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考え事をする時は、まず、場所を考えましょう。※
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※多少流血表現あり。
____________________
『俺が好きなのは、シャロンじゃない。』
『君だよ、セシリア』
「はぁ…。」
『君だよ、セシリア。』
「うぅ……。」
考えすぎて、頭が痛い。
知らず知らずのうちに、また、はぁ…、とため息が出た。
「キャッ……!」
「-ッ‼︎セシリア!何をしている…!ここは訓練場じゃないんだぞ…!!」
「す、すみません…!」
私の横を、シュッ、と炎を纏った剣が通り過ぎる。
少しして、ジュッ、と魔獣を切り裂き、燃える音が聞こえた。
目の前まで迫っていたその魔獣は、今は見るも無残な状態である。
ここは遠征先。戦場の、真っ只中。
目の前の光景に、びくりと体を揺らす。
この時まで気付けなかった自分にも驚いた。
「ぁ…シャロン様……。」
「考え事をしている暇があるなら、目の前の魔獣を倒せ!」
「…はい!」
シャロン様に怒られてしまったのは、それもこれもあの人が原因だ、と、今ここにいない人物に責任を転嫁した。
________
____
戦闘が終わり、拠点場所にみんなが集まり始める。
お疲れ様、どうだった?、うん、結構多かったかなー。、そう、こっちはね、。
そんな会話が聞こえてきた。
夕食当番ではない私は、先に着替えをしに行く。
服を脱いだ時に気付いたが、腕に傷が出来ていた。
結構深い傷だな、と乾き始めているが、まだ血が滲む腕を眺める。
こんな傷にも気付かなかったのか…。
はぁ、これがバレたらノア団長に怒られるんだろうなぁ…、と他人事のように考えてしまう。
「セシリア?入っても良い?」
「アリア副団長…?どうぞ!」
「ありがとう。…って!何その腕!治すよ!こっちきて!」
「あ…え?…あ、ありがとうございます。」
アリア副団長の前に座り、怪我をしている腕を出す。
手がかざされ、ホォウ…、と淡い光に包まれた。
徐々に消えていく傷を眺める。
「…よしっ、終わり!」
数分して、治療が終わった。
傷跡も残っていない腕を確認し、ありがとうございます、とお礼を言った。
「それで、どうしたの?珍しく怪我なんかしちゃって。」
あ、珍しいって、戦闘でね。普段はしょっちゅうしてるけど、とアリア副団長が笑った。
何も言わない私に、アリア副団長は、はぁ、とため息をつく。
「…何?まだ悩んでいたの?」
ニヤニヤしながら聞いてくるその顔は、全然心配する顔ではない。
「…いや、悩んでいるって言うか……どうしたらいいんだろうって考えているって言うか……。」
「それを悩んでるって言うのよ。」
お姉さんに話してごらんなさい。…まぁ、この間少し聞いたけど。そう言ってアリア副団長は水を一口飲んだ。
「ふふっ、セシリーもぉ、恋に悩むお年頃だねぇ。」
あの後すぐ、セシリー、怪我してないー⁉︎、と言うノア団長が入ってきて、
「そうだな。いつもシャロンにあたっている様子とは全然違うな。」
おい、ノア、この遠征の……ん?どうした、集まって…?、と入って来たアレクサンダー団長の4人でお話中だ。
みんな、暇なのだろうか、と思いながら、ルシヨン副団長の名前は出さずに話をする。
この状況でも、一応、そこに気を遣えるだけの頭は残っていた。
「でぇ、結局セシリアはどうしたいのぉ?」
「どうって……。」
ひと通り話し終えた時、ノア団長にそう聞かれた。
どう、って、どうしたら良いのだろう?
それが分かっていたら、こんなに悩んでいない。
「んー…、ねぇ、セシリア。そんなに悩む必要ないじゃない。」
「え?」
「そうだな、だってセシリアはシャロンが好きなんだろう?なんでそんなに悩む必要がある?」
「そ…うなん、ですけど……。」
なぜか、あの時、すぐに返事が出来なかったのだ。
「…その方は、私がシャロン様を追いかけていることを知っています。それでも良いって、返事は今は要らないって、言われたんです。」
それまでは、俺にも頑張らせて?、と微笑んでいた顔を思い出す。
「まぁ、セシリーのいつもの行動は結構有名だしねー。」
え?そうなの?と言う顔をノア団長に向けると、えぇ?知らなかったのー?と笑われる。
その後、夕食が出来たとの呼びかけに解散となる。
できたての夕食を食べている私を、シャロン様が見ている事に、私は気付かなかった。
____________________
「まぁ、あれだな、シャロンもうかうかしてられないな。」
「…そうですねぇ。まぁ僕はぁ、セシリーが幸せならー、どっちでも良いんですけどねぇ。」
「ははっ、お前はそう言う奴だったな。」
「それにぃ、セシリーを貰いたいなら、この僕を倒せる奴じゃないと許さないですよぉ。」
「……ははっ、それはまた………。」
「……あの2人も、セシリーを好きになったものだな……。」
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『俺が好きなのは、シャロンじゃない。』
『君だよ、セシリア』
「はぁ…。」
『君だよ、セシリア。』
「うぅ……。」
考えすぎて、頭が痛い。
知らず知らずのうちに、また、はぁ…、とため息が出た。
「キャッ……!」
「-ッ‼︎セシリア!何をしている…!ここは訓練場じゃないんだぞ…!!」
「す、すみません…!」
私の横を、シュッ、と炎を纏った剣が通り過ぎる。
少しして、ジュッ、と魔獣を切り裂き、燃える音が聞こえた。
目の前まで迫っていたその魔獣は、今は見るも無残な状態である。
ここは遠征先。戦場の、真っ只中。
目の前の光景に、びくりと体を揺らす。
この時まで気付けなかった自分にも驚いた。
「ぁ…シャロン様……。」
「考え事をしている暇があるなら、目の前の魔獣を倒せ!」
「…はい!」
シャロン様に怒られてしまったのは、それもこれもあの人が原因だ、と、今ここにいない人物に責任を転嫁した。
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戦闘が終わり、拠点場所にみんなが集まり始める。
お疲れ様、どうだった?、うん、結構多かったかなー。、そう、こっちはね、。
そんな会話が聞こえてきた。
夕食当番ではない私は、先に着替えをしに行く。
服を脱いだ時に気付いたが、腕に傷が出来ていた。
結構深い傷だな、と乾き始めているが、まだ血が滲む腕を眺める。
こんな傷にも気付かなかったのか…。
はぁ、これがバレたらノア団長に怒られるんだろうなぁ…、と他人事のように考えてしまう。
「セシリア?入っても良い?」
「アリア副団長…?どうぞ!」
「ありがとう。…って!何その腕!治すよ!こっちきて!」
「あ…え?…あ、ありがとうございます。」
アリア副団長の前に座り、怪我をしている腕を出す。
手がかざされ、ホォウ…、と淡い光に包まれた。
徐々に消えていく傷を眺める。
「…よしっ、終わり!」
数分して、治療が終わった。
傷跡も残っていない腕を確認し、ありがとうございます、とお礼を言った。
「それで、どうしたの?珍しく怪我なんかしちゃって。」
あ、珍しいって、戦闘でね。普段はしょっちゅうしてるけど、とアリア副団長が笑った。
何も言わない私に、アリア副団長は、はぁ、とため息をつく。
「…何?まだ悩んでいたの?」
ニヤニヤしながら聞いてくるその顔は、全然心配する顔ではない。
「…いや、悩んでいるって言うか……どうしたらいいんだろうって考えているって言うか……。」
「それを悩んでるって言うのよ。」
お姉さんに話してごらんなさい。…まぁ、この間少し聞いたけど。そう言ってアリア副団長は水を一口飲んだ。
「ふふっ、セシリーもぉ、恋に悩むお年頃だねぇ。」
あの後すぐ、セシリー、怪我してないー⁉︎、と言うノア団長が入ってきて、
「そうだな。いつもシャロンにあたっている様子とは全然違うな。」
おい、ノア、この遠征の……ん?どうした、集まって…?、と入って来たアレクサンダー団長の4人でお話中だ。
みんな、暇なのだろうか、と思いながら、ルシヨン副団長の名前は出さずに話をする。
この状況でも、一応、そこに気を遣えるだけの頭は残っていた。
「でぇ、結局セシリアはどうしたいのぉ?」
「どうって……。」
ひと通り話し終えた時、ノア団長にそう聞かれた。
どう、って、どうしたら良いのだろう?
それが分かっていたら、こんなに悩んでいない。
「んー…、ねぇ、セシリア。そんなに悩む必要ないじゃない。」
「え?」
「そうだな、だってセシリアはシャロンが好きなんだろう?なんでそんなに悩む必要がある?」
「そ…うなん、ですけど……。」
なぜか、あの時、すぐに返事が出来なかったのだ。
「…その方は、私がシャロン様を追いかけていることを知っています。それでも良いって、返事は今は要らないって、言われたんです。」
それまでは、俺にも頑張らせて?、と微笑んでいた顔を思い出す。
「まぁ、セシリーのいつもの行動は結構有名だしねー。」
え?そうなの?と言う顔をノア団長に向けると、えぇ?知らなかったのー?と笑われる。
その後、夕食が出来たとの呼びかけに解散となる。
できたての夕食を食べている私を、シャロン様が見ている事に、私は気付かなかった。
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「まぁ、あれだな、シャロンもうかうかしてられないな。」
「…そうですねぇ。まぁ僕はぁ、セシリーが幸せならー、どっちでも良いんですけどねぇ。」
「ははっ、お前はそう言う奴だったな。」
「それにぃ、セシリーを貰いたいなら、この僕を倒せる奴じゃないと許さないですよぉ。」
「……ははっ、それはまた………。」
「……あの2人も、セシリーを好きになったものだな……。」
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