若い聖女が現れたから私はお役御免!?それならこっちから婚約破棄します! ~今更私の力に気づいて戻ってきてと言ってももう遅いです~

桜乃

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あの人達のその後

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それぞれが、パーティーを楽しみ、そろそろお開きにしましょう。
そんな雰囲気になった頃、ルークが真剣な顔で、皆に話さなければならない事がある、と言った。
私達は、ルークの話したい事が、何となく分かっていて、お互いに顔を見合わせると、小さく頷いた。
「ルーク、私のお部屋に行って話しませんか?」
「……そうだな、その方が俺も話しやすい」
「では、行きましょう」
私はそう言って、皆を自分の部屋へと案内した。
きっとルークの言う話と言うのは、あの人達の事、ルークの事だから
全て終わらせて帰ってきている。そうは思うけれど、やっぱり不安は消えなかった。
けれど、きっと大丈夫……あの人達がどうなろうと私にはもう関係ないのだから。
「さぁ、入って……今お茶を淹れてくるから……エミリアも手伝ってくれるかしら?」
「うぇ!?う、うん!」
「ありがとう、三人は好きな所に腰掛けててね?」
そう言って、私とエミリアはキッチンへと向かった。
キッチンまでの間、私達の間に会話は無く、何処か緊張した空気だけが漂っていた。
「…………ねぇ、ルカ」
「なんでしょう?」
その沈黙を先に破ったのはエミリアだった。
私は、すました顔でなんでしょう?と聞いたけれど、内心はドキドキしていた。
「ルークの話ってさ、きっとあの事でしょう?ルカ大丈夫?」
「大丈夫……と言ったら嘘になりますね、今も緊張でドキドキですもの」
ポットにお湯を注ぎながら、私は苦笑いをしてエミリアに答える。
そんな私を見て、エミリアは少し悲しそうに微笑みながらこう言った。
「ルークなら大丈夫だよ」
「えぇ、私もそう思ってるわ、だってルークですもの……だから大丈夫ですよ」
「うんうん!じゃあ、お部屋にもどろ!」
「はい、皆さんを待たせるのも申し訳ないですから、急ぎましょう」
*****
三人の所に戻ると、部屋の中はさっきの私達の様な、重い空気が漂っていて
あぁ……申し訳ない事をしてしまったな、と私は反省をした。
「皆さんお待たせしました、遅くなってしまってごめんなさい」
「ううん、大丈夫だよ……!」
「は、はい!それより……お話と言うのは……」
「そうだね、ルカ、エミリア二人もこっちに座って」
「あ……うん」
「はい、分かりました」
ルークは私達がソファに座った事を確認すると、すぅ……と深呼吸し、ゆっくりと話し始めた。
私達はそんなルークの話しを黙って聞いていた……。
「まず、あの三人の事だけれど……無事にすべて終わったよ、だから安心して」
「…………よかった」
「うん、それで……まず、アルマだけれど今は地下の牢にいる、来週にでもこの国から追放されると思う」
その言葉を聞いた瞬間、私はホッとしてほっと息を吐いた。
アルマ様……。
私がずっと好き”だった”人、今はそれだけの人。
あの人が私にしてきた事を忘れる事は出来ない、けれど今の私にはもう関係のない事
だって……私は、ルークと幸せになると決めたのだから。
「それで……あの二人だけれど……アイツらも、もうじきこの国から追放されそして、二度と魔法が使えない様、牢で一生を過ごすことになるだろう」
アルマ様と同じく、あの二人ももう私の中では終わった人だ。
もうあの人達がどうなろうと私には関係ない……そう言い聞かせていたけれど、やっぱり少しだけ寂しさを覚えた。
「ルカ……ごめんね、俺にはこれぐらいしか出来なくて……アイツらのした事を考えればこんな罰軽いくらいだろうけれど
これ以上の罰だなんて、ルカは求めていないだろう?」
「……えぇ、いくら罪を犯した人たちとは言え、あの人達が傷付くのは見たくない」
私がそう言うと、ルークは優しく微笑みながら私の頭を撫でてくれた。
私は、そんな優しい手のぬくもりに安心して目を閉じた……そして改めて心に誓った。
もう……迷わないと。
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