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リーヴァ編
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「わざとらしい。誰かにつけられてる気はしていたが、兄上だったとは。どうやってレオナを連れて俺を追い越したのか聞かせてもらおう」
ソファーの背に身体を預けたまま、尊大な態度で請うバルターを、セリオスは腹の中で笑う。フォルフェスの団員に監視させていたのを誤解しているようだ。
「それを教えてやるつもりはない。ところで、バルター、俺の妻を呼び捨てにしないでもらえないか」
「それは失礼。しかし、レオナ妃殿下はしばらく見ないうちにさらに美しくなった。俺から逃げるために兄上と結婚したようだが、あの美貌を持ちながら、そんな理由で王妃の座を捨てるとは、至極もったいない」
レオナに愛情など持たないくせに、バルターは大げさに肩をすくめて残念がる。うそで塗り固められた世辞に、セリオスはいら立つ。
「王妃の座とはどういう意味だ」
「レオナ妃は次期国王の妻にふさわしい女であろう」
「次期国王はルカに決まった」
「正式にはまだだ。兄上の結婚と同じく」
バルターはうっすら笑んだ。その得体の知れない不気味さを握りつぶすように、セリオスはバルターをにらみつける。
「おまえは王になる日を夢見ているようだが、レオナを渡すつもりはない」
「俺はもうレオナ妃を脅かさない。いや、最初から何もなかった。レオナ妃が勝手に誤解しただけだ」
「うそを言うな。レオナがおびえていたのは、おまえの要求が人道に反するものだったからだ」
そうだったからこそ、レオナは命からがら王都を逃げ出し、セシェ島まで救いを求めてやってきた。公爵家での穏やかな暮らししか知らないあの非力で小さな身体に与えられた恐怖は、想像を絶するものだっただろう。
「俺はただ、レオナ妃の美しさに惹かれ、結婚を申し込んだ。丁寧さが欠けていたのは認める」
「そんな詭弁はいい。俺からレオナを奪えると思うな」
「奪うつもりはない。譲ってくれないかと頼んでいるのだ」
セリオスのほおは引きつった。叫び出したい怒りが込み上げるが、バルターの挑発に乗るものかといら立ちを飲み込み、声を押し殺して問いかける。
「……何を企んでる?」
「兄上は知らないようだから、あえて教えようではないか。枢密院では今、大変な騒ぎになっている。王位継承を巡る議論は白熱し、大司教すら沈黙するほどに。兄上の結婚と同様、ルカが王になるのを賛成しているのは、フロストぐらいだろう」
「だからといって、おまえが王位に就くこともなければ、俺たちが離縁することもない」
「どうしても、レオナ妃を手放さないと?」
「あたりまえだ」
即答すると、バルターは顔をそらし、クッと笑う。すっかりレオナに入れ上げているのを馬鹿にされたかのようだ。
「純真無垢なステラサンクタを手なづけるのは、兄上にとって容易かったであろう。レオナ妃が兄上を頼ったのは、俺とのことがあったがため。逆の立場であれば、レオナ妃は俺との結婚を選んだ」
「だからなんだというのだ」
「相手は兄上でなくてもよかった。レオナ妃は身を守れるなら、どんな男にでも身体を捧げる危うい女だ」
レオナはそんな女じゃない。ひざの上で、怒りに震える手でこぶしを握る。
「それで、俺に対抗してるつもりか」
レオナのことになると冷静ではいられなくなる。それを見透かしてか、バルターは勝ち誇った顔をする。
「否定しないのは、何よりもの証拠。兄上も虚しいのであろう。それなのに手放さないのは、陛下を蘇らせる力を捨てるのは惜しいからか」
思いもよらないことをバルターは口にした。
「何?」
「陛下の身体はいまだ、王宮で朽ち果てることなく神官に守られている。ステラサンクタであれば、蘇生は可能。息を吹き返したとき、陛下は神よりもレオナ妃に感謝するだろう」
「まだおまえはそのような戯言を」
「一度は拒まれたが、夫の頼みとあれば、慈悲深いステラサンクタは応えるのではないか? 兄上が俺と結婚するよう言えば、レオナ妃は承諾するはず」
「するわけがない。レオナは……」
はたと考えて、セリオスは口をつぐむ。
レオナが自身と一緒にいるのは、バルターの罪から逃れるためだ。バルターがその罪を許すなら、レオナは自由の身になれる。レオナがバルターとの結婚を望むはずはないが、婚姻の継続を望む理由もない。
いや、だからといって、レオナが離れていくはずがない。彼女とは愛し合っているからだ。しかし、それは本当だろうか。レオナの口から、愛を伝えられたことはあっただろうか。こちらの愛に彼女は戸惑い、従順であろうと努力していた。それを愛と認めることができるものだろうか。
「さあ、兄上。レオナ妃を俺に渡してくれないか。俺の願いを叶えてくれるなら、兄上にはクレストル領を統治する権利を与えよう。ベネット公爵も後継がいなくて困っている。兄上になら喜んで差し出すであろう」
「それがレオナと引き換えになると思うか」
「ステラサンクタはどうせ長く生きられない。永遠に残る領土の方が価値は高い」
「比べるものじゃない」
バルターはあきれたようにため息をつく。
「兄上は罪を償ったとはいえ、王宮には居づらいであろう。アリティア王妃とふたり、クレストル領で静かに暮らせるのなら、王妃のためにもなる」
「母上に何かしたか?」
「いや、何も。何もせずとも、あの方はいつも清らかに笑っておる」
バルターは立ち上がると、見下すように目を細める。
「今夜、レオナ妃を俺の部屋に寄越してくれ。それが、兄上の返事になる」
「行かせるはずがないっ」
レオナはセリオスにとって、なりゆきで結婚したただの妻ではない。バルターの汚れた手に渡すなど、考えるだけで胸が焼け付くような怒りが込み上げる。
しかし、バルターの望みを拒めば、次の手を打ってくるだろう。そして、このことはレオナに絶対知られてはならない。ステラサンクタは慈悲深く、時には自己犠牲を惜しまない種族。レオナがこれまで付き従ってきた姿を見れば、それは史実などではなく、真実だとわかる。
セリオスは応接室を飛び出す。部屋の前で待機していたルドアースに、バルターの監視を言いつける。まだ冷静でいられている。しかし、それもすぐに欠いてしまいそうな焦りを抱えて中庭へ向かった。そこでレオナが待っている。会いたい。少しでも早く。足早になったセリオスはいつのまにか走り出していた。
「レオナっ」
中庭にレオナはいた。ともに噴水を眺めるレイヴンへ、柔らかな笑みを見せている。彼女はずいぶんレイヴンに気を許している。魔法使いとして分かり合えることがあるのだろう。理解しているつもりでも胸はチリチリと焦げたが、こちらに気づいた彼女が、ますます華やかな笑顔になって駆けてくるのを見ると、つまらない嫉妬がどうでもよくなる。
「セリオス様っ、先ほどまでルカ様と一緒にいたんですよ。本当に聡明な方で……」
セリオスは手の届く距離までやってきたレオナを飲み込むように両腕の中に押しくるめた。その、柔らかくて小さな身体のぬくもりに触れると、怒りや不安が落ち着いていく。
ステラサンクタは存在そのものが癒しである。それを実感するとともに、レオナがステラサンクタでなくとも自身を癒すだろうと思う。愛を具現化した彼女の尊さは誰にもわからない。
「俺は絶対におまえを離さない。絶対だ」
力を入れたら壊してしまいそうで、そっと抱きしめると、レオナはふしぎそうに、「何かあったのですか……?」と尋ねる。その愛らしい大きな瞳がまばたきを繰り返すたびに緊迫感がやわらぎ、セリオスは「いや、何もない」と笑むと、彼女のほおに軽く口づけた。
ソファーの背に身体を預けたまま、尊大な態度で請うバルターを、セリオスは腹の中で笑う。フォルフェスの団員に監視させていたのを誤解しているようだ。
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「それは失礼。しかし、レオナ妃殿下はしばらく見ないうちにさらに美しくなった。俺から逃げるために兄上と結婚したようだが、あの美貌を持ちながら、そんな理由で王妃の座を捨てるとは、至極もったいない」
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「レオナ妃は次期国王の妻にふさわしい女であろう」
「次期国王はルカに決まった」
「正式にはまだだ。兄上の結婚と同じく」
バルターはうっすら笑んだ。その得体の知れない不気味さを握りつぶすように、セリオスはバルターをにらみつける。
「おまえは王になる日を夢見ているようだが、レオナを渡すつもりはない」
「俺はもうレオナ妃を脅かさない。いや、最初から何もなかった。レオナ妃が勝手に誤解しただけだ」
「うそを言うな。レオナがおびえていたのは、おまえの要求が人道に反するものだったからだ」
そうだったからこそ、レオナは命からがら王都を逃げ出し、セシェ島まで救いを求めてやってきた。公爵家での穏やかな暮らししか知らないあの非力で小さな身体に与えられた恐怖は、想像を絶するものだっただろう。
「俺はただ、レオナ妃の美しさに惹かれ、結婚を申し込んだ。丁寧さが欠けていたのは認める」
「そんな詭弁はいい。俺からレオナを奪えると思うな」
「奪うつもりはない。譲ってくれないかと頼んでいるのだ」
セリオスのほおは引きつった。叫び出したい怒りが込み上げるが、バルターの挑発に乗るものかといら立ちを飲み込み、声を押し殺して問いかける。
「……何を企んでる?」
「兄上は知らないようだから、あえて教えようではないか。枢密院では今、大変な騒ぎになっている。王位継承を巡る議論は白熱し、大司教すら沈黙するほどに。兄上の結婚と同様、ルカが王になるのを賛成しているのは、フロストぐらいだろう」
「だからといって、おまえが王位に就くこともなければ、俺たちが離縁することもない」
「どうしても、レオナ妃を手放さないと?」
「あたりまえだ」
即答すると、バルターは顔をそらし、クッと笑う。すっかりレオナに入れ上げているのを馬鹿にされたかのようだ。
「純真無垢なステラサンクタを手なづけるのは、兄上にとって容易かったであろう。レオナ妃が兄上を頼ったのは、俺とのことがあったがため。逆の立場であれば、レオナ妃は俺との結婚を選んだ」
「だからなんだというのだ」
「相手は兄上でなくてもよかった。レオナ妃は身を守れるなら、どんな男にでも身体を捧げる危うい女だ」
レオナはそんな女じゃない。ひざの上で、怒りに震える手でこぶしを握る。
「それで、俺に対抗してるつもりか」
レオナのことになると冷静ではいられなくなる。それを見透かしてか、バルターは勝ち誇った顔をする。
「否定しないのは、何よりもの証拠。兄上も虚しいのであろう。それなのに手放さないのは、陛下を蘇らせる力を捨てるのは惜しいからか」
思いもよらないことをバルターは口にした。
「何?」
「陛下の身体はいまだ、王宮で朽ち果てることなく神官に守られている。ステラサンクタであれば、蘇生は可能。息を吹き返したとき、陛下は神よりもレオナ妃に感謝するだろう」
「まだおまえはそのような戯言を」
「一度は拒まれたが、夫の頼みとあれば、慈悲深いステラサンクタは応えるのではないか? 兄上が俺と結婚するよう言えば、レオナ妃は承諾するはず」
「するわけがない。レオナは……」
はたと考えて、セリオスは口をつぐむ。
レオナが自身と一緒にいるのは、バルターの罪から逃れるためだ。バルターがその罪を許すなら、レオナは自由の身になれる。レオナがバルターとの結婚を望むはずはないが、婚姻の継続を望む理由もない。
いや、だからといって、レオナが離れていくはずがない。彼女とは愛し合っているからだ。しかし、それは本当だろうか。レオナの口から、愛を伝えられたことはあっただろうか。こちらの愛に彼女は戸惑い、従順であろうと努力していた。それを愛と認めることができるものだろうか。
「さあ、兄上。レオナ妃を俺に渡してくれないか。俺の願いを叶えてくれるなら、兄上にはクレストル領を統治する権利を与えよう。ベネット公爵も後継がいなくて困っている。兄上になら喜んで差し出すであろう」
「それがレオナと引き換えになると思うか」
「ステラサンクタはどうせ長く生きられない。永遠に残る領土の方が価値は高い」
「比べるものじゃない」
バルターはあきれたようにため息をつく。
「兄上は罪を償ったとはいえ、王宮には居づらいであろう。アリティア王妃とふたり、クレストル領で静かに暮らせるのなら、王妃のためにもなる」
「母上に何かしたか?」
「いや、何も。何もせずとも、あの方はいつも清らかに笑っておる」
バルターは立ち上がると、見下すように目を細める。
「今夜、レオナ妃を俺の部屋に寄越してくれ。それが、兄上の返事になる」
「行かせるはずがないっ」
レオナはセリオスにとって、なりゆきで結婚したただの妻ではない。バルターの汚れた手に渡すなど、考えるだけで胸が焼け付くような怒りが込み上げる。
しかし、バルターの望みを拒めば、次の手を打ってくるだろう。そして、このことはレオナに絶対知られてはならない。ステラサンクタは慈悲深く、時には自己犠牲を惜しまない種族。レオナがこれまで付き従ってきた姿を見れば、それは史実などではなく、真実だとわかる。
セリオスは応接室を飛び出す。部屋の前で待機していたルドアースに、バルターの監視を言いつける。まだ冷静でいられている。しかし、それもすぐに欠いてしまいそうな焦りを抱えて中庭へ向かった。そこでレオナが待っている。会いたい。少しでも早く。足早になったセリオスはいつのまにか走り出していた。
「レオナっ」
中庭にレオナはいた。ともに噴水を眺めるレイヴンへ、柔らかな笑みを見せている。彼女はずいぶんレイヴンに気を許している。魔法使いとして分かり合えることがあるのだろう。理解しているつもりでも胸はチリチリと焦げたが、こちらに気づいた彼女が、ますます華やかな笑顔になって駆けてくるのを見ると、つまらない嫉妬がどうでもよくなる。
「セリオス様っ、先ほどまでルカ様と一緒にいたんですよ。本当に聡明な方で……」
セリオスは手の届く距離までやってきたレオナを飲み込むように両腕の中に押しくるめた。その、柔らかくて小さな身体のぬくもりに触れると、怒りや不安が落ち着いていく。
ステラサンクタは存在そのものが癒しである。それを実感するとともに、レオナがステラサンクタでなくとも自身を癒すだろうと思う。愛を具現化した彼女の尊さは誰にもわからない。
「俺は絶対におまえを離さない。絶対だ」
力を入れたら壊してしまいそうで、そっと抱きしめると、レオナはふしぎそうに、「何かあったのですか……?」と尋ねる。その愛らしい大きな瞳がまばたきを繰り返すたびに緊迫感がやわらぎ、セリオスは「いや、何もない」と笑むと、彼女のほおに軽く口づけた。
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