青空のサンセット

大和 司

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第1章 いつもの日常

第02話 みんなで野営地に帰ろう(3)

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 料理を運んでくるマック登場。そこにあったモノは!

 「ステーキだー!」


「ひゃっほーい!!!」
 目がきらきらと輝くエレノア。もはや子供。ほくそ笑むアッシュ。安定の反応に喜ぶマック。
 エレノアの目の前に板のプレートが置かれる。付け合わせはジャガイモとタマネギのスライス。
 エレノアは好き嫌いがない。とにかくよく食べる。だがしかし、まずは肉だ。肉に食らいつくのだ。フォークとナイフのスタンバイOK。あとはマックからのGoサインを待つのみ。


 もはや魂が肉に吸い寄せられている。恍惚の表情のような、セクシーなような。

「どうぞ召し上が…」「頂きます!」「…れ」
 なんというスタートダッシュの早さ。ちなみにエレノアの前には2枚目のお肉(お皿)も置かれている。エレノアはだいたい普通の人の2倍食べるのだ。魔法力の供給は体力消費そのものだから、カロリー摂取しないと体を維持できない。うらやましい限りだ、動かずともカロリー消費可能な体とは。

 もきゅもきゅと肉をほおばるエレノア。
「んふ。ぬふふぅう」
 悶えてますね。絵で見せられないのが残念。少女が無心に肉を方張る。見ていてすがすがしい。

 続いてアッシュとマックもお肉をほおばる。
「今回の焼き加減もミディアムレアだけど、どう?」
「んふんふ、うんうん」(いい感じね、最高よ!)
 お姫様はご機嫌のご様子。
「相変わらずのうまさだ。さすがマックだ」
 久しぶりに発言したアッシュ。
「焼いただけから誰でもできるけどね~。コツは常温に慣らした肉を、熱々に熱したフライパンでジュワーと一気に焼くことだね。肉汁を閉じ込めるのがコツだ」
 たいしたことないと言いながら自慢げなマック。料理人ならではの満ち足りた時間。旨ければ何でもいいのよ。食べてくれる人がいれば。マックが続ける。
「今回のお肉は牛のハネシタだよ。王国産の大型牛は肉全体が大味になりがちだけど、ハネシタはもともと脂身と筋肉とのバランスがよくて、味も食べ応えも両方あるいい部位なんだ」
「ただ一頭から取れるハネシタの量は他の部位よりも少ないから貴重なんだけど、かといって超人気の部位でもないから、タイミングがよいと比較的お手頃価格で手に入れられるよい肉だね」
 さすがマック、料理人。
「確かにな。柔らかいヒレ肉だけがステーキじゃない。ハネシタの赤身の歯ごたえとさっぱりした脂身が、肉々しさを演出している。肉を食べている実感が強いな」

 エレノアは髪をほどいて下ろしている。ゴールドバード追跡時には、髪を結っている。最近のマイブームはショートツインテールらしい。髪を下ろすと後ろ髪は肩甲骨に達するくらいまでのロングになる。後ろ髪の左右はセミロングだけど、センターがロングなのね。センターを2つにわけてツインテールにするとほどよい感じのショートツインになるわけだ。



 髪は風呂上がりのイメージ。イメージだけで上手く描けていないけど。
 トップスはタンクトップ。官給品は汚れに強い黒や茶色、ベージュや濃い緑色などの褐色系が主が、エレノアは野営地では白を好んで着る。それくらいのワガママは通るようだ。ボトムスは今日は素直に官給品のスラックス。

 食事の場所はというと、低めのテーブルと低めの布張りの椅子が用意されている。ちょうどキャンプ用品であるような、脚部を分解できるテーブルと、収納時にコンパクトになる椅子。非常時でテーブルが使えないときには、地べた皿を並べるピクニックスタイルも当然あるし、椅子ないときにはにはテーブルの脚を低くしてちゃぶ台スタイルもある。でもまぁ、腹ぺこには美味しい食事があればそれで満足なのである。テーブルなどはもはや無関係。
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