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元婚約者との遭遇
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なんで、ここにアルマ様がいるの?
思わず固まってしまったけれど、エミリアに大丈夫?と聞かれ、はっと我に返った。
そうだ、今はアルマ様には会いたくない、アルマ様に見つからない様に
そーっと帰ろうとした時、アルマ様の隣にいる人物に気が付いた。
「…………沙羅様?」
「ルカ?どうしたの帰らないの?」
「えぇ……そうしようと思っていたのだけれど……」
「けれど?」
「見て、あそこにいる子」
「ん?あれって最近来た聖女様だよね……知り合い?」
「えぇ、あの方がアルマ様の新しい婚約者ですから」
「えぇ!?」
エミリアは、驚いて大きな声で叫んだ後慌てて自分の口を手で塞いだ。
私が婚約破棄したのは知っていたけれど、その相手が沙羅様だという事は
知らなかったようで、かなり驚いた様子だった。
私は、これ以上目立ちたくなかったので、エミリアを連れて急いでその場を離れようとしたその時。
「おや?あれは」
「アルマ様どうかしたんですか?」
「いや、知り合いがあっちにいてね」
そう言って、こちらを指差す。
まずいと焦ったが、もう遅かった。
ばちりと目が合ってしまった。
私は諦めて挨拶することにした。
すると、向こうの方からも近付いてきた。
「やぁ、久しぶりだねルカ」
「お久しぶりです、アルマ様それに沙羅様もこんにちは」
そう言うと、沙羅様は微笑みながら会釈してくれた。
とても美しい笑顔だったが、何故か違和感を感じたのは気のせいだろうか。
「それで二人はなんでこんな所に?」
「エミリアとお買い物に来たんです」
「へー、今日はあの男はいないのか?」
「ルーク様の事ですか?今日はいませんよ?」
「ふーん……」
私のその言葉を聞いて、アルマ様がニヤッと笑ったのが見えた。
何か嫌な予感がする。
そう思ったけれど、もう気づいた時には遅かった。
腕を引っ張られ、強引に連れて行かれそうになる。
必死に抵抗するが、力で勝てるはずがなくアルマ様の方へと引き寄せられた。
「ちょっと!?アルマ様?」
「うるさい、行くぞ!」
そのまま引っ張られて行きそうになった所で、私の手を誰かが掴んだ。
振り返ると、それは沙羅様で、少し怯えたような表情をしていた。
「何をしているんだ沙羅」
「…ルカ様が嫌がってます」
「俺が用事があるんだ、これぐらいいいだろう」
「良くないです!」
沙羅様はそう言うと、私を庇うように前に出た。
しかし、それでも力の差は歴然で、また私の方に引き寄せられて行く。
「はぁ……お前は私の婚約者なんだ、だから私の言う事だけ聞いていればいいんだ」
「…………そんな事頼んでないのに……」
「何か言ったか?」
「いいえ、なんでもありません」
二人がそんなやり取りをしているのを、ただ黙って見ていた。
どうして、この人はこんなにも強引なのだろう。
沙羅様が可哀想だと思わないのだろうか。
いや、思っていないんだろうな……この人は昔からそうだったもの……
そう思いながら、何も出来ずにいた時だった。
後ろからエミリアが大きな声を上げた。
「あ!そうだ、まだ買い物があってルカと聖女さんにも付き合って欲しいって
思ってたんだ!」
「何を言って……」
「アルマ様だけ二人を独り占めしてずるいじゃないですか?だからいいでしょう?」
「そんな事を言ってもだな……」
「いいじゃん!いいじゃん!ね?」
さっきまで、あんなに力が強かったアルマ様だったけれど、エミリアが言った言葉に思わず力が抜けたのか、握られていた手はいつの間にか離れていた。
私はその隙に、沙羅様の手を取りエミリアの方へと走った。
「エミリアありがとう……」
「いえいえ、それじゃあ私達はこれで失礼しますね」
そう言って、私達三人はその場を離れた。
アルマ様も諦めたのか私達後を追いかける事はしなかった。
沙羅様の方をちらっと見ると、顔色が悪そうだったので心配になり声を掛ける。
すると、大丈夫ですよ。と言ってくれたけれどやっぱり心配だった。
早く、皆が休める所に行かなくちゃ……
思わず固まってしまったけれど、エミリアに大丈夫?と聞かれ、はっと我に返った。
そうだ、今はアルマ様には会いたくない、アルマ様に見つからない様に
そーっと帰ろうとした時、アルマ様の隣にいる人物に気が付いた。
「…………沙羅様?」
「ルカ?どうしたの帰らないの?」
「えぇ……そうしようと思っていたのだけれど……」
「けれど?」
「見て、あそこにいる子」
「ん?あれって最近来た聖女様だよね……知り合い?」
「えぇ、あの方がアルマ様の新しい婚約者ですから」
「えぇ!?」
エミリアは、驚いて大きな声で叫んだ後慌てて自分の口を手で塞いだ。
私が婚約破棄したのは知っていたけれど、その相手が沙羅様だという事は
知らなかったようで、かなり驚いた様子だった。
私は、これ以上目立ちたくなかったので、エミリアを連れて急いでその場を離れようとしたその時。
「おや?あれは」
「アルマ様どうかしたんですか?」
「いや、知り合いがあっちにいてね」
そう言って、こちらを指差す。
まずいと焦ったが、もう遅かった。
ばちりと目が合ってしまった。
私は諦めて挨拶することにした。
すると、向こうの方からも近付いてきた。
「やぁ、久しぶりだねルカ」
「お久しぶりです、アルマ様それに沙羅様もこんにちは」
そう言うと、沙羅様は微笑みながら会釈してくれた。
とても美しい笑顔だったが、何故か違和感を感じたのは気のせいだろうか。
「それで二人はなんでこんな所に?」
「エミリアとお買い物に来たんです」
「へー、今日はあの男はいないのか?」
「ルーク様の事ですか?今日はいませんよ?」
「ふーん……」
私のその言葉を聞いて、アルマ様がニヤッと笑ったのが見えた。
何か嫌な予感がする。
そう思ったけれど、もう気づいた時には遅かった。
腕を引っ張られ、強引に連れて行かれそうになる。
必死に抵抗するが、力で勝てるはずがなくアルマ様の方へと引き寄せられた。
「ちょっと!?アルマ様?」
「うるさい、行くぞ!」
そのまま引っ張られて行きそうになった所で、私の手を誰かが掴んだ。
振り返ると、それは沙羅様で、少し怯えたような表情をしていた。
「何をしているんだ沙羅」
「…ルカ様が嫌がってます」
「俺が用事があるんだ、これぐらいいいだろう」
「良くないです!」
沙羅様はそう言うと、私を庇うように前に出た。
しかし、それでも力の差は歴然で、また私の方に引き寄せられて行く。
「はぁ……お前は私の婚約者なんだ、だから私の言う事だけ聞いていればいいんだ」
「…………そんな事頼んでないのに……」
「何か言ったか?」
「いいえ、なんでもありません」
二人がそんなやり取りをしているのを、ただ黙って見ていた。
どうして、この人はこんなにも強引なのだろう。
沙羅様が可哀想だと思わないのだろうか。
いや、思っていないんだろうな……この人は昔からそうだったもの……
そう思いながら、何も出来ずにいた時だった。
後ろからエミリアが大きな声を上げた。
「あ!そうだ、まだ買い物があってルカと聖女さんにも付き合って欲しいって
思ってたんだ!」
「何を言って……」
「アルマ様だけ二人を独り占めしてずるいじゃないですか?だからいいでしょう?」
「そんな事を言ってもだな……」
「いいじゃん!いいじゃん!ね?」
さっきまで、あんなに力が強かったアルマ様だったけれど、エミリアが言った言葉に思わず力が抜けたのか、握られていた手はいつの間にか離れていた。
私はその隙に、沙羅様の手を取りエミリアの方へと走った。
「エミリアありがとう……」
「いえいえ、それじゃあ私達はこれで失礼しますね」
そう言って、私達三人はその場を離れた。
アルマ様も諦めたのか私達後を追いかける事はしなかった。
沙羅様の方をちらっと見ると、顔色が悪そうだったので心配になり声を掛ける。
すると、大丈夫ですよ。と言ってくれたけれどやっぱり心配だった。
早く、皆が休める所に行かなくちゃ……
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