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リーヴァ編
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「セリオス様、宿に戻るのではないのですか?」
侯爵邸の庭園を進むセリオスに手を引かれながら、レオナは尋ねる。
「王都への出発は、2日後だ。それまではミラージュ侯の世話になる」
「では、こちらに泊まるのですか?」
驚くと、セリオスは振り返ってにやりと笑う。
「俺たちには中庭に面した部屋を用意してもらった。美しい庭園が見える上に、ほかの客人たちとは離れている。俺たちが今夜、抱き合っていても声さえ届かぬだろう」
「あ……あ、わ、私はそのような話をしているのでは……っ」
あたふたするレオナを見て、セリオスは愉快げに目を細める。
「おまえはいつまでも恥じらっていて愛おしいな」
「あまり……からかわないでください」
うつむくレオナを先回りするようにセリオスは顔をのぞき込むと、愛おしいものに触れたくてたまらないと唇を合わせる。誰かに見られていたらどうするのだろう。辺りを見回そうとすると、背中に回った彼の腕がそれを阻んだ。
「宿にいるより、ここにいる方が安全だと判断したが、必ずしも安心できるわけではない。部屋に誰か訪ねてきても、軽々しくドアを開けてはならぬ」
歩き出しながら、セリオスは気難しい表情を見せた。
「何かあるのですか?」
「バルターがリーヴァに入ったと連絡があった」
とうとう、この日が来たのだと、レオナは小さく息を飲む。
「バルターは必ず、接触してくるだろう。レオナも用心しておけ」
「やはり、バルター王子は私を許していないのでしょうか……?」
「最初から、おまえに罪などない」
セリオスは眉をひそめたが、きっぱり否定すると、中庭をどんどんと進んだ。
罪は許された、とは言わない。バルターはきっとまだ許していない。ずっと許されないかもしれない。セリオスはただ、いわれのない罪を償う日が来ないよう、バルターから守ってくれるつもりなのだ。それこそが、レオナが彼に救いを求めた理由であり、彼は約束を果たしてくれているのだろう。
「レイヴンはどこにいるのですか?」
レオナはふと、思い出して尋ねる。ベリウスたちと同様、ここのところ、レイヴンの姿を見ていない。
「気になるのか?」
「王都まで一緒に来てくれると言っていたのですが、事情を話した方がいいのではと……」
レイヴンはバルターがルカの命を狙っているとは知らないだろう。しかし、一国を揺るがすような陰謀を、異国の者に知られていいはずがない。はたと、余計な話だったと口をつぐむ。
「レイヴンには、レオナのそばを離れぬよう命じてある」
「そばって……、レイヴンはいま、どこにいるのですか?」
「さっきから後ろをついてきている」
「さっきから……?」
では、キスをしていたのも見られたのだろうか。赤くなるほおを感じながら、振り返る勇気もなく、セリオスの開けるドアの中へと進む。
レオナはすぐに、窓ガラスの奥に広がる庭園に目を奪われて、窓辺へ駆け寄った。中庭には噴水があり、その端には白い柱に支えられたガゼボがあった。白い柱には緑の蔦が絡みつき、色とりどりの薔薇が花を咲かせている。ベネット公爵家にある庭と同じぐらい立派で豪華な中庭に、レオナは懐かしい気持ちになった。
「気に入ったか?」
セリオスが後ろから抱きしめてくる。
「とても」
あごをあげるようにしてセリオスを見上げ、口もとをほころばせると、彼は唇を歪める。
「このドレスが忌まわしいな」
「なぜですか?」
「脱がしたら、オリビアに怒られそうだからな」
怒られるだなんて、子どもみたいなことを言うものだ。
「オリビアさんとは対等なんですね」
そんなつもりもなかったが、おもしろくなさそうに言ってしまう。
「対等なわけがない」
「でも、ルドアース卿と接するのとは違います。すごく楽しそうにお話されてますし」
「オリビアが図々しいのだろう。そういうレオナも、レイヴンと親しくしてるじゃないか。俺はあいつを見るたびに嫉妬で気が狂いそうになる」
おもしろくないのはセリオスも同じだとばかりの態度に、レオナはあわててしまう。
「れっ、レイヴンとは何も……」
「何もなくとも、おまえは一番気を許しているだろう」
「それは、私と騎士団の方々とは距離があるから、そう見えるだけでは?」
「俺の妻に対して団員がわきまえるのは当然だ。レイヴンはおまえの尊さをわかってないのだろう。おまえに何かあったら、あいつはもう二度と異国の地を踏むことはない。それは知っておけ」
「そんなことをおっしゃいながら、レイヴンを私の警護につけてくださったのですよね?」
それは、レイヴンを信用している証じゃないか。
「バルターが警戒するだろうからな。レイヴンはうってつけなんだ」
素直に認められないのか、セリオスは、ふんっ、と鼻を鳴らす。
「レイヴンはバルター王子のことを知っているのですか?」
「レオナの命を狙う男だが、手出しはならないと話してある。レイヴンはおまえを守ることだけに全力を注ぐだろう」
王子であるバルターに傷一つでもつけたら、異国との争いの種になりかねない。レイヴンは防御しか許されていないのに、レオナの身に何かあれば、セリオスからの制裁が待っている。これは、レイヴンにとって何も得のない話だ。しかし、そうだとしても、レイヴンは楽園へ行けるのならと、この話を承諾したのだろう。
「楽園へは、必ず連れていってくれますよね?」
「俺がうそをついたことはあるか?」
「いいえ。セリオス様だけが頼りなんです。だから……」
「安心しろ。レオナの願いはなんでも叶えてやる」
「約束ですよ」
レオナがセリオスの背中に腕を回すと、彼はうれしげに抱きしめ返してくれる。
「メイドだけでも連れてくるんだったな」
未練がましく言い、レオナの整えた髪が乱れないようにほおを支え、しっとりと唇を重ねる。レオナが長いまつ毛を伏せると、何度かついばみ、さらには舌先で唇をなめた。
まだ昼間だというのに、無遠慮に口の中へ押し込まれる熱のこもった舌が、うねるように動いてレオナの舌を追いかける。逃げては絡み取られ、歯がぶつかる音がして、強く抱きしめられたら、レオナは身動きが取れなくなった。
「オリビアに叱られるとしよう」
どことなく愉快げなセリオスに軽々と抱きあげられ、ベッドに連れていかれる。シャツのボタンをはずす彼を、どうすればいいのかわからず、黙って見守った。
いいのだろうか。アメリアたちや騎士団を迎え入れた侯爵は、おそらく、彼らに食事を振る舞うはずだ。その場にセリオスが呼ばれないはずはない。
ほんの少しの時間も、欲情を抑えられないとうわさされたらどうしよう。恥ずかしさが込み上げてきたとき、ドアの外で人の気配がした。
「誰だ?」
ノックされるより先に、セリオスがいらだたしげに言う。
「オリビアです! お食事の準備が整いました。どうぞ、客間までお越しください」
「待たせておけばよいものを」
レオナの首筋にスッと触れたセリオスは、忌々しい言葉を発した口と同じものがしているとは思えない優しい口づけをする。
「今夜は必ず。おまえのかわいい姿を見せてくれ」
侯爵邸の庭園を進むセリオスに手を引かれながら、レオナは尋ねる。
「王都への出発は、2日後だ。それまではミラージュ侯の世話になる」
「では、こちらに泊まるのですか?」
驚くと、セリオスは振り返ってにやりと笑う。
「俺たちには中庭に面した部屋を用意してもらった。美しい庭園が見える上に、ほかの客人たちとは離れている。俺たちが今夜、抱き合っていても声さえ届かぬだろう」
「あ……あ、わ、私はそのような話をしているのでは……っ」
あたふたするレオナを見て、セリオスは愉快げに目を細める。
「おまえはいつまでも恥じらっていて愛おしいな」
「あまり……からかわないでください」
うつむくレオナを先回りするようにセリオスは顔をのぞき込むと、愛おしいものに触れたくてたまらないと唇を合わせる。誰かに見られていたらどうするのだろう。辺りを見回そうとすると、背中に回った彼の腕がそれを阻んだ。
「宿にいるより、ここにいる方が安全だと判断したが、必ずしも安心できるわけではない。部屋に誰か訪ねてきても、軽々しくドアを開けてはならぬ」
歩き出しながら、セリオスは気難しい表情を見せた。
「何かあるのですか?」
「バルターがリーヴァに入ったと連絡があった」
とうとう、この日が来たのだと、レオナは小さく息を飲む。
「バルターは必ず、接触してくるだろう。レオナも用心しておけ」
「やはり、バルター王子は私を許していないのでしょうか……?」
「最初から、おまえに罪などない」
セリオスは眉をひそめたが、きっぱり否定すると、中庭をどんどんと進んだ。
罪は許された、とは言わない。バルターはきっとまだ許していない。ずっと許されないかもしれない。セリオスはただ、いわれのない罪を償う日が来ないよう、バルターから守ってくれるつもりなのだ。それこそが、レオナが彼に救いを求めた理由であり、彼は約束を果たしてくれているのだろう。
「レイヴンはどこにいるのですか?」
レオナはふと、思い出して尋ねる。ベリウスたちと同様、ここのところ、レイヴンの姿を見ていない。
「気になるのか?」
「王都まで一緒に来てくれると言っていたのですが、事情を話した方がいいのではと……」
レイヴンはバルターがルカの命を狙っているとは知らないだろう。しかし、一国を揺るがすような陰謀を、異国の者に知られていいはずがない。はたと、余計な話だったと口をつぐむ。
「レイヴンには、レオナのそばを離れぬよう命じてある」
「そばって……、レイヴンはいま、どこにいるのですか?」
「さっきから後ろをついてきている」
「さっきから……?」
では、キスをしていたのも見られたのだろうか。赤くなるほおを感じながら、振り返る勇気もなく、セリオスの開けるドアの中へと進む。
レオナはすぐに、窓ガラスの奥に広がる庭園に目を奪われて、窓辺へ駆け寄った。中庭には噴水があり、その端には白い柱に支えられたガゼボがあった。白い柱には緑の蔦が絡みつき、色とりどりの薔薇が花を咲かせている。ベネット公爵家にある庭と同じぐらい立派で豪華な中庭に、レオナは懐かしい気持ちになった。
「気に入ったか?」
セリオスが後ろから抱きしめてくる。
「とても」
あごをあげるようにしてセリオスを見上げ、口もとをほころばせると、彼は唇を歪める。
「このドレスが忌まわしいな」
「なぜですか?」
「脱がしたら、オリビアに怒られそうだからな」
怒られるだなんて、子どもみたいなことを言うものだ。
「オリビアさんとは対等なんですね」
そんなつもりもなかったが、おもしろくなさそうに言ってしまう。
「対等なわけがない」
「でも、ルドアース卿と接するのとは違います。すごく楽しそうにお話されてますし」
「オリビアが図々しいのだろう。そういうレオナも、レイヴンと親しくしてるじゃないか。俺はあいつを見るたびに嫉妬で気が狂いそうになる」
おもしろくないのはセリオスも同じだとばかりの態度に、レオナはあわててしまう。
「れっ、レイヴンとは何も……」
「何もなくとも、おまえは一番気を許しているだろう」
「それは、私と騎士団の方々とは距離があるから、そう見えるだけでは?」
「俺の妻に対して団員がわきまえるのは当然だ。レイヴンはおまえの尊さをわかってないのだろう。おまえに何かあったら、あいつはもう二度と異国の地を踏むことはない。それは知っておけ」
「そんなことをおっしゃいながら、レイヴンを私の警護につけてくださったのですよね?」
それは、レイヴンを信用している証じゃないか。
「バルターが警戒するだろうからな。レイヴンはうってつけなんだ」
素直に認められないのか、セリオスは、ふんっ、と鼻を鳴らす。
「レイヴンはバルター王子のことを知っているのですか?」
「レオナの命を狙う男だが、手出しはならないと話してある。レイヴンはおまえを守ることだけに全力を注ぐだろう」
王子であるバルターに傷一つでもつけたら、異国との争いの種になりかねない。レイヴンは防御しか許されていないのに、レオナの身に何かあれば、セリオスからの制裁が待っている。これは、レイヴンにとって何も得のない話だ。しかし、そうだとしても、レイヴンは楽園へ行けるのならと、この話を承諾したのだろう。
「楽園へは、必ず連れていってくれますよね?」
「俺がうそをついたことはあるか?」
「いいえ。セリオス様だけが頼りなんです。だから……」
「安心しろ。レオナの願いはなんでも叶えてやる」
「約束ですよ」
レオナがセリオスの背中に腕を回すと、彼はうれしげに抱きしめ返してくれる。
「メイドだけでも連れてくるんだったな」
未練がましく言い、レオナの整えた髪が乱れないようにほおを支え、しっとりと唇を重ねる。レオナが長いまつ毛を伏せると、何度かついばみ、さらには舌先で唇をなめた。
まだ昼間だというのに、無遠慮に口の中へ押し込まれる熱のこもった舌が、うねるように動いてレオナの舌を追いかける。逃げては絡み取られ、歯がぶつかる音がして、強く抱きしめられたら、レオナは身動きが取れなくなった。
「オリビアに叱られるとしよう」
どことなく愉快げなセリオスに軽々と抱きあげられ、ベッドに連れていかれる。シャツのボタンをはずす彼を、どうすればいいのかわからず、黙って見守った。
いいのだろうか。アメリアたちや騎士団を迎え入れた侯爵は、おそらく、彼らに食事を振る舞うはずだ。その場にセリオスが呼ばれないはずはない。
ほんの少しの時間も、欲情を抑えられないとうわさされたらどうしよう。恥ずかしさが込み上げてきたとき、ドアの外で人の気配がした。
「誰だ?」
ノックされるより先に、セリオスがいらだたしげに言う。
「オリビアです! お食事の準備が整いました。どうぞ、客間までお越しください」
「待たせておけばよいものを」
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