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聖女と魔物
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私は今、お父様の部屋の前に立っている。
お父様の話って一体何なのだろう?不安になりながらも扉をノックすると、どうぞと返事が返ってきたので、失礼します、と声をかけ部屋に入るとお父様はソファーに座っていた。
「お父様……」
「まぁ、座りなさい」
お父様に促され、向かい合うようにして座る。
今日のお父様の雰囲気
はいつもと違い、どこかピリついている感じだった。
いつもならこんな風にならないはずなのに……
嫌な予感しかしなかった。
お父様は何も言わず、ただ黙っている。
それが余計に怖くて、私は耐えられなくなり、
意を決して口を開いた。
「それで、お話しというのは……」
そう聞くとお父様は少し間を置き、そして重々しく口を開きこう言った。
「西の町に魔物が現れた」
お父様のその言葉に一瞬、何を言われたのか分からなくなった。
だって、この国は私達聖女の力で結界が張られていて、魔物が
現れるなんて……私が生まれてから一度も無かったから……
「どうして……この国には結界が張られているはず……」
「そうだ……だが、私の所に報告があった、魔物が現れた、と」
「ありえません……だって私がいるのに……」
「そうだ。だが、町の人達で噂が広まっている……新しい聖女のせいだと」
「そんな……!」
町の人達は、沙羅のせいにしようとしている。
確かに、沙羅が来てそんな事が起きればそう思うかもしれない。
けれど、それはありえない……だって、沙羅の力はまだ弱くて
そんな事出来るはずがないのだから……だとしたら一体誰が……?
「私も色々探ってみる、それとお前の元婚約者には気を付けなさい」
「アルマ様を?何故ですか」
「あぁ、噂ではアイツが何かやらかしたと言われていてな……実際どうだかは分からないが、とにかく注意しろ」
あの人が……?いや、あの人に結界を破る力は無い。
精霊が何かやった……いや、それも考えられない……あるとしたら……
力のある人物がアルマ様に近づき唆した……という方が現実的だ。
けれど、思い当たる人物はいない
一体誰なの……?
「お父様、この件私にも協力させてください」
お父様は私の言葉を聞いて驚いているようだった。
きっと、お父様は反対するのだろう。
それでも私はこの国の聖女だ、この国に危険が迫っているのなら
それを見過ごすわけにはいかない。
それに、沙羅の事も守りたい……沙羅は私の大切な友達で妹のような存在
だから……
「………そうだな、ダメと言ってもお前は聞かないのだろう?」
「…………えぇ、勿論です」
お父様はため息をつきながら呆れたように笑っていた。
私は、お父様が認めてくれた事が嬉しくて思わず笑顔になってしまった。
お父様が言うには、魔物は3体確認されているらしい。
1体はドラゴンで、もう1体が狼、最後の1つが人型のようだ。
それぞれ、町を襲おうとしている所を冒険者が発見し、倒そうと動いたが 返り討ちにあって逃げ帰ってきたらしい。
それからは、魔物を見たと言う人が増えて騒ぎになっているみたいだった。
そして、今日その2体の魔物が同時に現れたと言う事で、騎士団が出動しているみたいだ。
でも、いくら騎士団でもドラゴンと狼を相手にするのは厳しいんじゃないのだろうか? お父様もそれを懸念していた。
「なるほど……私もその町に行ってもいいでしょうか」
お父様はやっぱりと言う顔をしていた。
でも、お父様に言われなくても、私が行かなければいけない気がしたのだ。
多分、このまま放っておくと大変な事になってしまう、と。
お父様も分かっていたようで、すぐに許可を出してくれた。
「危ないと思ったらすぐ逃げるんだぞ」
お父様が心配してくれているのは分かる。
でも、私も聖女なのだ。
民を守る為にも、自分の身を犠牲にしてまで戦わないといけない時もある。
それが今なのかは分からないけれど……
お父様の話って一体何なのだろう?不安になりながらも扉をノックすると、どうぞと返事が返ってきたので、失礼します、と声をかけ部屋に入るとお父様はソファーに座っていた。
「お父様……」
「まぁ、座りなさい」
お父様に促され、向かい合うようにして座る。
今日のお父様の雰囲気
はいつもと違い、どこかピリついている感じだった。
いつもならこんな風にならないはずなのに……
嫌な予感しかしなかった。
お父様は何も言わず、ただ黙っている。
それが余計に怖くて、私は耐えられなくなり、
意を決して口を開いた。
「それで、お話しというのは……」
そう聞くとお父様は少し間を置き、そして重々しく口を開きこう言った。
「西の町に魔物が現れた」
お父様のその言葉に一瞬、何を言われたのか分からなくなった。
だって、この国は私達聖女の力で結界が張られていて、魔物が
現れるなんて……私が生まれてから一度も無かったから……
「どうして……この国には結界が張られているはず……」
「そうだ……だが、私の所に報告があった、魔物が現れた、と」
「ありえません……だって私がいるのに……」
「そうだ。だが、町の人達で噂が広まっている……新しい聖女のせいだと」
「そんな……!」
町の人達は、沙羅のせいにしようとしている。
確かに、沙羅が来てそんな事が起きればそう思うかもしれない。
けれど、それはありえない……だって、沙羅の力はまだ弱くて
そんな事出来るはずがないのだから……だとしたら一体誰が……?
「私も色々探ってみる、それとお前の元婚約者には気を付けなさい」
「アルマ様を?何故ですか」
「あぁ、噂ではアイツが何かやらかしたと言われていてな……実際どうだかは分からないが、とにかく注意しろ」
あの人が……?いや、あの人に結界を破る力は無い。
精霊が何かやった……いや、それも考えられない……あるとしたら……
力のある人物がアルマ様に近づき唆した……という方が現実的だ。
けれど、思い当たる人物はいない
一体誰なの……?
「お父様、この件私にも協力させてください」
お父様は私の言葉を聞いて驚いているようだった。
きっと、お父様は反対するのだろう。
それでも私はこの国の聖女だ、この国に危険が迫っているのなら
それを見過ごすわけにはいかない。
それに、沙羅の事も守りたい……沙羅は私の大切な友達で妹のような存在
だから……
「………そうだな、ダメと言ってもお前は聞かないのだろう?」
「…………えぇ、勿論です」
お父様はため息をつきながら呆れたように笑っていた。
私は、お父様が認めてくれた事が嬉しくて思わず笑顔になってしまった。
お父様が言うには、魔物は3体確認されているらしい。
1体はドラゴンで、もう1体が狼、最後の1つが人型のようだ。
それぞれ、町を襲おうとしている所を冒険者が発見し、倒そうと動いたが 返り討ちにあって逃げ帰ってきたらしい。
それからは、魔物を見たと言う人が増えて騒ぎになっているみたいだった。
そして、今日その2体の魔物が同時に現れたと言う事で、騎士団が出動しているみたいだ。
でも、いくら騎士団でもドラゴンと狼を相手にするのは厳しいんじゃないのだろうか? お父様もそれを懸念していた。
「なるほど……私もその町に行ってもいいでしょうか」
お父様はやっぱりと言う顔をしていた。
でも、お父様に言われなくても、私が行かなければいけない気がしたのだ。
多分、このまま放っておくと大変な事になってしまう、と。
お父様も分かっていたようで、すぐに許可を出してくれた。
「危ないと思ったらすぐ逃げるんだぞ」
お父様が心配してくれているのは分かる。
でも、私も聖女なのだ。
民を守る為にも、自分の身を犠牲にしてまで戦わないといけない時もある。
それが今なのかは分からないけれど……
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