ヒロインの性格が死ぬほど悪い乙女ゲームに転生したけど、私は当て馬悪役令嬢で幼馴染に振られるはずの人間だった。

海瀬

文字の大きさ
13 / 18

11.

しおりを挟む
 お久しぶりです。

✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼

「リオ!  何かあったのか?」



「もしかしてシオンと何かあった?」



「お兄ちゃん、レオンくん。」



さっきあったことを2人に話すと何故か笑われた。私はすごく傷ついたのに! 確かに中身だけで考えたら大人気ないことしたよね、私。見た目に精神年齢が引っ張られて自分を制御出来ないのが悔しい。



「シオンのことだから相手のことを考えた結果だよね。まぁ、リオちゃんの味方をしなかったシオンも少しは悪いかもしれないけれどね。」



キョトン、という顔をすると



「そいつの話を無視してリオの味方をしたかったと思うぞ、シオンは。でも、そうしたらそいつが学校に居ずらくなるだろ?」



本当だ。私そんなことも考えないで……。私たちが敵視してるなんて思われたら虐められてしまうかもしれない。でも、それでもいいんじゃないかと思った私は最低だよね。出来るならシオンには他の女の子と話して欲しくない。私、メンヘラすぎる……。



「シオンは優しすぎるんだよ。好きならリオのことだけを考えたらいいのによ。」



お兄ちゃんと違って一条兄弟は他人のことを考えられるんだよ。まぁ、私もお兄ちゃんと、同類だったんだけど。私はシオンに謝りに行こうと外へ出たがお兄ちゃんのあっ、という言葉と同時に視界をさえぎられた。その瞬間見えたのは先程の女の子とシオンがキスしているところ。涙が止まらないってこういうことを言うんだ。私は意識を手放してしまった。


✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼


入学式終わっちゃったよね。ママたちに頑張って返事するって約束したのに。気がつくと私は保健室にいた。ママたちはわざわざ休みを取ってくれていたのに私がいないと知ったら怒るだろうか。いや、悲しむかな。


私、やっぱりシオンを好きになっちゃいけないのかもしれない。ゲームの強制力だって少なからず存在する。それなら、私はシオンと距離をおこう。もう希望を持ちたくない。傷つきたくない。今までありがとうシオン。こんな私を好きだと言ってくれて。私はシオンのことこれからもずっと大好きだよ。


✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼


「リオ! 倒れたって聞いて……代表の挨拶がなかったら付き添ったんだけど無理矢理連れていかれて……。」



大丈夫なわけないよ。好きな人が違う女の子とキスしてるところを見たんだから。シオンも嫌がるんじゃなくて真っ赤になってただけだったし。



「シオン、私に隠してる事ない?」



「……ないよ?」



「そっか。……もうシオンとなんて嫌い! 帰って!」



「え、どうして……」



「私も浮気してやるんだからっ!」



シオンは?を浮かべた表情から急にこわい顔浮かべ始めた。



「は?」



シオンを好きで傷つくならば私は他に好きな人を見つければいいんだ。私にしてはいい考えかもしれない。人気のあるシオンだから他にも女の子が寄ってくるんだ。それで私がヤキモチを焼いてしまうという負の連鎖……。シオン以上に好きだと思う人はいないかもしれないけど2番手なら……! ついでに保育園では出来なかった友達を作るチャンスだよね!



「だめだよ、何考えてるか分からないけど許さないから。」



「シオンだってさっきの子とちゅーしたじゃない! あ……」



これはシオンに言うつもりのなかった言葉だ。でも、もう止まってくれない。



「他の子とちゅーするシオンなんて嫌い!」








しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました

美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

【完結】転生したら悪役継母でした

入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。 その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。 しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。 絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。 記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。 夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。 ◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆ *旧題:転生したら悪妻でした

【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました

ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。 名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。 ええ。私は今非常に困惑しております。 私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。 ...あの腹黒が現れるまでは。 『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。 個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。

混血の私が純血主義の竜人王子の番なわけない

三国つかさ
恋愛
竜人たちが通う学園で、竜人の王子であるレクスをひと目見た瞬間から恋に落ちてしまった混血の少女エステル。好き過ぎて狂ってしまいそうだけど、分不相応なので必死に隠すことにした。一方のレクスは涼しい顔をしているが、純血なので実は番に対する感情は混血のエステルより何倍も深いのだった。

冗談のつもりでいたら本気だったらしい

下菊みこと
恋愛
やばいタイプのヤンデレに捕まってしまったお話。 めちゃくちゃご都合主義のSS。 小説家になろう様でも投稿しています。

処理中です...