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これは、ご褒美ですか?に。
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いつもは少し吊り目がちな紫の瞳は伏せられ、長めの前髪と、同じ色の睫毛が顔に影を作る。
いつにないその姿に、抱き着き、愛で、慰めてあげたくなるが、それをする間も無くシャロン様がゆっくり顔を上げる。
それと同時に、シャロン様の手が私の頬を撫で、止まった。
「しゃ、ろ…。」
「セシリアは、」
私が口を開くと同時に、シャロン様も口を開く。
小さく、聞き取りづらい、迷子の子供のような声色に、綺麗な銀が入った紫の瞳を見つめる。
真っ直ぐに合う視線に気恥ずかしさを覚え、ソッと目をそらすと、セシリア。ともう一度名前を呼ばれた。
そろりと視線を戻せば、真剣な瞳にぶつかる。
それに、びくりと体を震わせれば、頬にある手に力が入ったような気がした。
「君は、これを大事にしているんだね。」
頬にある手が下がり、私の首元にあるネックレスに手をかける。
以前、引っ張られたときのことを思い、シャロン様…!と小さく声をかけるが、シャロン様は無言でそれを見つめる。
「…花が、好きなので…。それに、色も綺麗でしょう?」
私なりに大事にしています。と言えば、シャロン様の手に力がこもる。
体を硬くする私に、シャロン様の口が開いた。
「……まえ………が………い…。」
「…え?シャロン様なんて…。」
あまりにも小さい声が、周りの騒ぎに搔き消える。
ネックレスから手を離さずに、視線だけを上げたシャロン様にビクッと体を震わせた。
その、怒気を孕んだ視線に、どうしたものかと視線を彷徨わせる。
思わずといった風に、目の前の先にいたアリア副団長が、シャロン副団長、と名前を呼んだ。
しかし、それが聞こえていないのか、聞いていないのか。
怒気を孕んだ瞳は消え、落ち着きを払った瞳に変わった所を見ると、聞こえていたのだろか。
シャロン様は、ネックレスを掴んでいた手を私の頬に戻す。
「セシリア。お前は…俺が好きなんだろう…?」
口が開き、小さな声で囁かれた言葉は、先ほどとは違い私の耳にスッと入ってきた。
「—ッ!」
思っても見なかった言葉に息を詰まらせていると、違うのか…?と寂しげな声が聞こえた。
「違わないです…!」
好きです、シャロン様が。と言えば、あどけない笑顔を浮かべた。
「じゃあ、これ、外してくれるよね。」
頬にあった手はまた首元に戻り、ネックレスを撫でる。
「え?あの…。」
「好きでもないなら早く断れば良い。簡単だろう…?」
「しゃ、ろん…様…?」
誰のことを言っているかはすぐに理解できた。
だが、シャロン様はその話を知らないはずだ。
なぜ知っているのか、なぜそんなことを言うのか。この状況に混乱する頭では、処理が追いつかない。
「それに、本当はこれも許せない。」
私の頭がぐるぐると思考を巡らせている間に、シャロン様の手が、わたしの耳たぶに触れる。
先日買った真新しい白銀のピアスに手がかかり、これのことを言っているのだと気付いた。
「…ねぇ、セシリーに触れすぎじゃないかなぁ、シャロン?」
どうしたものかと考えていると、ノア団長が現れる。
私の背に来たノア団長は、私を椅子から引き上げ、自分の腕の中に閉じ込める。
嗅ぎ慣れた匂いにホッと安心し、そこで私の思考は停止したのだった。
____________________
「あらー、セシリーにはキャパオーバーだったのかなぁ?寝ちゃったよぉ。」
「てかぁ、君ぃ、酔いすぎだからぁ。そんな状態でセシリーに関わらないでよねぇ。」
「もう本当ぉ、アレクサンダー団長とオギンスキ団長に止められなかったらー、君の事ぉ、消し炭にしちゃう所だったよー。」
「…お酒の力がないと本音が言えない男にはぁ、僕の妹は渡しませーん。出直して来てくださーい。」
いつにないその姿に、抱き着き、愛で、慰めてあげたくなるが、それをする間も無くシャロン様がゆっくり顔を上げる。
それと同時に、シャロン様の手が私の頬を撫で、止まった。
「しゃ、ろ…。」
「セシリアは、」
私が口を開くと同時に、シャロン様も口を開く。
小さく、聞き取りづらい、迷子の子供のような声色に、綺麗な銀が入った紫の瞳を見つめる。
真っ直ぐに合う視線に気恥ずかしさを覚え、ソッと目をそらすと、セシリア。ともう一度名前を呼ばれた。
そろりと視線を戻せば、真剣な瞳にぶつかる。
それに、びくりと体を震わせれば、頬にある手に力が入ったような気がした。
「君は、これを大事にしているんだね。」
頬にある手が下がり、私の首元にあるネックレスに手をかける。
以前、引っ張られたときのことを思い、シャロン様…!と小さく声をかけるが、シャロン様は無言でそれを見つめる。
「…花が、好きなので…。それに、色も綺麗でしょう?」
私なりに大事にしています。と言えば、シャロン様の手に力がこもる。
体を硬くする私に、シャロン様の口が開いた。
「……まえ………が………い…。」
「…え?シャロン様なんて…。」
あまりにも小さい声が、周りの騒ぎに搔き消える。
ネックレスから手を離さずに、視線だけを上げたシャロン様にビクッと体を震わせた。
その、怒気を孕んだ視線に、どうしたものかと視線を彷徨わせる。
思わずといった風に、目の前の先にいたアリア副団長が、シャロン副団長、と名前を呼んだ。
しかし、それが聞こえていないのか、聞いていないのか。
怒気を孕んだ瞳は消え、落ち着きを払った瞳に変わった所を見ると、聞こえていたのだろか。
シャロン様は、ネックレスを掴んでいた手を私の頬に戻す。
「セシリア。お前は…俺が好きなんだろう…?」
口が開き、小さな声で囁かれた言葉は、先ほどとは違い私の耳にスッと入ってきた。
「—ッ!」
思っても見なかった言葉に息を詰まらせていると、違うのか…?と寂しげな声が聞こえた。
「違わないです…!」
好きです、シャロン様が。と言えば、あどけない笑顔を浮かべた。
「じゃあ、これ、外してくれるよね。」
頬にあった手はまた首元に戻り、ネックレスを撫でる。
「え?あの…。」
「好きでもないなら早く断れば良い。簡単だろう…?」
「しゃ、ろん…様…?」
誰のことを言っているかはすぐに理解できた。
だが、シャロン様はその話を知らないはずだ。
なぜ知っているのか、なぜそんなことを言うのか。この状況に混乱する頭では、処理が追いつかない。
「それに、本当はこれも許せない。」
私の頭がぐるぐると思考を巡らせている間に、シャロン様の手が、わたしの耳たぶに触れる。
先日買った真新しい白銀のピアスに手がかかり、これのことを言っているのだと気付いた。
「…ねぇ、セシリーに触れすぎじゃないかなぁ、シャロン?」
どうしたものかと考えていると、ノア団長が現れる。
私の背に来たノア団長は、私を椅子から引き上げ、自分の腕の中に閉じ込める。
嗅ぎ慣れた匂いにホッと安心し、そこで私の思考は停止したのだった。
____________________
「あらー、セシリーにはキャパオーバーだったのかなぁ?寝ちゃったよぉ。」
「てかぁ、君ぃ、酔いすぎだからぁ。そんな状態でセシリーに関わらないでよねぇ。」
「もう本当ぉ、アレクサンダー団長とオギンスキ団長に止められなかったらー、君の事ぉ、消し炭にしちゃう所だったよー。」
「…お酒の力がないと本音が言えない男にはぁ、僕の妹は渡しませーん。出直して来てくださーい。」
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