異世界転生した俺は最強の魔導騎士になる

ひとつめ帽子

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第3章 少年期中編

第44話 ブラッドムーンの夜

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 俺たちは森の中の湖を見つけると、そこで乾いた喉を潤した。
ふと脇のアネッサを見る。
長い体毛こそ無くなって、また透き通るような肌がに戻ったけれど、髪は相変わらず銀色のままであり、瞳も両目とも金色のままだ。
恐らく、ブラッドムーンの夜を越えるまではこのままなのだろう。

 もはや魔物が多く生息するはずのシャーウッドの樹海には魔物の気配が消えていた。
タマと俺が続けて半幻獣と争った結果、災厄とも言える猛威を恐れてほとんどの魔物は逃げ出し身を隠したのだろう。

 俺はミーシャさんに教わったサバイバル知識を基に、食べらる果実や木の実を集めて食べる。
大した量では無かったが、少しは腹を満たすべきだからだ。
湖にも魚がいたので、それも串焼きにして俺達は食べた。



「帰ったら、風呂だな。
そういや引き取り出来てねぇや。
帰ったら謝らないといけないな」

 笑いながら俺がそう言うと、アネッサもそうでした、と言う。

「申し訳ありません。
私が離れてしまったばっかりに」
 
「もういいって。
ちゃんとこうして会えたしな。
その代わり、もう家出は無しな。
今度やったら首輪つけるから」

 俺がそう言うとクスクス笑うアネッサ。

「それも悪くありませんね。
奴隷っぽいです」

 悪戯っぽく言うアネッサ。

 え、この娘そういう趣味なの?
俺そういう趣味は無いんだよなぁ。

 固まる俺に「冗談です」と笑うアネッサ。
なんだか、こんな会話を久々にした気がする。

「……なぁ、アネッサ。
お前の過去を聞いたし、俺も話しておこうと思うんだ」

 俺がそう話し始めるとアネッサは小首を傾げる。

「……んー、少し奇想天外な話になるんだけどな。
信じるかどうかは、アネッサに任せるよ」

 そう言われ、アネッサは頷く。

「実は俺、転生したんだ」

「……テン……セイ?」

 アネッサの頭にはクエスチョンマークが大量にあるようだった。

「つまり、この世界じゃない場所で生きていて、そこで死んじまったら、この世界に生まれ落たって事だ」

「違う世界……ですか」

「そう、違う世界。
そこで俺は二十九歳まで生きて、死んだ。
そんでその記憶を保持したままこの世界で生まれ変わり、今十歳。
なんと、こんな見た目でありながら中身は四十のおっさんなんだ」

 ヤバくないか!?とアネッサを見る。
アネッサは目が点になって、はぁ、と一言漏らす。

「えっと、シン様はつまり十歳の歳ではない、と?」

「いや、身体はそうなんだ。
身体は子供、中身は大人、みたいなヤツだ」

 どこぞの名探偵みたいなセリフだな、と思いつつ言ってみる。

「そうなのですか。
不思議なこともあるのですね」

 アッサリとそう言って笑うアネッサ。

 あれー?なんかこう、もっと驚きとか、四十のオッサンとか引くわ、とか反応無いのか?

「……あんまり驚かないんだな、アネッサ」

 俺の方がショックを受けて肩を落とす。
いや、別に落ち込む必要無いんだけどね。

「えっと……驚きましたけど、でも納得したんです。
だってシン様、子供なのに言う事が変に大人びている時がありますから」

 そう言って微笑むアネッサ。

 確かに、そう言われるとそうだったかもしれん……。

「だから、驚くより納得したんです。
シン様は私より年上だっただなぁ、って」

「中身だけね。
見た目はまだ子供だけど」

「そうですね、見た目は子供です。
前にいた世界はどんな所だったんですか?」

「それはな……」

 俺達はそんな話をしつつ、身体を休めて夜に備える。
そして、徐々に陽が傾き始める。






「……さて、そろそろ始まりそうか?」

 夕暮れになると、俺は立ち上がりアネッサに声をかける。

「はい……。
身体の中がまた騒つき出してます。
あと少しで、恐らく始まります」

 何度も繰り返し幻獣への変化を経験した事で、その時が近づいている事をアネッサは敏感に感じ取る。
俺はそんなアネッサに手を伸ばす。

「約束だ、アネッサ。
必ず、あの家に二人で戻るぞ」

 その手を見つめ、アネッサは微笑み手を差し出しその手を握りしめる。

「はい、シン様」

 その直後、握った手を離してアネッサが膝をついて頭を抱える。

「お、おいっ!大丈夫かっ!?」

 俺は慌てて駆け寄るが、アネッサが片手を上げてそれを制する。
空を見上げれば血のように赤い真紅の満月が顔を見せていた。
ブラッドムーンの夜が始まった事を告げる。

「は、始まります……。
離れて下さい……」

 アネッサの手足から銀の体毛が伸びていく。
俺は頷き、ゆっくり後ずさる。

「シン様……ッ。
どうか……死なないで……ッ」

 アネッサが絞り出すようにそう声をかけてきた。
俺は真っ直ぐにアネッサを見つめ、力強く頷く。

 そして、アネッサが長い悲鳴を上げると、その身体が変貌していく。
手足は太くなり、四足歩行の銀色の狼の姿に変わっていった。
長く艶やかな銀色の毛が風になびき、手足と背中、首回りと頭から煌めく結晶が突き出している。
そして両手、両足からは千切れた金色の鎖が繋がり、ジャラジャラと地面を擦っていた。
グルルッ、と唸るその口からは鋭い牙が剥き出しになっている。

「ようやくお出ましか、幻獣フェンリル」

「……随分と、デカい口を叩いていたもなだな、小僧。
私に勝てるなど世迷言を。
この器はまた後悔する事になるだろうな。
軽率に貴様のような者の言葉を信じた事に」

 そう言って笑うフェンリル。

「事実だけどな。
俺はお前に負けねぇよ、フェンリル」

 フェンリルの笑いが止まる。
そして周囲に広がる煌めく結晶の範囲がより広くなっていく。

「お前が私に敵う道理などありはしない。
昨日の夜でそれすらわからぬ愚か者が。
己の愚かさをあの世で後悔するが良い」

 そう言って遠吠えするフェンリル。
その遠吠えには威圧も含まれており、大気が震え、地響き釜起こる。
そしてフェンリルの両脇に鋭い結晶の大剣が二本浮かび上がり、上空には百を超える結晶の槍がシンへと狙いを定めて構築される。
俺はそれを悠然と見渡し、次いでフェンリルを見る。

「お前は強い。
伝説の幻獣と言われるのも頷ける。
それは認める。
だがな、世の中上には上がいるもんだ」

 俺は片手を掲げ、あの術式を展開する。

「“幻想魔導術式、第一ノ門解放”ッ!!」

 叫ぶように唱えると、空間を歪める程の魔力がシンから解き放たれる。
そして足元には幾十もの重なり合う魔法陣が色鮮やかに光りだす。
シンはゆっくり掲げた手の平をフェンリルに向ける。
そして更に身体が変質し、“烈風迅雷の夜叉”となる。

「決着をつけようか、フェンリル。
かかって来いよ。
格の違いを教えてやる」

 飛び掛かるは伝説の幻獣フェンリル。
迎え撃つは最強の魔導騎士の力を継ぐ少年シン・オルディール。
それぞれの力が解放され、全開の力がぶつかり合う。






名称:フェンリル
性別:不明
種族:幻獣種

身体能力

レベル:測定不能

体力:854700
マナ:726900
魔力:674000
筋力:49600
耐久:69500
俊敏:87600

特性
・超越者 ・神獣の加護 ・神縛を破りし者 ・殺戮者 ・魔族殺し ・英雄殺し

スキル

・生体感知lv.MAX ・魔力感知lv.MAX ・気配遮断lv.MAX・爪牙無双lv.MAX 状態異常耐性lv.MAX 結晶魔導lv.MAX ・幻獣の咆哮lv.MAX
・威圧 ・結晶結界 ・攻撃魔法無効化 ・思考速度最速 ・高速自然治癒 ・空間瞬動 ・遠視 ・暗視 ・広域視野 ・多重補足 ・致命の一撃 ・対話術

【特性:超越者】
 限界を超えた存在。
その者のステータスに上限は無くなる。

【特性:神獣の加護】
 神域に達した幻獣の力を授かった証。
固有のスキルや能力を持つ。

【特性:神縛を破りしもの者】
 いかなる拘束であっても捕縛する事は叶わない。
また、繋がっている拘束具を使用できる。

【特性:魔族殺し】
 魔族との戦いにおいて無類の強さを誇る。

【特性:英雄殺し】
 英雄との戦いにおいて無類の強さを誇る。

【スキル:幻獣の咆哮】
 固有の能力を持った咆哮を放ち、周囲や対象に影響を与える。

【スキル:結晶結界】
 結界内において自身以外の魔法の使用が出来なくなる。


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