょっと傷付いたけど、今はそんなことを言ってる場合じゃない。
ついに前世聖女の私の前に、今世においての『勇者』が現れたのだ。
その肩書きの意味は、前世とは違うみたいだけど、彼が強いことは間違いない。
もしかしたら聖女の私を圧倒するほどの力を持っているかも……。
でも、『勇者』なのに何故、呪いを受けているのだろう。呪創――つまり戦闘で受けた呪いの傷が癒えていない。
そもそも呪い自体に気付いていないのかもしれない。
「改めて挨拶しよう、受験生の諸君。僕の名前はアーベル・フェ・ブラージュ。この国でもっとも優れた男性魔術師に送られる『勇者』の称号を持つ男だ」
私が瞠目する横で、淡々と『勇者』アーベルは受験生に向かって頭を垂れる。
すると、再び受験生から歓声が上がった。
その側で他の教官に支えられたゼクレア教官が現れる。
それを尻目に、『勇者』アーベルは説明を続けた。
「先ほど実技試験を担当していたゼクレアに代わって、僕が君たちの力量を計ることにした。よろしく」
「勇者様が?」
「俺たちの評価?」
「すごい」
「光栄だわ」
突然の教官交代にもかかわらず、受験生たちからは好意的な意見が飛ぶ。
その『勇者』様に声をかけたのは、遅れて会場に現れたゼクレア教官だった。
「アーベル総帥!」
「何も心配することはないよ、ゼクレア。君はそこで休んでいなさい」
アーベルさんも引き下がらない。それを見て、ゼクレア教官は顔を歪めた。
(もしかして2人とも仲が悪い?)
2人の表情を交互に見つめる横で、試験は再開された。
教官が交代しても、私のやることは変わらない。
なるべく多くの受験生に突破してもらい、平均点を上げる。
そのためにも、まずは強化魔法だ。
アーベルさんは次の受験生を呼ぶ。
私はその受験生に近づき、密かに強化魔法を送った。
受験生は演武台に上り、魔術を放つ。
バチィン!
アーベルさんがやったことといえば、軽く手を振るだけだ。
なのに、私の魔法で強化された魔術が簡単に弾かれてしまった。
(嘘でしょ……。今の受験生の元の魔力だって、決して低くないのに!)
どうやら、アーベルさんを抜くためにはゼクレア教官の時以上に強化魔法が必要らしい。
出力を上げれば、魔鉱石に溜めている魔素がより減ってしまう。
強化魔法を受ける受験生が少なくなってしまうが、これは致し方ない。
「うわぁぁあああああああああああ!!」
突然、悲鳴が響いた。
私の前に人が吹っ飛んでくる。先ほど、私が強化魔法をかけた受験生だ。
魔術による一撃を受けたのだろう。
受験生の皮膚が真っ赤になり、重度の火傷を負っていた。
「ちょっとどきなさい」
私を突き飛ばし、医療班らしき人たちが飛び込んでくる。
薬を使って治療するが、あまりに傷が深すぎていた。
「ダメだ! 薬では埒が明かない」
「『聖女』様にお願いをするしか」
「しかし、あの方は――――」
「君たち、邪魔だよ」
振り返ると、演武台の『勇者』アーベルが手を掲げたまま立っていた。
おそらくアーベルが魔術を放ったのだ。
「勇者殿……。これはどういうことですか? 試験は教官に一撃を入れるだけだったはず。現にそれまでのゼクレア教官は――――」
「そうよ! いくら勇者様だからって、やり過ぎよ」
「黙れ……」
アーベルさんの顔が寒気がするほど冷徹に歪む。
『勇者』に対して勇敢に反論していたルースやヴェルちゃんも忽ち固まる。
他の受験生の顔からも一瞬にして血の気が引いていった。
「僕も、そしてゼクレアも反撃しないとは言っていないはずだ。違うかな?」
アーベルさんはさらに詠唱を紡ぐ。
もうすでに動けない受験生に向けて、追撃の魔術を放とうとしていた。
「お待ち下さい、アーベル総帥」
「さすがにやり過ぎです」
「相手は受験生ですよ」
「おいおい。総帥ともあろうお方が何をやってるんだよ」
アーベルさんの前に現れたのは、教官たちだった。
ゼクレア教官の他に、他の師団長の肩書きを有する教官たちが、『勇者』を取り囲む。
『勇者』1人に、師団長クラスの教官が4人。
さすがに『勇者』アーベルも退くかと思われた。
私も、受験生もほっと安堵したのだが……。
「君たち…………。邪魔だよ……」
『勇者』アーベルは手を薙ぐ。
その瞬間、漆黒を纏った衝撃波が巻き起こる。
私は咄嗟に防御魔術を展開する。
凄まじい魔力量。さすが『勇者』と感心せざるを得なかった。
なんとかやり過ごす。
私は目を開けると、そこには息を飲む光景が広がっていた。
受験生はおろか、教官や医療班の人たちですら吹き飛ばされ、行動の壁や地面、果ては天井にまで張り付けにされていたのだ。
「なんてことを……」
「へぇ……。君は今の一撃でも耐えられるのか。今年の受験生は本当にレベルが高いね。魔術師師団を率いる総帥として、これほど楽しみなことはないよ」
「あなた……」
いよいよ私は『勇者』と目が合う。
あまりこうして1対1で向き合いたくなかった。
『勇者』といわれる人間に、あまりいい思い出がないからだ。
私は歩き出す。
『勇者』にではない。
先ほど火傷を負った受験生に駆け寄った。
「う、うう……」
良かった。まだ意識があるわ。
私は精神を集中させる。魔鉱石に残っていた魔素をすべて使い、受験生を癒やした。
赤く腫れ上がった皮膚が元に戻っていく。
「そうか。なるほど。君か……急に受験生が強くなった主犯は――――」
瞬間、『勇者』にまとわりついていた黒い靄が膨れ上がる。
まるで八ツ俣の竜を思わせるように広がり、私を威嚇した。
「何がどうなっているか知りませんが、私……あなたのことを許すことはできません」
あーあ……。本当に全く何も変わっていない。前世から……。
あれほど痛くて、嫌な目にあったのに。
それなのに、理不尽に暴力を働く人に対して、義憤を抑えられない。
誰かに任せればいいのに、結局自分で何とかしようとしている。
頭では普通になりたいと思ってるのに、心は全然普通じゃないのよね。
折角、逃げるために足を鍛えたのにね。
「名前を聞いておこうか?」
「ミレニア・ル・アスカルド……」
素直に名乗ると、私は『勇者』に向かって構えた。
突然、その人は演武台の上に現れた。
サラサラの金髪に、すっと通った鼻梁。肌は雪原のように白く、その赤い瞳は雪の上に落としたルビーみたいに光っている。
「あの人は……」
私は思わず反応した。
確か王都の書店で出会った人だ。
あの時は私服だったけど、今は軍服を着ている。
しかもゼクレア教官のような紺色の軍服ではない。
白鳥のように真っ白な軍服を着ていた。容貌と同じく、皺や綻び1つない。
だけど、その後ろでは相変わらず黒い靄のようなものが見えた。
(『呪い』が大きくなってる?)
出会ったのは昨日なのに、清廉な白い軍服と正対するように黒い靄が倍以上大きくなっていた。
「「「「おおおおおおおお!!」」」」
突然、地響きのような声が上がる。
皆が演武台の上の人を見て、熱狂していた。
どうやら有名な人のようだが、私は知らない。
「ねぇ。ヴェルちゃん、あの人って――――」
私は横で目を見開いて、立ちすくんでいるヴェルちゃんに尋ねた。
「はあ! あんた、『勇者』様のことも知らないの?」
「え? ……ゆ、ゆゆゆ『勇者』!?」
「あんた、本当にうちの国の人間なの?」
ヴェルちゃんは「はあ」と深くため息を吐く。
その姿を見て、ちょっと傷付いたけど、今はそんなことを言ってる場合じゃない。
ついに前世聖女の私の前に、今世においての『勇者』が現れたのだ。
その肩書きの意味は、前世とは違うみたいだけど、彼が強いことは間違いない。
もしかしたら聖女の私を圧倒するほどの力を持っているかも……。
でも、『勇者』なのに何故、呪いを受けているのだろう。呪創――つまり戦闘で受けた呪いの傷が癒えていない。
そもそも呪い自体に気付いていないのかもしれない。
「改めて挨拶しよう、受験生の諸君。僕の名前はアーベル・フェ・ブラージュ。この国でもっとも優れた男性魔術師に送られる『勇者』の称号を持つ男だ」
私が瞠目する横で、淡々と『勇者』アーベルは受験生に向かって頭を垂れる。
すると、再び受験生から歓声が上がった。
その側で他の教官に支えられたゼクレア教官が現れる。
それを尻目に、『勇者』アーベルは説明を続けた。
「先ほど実技試験を担当していたゼクレアに代わって、僕が君たちの力量を計ることにした。よろしく」
「勇者様が?」
「俺たちの評価?」
「すごい」
「光栄だわ」
突然の教官交代にもかかわらず、受験生たちからは好意的な意見が飛ぶ。
その『勇者』様に声をかけたのは、遅れて会場に現れたゼクレア教官だった。
「アーベル総帥!」
「何も心配することはないよ、ゼクレア。君はそこで休んでいなさい」
アーベルさんも引き下がらない。それを見て、ゼクレア教官は顔を歪めた。
(もしかして2人とも仲が悪い?)
2人の表情を交互に見つめる横で、試験は再開された。
教官が交代しても、私のやることは変わらない。
なるべく多くの受験生に突破してもらい、平均点を上げる。
そのためにも、まずは強化魔法だ。
アーベルさんは次の受験生を呼ぶ。
私はその受験生に近づき、密かに強化魔法を送った。
受験生は演武台に上り、魔術を放つ。
バチィン!
アーベルさんがやったことといえば、軽く手を振るだけだ。
なのに、私の魔法で強化された魔術が簡単に弾かれてしまった。
(嘘でしょ……。今の受験生の元の魔力だって、決して低くないのに!)
どうやら、アーベルさんを抜くためにはゼクレア教官の時以上に強化魔法が必要らしい。
出力を上げれば、魔鉱石に溜めている魔素がより減ってしまう。
強化魔法を受ける受験生が少なくなってしまうが、これは致し方ない。
「うわぁぁあああああああああああ!!」
突然、悲鳴が響いた。
私の前に人が吹っ飛んでくる。先ほど、私が強化魔法をかけた受験生だ。
魔術による一撃を受けたのだろう。
受験生の皮膚が真っ赤になり、重度の火傷を負っていた。
「ちょっとどきなさい」
私を突き飛ばし、医療班らしき人たちが飛び込んでくる。
薬を使って治療するが、あまりに傷が深すぎていた。
「ダメだ! 薬では埒が明かない」
「『聖女』様にお願いをするしか」
「しかし、あの方は――――」
「君たち、邪魔だよ」
振り返ると、演武台の『勇者』アーベルが手を掲げたまま立っていた。
おそらくアーベルが魔術を放ったのだ。
「勇者殿……。これはどういうことですか? 試験は教官に一撃を入れるだけだったはず。現にそれまでのゼクレア教官は――――」
「そうよ! いくら勇者様だからって、やり過ぎよ」
「黙れ……」
アーベルさんの顔が寒気がするほど冷徹に歪む。
『勇者』に対して勇敢に反論していたルースやヴェルちゃんも忽ち固まる。
他の受験生の顔からも一瞬にして血の気が引いていった。
「僕も、そしてゼクレアも反撃しないとは言っていないはずだ。違うかな?」
アーベルさんはさらに詠唱を紡ぐ。
もうすでに動けない受験生に向けて、追撃の魔術を放とうとしていた。
「お待ち下さい、アーベル総帥」
「さすがにやり過ぎです」
「相手は受験生ですよ」
「おいおい。総帥ともあろうお方が何をやってるんだよ」
アーベルさんの前に現れたのは、教官たちだった。
ゼクレア教官の他に、他の師団長の肩書きを有する教官たちが、『勇者』を取り囲む。
『勇者』1人に、師団長クラスの教官が4人。
さすがに『勇者』アーベルも退くかと思われた。
私も、受験生もほっと安堵したのだが……。
「君たち…………。邪魔だよ……」
『勇者』アーベルは手を薙ぐ。
その瞬間、漆黒を纏った衝撃波が巻き起こる。
私は咄嗟に防御魔術を展開する。
凄まじい魔力量。さすが『勇者』と感心せざるを得なかった。
なんとかやり過ごす。
私は目を開けると、そこには息を飲む光景が広がっていた。
受験生はおろか、教官や医療班の人たちですら吹き飛ばされ、行動の壁や地面、果ては天井にまで張り付けにされていたのだ。
「なんてことを……」
「へぇ……。君は今の一撃でも耐えられるのか。今年の受験生は本当にレベルが高いね。魔術師師団を率いる総帥として、これほど楽しみなことはないよ」
「あなた……」
いよいよ私は『勇者』と目が合う。
あまりこうして1対1で向き合いたくなかった。
『勇者』といわれる人間に、あまりいい思い出がないからだ。
私は歩き出す。
『勇者』にではない。
先ほど火傷を負った受験生に駆け寄った。
「う、うう……」
良かった。まだ意識があるわ。
私は精神を集中させる。魔鉱石に残っていた魔素をすべて使い、受験生を癒やした。
赤く腫れ上がった皮膚が元に戻っていく。
「そうか。なるほど。君か……急に受験生が強くなった主犯は――――」
瞬間、『勇者』にまとわりついていた黒い靄が膨れ上がる。
まるで八ツ俣の竜を思わせるように広がり、私を威嚇した。
「何がどうなっているか知りませんが、私……あなたのことを許すことはできません」
あーあ……。本当に全く何も変わっていない。前世から……。
あれほど痛くて、嫌な目にあったのに。
それなのに、理不尽に暴力を働く人に対して、義憤を抑えられない。
誰かに任せればいいのに、結局自分で何とかしようとしている。
頭では普通になりたいと思ってるのに、心は全然普通じゃないのよね。
折角、逃げるために足を鍛えたのにね。
「名前を聞いておこうか?」
「ミレニア・ル・アスカルド……」
素直に名乗ると、私は『勇者』に向かって構えた。
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