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私の家族は、この人だけなんです。に。※
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※グロ、流血表現あり。
____________________
「はぁ、はぁ、」
一気にかかって来られると、流石に私も無傷ではいられなかった。
木々で切った傷、魔物の攻撃で負った傷。
真っ黒のローブは所々裂かれ、破かれ、日常自分達はあまり見せることはない、グレーのシャツと黒のパンツが見えていた。
「う゛、あ゛ッ…!」
ヤバい…。少年を庇っている方に気を取られ、反対の脇腹に魔獣の爪が突き刺さる。
後少しだと思って油断したのがいけなかった。
ドクドクと傷を受けた箇所が脈打ち、血が次々と流れ出る。
あまりの痛さに片膝をつけば、魔物はこれ幸いとばかりに襲いかかってきた。
自分にまで結界を張っている暇はない……!
地面に下ろした少年に急ぎ結界を張る。
魔力切れが近いのか、体力の限界が近いのか。
張られた結界は完璧とは言えぬもので、所々ヒビ割れている。
これじゃあ……ダメだ……。
私は、少年を守るため、結界ごと抱きしめた。
ギャァァァア
グワァァァァァア
ギィヤァア!
「—ッ⁉︎」
来るべき衝撃と痛みに覚悟を決めれば、届いたのは魔物の叫び声で、
「…はぁ、セシリー、流石に僕もぉ、君のその行動はぁ、容認できないなぁ。」
「おに、ちゃ…?」
いつもは綺麗な笑みを浮かべるその顔は、初めて見る、焦りと、怒りの表情だった。
「…?なんで……?ヒュドラは……?」
雨音しか聞こえないこの空間で、数メートルの先にいるノア団長に話しかける。
「倒してきたに決まってるでしょー?」
何言ってるのぉ?と、へらりと笑う顔に安堵で腰が抜ける。
少年の結界を解けば、少年は意識を失っていた。
「もぉ少ししたらぁ、アリア副団長達も来るからねぇ。」
その言葉に、今まで忘れていた痛みを感じ始める。
どれだけ必死だったのだと、自嘲すれば、ノア団長がこちらに歩いて来る音が聞こえた。
ザリッと、
この雨の中鮮明に聞こえる音に顔を上げれば、
「ノア団長ッ!!!」
兄の後ろに、私が急所を撃ち損ねたオーガが一匹。
振り下ろされる武器に、
「—ッ!」
私の放った魔術は、
ほんの一瞬だけ、
_____届かなかった。
低い呻き声をあげ、倒れる兄。
その背中から真っ赤な液体が噴き出す瞬間と、私の放った魔術がオーガを貫くのは、一緒だった。
「ぃ、ちゃ?」
震える足では立つことはできず、
「……ぉに…ちゃん……?」
四つん這いで近付けば、
「ねぇ……ば…!」
うつ伏せで倒れる兄がいて、
「返事、してよッ…!」
肩から背中にかけて受けた大きな傷からは、
「…ねぇ……?」
真っ黒な服と地面の上を、
「おにいちゃんってばっ……!!!」
夥しい量の血が、
「…イヤァァァアァァァァァァア!!!!!!」
真っ赤に、染めていた。
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「はぁ、はぁ、」
一気にかかって来られると、流石に私も無傷ではいられなかった。
木々で切った傷、魔物の攻撃で負った傷。
真っ黒のローブは所々裂かれ、破かれ、日常自分達はあまり見せることはない、グレーのシャツと黒のパンツが見えていた。
「う゛、あ゛ッ…!」
ヤバい…。少年を庇っている方に気を取られ、反対の脇腹に魔獣の爪が突き刺さる。
後少しだと思って油断したのがいけなかった。
ドクドクと傷を受けた箇所が脈打ち、血が次々と流れ出る。
あまりの痛さに片膝をつけば、魔物はこれ幸いとばかりに襲いかかってきた。
自分にまで結界を張っている暇はない……!
地面に下ろした少年に急ぎ結界を張る。
魔力切れが近いのか、体力の限界が近いのか。
張られた結界は完璧とは言えぬもので、所々ヒビ割れている。
これじゃあ……ダメだ……。
私は、少年を守るため、結界ごと抱きしめた。
ギャァァァア
グワァァァァァア
ギィヤァア!
「—ッ⁉︎」
来るべき衝撃と痛みに覚悟を決めれば、届いたのは魔物の叫び声で、
「…はぁ、セシリー、流石に僕もぉ、君のその行動はぁ、容認できないなぁ。」
「おに、ちゃ…?」
いつもは綺麗な笑みを浮かべるその顔は、初めて見る、焦りと、怒りの表情だった。
「…?なんで……?ヒュドラは……?」
雨音しか聞こえないこの空間で、数メートルの先にいるノア団長に話しかける。
「倒してきたに決まってるでしょー?」
何言ってるのぉ?と、へらりと笑う顔に安堵で腰が抜ける。
少年の結界を解けば、少年は意識を失っていた。
「もぉ少ししたらぁ、アリア副団長達も来るからねぇ。」
その言葉に、今まで忘れていた痛みを感じ始める。
どれだけ必死だったのだと、自嘲すれば、ノア団長がこちらに歩いて来る音が聞こえた。
ザリッと、
この雨の中鮮明に聞こえる音に顔を上げれば、
「ノア団長ッ!!!」
兄の後ろに、私が急所を撃ち損ねたオーガが一匹。
振り下ろされる武器に、
「—ッ!」
私の放った魔術は、
ほんの一瞬だけ、
_____届かなかった。
低い呻き声をあげ、倒れる兄。
その背中から真っ赤な液体が噴き出す瞬間と、私の放った魔術がオーガを貫くのは、一緒だった。
「ぃ、ちゃ?」
震える足では立つことはできず、
「……ぉに…ちゃん……?」
四つん這いで近付けば、
「ねぇ……ば…!」
うつ伏せで倒れる兄がいて、
「返事、してよッ…!」
肩から背中にかけて受けた大きな傷からは、
「…ねぇ……?」
真っ黒な服と地面の上を、
「おにいちゃんってばっ……!!!」
夥しい量の血が、
「…イヤァァァアァァァァァァア!!!!!!」
真っ赤に、染めていた。
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