若い聖女が現れたから私はお役御免!?それならこっちから婚約破棄します! ~今更私の力に気づいて戻ってきてと言ってももう遅いです~

桜乃

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調査開始

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急いでさっき逃げて行ってしまった子達を追いかける。
私の後ろにはフィリスが付いて来てくれている、それが本当に心強くて、私は勇気づけられていた。
「あの……!!ちょっと待って!!」
「えっ……あの何ですか……」
「さっき、何話してたか教えてくれないかな?」
「そ、そんな事……貴女には関係ありませんよ、ね?」
「う、うん……」
そう言うと、その子達は黙り込んでしまった。
別にこの子達を責めたい訳ではないので、私は出来る限り優しい口調で話し掛ける。
「あのね、別に怒ってる訳とかじゃなくて……聞きたい事があって話しかけたの」
「でも……」
「私からもお願いします、この子とお話してあげてくださいな」
「フィリス様……分かりました」
「ほんと!?ありがとう……!!」
「フィリス様に頼まれたら断れませんから……それで、何を聞きたいのですか?」
彼女たちは、私の方を見ながら、警戒するような表情で見てくる。
私は、あまり怖がらせないようになるべく優しく聞いてみる事にした。
噂を知っているか、もし、知っているのならその噂を誰から聞いたのか。
ただ、それだけの事だけれど、怪しまれたりしないようにしないと……
だから、私は慎重に言葉を選んで、彼女達に問いかける。
「私の噂を知っていますか…?」
「えっと……」
「お願いします、教えてください」
「………はい、知ってます」
「やっぱり……!その噂誰から聞いた
の?」
私がそう聞くと、一人の女の子が口を開く。
誰から聞いたかは分からないけれど、教室で話しているのを聞いた。
内容は、私が本当は偽物の聖女で、この国を滅ぼそうとしているらしい。
という内容で、先生から聞いた内容と同じような内容だった。
「そっか……ありがとう」
「あの……聖女じゃないって本当なんですか……?」
「そんな訳ないでしょう?沙羅は立派な聖女です。貴女達もそんな噂本気にしてはダメよ?いいわね?」
フィリスがそう言うと、二人は戸惑いながらも、はい。と返事をして去って行った。
二人の姿が見えなくなると、フィリスが私に話しかけてきた。
その声は、少し怒っているように聞こえた。
「あんな噂を流すだなんてありえない……沙羅は平気なのですか?あんな噂を流されて……」
「うーん……やっぱりちょっとは悲しいよ」
「沙羅……大丈夫、私が絶対犯人を見つけます」
フィリスがそう言ってくれるだけで、なんだかとても安心出来た。
それに、フィリスは私の為にこんなにも真剣に考えてくれるんだ。
私は、本当に恵まれている。
フィリスには感謝してもしきれない程だ。
「今日はこの辺にしておきましょうか?」
「そうだね……近くに人もいないし、時間ももう遅いしね」
「えぇ、続きはまた明日にしましょう」
「うん!じゃあ帰ろっか!」
「はい、帰りましょう」
そう言って私達は寮に帰る事にした、本当に犯人は見つかるのか
見つかったとして、何でこんな噂を流したのか、聞き出して ちゃんと解決させたい。 私はそう心に決めて、自分たちの部屋に帰って行った。
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