若い聖女が現れたから私はお役御免!?それならこっちから婚約破棄します! ~今更私の力に気づいて戻ってきてと言ってももう遅いです~

桜乃

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現れた魔女の気配

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しばらく三人で話し合って、出た結論は……
まず、魔女がどのタイミングでどんな風に動くかを探ること。
予想では、今日か明日には魔女が動き出すはず、だからまずそのタイミングを見極める。
そして、動くと同時に魔女の居場所を探りそこへ向かう。
「まず、ルークには学園周りの警戒をお願いします、何かあったら私に連絡してください。先生方に何か聞かれたら私に頼まれてと言えば大丈夫なはずです」
私がそういうとルークは分かった。と言い、次にエミリアに視線を向ける。
すると、エミリアは真剣な表情で私を見て答えた。
「ルカ、私は何をすればいい?」
「エミリアは……魔女の動きを監視していて欲しいの、難しい事だとは思うのだけれど……」
私の言葉を聞きエミリアは大丈夫だよと言って頷いた。
エミリアなら、きっと魔女の監視だって完璧にしてくれるはずだ。
あとは……私達が動けるタイミングを見極める。
ルークとエミリアは、学園での警戒もあるため中々動く事が出来ない……だから私は自分で動くことにした。
「私も一人で魔女の動きを探ります、皆別々の
場所から魔女の動きを探っていきましょう」
私がそう言うと、エミリアはゆっくりと頷いた。
ルークは一人で大丈夫なのか……と言って少し不安げな表情を見せたけれど、私は笑顔で大丈夫ですと言った。
だって、私達は一人じゃない……
「私は絶対に皆を助ける……だから、私を信じてください」
と二人に言うと二人は力強く頷いてくれた。
それから私達はそれぞれの配置について話し合いを始めた……
*******
魔女の監視を始めて、数日後の事だった。
いつものように、ルークとエミリアは学園に向かい、私は家で一人魔女の動向を探っていた。
「今日も異常なし……か」
そう思って深くため息をついた、異常が無いのはいい事だけれど、全く動きが見られないのもちょっと困るな……そう思ったとき。
突然、学園の方から嫌な気配と魔力を感じ、私は慌てて二人を学園の近くまで
呼び出した。
「わっ!いきなり魔法で呼び出すだなんて……緊急事態って事?」
「そうみたいだな……学園から感じるこの気配……」
「はい……おそらく魔女です。魔女がいるはずの場所は私の魔法で特定していたのですが、動きが無かったため油断していました……」
「今はそんなやり取りをしてる場合じゃないだろう?」
「そうですね……二人とも私から離れないでくださいね……!」
そう言って私は転移魔法を使い、学園の中へと侵入した。
侵入するとそこは薄暗く、以前裏の森で感じたような不気味な空気が漂っていた。
魔女の魔力を頼りに、私達はどんどん先へと進んでいく。
すると、一際強い魔力が漂っている場所を見つけた。
それは、学園の奥の方にあった生徒会室だった……そして、そこに入ろうとした
時、一人の生徒の姿を見つけた。
こんな所に居たら危険だと、そう思った私はその生徒の姿を見て驚いた。
「フィリス……?」
「えっ!?ルカ!?どうしてここに……」
「それは今はいいんです、ここは危険ですから早く逃げて……」
「沙羅がこの中にまだ残ってるの!私は彼女を置いて逃げれない」
私がそう言うとフィリスはそう言って私に詰めよった。
……まさか、ここに沙羅がいるだなんて、でもフィリスの事も置いておけないし
どうしようかと考えていたらフィリスが口を開いた。
「私も連れて行ってください、私も……沙羅を助けたいんです」
と、フィリスは強い瞳で私を見て言った。
これは私が何を言っても無駄だろうと思い、分かったと言うと、 フィリスはありがとうございますと言いながら頭を下げた。
そして私達は薄暗い生徒会室の中に入っていった。
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