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Episode6
しおりを挟む「このイノリ、命尽きる時まで優夜様のお役にたつと誓います。なんなりとご命令を。」
まるで騎士が一国の王にするかのように片膝を立て、 頭を垂れて忠誠の意を示すイノリに、優夜が立ってくださいとお願いする。
「僕は別に忠誠を誓って欲しくて、契約した訳では無いのですから堅苦しいのはよしてください。」
「そうかい?俺も堅苦しいのは得意じゃないからな。そう言って貰えると嬉しいよ」
立ち上がろうとするイノリに右手を差し出すと、少し驚いた顔をしつつも手を重ねてくれた。
「イノリってつけたわけを聞いてもいいか?」
「深い意味はないです。ただ僕がいた世界にあった好きな花の花言葉からとったんです。」
「花言葉?」
「おや?この世界には花に花言葉をつけたりはしないのですか?」
「ん~、なかったと思う。それに花に言葉なんてつける意味なんてあるのか?」
「そうですね。そう言われると意味なんてないのかもしれません。ただ僕がいた世界では花を相手に贈る際に隠れたメッセージとして使われたりもしたんですよ。」
花言葉がないということで、また本当に別の世界にきたんだなと実感しながらも隣を歩くイノリを見る。しかし身長は優夜のほうが高いので見下ろすかたちになってしまう。
「さ~て、こっからどうする?とりあえず近くの街にでも行くか?」
前を見ていたイノリが目線を合わせるために上を見上げたせいで、先にイノリを見ていた優夜と目がかちあう。
今は日が昇り朝焼けが煩わしいほどに2人を照らしている。
そのせいか暗くて分かりづらかったイノリの瞳が光に反射し琥珀色の色彩が本物の宝石を嵌め込んだかのように思えるほど輝いて見えた。
「街ですか、ここから近いのですか?」
「あぁ、こっからなら3日もあればつくとおもう。それか魔法で行くか?昔その街に滞在したことがあるから行けると思うが」
「転移と言う魔法でしたよね。1度言った場所にしか転移出来ないのですか?」
「やろうと思えば出来るが面倒なんだ。だから転移の魔法を使う際は入口と出口を予め作っておくことが大事なんだよ」
「いえ、やはり魔法は今回は大丈夫です。街に着くまでお互いのことやこの世界のことを教えてください。」
──────────────────────────
花言葉の花は、『アングレカム』です。白い花でもあり白龍の彼のイメージとあって良いかなと思いました。
優夜とイノリの身長差は12センチです。
男女ではないですがキスしやすい身長差らしいです。
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