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第3章 少年期中編
第30話 共同生活
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俺とアネッサは買い物に出た。
とりあえず、家具を増やそうかとも思ったが、頑なにアネッサが拒否してきた。
俺が使うならともかく、自分の為に必要以上にお金は使わなくても良いそうだ。
必要になったら買う事にすればいいか、と俺も承諾。
よって、買い出しは食器の追加と食材の購入だ。
「アネッサの歳はいくつ?」
「十七です」
買い出しの道中で話しかける。
俺より七つ上か。
精神年齢的にはもう倍以上の差をつけてるけど。
前の世界で既に三十近く、そしてこの世界で十年。
合わさればもう四十のおじさんだ。
……涙が出そうになるから考えるのは止めよう……。
「アネッサ、今夜は好きな物を作るとしよう。
何が食べたい?」
「い、いえ、シン様が食べた余りをもらえれば……」
残飯処理かよ……。
やめてくれ、いよいよ俺が鬼畜野郎になっちまう。
俺は足を止めて人差し指を立ててアネッサを見る。
「いいかい、アネッサ。
君は確かに奴隷だし、ひょっとしたらアネッサの考える扱いが奴隷の普通なのかもしれない。
でも僕は他の奴隷の扱いは知らないし、そういう扱いは多分しない。
僕の従者となったのだから、扱いを他と比べないで欲しい。
僕等は僕等のやり方でいく。
だから必要以上に謙る事はない。
上下の関係はあれど、君は僕に常に服従する必要はないんだ」
俺が真剣に言うと、俯くアネッサ。
「あの……すみません……」
はぁ……前途多難だな。
俺はボリボリと頭を掻いて、顔を引き締める。
そして、そっと俯いたアネッサの額を人差し指で押し上げる。
「アネッサ。
俺はお前を守り、支えると約束した。
だが、お前を本当に大切にできるのは、お前自身だ。
それを忘れるな」
その言葉にハッとアネッサは顔を上げ、目を見開く。
その時には、もう俺は優しく微笑んでいた。
「それじゃあ、行こうか」
アネッサはしばし、呆然と歩き出すシンの背中を見る。
今、一瞬、目の前の少年がずっと年上に見えた気がした……。
そんな訳、あるはずないのに。
アネッサは首を振り、シンの後を追う。
食材の買い物。
まずはパンを何種類か。
野菜はキャベツ、ニンジン、ジャガイモ、タマネギ、ニンニク、ブロッコリーとキノコの類。
そして魚と肉を数種類。
小麦粉に片栗粉、パン粉を一袋づつ。
調味料に塩と砂糖、バター、そして香辛料と香草をいくつか。
そして赤ワインと白ワイン、牛乳、蜂蜜も一瓶づつ。
何を作るにせよ、これだけ揃えれば大体の物は作れる。
醤油や味噌、みりんはさすがに無い。
日本食を本格的に作るには、もう少し研究がいるかな。
それでも、食材の種類も調味料等も数が多い。
有難い事だ。
家に戻る頃には既にお昼になっていた。
買い出した荷物を整理し、俺はローブを脱いで壁に掛けて、袖を捲る。
「アネッサ、料理は得意?」
「はい。割と自信はあります。
昼食は私が用意致しますが……」
アネッサも袖を捲る。
「いや、俺と一緒に作ろう。
料理は好きなんだ」
俺がそう微笑むと、アネッサは頷いた。
皮を剥いたタマネギをアネッサに刻んでもらう。
その間に俺は牛肉を細かく切り刻む。
それを更に切り叩く。
所謂挽肉だ。
魔法で火カマドに火を付ける。
そういや、マッチとかも必要だな。
俺はいらないが、アネッサには必要だ。
鉄鍋のフライパンで刻んだタマネギを炒め、塩と胡椒でほんのり味付け。
それを木のボールに移し、挽肉を入れ、卵とパン粉を混ぜて、こねる。
「これは……なんでしょうか?」
その調理を不思議そうに見ているアネッサ。
「出来てからのお楽しみ。
アネッサ。ブロッコリーとジャガイモを一口サイズにして蒸しておいてくれ」
俺はウィンクしてそう指示すると、アネッサは頷く。
俺はこねた肉を拳サイズにまとめ、形を整える。
それをフライパンで焼き、蓋をする。
後はソース作り。
赤ワインとバター。
そして塩とニンニク、蜂蜜を煮詰める。
出来上がったのはハンバーグ。
ホカホカと湯気が立ち上る。
付け合わせには蒸した芋とブロッコリー。
そして主食に白パン。
夕食レベルのご馳走だが、記念すべき新居での最初の食事だからな。
「すごい……とてもいい香りです」
アネッサの頬がほんのり染まって生唾を飲み込んでいる。
やっぱ獣人族は肉が好きなのかな?
「こんなご馳走、食べ残しだけなんて物足りないだろ?
しっかり食べてくれよ」
俺は二人分のハンバーグをそれぞれお皿に盛り付け、テーブルに並べ、ナイフとフォークを揃える。
「さぁ、食べようか」
俺は席に着いてそう言った。
アネッサも続いて向かいの席に着く。
「本当に、私の分までよろしいのですか?」
「そりゃ勿論。
そん代わり、掃除や洗濯とかは頼んだ!」
俺は笑いながらそう言うと、アネッサも微笑んで頷いた。
いつも無表情だけど、笑うと可愛いな、やっぱり。
そして俺は胸の前でソッと手を合わせる。
それをアネッサは不思議そうに見ていた。
「食事の前の挨拶だ。
食べられる事と、食材への感謝だな。
アネッサも手を合わせてくれる?」
俺がそう促すと、アネッサも俺と同じように手を合わせる。
「いただきます」
俺はそう一礼すると、アネッサも、いただきます、と言って一礼する。
そして早速ハンバーグを一口食べてみる。
うん、なかなかいい出来じゃあないか。
アネッサもハンバーグを一口食べると、耳と尻尾がピンッと跳ね上がる。
「美味しい……」
ふふふー、そうだろうそうだろう。
料理には自信あるからね。
俺たちは箸を……いや、ナイフとフォークを止める事なく食べ切った。
箸も今度作るかなー。
ふと見れば、アネッサの尻尾がふりふり揺れていた。
「こんなに美味しい物を食べたのは初めてです」
アネッサは欠片も残さず食べ終えると満足した顔でそう言った。
「大袈裟だな。それは褒めすぎじゃない?」
俺は恥ずかしそうに笑う。
「いいえ、本当です。
ご馳走さまでした」
「はいよ。
しかし、これでそんなにご馳走って言うなら、今までどんな生活してたんだ?」
俺は皿を片付けながら何気なくそう問いかけると、アネッサは口を噤んで俯く。
それを見て俺も手を止める。
「……まぁ、話したくないならそれでも良いさ。
また話せる時に聞かせておくれ」
俺はそう言って皿を洗い始める。
あっさり引き下がった俺が意外だったのか、アネッサは顔を上げて俺を見る。
「問いたださないのですか?」
怯えた顔でそう聞いてくるアネッサ。
「話したくない過去を掘り返すほど、悪趣味じゃないよ」
俺は苦笑いしながらそう言って、でも、と続ける。
「話せる時がきたら、アネッサの過去も知っておきたい。
一緒に生活してやっていくんだ。
少しづつお互いの事を知っていこう。
僕も……時がきたら、話さなくちゃいけない事もあるし、ね」
俺はそんな事を言って、微笑んだ。
そんな俺をアネッサは見つめ、わかりました、と言って小さく頷いた。
いつかは、俺が異世界から来た事を話すべきだろう。
どんな反応をするかはわからないが。
昼食を済ませた後、俺は例の個室に入る。
そして、鉄のストーブのような物から伸びる煙突を取り外す。
「これは使わないのですか?」
外された鉄のストーブもどきを指差すアネッサ。
「ここはもう蒸し風呂にするつもりはないからね。
だから、この鉄の塊は要らない。
代わりに風呂桶を置こう」
そうして鉄の塊を運び出し、スペースを確保する。
しかしこの塊、どうしよ……。
「こういうのって売れるの?」
俺は鉄のストーブもどきに手を置いてアネッサに尋ねる。
「鍛治職人なら買い取ってくれるかもしれません」
「なら、売りに行こう。
その後、木工家具店に立ち寄って、最後に雑貨屋でアネッサの分の食器を増やそうか」
俺がそう提案すると、アネッサは頷く。
文句ひとつ言わない従順な部下である。
素晴らしい。
俺達は鉄の塊を二人で持って、鍛治職人のもとを訪れる。
銀貨二枚と銅貨三○枚分の価値しか無かったが、とりあえず処分は出来た。
お次は風呂桶。
家具屋に立ち寄って店主に声をかける。
前に立ち寄った家具屋とは別のお店である。
「大きめの、深い桶はありますか?
人が入れるくらいのサイズの」
俺はそう尋ねると、店主のおっちゃんは俺を見て笑う。
「そんなでかい桶を何に使う?
洗濯でもすんのか?」
「いえ、お風呂に」
それを聞いて大いに笑う店主。
「そうかいそうかい。
まぁ、なんでもいいがな。
風呂桶なんて誰も買ったりしない。
特注で作ることになるから、値も張るぜ?」
「いくらですか?」
店主は顎に手をやって唸る。
「うーん、そうだな。
大きさは具体的にはどんもんだ?」
「可能なら、僕の胸あたりの深さを。
広さは大人が座って足を伸ばせるくらいだと望ましいです」
店主は紙切れに、ふんふん、と言いながらメモしていく。
「それならまぁ手間賃も含めて金貨一枚と銀貨三○ってところかな」
鼻を鳴らしてそう言う店主。
払えるのか?みたいな顔してる。
なんだ、そんなもんか。
俺はローブのポケットから金貨を二枚置く。
店主は目を大きくして驚く。
それを見てアネッサが後ろでクスクス笑っている。
「お釣りは結構です。
代わりに、頑丈な物に仕上げて下さい。
水が絶対もれないような。
あと、出来れば馬車で運んでくれると助かります」
流石に大きな風呂桶を担いで移動は恥ずかしい。
店主は金貨二枚を受け取り困ったように笑う。
「デカイ桶一つで金貨をすぐに出せるたぁ、見た目によらず太ぇ坊主だな。
良いだろう。
三日ほど時間をもらえるか?
良いもの仕上げて届けたるよ」
「ありがとうございます。
あと、小さい桶も二つ買っていきますね」
それは店にも置いてあったので、買う事にする。
「釣りはいらないならそいつはサービスで構わねぇよ。
また来てくれよな」
そう店主は笑いながら言った。
割と良い人みたいだ。
俺とアネッサは一礼してそれぞれ桶を持っていく。
「今夜は風呂桶は無いけど、これで身体を流そうか」
「湖に行かれるのですか?」
いやいや、せっかく風呂場があるならわざわざそんな所いかない。
「風呂場を活用しよう。
本番前の実験もかねて、ね」
俺はそう言って微笑むが、アネッサは疑問顔。
どうやらお風呂とは縁が無いみたいでイメージが出来ないのだろう。
これを機に風呂の素晴らしさを知るが良い。
最後に雑貨屋に寄り、食器を追加して購入する。
ついでにソープナッツパウダーも一袋買っていった。
家に帰り、俺はお風呂に入って早速実験してみる。
布のズボンとシャツの裾はたくし上げる。
「何を始めるのですか?」
俺の様子をジーッと扉の脇から覗き込むアネッサ。
「お湯を作る。
加減を知っておけば、湯船も作れるさ」
そう言って小さい桶に水魔法によって半分水を溜める。
その後、小さめのファイアボールを桶の中に沈み込ませる。
ボコボコと気泡が浮き上がり、水が加熱されていく。
少ない水ならあっという間に熱湯が出来上がる。
熱くなりすぎたので、そこに水を足していき温度調節。
指先を入れて温度を確認。
まだ熱い……。
もう少し……。
うん、こんくらいだな。
桶の中を手で掻き回し、適温なのを確かめる。
「ね?簡単でしょ?」
俺が笑顔で問いかけるとアネッサは目を点にしている。
「あの、シン様。
調理の時も思ったのですが、日常生活で魔法を使っているのですか?
詠唱もしていませんし」
あー、そうか。
そういやこんな使い方しないんだよね、普通は。
「鍛えたからね」
俺はドヤ顔で一言そう言った。
深くは説明しなくても良いだろ。
「そ、そうですか。
すごいのですね」
まだ納得してない感じだな。
アネッサの顔は引きつっていた。
まぁ、毎日見てれば慣れるだろう。
「それじゃあ、せっかくお湯を作ったんだし、少し身体を洗うよ。
アネッサは休んでて良いよ」
俺がそう言うと、アネッサは首を振る。
「お手伝いします」
そう言って浴室に踏み入るアネッサ。
「い、いや!いいって!
一人で身体くらい洗えるよっ!」
俺は両手を突き出してブンブン手を振り、お断りする。
そんな恥ずかしい事できるか!
「ですが……」
「ほんと、大丈夫だからさ。
必要な時は呼ぶよ。
居間で待機しててくれ」
俺がそう告げると、しぶしぶ引き下がるアネッサ。
こういう教育はエレノアさんがしてんのか?
まぁ、本音を言えば、やってもらいたい気持ちもゼロじゃあないが、やっぱ気がひけるだろ。
あんな美少女に身体を洗ってもらったら息子が反応しちまう。
俺は暖かいお湯で体を流し、ソープナッツパウダーによって泡立った布で身体をゴシゴシ洗う。
やっぱ風呂場があるってのは素晴らしい。
桶は小さいので再度お湯を作り直し、身体を流していく。
シャワーが欲しい。
冷水のシャワーならいつでも魔法で放てるが、温水は難しいだろう。
やはり大きい風呂桶にお湯を溜めておけば全てが解決だな。
俺は布をきつく絞り、身体を拭いて腰に巻き、風呂場から出る。
居間ではアネッサが着替えと新しい乾いた布を持って待機していた。
な、なんという気配りっ!
「実験はどうでしたか?」
俺は乾いた布を手に取り、頭を拭きながら答える。
「概ね成功だね。
でも、やっぱり大きい風呂桶が必要だ。
アネッサも試しに温水で身体を洗ってみる?
冷水より汚れも落ちるし、気持ちいいよ」
「興味はとてもありますが、シン様に手間をかけさせてしまいます」
そう言って苦笑いするアネッサ。
「お湯を作るくらいなんて事ないよ。
さっきの見てたでしょ?」
「しかし、それほど魔法を使ってはマナが……」
あぁ、なるほど、そっちの心配もあるのか。
「極大魔法ならいざ知らず、こんなチンケな魔法なら使った端から回復してくから大丈夫」
俺は親指を立ててサムズアップする。
アネッサはしばし悩み、口を開く。
「自然マナ回復までお持ちなのですか。
……では、お願い出来ますか?」
「はいよ。
そんな申し訳なさそうな顔しないで。
これからは頻繁にお風呂に入る事になるんだろうし、風呂の準備は俺が担当するよ。
その代わり、風呂場の掃除は任せたっ!」
面倒な事は任せる。
ビバ、同居生活。
「かしこまりました。掃除はお任せ下さい」
心なしか、頼まれて嬉しそうなアネッサ。
互いに協力し合い、補いながら過ごせば、より充実した生活が出来るというもの。
俺は着替えを済ませて、小さな桶を二ついっぱいにお湯を溜めておく。
温水で身体を洗い終えたアネッサは、温水で身体を洗える事に感動していた。
この分ならお風呂は気に入りそうだな。
早く風呂桶が届くといいな。
とりあえず、家具を増やそうかとも思ったが、頑なにアネッサが拒否してきた。
俺が使うならともかく、自分の為に必要以上にお金は使わなくても良いそうだ。
必要になったら買う事にすればいいか、と俺も承諾。
よって、買い出しは食器の追加と食材の購入だ。
「アネッサの歳はいくつ?」
「十七です」
買い出しの道中で話しかける。
俺より七つ上か。
精神年齢的にはもう倍以上の差をつけてるけど。
前の世界で既に三十近く、そしてこの世界で十年。
合わさればもう四十のおじさんだ。
……涙が出そうになるから考えるのは止めよう……。
「アネッサ、今夜は好きな物を作るとしよう。
何が食べたい?」
「い、いえ、シン様が食べた余りをもらえれば……」
残飯処理かよ……。
やめてくれ、いよいよ俺が鬼畜野郎になっちまう。
俺は足を止めて人差し指を立ててアネッサを見る。
「いいかい、アネッサ。
君は確かに奴隷だし、ひょっとしたらアネッサの考える扱いが奴隷の普通なのかもしれない。
でも僕は他の奴隷の扱いは知らないし、そういう扱いは多分しない。
僕の従者となったのだから、扱いを他と比べないで欲しい。
僕等は僕等のやり方でいく。
だから必要以上に謙る事はない。
上下の関係はあれど、君は僕に常に服従する必要はないんだ」
俺が真剣に言うと、俯くアネッサ。
「あの……すみません……」
はぁ……前途多難だな。
俺はボリボリと頭を掻いて、顔を引き締める。
そして、そっと俯いたアネッサの額を人差し指で押し上げる。
「アネッサ。
俺はお前を守り、支えると約束した。
だが、お前を本当に大切にできるのは、お前自身だ。
それを忘れるな」
その言葉にハッとアネッサは顔を上げ、目を見開く。
その時には、もう俺は優しく微笑んでいた。
「それじゃあ、行こうか」
アネッサはしばし、呆然と歩き出すシンの背中を見る。
今、一瞬、目の前の少年がずっと年上に見えた気がした……。
そんな訳、あるはずないのに。
アネッサは首を振り、シンの後を追う。
食材の買い物。
まずはパンを何種類か。
野菜はキャベツ、ニンジン、ジャガイモ、タマネギ、ニンニク、ブロッコリーとキノコの類。
そして魚と肉を数種類。
小麦粉に片栗粉、パン粉を一袋づつ。
調味料に塩と砂糖、バター、そして香辛料と香草をいくつか。
そして赤ワインと白ワイン、牛乳、蜂蜜も一瓶づつ。
何を作るにせよ、これだけ揃えれば大体の物は作れる。
醤油や味噌、みりんはさすがに無い。
日本食を本格的に作るには、もう少し研究がいるかな。
それでも、食材の種類も調味料等も数が多い。
有難い事だ。
家に戻る頃には既にお昼になっていた。
買い出した荷物を整理し、俺はローブを脱いで壁に掛けて、袖を捲る。
「アネッサ、料理は得意?」
「はい。割と自信はあります。
昼食は私が用意致しますが……」
アネッサも袖を捲る。
「いや、俺と一緒に作ろう。
料理は好きなんだ」
俺がそう微笑むと、アネッサは頷いた。
皮を剥いたタマネギをアネッサに刻んでもらう。
その間に俺は牛肉を細かく切り刻む。
それを更に切り叩く。
所謂挽肉だ。
魔法で火カマドに火を付ける。
そういや、マッチとかも必要だな。
俺はいらないが、アネッサには必要だ。
鉄鍋のフライパンで刻んだタマネギを炒め、塩と胡椒でほんのり味付け。
それを木のボールに移し、挽肉を入れ、卵とパン粉を混ぜて、こねる。
「これは……なんでしょうか?」
その調理を不思議そうに見ているアネッサ。
「出来てからのお楽しみ。
アネッサ。ブロッコリーとジャガイモを一口サイズにして蒸しておいてくれ」
俺はウィンクしてそう指示すると、アネッサは頷く。
俺はこねた肉を拳サイズにまとめ、形を整える。
それをフライパンで焼き、蓋をする。
後はソース作り。
赤ワインとバター。
そして塩とニンニク、蜂蜜を煮詰める。
出来上がったのはハンバーグ。
ホカホカと湯気が立ち上る。
付け合わせには蒸した芋とブロッコリー。
そして主食に白パン。
夕食レベルのご馳走だが、記念すべき新居での最初の食事だからな。
「すごい……とてもいい香りです」
アネッサの頬がほんのり染まって生唾を飲み込んでいる。
やっぱ獣人族は肉が好きなのかな?
「こんなご馳走、食べ残しだけなんて物足りないだろ?
しっかり食べてくれよ」
俺は二人分のハンバーグをそれぞれお皿に盛り付け、テーブルに並べ、ナイフとフォークを揃える。
「さぁ、食べようか」
俺は席に着いてそう言った。
アネッサも続いて向かいの席に着く。
「本当に、私の分までよろしいのですか?」
「そりゃ勿論。
そん代わり、掃除や洗濯とかは頼んだ!」
俺は笑いながらそう言うと、アネッサも微笑んで頷いた。
いつも無表情だけど、笑うと可愛いな、やっぱり。
そして俺は胸の前でソッと手を合わせる。
それをアネッサは不思議そうに見ていた。
「食事の前の挨拶だ。
食べられる事と、食材への感謝だな。
アネッサも手を合わせてくれる?」
俺がそう促すと、アネッサも俺と同じように手を合わせる。
「いただきます」
俺はそう一礼すると、アネッサも、いただきます、と言って一礼する。
そして早速ハンバーグを一口食べてみる。
うん、なかなかいい出来じゃあないか。
アネッサもハンバーグを一口食べると、耳と尻尾がピンッと跳ね上がる。
「美味しい……」
ふふふー、そうだろうそうだろう。
料理には自信あるからね。
俺たちは箸を……いや、ナイフとフォークを止める事なく食べ切った。
箸も今度作るかなー。
ふと見れば、アネッサの尻尾がふりふり揺れていた。
「こんなに美味しい物を食べたのは初めてです」
アネッサは欠片も残さず食べ終えると満足した顔でそう言った。
「大袈裟だな。それは褒めすぎじゃない?」
俺は恥ずかしそうに笑う。
「いいえ、本当です。
ご馳走さまでした」
「はいよ。
しかし、これでそんなにご馳走って言うなら、今までどんな生活してたんだ?」
俺は皿を片付けながら何気なくそう問いかけると、アネッサは口を噤んで俯く。
それを見て俺も手を止める。
「……まぁ、話したくないならそれでも良いさ。
また話せる時に聞かせておくれ」
俺はそう言って皿を洗い始める。
あっさり引き下がった俺が意外だったのか、アネッサは顔を上げて俺を見る。
「問いたださないのですか?」
怯えた顔でそう聞いてくるアネッサ。
「話したくない過去を掘り返すほど、悪趣味じゃないよ」
俺は苦笑いしながらそう言って、でも、と続ける。
「話せる時がきたら、アネッサの過去も知っておきたい。
一緒に生活してやっていくんだ。
少しづつお互いの事を知っていこう。
僕も……時がきたら、話さなくちゃいけない事もあるし、ね」
俺はそんな事を言って、微笑んだ。
そんな俺をアネッサは見つめ、わかりました、と言って小さく頷いた。
いつかは、俺が異世界から来た事を話すべきだろう。
どんな反応をするかはわからないが。
昼食を済ませた後、俺は例の個室に入る。
そして、鉄のストーブのような物から伸びる煙突を取り外す。
「これは使わないのですか?」
外された鉄のストーブもどきを指差すアネッサ。
「ここはもう蒸し風呂にするつもりはないからね。
だから、この鉄の塊は要らない。
代わりに風呂桶を置こう」
そうして鉄の塊を運び出し、スペースを確保する。
しかしこの塊、どうしよ……。
「こういうのって売れるの?」
俺は鉄のストーブもどきに手を置いてアネッサに尋ねる。
「鍛治職人なら買い取ってくれるかもしれません」
「なら、売りに行こう。
その後、木工家具店に立ち寄って、最後に雑貨屋でアネッサの分の食器を増やそうか」
俺がそう提案すると、アネッサは頷く。
文句ひとつ言わない従順な部下である。
素晴らしい。
俺達は鉄の塊を二人で持って、鍛治職人のもとを訪れる。
銀貨二枚と銅貨三○枚分の価値しか無かったが、とりあえず処分は出来た。
お次は風呂桶。
家具屋に立ち寄って店主に声をかける。
前に立ち寄った家具屋とは別のお店である。
「大きめの、深い桶はありますか?
人が入れるくらいのサイズの」
俺はそう尋ねると、店主のおっちゃんは俺を見て笑う。
「そんなでかい桶を何に使う?
洗濯でもすんのか?」
「いえ、お風呂に」
それを聞いて大いに笑う店主。
「そうかいそうかい。
まぁ、なんでもいいがな。
風呂桶なんて誰も買ったりしない。
特注で作ることになるから、値も張るぜ?」
「いくらですか?」
店主は顎に手をやって唸る。
「うーん、そうだな。
大きさは具体的にはどんもんだ?」
「可能なら、僕の胸あたりの深さを。
広さは大人が座って足を伸ばせるくらいだと望ましいです」
店主は紙切れに、ふんふん、と言いながらメモしていく。
「それならまぁ手間賃も含めて金貨一枚と銀貨三○ってところかな」
鼻を鳴らしてそう言う店主。
払えるのか?みたいな顔してる。
なんだ、そんなもんか。
俺はローブのポケットから金貨を二枚置く。
店主は目を大きくして驚く。
それを見てアネッサが後ろでクスクス笑っている。
「お釣りは結構です。
代わりに、頑丈な物に仕上げて下さい。
水が絶対もれないような。
あと、出来れば馬車で運んでくれると助かります」
流石に大きな風呂桶を担いで移動は恥ずかしい。
店主は金貨二枚を受け取り困ったように笑う。
「デカイ桶一つで金貨をすぐに出せるたぁ、見た目によらず太ぇ坊主だな。
良いだろう。
三日ほど時間をもらえるか?
良いもの仕上げて届けたるよ」
「ありがとうございます。
あと、小さい桶も二つ買っていきますね」
それは店にも置いてあったので、買う事にする。
「釣りはいらないならそいつはサービスで構わねぇよ。
また来てくれよな」
そう店主は笑いながら言った。
割と良い人みたいだ。
俺とアネッサは一礼してそれぞれ桶を持っていく。
「今夜は風呂桶は無いけど、これで身体を流そうか」
「湖に行かれるのですか?」
いやいや、せっかく風呂場があるならわざわざそんな所いかない。
「風呂場を活用しよう。
本番前の実験もかねて、ね」
俺はそう言って微笑むが、アネッサは疑問顔。
どうやらお風呂とは縁が無いみたいでイメージが出来ないのだろう。
これを機に風呂の素晴らしさを知るが良い。
最後に雑貨屋に寄り、食器を追加して購入する。
ついでにソープナッツパウダーも一袋買っていった。
家に帰り、俺はお風呂に入って早速実験してみる。
布のズボンとシャツの裾はたくし上げる。
「何を始めるのですか?」
俺の様子をジーッと扉の脇から覗き込むアネッサ。
「お湯を作る。
加減を知っておけば、湯船も作れるさ」
そう言って小さい桶に水魔法によって半分水を溜める。
その後、小さめのファイアボールを桶の中に沈み込ませる。
ボコボコと気泡が浮き上がり、水が加熱されていく。
少ない水ならあっという間に熱湯が出来上がる。
熱くなりすぎたので、そこに水を足していき温度調節。
指先を入れて温度を確認。
まだ熱い……。
もう少し……。
うん、こんくらいだな。
桶の中を手で掻き回し、適温なのを確かめる。
「ね?簡単でしょ?」
俺が笑顔で問いかけるとアネッサは目を点にしている。
「あの、シン様。
調理の時も思ったのですが、日常生活で魔法を使っているのですか?
詠唱もしていませんし」
あー、そうか。
そういやこんな使い方しないんだよね、普通は。
「鍛えたからね」
俺はドヤ顔で一言そう言った。
深くは説明しなくても良いだろ。
「そ、そうですか。
すごいのですね」
まだ納得してない感じだな。
アネッサの顔は引きつっていた。
まぁ、毎日見てれば慣れるだろう。
「それじゃあ、せっかくお湯を作ったんだし、少し身体を洗うよ。
アネッサは休んでて良いよ」
俺がそう言うと、アネッサは首を振る。
「お手伝いします」
そう言って浴室に踏み入るアネッサ。
「い、いや!いいって!
一人で身体くらい洗えるよっ!」
俺は両手を突き出してブンブン手を振り、お断りする。
そんな恥ずかしい事できるか!
「ですが……」
「ほんと、大丈夫だからさ。
必要な時は呼ぶよ。
居間で待機しててくれ」
俺がそう告げると、しぶしぶ引き下がるアネッサ。
こういう教育はエレノアさんがしてんのか?
まぁ、本音を言えば、やってもらいたい気持ちもゼロじゃあないが、やっぱ気がひけるだろ。
あんな美少女に身体を洗ってもらったら息子が反応しちまう。
俺は暖かいお湯で体を流し、ソープナッツパウダーによって泡立った布で身体をゴシゴシ洗う。
やっぱ風呂場があるってのは素晴らしい。
桶は小さいので再度お湯を作り直し、身体を流していく。
シャワーが欲しい。
冷水のシャワーならいつでも魔法で放てるが、温水は難しいだろう。
やはり大きい風呂桶にお湯を溜めておけば全てが解決だな。
俺は布をきつく絞り、身体を拭いて腰に巻き、風呂場から出る。
居間ではアネッサが着替えと新しい乾いた布を持って待機していた。
な、なんという気配りっ!
「実験はどうでしたか?」
俺は乾いた布を手に取り、頭を拭きながら答える。
「概ね成功だね。
でも、やっぱり大きい風呂桶が必要だ。
アネッサも試しに温水で身体を洗ってみる?
冷水より汚れも落ちるし、気持ちいいよ」
「興味はとてもありますが、シン様に手間をかけさせてしまいます」
そう言って苦笑いするアネッサ。
「お湯を作るくらいなんて事ないよ。
さっきの見てたでしょ?」
「しかし、それほど魔法を使ってはマナが……」
あぁ、なるほど、そっちの心配もあるのか。
「極大魔法ならいざ知らず、こんなチンケな魔法なら使った端から回復してくから大丈夫」
俺は親指を立ててサムズアップする。
アネッサはしばし悩み、口を開く。
「自然マナ回復までお持ちなのですか。
……では、お願い出来ますか?」
「はいよ。
そんな申し訳なさそうな顔しないで。
これからは頻繁にお風呂に入る事になるんだろうし、風呂の準備は俺が担当するよ。
その代わり、風呂場の掃除は任せたっ!」
面倒な事は任せる。
ビバ、同居生活。
「かしこまりました。掃除はお任せ下さい」
心なしか、頼まれて嬉しそうなアネッサ。
互いに協力し合い、補いながら過ごせば、より充実した生活が出来るというもの。
俺は着替えを済ませて、小さな桶を二ついっぱいにお湯を溜めておく。
温水で身体を洗い終えたアネッサは、温水で身体を洗える事に感動していた。
この分ならお風呂は気に入りそうだな。
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