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あれから2年の歳月が経った。そして、今日は小学校の入学式である。制服なんて久しぶりだなあ。
「リオ、おはよう」
「シオンおはよう!!」
保育園へは結局、毎日一緒に登校し、一緒のベッドでお昼寝した。もう慣れだよね。でも、シオンってば、すぐキスするから恥ずかしくて仕方なかった。顔が赤くて熱があると勘違いされたこともあるし。
「今日もリオかわいい。誰かに取られそうで嫌だなあ。」
シオンは毎日こういうことを言うようになった。私はその言葉に慣れなくてすぐ真っ赤になってしまう。
「わ、私シオンが好きだから心配しなくても大丈夫だよ?」
シオンは笑顔のまま視線を合わせると
「それが可愛いの。学校生活不安でしかないよ。」
確かにリオの顔は整っていると思うけど……。最近気づいたことなのだが、私はタレ目なのだ。それがどうしたのか、と思うだろう。乙女ゲームのリオはツリ目だったのだ。一応悪役令嬢だったから。パパはツリ目、ママはタレ目でゲーム内ではパパ似だったんだろう。しかし、私はママ似なのだ。転生ってそんなことも起こるんだね。
「山田さん! シオンと帽子買ったんだけどかぶってくれる?」
「へっ? お二人が!? 嬉しいです、ありがとうございます!」
喜んでくれたみたいでよかった。ちゃんとお高めのやつ買ったんだよ。ブランドとかわからなくてシオンに絞ってもらいその中から私が選んだのだ。実は数万円する。普通の小学生には買えないけど私たちには買えるのだ。毎月お小遣いわ数十万円貰っている。私、ニートになろうかな。
「いつも送迎ありがとうございます。これからもお願いします。」
シオンがそう言うと山田さんは思わず涙ぐんでいた。って、自分の車で行かないの? 今日で終わりだと思ってたんだけど? 家近いと言っても毎日来るの大変だろうに。
学校へ着くと山田さんに行ってらっしゃいと見送られた。意外と家から小学校まで近い。もう少し遅く出ても間に合うかも。
「いつまで手繋ぐの?」
「ん? ずっと」
私たちもう小学校だよ? こんなことしてたら冷やかされるんじゃ。あ、私たちの言えない。普通じゃないんだった。みんな私たちの両親が怖くて逆らえないのだった。
「キャッ!」
誰かが私にぶつかり転けたようだった。ぶつかったと言うか突進してきたというか。
「だいじょ」
「いった~い!」
大丈夫かと声をかけようとすればその子は大きな声で叫ぶ。
何だこの子は。ヒロインと同じ行動をしてる……? しかし、ヒロインはもっと計画的だし、顔ももっと可愛い。この子も可愛いけれど。
「大丈夫? 君からぶつかったように見えたけど」
「違いますよぅ! そのひとがぶつかって来たんですぅ!」
ゲームでは小学校のころの話はなかったがリオはこんなめんどくさい人に絡まれていたのだろうか。
「そうなの? リオ」
これはもしかして本当なのか? という質問……?
「してない。シオンはその子の味方するんだ。」
シオンはあっ、とため息をつくとすぐ違うと否定した。こんなめんどくさい女になりたくないのに。繋いでいた手を無理やり剥がすと靴箱へ向かった。
……シオンと同じクラスだ……。
シオンは追いかけてくれなかった。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
自分で書いてて思いました。
主人公めんどくさい😇
「リオ、おはよう」
「シオンおはよう!!」
保育園へは結局、毎日一緒に登校し、一緒のベッドでお昼寝した。もう慣れだよね。でも、シオンってば、すぐキスするから恥ずかしくて仕方なかった。顔が赤くて熱があると勘違いされたこともあるし。
「今日もリオかわいい。誰かに取られそうで嫌だなあ。」
シオンは毎日こういうことを言うようになった。私はその言葉に慣れなくてすぐ真っ赤になってしまう。
「わ、私シオンが好きだから心配しなくても大丈夫だよ?」
シオンは笑顔のまま視線を合わせると
「それが可愛いの。学校生活不安でしかないよ。」
確かにリオの顔は整っていると思うけど……。最近気づいたことなのだが、私はタレ目なのだ。それがどうしたのか、と思うだろう。乙女ゲームのリオはツリ目だったのだ。一応悪役令嬢だったから。パパはツリ目、ママはタレ目でゲーム内ではパパ似だったんだろう。しかし、私はママ似なのだ。転生ってそんなことも起こるんだね。
「山田さん! シオンと帽子買ったんだけどかぶってくれる?」
「へっ? お二人が!? 嬉しいです、ありがとうございます!」
喜んでくれたみたいでよかった。ちゃんとお高めのやつ買ったんだよ。ブランドとかわからなくてシオンに絞ってもらいその中から私が選んだのだ。実は数万円する。普通の小学生には買えないけど私たちには買えるのだ。毎月お小遣いわ数十万円貰っている。私、ニートになろうかな。
「いつも送迎ありがとうございます。これからもお願いします。」
シオンがそう言うと山田さんは思わず涙ぐんでいた。って、自分の車で行かないの? 今日で終わりだと思ってたんだけど? 家近いと言っても毎日来るの大変だろうに。
学校へ着くと山田さんに行ってらっしゃいと見送られた。意外と家から小学校まで近い。もう少し遅く出ても間に合うかも。
「いつまで手繋ぐの?」
「ん? ずっと」
私たちもう小学校だよ? こんなことしてたら冷やかされるんじゃ。あ、私たちの言えない。普通じゃないんだった。みんな私たちの両親が怖くて逆らえないのだった。
「キャッ!」
誰かが私にぶつかり転けたようだった。ぶつかったと言うか突進してきたというか。
「だいじょ」
「いった~い!」
大丈夫かと声をかけようとすればその子は大きな声で叫ぶ。
何だこの子は。ヒロインと同じ行動をしてる……? しかし、ヒロインはもっと計画的だし、顔ももっと可愛い。この子も可愛いけれど。
「大丈夫? 君からぶつかったように見えたけど」
「違いますよぅ! そのひとがぶつかって来たんですぅ!」
ゲームでは小学校のころの話はなかったがリオはこんなめんどくさい人に絡まれていたのだろうか。
「そうなの? リオ」
これはもしかして本当なのか? という質問……?
「してない。シオンはその子の味方するんだ。」
シオンはあっ、とため息をつくとすぐ違うと否定した。こんなめんどくさい女になりたくないのに。繋いでいた手を無理やり剥がすと靴箱へ向かった。
……シオンと同じクラスだ……。
シオンは追いかけてくれなかった。
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自分で書いてて思いました。
主人公めんどくさい😇
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