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昔ばなし
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「何だか……懐かしいですね」
「懐かしい?」
「えぇ、私とルークが出会った時もあんな感じだったなって」
「ちょっ!?」
私がそう言うとルークは真っ赤になり、その話はと私の事を止めようと
したけれど、エミリアや沙羅とフィリスの、聞きたい!という視線に負けたルークは、諦めたのか、ソファにどさっと音を立てて座った。
「さて……まず、私とルーク、そしてエミリアは小さい頃から仲が良かったのは
知っていますよね?」
「うん!というか、三人を見れば昔から仲が良いんだろうな~って事ぐらい誰でも分かるよ」
そう言って、沙羅は私達三人を見ながらクスクスと笑っている。
それは確かにそうだ、幼馴染だし幼少期からずっと一緒に過ごしてきたのだから……でも、改めてそう言われると何だかくすぐったい気持ちになってしまう。
そして、私は昔話を始めた。
「まず、私のはじめの友達はルークでした。お父様がルークのお父様と仕事仲間で、うちにルークを連れてきて遊んでたんですよね」
ルークは、頷きながら昔の事を思い出すように話し始める。
「あの時の私は、今よりも人見知りで体も少し弱かったので、外から来るルークの事が怖かったのをよく覚えています」
「……それは知らなかった、俺の事をそんな風に思っていたのか」
「ふふ、そうなんです。まぁ、知らない人が家に来る……人見知りの人間からしたら怖い以外の何物でもないですからね。
それで、私はルークの事が怖くてずっと部屋に引きこもっていたんです」
そう話すと、ルークはあぁ……って顔をして、あの頃のルカを外に出すのは
苦労したと、しみじみと思い出しながら話し始める。
「私ののお父様がルークと仲良くなるために色々してくれたけれど、私はそれに答えるようには出来なかった。けれど、そんな私にもルークと仲良くなるきっかけがありました……」
「きっかけ?それってどんな……」
「ルークが、私の為に絵本をくれたんです、ね?」
「あぁ、ルカが本を読むのが好きって聞いて一生懸命探したんだ……
ルカの好みなんかは分からなかったから、俺の直感で選んだけれどルカは凄い喜んでくれて……あの時の事はよく覚えてる」
そう言いながら、ルークは懐かしそうに笑う。
沙羅がルークの幼い頃の話とかもっと聞きたいと言っていて フィリスも目を輝かせて話を聞いているのを見て、私はクスクスと笑いながら話を続けた。
「それからルークとは一緒に遊ぶようになって、次第に打ち解けてきたんです……そして、ある日ルークは私に言いました、ルカが好きだって」
「えぇ!?それでルカはどうしたの?」
「…………お断りしました」
「なんで!?ルカはルークの事好きだし、両想いじゃん!」
沙羅が机から身を乗り出すようにして私に言う。
そんな様子に、私は少し困りながらもこう言った。
「あの時の私は……アルマ様が好きでしたから……」
「あっ……」
「あぁ!そんな顔しないでください!でもあの時のルークは凄く可愛かったんですよ?俺がルカを絶対幸せにする、俺の方が良い男だって」
「…………ルカ、そろそろ……」
「あら?本当の事ですよ?絶対ルカを振り向かせるから待っててくれって、あの時の私はアルマ様しか見えてなかったから、ごめんなさいって言ったんです」
あの時の事を思い出すと、私もルークも今よりも幼かった……。
それでも、子供ながらに必死に恋をして本気で私に想いを伝えようとしてくれていた。
そんなルークの想いは嬉しかったし、アルマ様の事が無ければ私はルークの事をあの時好きになってたと思う。
でも……
「私は、今ルークを好きになれて良かったと思っています。あの時ルークの想いに答えていたとしても……今みたいに私は笑っていないと思うんです」
今の穏やかな日々、好きな人と笑い合える幸せ。
そんな些細な事がとても愛おしく感じる。
「だから私は、アルマ様には感謝しているんです。あの人がやった事は許せませんがこんな素敵な人たちに出会わせてくれたんですから」
私がそう言うと、皆は少し照れ臭そうに笑っている。
そんな風に照れている三人を微笑ましく見ながら私は話を続ける。
「懐かしい?」
「えぇ、私とルークが出会った時もあんな感じだったなって」
「ちょっ!?」
私がそう言うとルークは真っ赤になり、その話はと私の事を止めようと
したけれど、エミリアや沙羅とフィリスの、聞きたい!という視線に負けたルークは、諦めたのか、ソファにどさっと音を立てて座った。
「さて……まず、私とルーク、そしてエミリアは小さい頃から仲が良かったのは
知っていますよね?」
「うん!というか、三人を見れば昔から仲が良いんだろうな~って事ぐらい誰でも分かるよ」
そう言って、沙羅は私達三人を見ながらクスクスと笑っている。
それは確かにそうだ、幼馴染だし幼少期からずっと一緒に過ごしてきたのだから……でも、改めてそう言われると何だかくすぐったい気持ちになってしまう。
そして、私は昔話を始めた。
「まず、私のはじめの友達はルークでした。お父様がルークのお父様と仕事仲間で、うちにルークを連れてきて遊んでたんですよね」
ルークは、頷きながら昔の事を思い出すように話し始める。
「あの時の私は、今よりも人見知りで体も少し弱かったので、外から来るルークの事が怖かったのをよく覚えています」
「……それは知らなかった、俺の事をそんな風に思っていたのか」
「ふふ、そうなんです。まぁ、知らない人が家に来る……人見知りの人間からしたら怖い以外の何物でもないですからね。
それで、私はルークの事が怖くてずっと部屋に引きこもっていたんです」
そう話すと、ルークはあぁ……って顔をして、あの頃のルカを外に出すのは
苦労したと、しみじみと思い出しながら話し始める。
「私ののお父様がルークと仲良くなるために色々してくれたけれど、私はそれに答えるようには出来なかった。けれど、そんな私にもルークと仲良くなるきっかけがありました……」
「きっかけ?それってどんな……」
「ルークが、私の為に絵本をくれたんです、ね?」
「あぁ、ルカが本を読むのが好きって聞いて一生懸命探したんだ……
ルカの好みなんかは分からなかったから、俺の直感で選んだけれどルカは凄い喜んでくれて……あの時の事はよく覚えてる」
そう言いながら、ルークは懐かしそうに笑う。
沙羅がルークの幼い頃の話とかもっと聞きたいと言っていて フィリスも目を輝かせて話を聞いているのを見て、私はクスクスと笑いながら話を続けた。
「それからルークとは一緒に遊ぶようになって、次第に打ち解けてきたんです……そして、ある日ルークは私に言いました、ルカが好きだって」
「えぇ!?それでルカはどうしたの?」
「…………お断りしました」
「なんで!?ルカはルークの事好きだし、両想いじゃん!」
沙羅が机から身を乗り出すようにして私に言う。
そんな様子に、私は少し困りながらもこう言った。
「あの時の私は……アルマ様が好きでしたから……」
「あっ……」
「あぁ!そんな顔しないでください!でもあの時のルークは凄く可愛かったんですよ?俺がルカを絶対幸せにする、俺の方が良い男だって」
「…………ルカ、そろそろ……」
「あら?本当の事ですよ?絶対ルカを振り向かせるから待っててくれって、あの時の私はアルマ様しか見えてなかったから、ごめんなさいって言ったんです」
あの時の事を思い出すと、私もルークも今よりも幼かった……。
それでも、子供ながらに必死に恋をして本気で私に想いを伝えようとしてくれていた。
そんなルークの想いは嬉しかったし、アルマ様の事が無ければ私はルークの事をあの時好きになってたと思う。
でも……
「私は、今ルークを好きになれて良かったと思っています。あの時ルークの想いに答えていたとしても……今みたいに私は笑っていないと思うんです」
今の穏やかな日々、好きな人と笑い合える幸せ。
そんな些細な事がとても愛おしく感じる。
「だから私は、アルマ様には感謝しているんです。あの人がやった事は許せませんがこんな素敵な人たちに出会わせてくれたんですから」
私がそう言うと、皆は少し照れ臭そうに笑っている。
そんな風に照れている三人を微笑ましく見ながら私は話を続ける。
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