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第61話 反抗期なの?
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足下にしゃがみ込んでいる白いセーラー服の女の子は突然すくっと立ち上がり、大きな目と小さい鼻の童顔で俺を見上げていた。
「あ……」
そ、園崎杏奈っ!?
「痛いじゃないっ! なにするのよ!」
「ご、ごめん。まさか、そんな近くに立っているなんて思わなかったから」
「なに、わたしが悪いみたいに言ってるのよ」
これ、俺が悪いのか? まぁ、勢いよくドアを開けてしまったのはたしかだけれど。
それにしても彼女、髪を染めたんだな。
前はピンク色だったから気がつかなかった。
うーん、仲里さんたちが元の身体へもどったのに合わせたかのようなタイミングだ。
まさか園崎杏奈までリニューアルしているなんて。
――早見。
「早見っ!」
「あぁ、ごめん。なに?」
「なにじゃないわよ。家に上がりたいから、そこどいてくれない?」
「あのなぁ……とりあえず確認しておくけど、ここは俺の家だからな?」
「そんなこと知ってるわよ。早見ってやっぱりアホよね」
まともに会話をしようとしていた俺が間違っていたようだ。
面倒だからさっさと家へ上げてしまおう。
「はいはい。いらっしゃいませ」
一歩、後ろへ下がる――空色髪の園崎杏奈は地面に落ちていたバッグを拾い上げるとそのまま俺の横を通り、リビングの方へと走っていってしまう。
一見、彼女はがさつそうな雰囲気をもっているが脱いだ靴は綺麗に揃えられていた。
「なんだかなぁ……」
とりあえず俺もリビングへいくか。
みんなお腹を空かしてまっているだろうし……。
「は、離れなさいよ!」
「ん?」
リビングへ入ると仲里さんの腕にしがみつく園崎杏奈の姿が目に入った。
仲里さんは眉をよせて迷惑そうな顔をしながら空色髪の彼女を引き剥がそうと必死だ。
近くに立っている真宮さんは苦笑いをしている。
「ちょっと、いい加減にしなさいよ!」
仲里さんは声を上げながら園崎杏奈から離れると真宮さんの後ろに隠れた。
元の身体に戻っても仲里さんのとる行動が、入れ替わる前と変わらないのが少し可笑しくなってしまう。
今の仲里さんなら隠れるなんてことをせずに強く言い負かしそうだが、それをさせないくらい園崎杏奈の仲里さんへの愛? は、やっかいなものなのかもしれない。
「真宮っ! そこをどきなさい!」
「えっと……」
真宮さんは困り顔で俺に視線を送ってきた。
まぁ、今の真宮さんはあの仲里さんだもんな。
強く注意をするのは難しいかもしれない。
やれやれ……とりあえず、この場を納めないと。
いい加減、俺も腹が空いてきたし。
「杏奈さん、ちょっと落ち着いて。俺たちはこれから食事なんだよ」
「は? なによ早見。邪魔しないでくれる? わたしはエリカちゃんをハグしにきたんだから!」
「はぁ……まみ……じゃなかった。仲里さんも一回くらいハグさせてやればいいじゃないか」
「無理だから! この子にハグされたらずっと離れないじゃん!」
たしかにそれはありえる……。
「エリカちゃん。いったいどうしちゃったの? まるで真宮みたいじゃない。反抗期なの? 悩みがあるなら杏奈に相談して」
「うるさいわね! あたしは元からこうだし!」
仲里さんは真宮さんの後ろから顔を出し言うと、舌をだしてあかんベーをして見せる。
もはや子供の喧嘩だな……。
「にぃにぃ、揉めてるところ悪いけどもうご飯を用意していい?」
「え? あぁ……うん、そうだな」
ここで声をかけてくるとは、さすが俺の妹だけあって天然で空気が読めていない。
もっとも今はナイスタイミグだったけれど。
「食事なんてあとにしなさいよ! わたしは時間のない中、ハグのためだけにここへ来たのよ! みんなだけで水族館にいって、どんなに淋しかったと思っているのよ! わたしだってエリカちゃんと一緒にいたかったのにー!」
やっぱり淋しかったんだな……。
「でもでもぉ、もう十一時すぎてるし、このままじゃお昼になっちゃうよぉ」
妹の果奈はリビングの壁掛け時計を指差す――たしかにもう十一時半になろうとしている。
もはや昼飯と言っていい時間だ。
「え! 十一時を過ぎてる!? 大変! もうっ! 早見のせいで遅刻しちゃうじゃない!」
「なんで俺のせいなんだよ」
「とにかく部活に遅れちゃうから、今は我慢してあげるわ! エリカちゃん! あとでまた来るからまっていてね」
言うと園崎杏奈は床においたバッグを抱えてリビングを足早に出て行ってしまった。
「またくるのか……」
まぁ、たしかに園崎杏奈だけが水族館へいけなかったわけだし、可愛そうではあったよな……。
「あ……」
「春時、どうしたの?」
「いや……杏奈さんにお土産を買ってくるのを忘れてた……」
「「「あぁ……」」」
全員の声が揃う――俺にたいしてのドッキリ騒動のせいですっかり忘れていた。
それに二人の入れ替わりが起きたこともあってそれどころじゃなかったんだよなぁ……。
おいてけぼりで可愛そうだから、なにかお土産を買っていってあげようと行きの電車の中で相談していたんだっけ。
水族館を見終わったら、みんなで決めるはずだったんだ。
「にぃにぃ、ご飯にする?」
「……」
ま、まぁ、また来るって言っていたし、お土産の埋め合わせに関しては食事をしながら考えよう。
流石になにもしないのは可哀想だしな。
少しの間――『うん。食事にしよう』と言葉を返すと、果奈は嬉しそうにキッチンへ小走りに向かった。
さて、なにが出てくるのかな?
「あ……」
そ、園崎杏奈っ!?
「痛いじゃないっ! なにするのよ!」
「ご、ごめん。まさか、そんな近くに立っているなんて思わなかったから」
「なに、わたしが悪いみたいに言ってるのよ」
これ、俺が悪いのか? まぁ、勢いよくドアを開けてしまったのはたしかだけれど。
それにしても彼女、髪を染めたんだな。
前はピンク色だったから気がつかなかった。
うーん、仲里さんたちが元の身体へもどったのに合わせたかのようなタイミングだ。
まさか園崎杏奈までリニューアルしているなんて。
――早見。
「早見っ!」
「あぁ、ごめん。なに?」
「なにじゃないわよ。家に上がりたいから、そこどいてくれない?」
「あのなぁ……とりあえず確認しておくけど、ここは俺の家だからな?」
「そんなこと知ってるわよ。早見ってやっぱりアホよね」
まともに会話をしようとしていた俺が間違っていたようだ。
面倒だからさっさと家へ上げてしまおう。
「はいはい。いらっしゃいませ」
一歩、後ろへ下がる――空色髪の園崎杏奈は地面に落ちていたバッグを拾い上げるとそのまま俺の横を通り、リビングの方へと走っていってしまう。
一見、彼女はがさつそうな雰囲気をもっているが脱いだ靴は綺麗に揃えられていた。
「なんだかなぁ……」
とりあえず俺もリビングへいくか。
みんなお腹を空かしてまっているだろうし……。
「は、離れなさいよ!」
「ん?」
リビングへ入ると仲里さんの腕にしがみつく園崎杏奈の姿が目に入った。
仲里さんは眉をよせて迷惑そうな顔をしながら空色髪の彼女を引き剥がそうと必死だ。
近くに立っている真宮さんは苦笑いをしている。
「ちょっと、いい加減にしなさいよ!」
仲里さんは声を上げながら園崎杏奈から離れると真宮さんの後ろに隠れた。
元の身体に戻っても仲里さんのとる行動が、入れ替わる前と変わらないのが少し可笑しくなってしまう。
今の仲里さんなら隠れるなんてことをせずに強く言い負かしそうだが、それをさせないくらい園崎杏奈の仲里さんへの愛? は、やっかいなものなのかもしれない。
「真宮っ! そこをどきなさい!」
「えっと……」
真宮さんは困り顔で俺に視線を送ってきた。
まぁ、今の真宮さんはあの仲里さんだもんな。
強く注意をするのは難しいかもしれない。
やれやれ……とりあえず、この場を納めないと。
いい加減、俺も腹が空いてきたし。
「杏奈さん、ちょっと落ち着いて。俺たちはこれから食事なんだよ」
「は? なによ早見。邪魔しないでくれる? わたしはエリカちゃんをハグしにきたんだから!」
「はぁ……まみ……じゃなかった。仲里さんも一回くらいハグさせてやればいいじゃないか」
「無理だから! この子にハグされたらずっと離れないじゃん!」
たしかにそれはありえる……。
「エリカちゃん。いったいどうしちゃったの? まるで真宮みたいじゃない。反抗期なの? 悩みがあるなら杏奈に相談して」
「うるさいわね! あたしは元からこうだし!」
仲里さんは真宮さんの後ろから顔を出し言うと、舌をだしてあかんベーをして見せる。
もはや子供の喧嘩だな……。
「にぃにぃ、揉めてるところ悪いけどもうご飯を用意していい?」
「え? あぁ……うん、そうだな」
ここで声をかけてくるとは、さすが俺の妹だけあって天然で空気が読めていない。
もっとも今はナイスタイミグだったけれど。
「食事なんてあとにしなさいよ! わたしは時間のない中、ハグのためだけにここへ来たのよ! みんなだけで水族館にいって、どんなに淋しかったと思っているのよ! わたしだってエリカちゃんと一緒にいたかったのにー!」
やっぱり淋しかったんだな……。
「でもでもぉ、もう十一時すぎてるし、このままじゃお昼になっちゃうよぉ」
妹の果奈はリビングの壁掛け時計を指差す――たしかにもう十一時半になろうとしている。
もはや昼飯と言っていい時間だ。
「え! 十一時を過ぎてる!? 大変! もうっ! 早見のせいで遅刻しちゃうじゃない!」
「なんで俺のせいなんだよ」
「とにかく部活に遅れちゃうから、今は我慢してあげるわ! エリカちゃん! あとでまた来るからまっていてね」
言うと園崎杏奈は床においたバッグを抱えてリビングを足早に出て行ってしまった。
「またくるのか……」
まぁ、たしかに園崎杏奈だけが水族館へいけなかったわけだし、可愛そうではあったよな……。
「あ……」
「春時、どうしたの?」
「いや……杏奈さんにお土産を買ってくるのを忘れてた……」
「「「あぁ……」」」
全員の声が揃う――俺にたいしてのドッキリ騒動のせいですっかり忘れていた。
それに二人の入れ替わりが起きたこともあってそれどころじゃなかったんだよなぁ……。
おいてけぼりで可愛そうだから、なにかお土産を買っていってあげようと行きの電車の中で相談していたんだっけ。
水族館を見終わったら、みんなで決めるはずだったんだ。
「にぃにぃ、ご飯にする?」
「……」
ま、まぁ、また来るって言っていたし、お土産の埋め合わせに関しては食事をしながら考えよう。
流石になにもしないのは可哀想だしな。
少しの間――『うん。食事にしよう』と言葉を返すと、果奈は嬉しそうにキッチンへ小走りに向かった。
さて、なにが出てくるのかな?
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