美少女にフラれたらなぜかダウジング伊達メガネ女子が彼女になりました!?〜冴えない俺と彼女と俺をフった美少女の謎の三角な関係〜

かねさわ巧

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第67話 この気持ちを……

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 三年前。

 池袋駅――。

 俺と仲里なかさとさんは池袋駅の改札を離れると、駅から直結で入ることができるショッピングモールのパルロへと移動した。
 
 お互い昼をとっていなかったので、まずは食事からとなったわけだけれど、最初に提案したファストフード店はなぜか却下されてしまった。

 出来れば予算の関係で安く済ませたかったけれど、かなり嫌がっていたから仲里さんはハンバーガーなどが苦手なのかもしれない。

 エレベーターに乗りレストラン街のある七階へのボタンを押す――他のお客さんはいなかったので俺と仲里さんだけだ。

 移動中のエレベーターの中というのは、なぜか気まずくて自然と口を閉ざしてしまう。
 他のお客さんがいないのであれば、会話をしてもいいとは思うのだけれど、なんて声をかけていいのか……言葉が出てこない。

 お昼の話題が自然だろうか……。

 気を紛らわせるために行き先のランプに目をやる――階数を表す数字は順番に点灯をして数字の七へ近づいていく。

「えーと、なにを食べる?」

 俺は沈黙の空気に耐えきれなくて口を開いた。
 突然、話をふったのもあってか仲里さんは少し驚いたような表情をしている。

「そ、そうですね……早見はやみくんは和食と洋食でしたらどちらが好きですか?」

「うーん、どちらかといえば洋食かな?」

「そ、そうですか。でしたらその方向でお店をみつけるのはどうでしょうか?」

「う、うん、そうしよう」

 エレベーターの到着チャイムが鳴り、扉が開く。
 仲里さんは出ようとしないので俺から先に動くと彼女はそのまま後ろをついてきた。

 パルロの飲食店街は初めてきたけれど、和洋中と色々なお店が入っていたので、これなら好みのお店の一つくらいは見つかりそうだ。

 俺たちはその中からレトロな雰囲気の洋食レストランを選んで店内に入った。

 向かいに座る仲里さんは本当にこの間の彼女と同一人物なのかと思うくらい大人しい。
 もっと活発なイメージだったけれど、こっちが本来の仲里エリカという女の子なのかも知れない。

 ――早見くん。

「早見くん?」

「え? あ、ごめん。な、なに?」

「これ……」

 仲里さんはテーブルの端に置かれていたメニューを俺に差し出しすと、彼女も手に取り目を通し始めた。
 
 お礼を言って、中を確認する――。

「うぁ……」

「どうしました?」

「はは、な、なんでもないよ。お、美味しそうだね」

「はい。みんな美味しそうでどれを食べるか悩んでしまいます」

 仲里さんは返事をするとメニューに視線を戻した。

 メニューに載っているものは全て美味しそう。
 けれど、値段が想像の上をいっていたので驚いてしまった。

 オムライスにグラタン、パスタなど、殆どのものが二千円くらいする……店内がレトロな感じだからファミレスくらいのノリで食べれるかと思っていたのだけれど、甘かった。
 店へ入る前によく確認するべきだったかも。

 出来るだけ安いものを探そう。
 仲里さんは大丈夫なのかな……。

「仲里さんは、どれにするか決めた?」

「そうですね。わた……あ、あたしはこれにします」

 仲里さんが指を差してみせたのはハンバーグ定食だ。
 しかもランチ価格になっているから千円で食べることができる。
 これなら予算内だ……真似ているみたいで気がひけるけれど俺もそれにしよう。

「お、同じのにしようかな?」

「これ、お値段も手頃だしスープやサラダもついてきてお得ですよね。あたしハンバーグ大好きなんです」

「う、うん。仲里さんってハンバーグが好きなんだね」

 そうか……彼女ハンバーグが好み……って……まてよ? ハンバーグが好きということはハンバーガーもいけるんじゃないか?

「ねぇ、仲里さん。ハンバーグが好きってことはハンバーガーとかも食べたりする?」

「え? は、はい。好きですよ?」

「そ、そうだよね。ハンバーガー美味しいもんね」
 
 ファストフードが嫌いってわけじゃ無かったんだな。
 なんで断ってきたんだろう。
 
 俺が考え込んでいると彼女はやさしく微笑んでみせた――……。

 ……――。

    ◇

 ……――。

「はぁ……はぁ……」

 俺は三年前の仲里さんとの出来事を思い出しながら走っていた。
 当時のことを昨日のことのように覚えている。
 あのときは仲里さんが真宮まみやさんと身体が入れ替わっていたことを知らなかったから、色々と違和感はあったけれど、中身が真宮さんだったのだから当たり前だ……合点がいく。

「はぁ、はぁ、まだ真宮さんに追いつきそうにないな……はぁ、はぁ……」

 ――真宮まみやさん……。

 そういえば――。

 あの日、ファストフードを嫌がった理由を訊くことが出来なかったっけ……些細なことだったけれど、ずっと気になっていたんだよな。

 でも――今なら、その理由もなんとなく察することができる。
 俺が行こうとしたファストフード店はおそらく仲里さんと真宮さんに入れ替わりがおきた場所だったんだ。
 だから仲里さん……いや、真宮さんはあの場所には近づきたくなかったのかもしれない……。

 もし、なにか起きたらどうしようと考えてしまったのだろう。

 でも、あのときはファストフードにしなくて正解だったかもしれない。
 ハンバーグ最高に美味しかったしな。

 食事のあとは色々なところを見て回ったっけ……なんてことのないことでも、彼女はクスクスと楽しそうに笑っていた。

 俺はそんな笑顔に惹かれていったんだ……。

 でも――三回目に会ったとき……彼女は言い出したんだ『もう、会えない』と……。

 そのせいで俺は、またショックを受けてしまって落ち込んで……。

 けれど高校の入学式のとき、彼女を――仲里エリカを見つけたとき、あの日の想いが一気にあふれてきて気持ちを抑えられなくなっていった。

 俺は、あの日の仲里エリカを好きになっていたんだ……ずっと……。

 今日まで……今も――。

 ――まだ真宮さんの姿は見当たらない。

 そろそろ姿が見えてもおかしくないはずなのに……もし自宅ではなくて別の場所に向かっていたら……いや、そんなことを考えても仕方がない。

 とにかく彼女の自宅へ急ごう……この気持ちを彼女へ伝えるために――。
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