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第10話 あたしとエリカ
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呼び出し音が鳴り響く中、真宮さんはスマホの画面を見つめたまま、なぜかすぐに出ようとはしなかった。
相手は仲里さんらしいけどメッセージじゃなく通話でかけてくるなんて、なにかあったのかな?
「春時、スマホ出た方がいい?」
「それ、俺に聞く? ってか、なんで出ないんだよ」
「だよねぇ……まぁ、要件は想像つくんだけどさ」
言うと真宮さんは軽くため息をつきスマホの画面をタップすると、もしもしと話しはじめた。
なにをそんなにためらっていたんだ?
「え? あー、うん、そうだけど? ……だから言ったじゃん!」
なにを話しているんだろう……そういや仲里さんは真宮さんが俺の家に泊まることを知っているのかな。
別にやましいことはないけれど、出来ればこの状況を仲里さんには知られたくはない。
「え? ウソっ⁉︎ えぇええと……」
「ん?」
真宮さんはスマホを耳に当てながらあいている手で、床の方を何度も指差して見せた。
なんだ? 足元を見ろってことかな……うーん、とくにゴミも見当たらないけど……。
――にぃにぃいいっ!
一階から俺のことを呼ぶ妹の声がする――と、階段を上る音が近づいてきた。
果奈はオンラインゲームが終わったのだろうか?
「春時! エリカ来た!」
「は?」
真宮さんが叫んだ瞬間、部屋のドアがゆっくりと開く――と、そこには白Tシャツと黒のミニスカートを着た仲里さんが立っていた。
「あの……お邪魔してます」
えっ? えぇえええ⁉︎
「なっ! 仲里さんっ!」
「早見くん、その……また来ちゃって……ごめんなさい」
「えっと……うん、それは大丈夫だけど……ちょっとびっくりしたかも」
ちょっとどころじゃねぇええっ! え? なんで? スマホで通話しながらこの家に向かっていたってこと⁉︎
本当に足はもう大丈夫なのか? 俺がおぶって歩いた意味は? もしかして、ただキモかっただけなのでは……。
そ、それにしても果奈め……ゲームのプレイ中だからって玄関の鍵だけあけて仲里さんを放置したな。
にぃにぃの部屋は二階だからね! とか言っている姿が目に浮かぶ……あとで叱っておかなくちゃ。
「あの……部屋に入ってもいいですか?」
「あ、あぁああ! うん。も、もちろん」
部屋に入ってきた仲里さんの視線が、俺から真宮さんに向けられる。
彼女の表情が少し怒っているような気がするけれど、とりあえず真宮さんがここにいる理由だけでも説明しておくべきだよな。
「あっ! 真宮さんは俺の妹に呼ばれて遊びに来てるっていうか、なんていうか」
「……真宮さんはどうして、そうやって勝手なことばかりするんですか?」
仲里さんは俺の言葉を無視して、真宮さんに向かって強い口調で言い放つ。
「勝手ってなに? エリカがうるさく言うから、仕方なくあたし達のことを説明しに来たんだけど?」
「それが勝手だって言っているんです!」
うーん。なにこれ……喧嘩? 仲裁に入った方がいいかなぁ……よ、よし!
「あのぉ……二人とも、なにを揉めているのかは分からないけれど、少し落ち着いて話そうよ? 仲里さんも良かったらクッションの上にでも」
「「黙っててっ!」」
二人は俺に揃って言うと、お互い睨み合いを続けている。なんか仲里さんまで怖いんですけど……。
「す、すまん……」
「ハァ……ねぇ、エリカ。春時にはちゃんと説明しといた方が良いんでしょ? 部屋でそう言ってたじゃん」
「そ、そうです、けど……その……まだ、まってほしいんです……」
「なんでよ? でも、もう話しちゃったし!」
話したって……ドライヤーで髪を乾かしながら口をパクパクしていたアレか。
「いや、それまったく聞こえてなかったからな」
「もう! 春時は横からごちゃごちゃ言わないで!」
「は、はい……」
「いいわ。だったら今からもう一回、話すから!」
「あ……まって真宮《まみや》さん! 私まだ心の準備が……」
「まってらんない! 春時! 今度はちゃんと聞きなさい! あたしとエリカはね、中学生のときに中身が入れ替わったの!」
その言葉を耳にしたのが二回目だからなのか……入れ替わりなんて到底あり得ないようなことを真剣に口にしてきた二人に対して、疑ったり、揶揄ったりするような思考なんてものはどこにもない。
俺は仲里さんと真宮さんに起こっているその不思議な現象を素直に聞き入れた。
「あのさ……その話、もっと詳しく聞かせてくれないか」
相手は仲里さんらしいけどメッセージじゃなく通話でかけてくるなんて、なにかあったのかな?
「春時、スマホ出た方がいい?」
「それ、俺に聞く? ってか、なんで出ないんだよ」
「だよねぇ……まぁ、要件は想像つくんだけどさ」
言うと真宮さんは軽くため息をつきスマホの画面をタップすると、もしもしと話しはじめた。
なにをそんなにためらっていたんだ?
「え? あー、うん、そうだけど? ……だから言ったじゃん!」
なにを話しているんだろう……そういや仲里さんは真宮さんが俺の家に泊まることを知っているのかな。
別にやましいことはないけれど、出来ればこの状況を仲里さんには知られたくはない。
「え? ウソっ⁉︎ えぇええと……」
「ん?」
真宮さんはスマホを耳に当てながらあいている手で、床の方を何度も指差して見せた。
なんだ? 足元を見ろってことかな……うーん、とくにゴミも見当たらないけど……。
――にぃにぃいいっ!
一階から俺のことを呼ぶ妹の声がする――と、階段を上る音が近づいてきた。
果奈はオンラインゲームが終わったのだろうか?
「春時! エリカ来た!」
「は?」
真宮さんが叫んだ瞬間、部屋のドアがゆっくりと開く――と、そこには白Tシャツと黒のミニスカートを着た仲里さんが立っていた。
「あの……お邪魔してます」
えっ? えぇえええ⁉︎
「なっ! 仲里さんっ!」
「早見くん、その……また来ちゃって……ごめんなさい」
「えっと……うん、それは大丈夫だけど……ちょっとびっくりしたかも」
ちょっとどころじゃねぇええっ! え? なんで? スマホで通話しながらこの家に向かっていたってこと⁉︎
本当に足はもう大丈夫なのか? 俺がおぶって歩いた意味は? もしかして、ただキモかっただけなのでは……。
そ、それにしても果奈め……ゲームのプレイ中だからって玄関の鍵だけあけて仲里さんを放置したな。
にぃにぃの部屋は二階だからね! とか言っている姿が目に浮かぶ……あとで叱っておかなくちゃ。
「あの……部屋に入ってもいいですか?」
「あ、あぁああ! うん。も、もちろん」
部屋に入ってきた仲里さんの視線が、俺から真宮さんに向けられる。
彼女の表情が少し怒っているような気がするけれど、とりあえず真宮さんがここにいる理由だけでも説明しておくべきだよな。
「あっ! 真宮さんは俺の妹に呼ばれて遊びに来てるっていうか、なんていうか」
「……真宮さんはどうして、そうやって勝手なことばかりするんですか?」
仲里さんは俺の言葉を無視して、真宮さんに向かって強い口調で言い放つ。
「勝手ってなに? エリカがうるさく言うから、仕方なくあたし達のことを説明しに来たんだけど?」
「それが勝手だって言っているんです!」
うーん。なにこれ……喧嘩? 仲裁に入った方がいいかなぁ……よ、よし!
「あのぉ……二人とも、なにを揉めているのかは分からないけれど、少し落ち着いて話そうよ? 仲里さんも良かったらクッションの上にでも」
「「黙っててっ!」」
二人は俺に揃って言うと、お互い睨み合いを続けている。なんか仲里さんまで怖いんですけど……。
「す、すまん……」
「ハァ……ねぇ、エリカ。春時にはちゃんと説明しといた方が良いんでしょ? 部屋でそう言ってたじゃん」
「そ、そうです、けど……その……まだ、まってほしいんです……」
「なんでよ? でも、もう話しちゃったし!」
話したって……ドライヤーで髪を乾かしながら口をパクパクしていたアレか。
「いや、それまったく聞こえてなかったからな」
「もう! 春時は横からごちゃごちゃ言わないで!」
「は、はい……」
「いいわ。だったら今からもう一回、話すから!」
「あ……まって真宮《まみや》さん! 私まだ心の準備が……」
「まってらんない! 春時! 今度はちゃんと聞きなさい! あたしとエリカはね、中学生のときに中身が入れ替わったの!」
その言葉を耳にしたのが二回目だからなのか……入れ替わりなんて到底あり得ないようなことを真剣に口にしてきた二人に対して、疑ったり、揶揄ったりするような思考なんてものはどこにもない。
俺は仲里さんと真宮さんに起こっているその不思議な現象を素直に聞き入れた。
「あのさ……その話、もっと詳しく聞かせてくれないか」
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