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この想いが届きますように
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大事な話があるから会いたい。
思い切って結衣ちゃんにメールしたら、わかりました、と返事がかえってきた。
指定したレストランへ、約束の時間より遅れてやってきた結衣ちゃんは、気まずそうに頭をさげた。
そっと微笑むと、結衣ちゃんも笑顔を見せてくれた。
今日は杉田さんが転勤で行ってしまう日だから来ないかと思っていた。だけど俺は、雅也から聞いたことを伝えなければならないと思っていた。
それは杉田さんがいなくなる今日でなければならないとも思っていた。
「急に呼び出したりしてごめんね」
「全然。芳人さん、だいぶ待ちましたよね」
「気にしないで」
向かい合って座り、飲み物だけ注文する。
笑顔を見せてはくれるものの、結衣ちゃんはやはり元気がない。
「今日呼び出したのは、すごく大切な話をしたいと思ったからなんだ」
「はい……」
「結衣ちゃんと俺の今後にも関わる問題だと思う」
「芳人さん、あの……」
「わかってる」
結衣ちゃんは俺の気持ちを知っている。今はそんな気持ちになれないだろうことは、俺も知っている。
「今から話すことを聞いて、それでも杉田さんを信じられないというなら……」
俺の口から何が語られるのかと困惑する結衣ちゃんの瞳をじっと見つめる。
「結衣ちゃん、俺と付き合って欲しいんだ」
一瞬、結衣ちゃんの顔に緊張が走る。しかしすぐに目を伏せ、ゆっくりと、すごくゆっくりとだけど、確実にうなずいた。
注文していた飲み物が届き、結衣ちゃんは俺のすすめで少しだけ口をつけた。落ち着いてくれただろうか。
「俺が今から話すことは雅也から聞いたことなんだ」
「雅也さんから?」
「そう。雅也が結衣ちゃんを杉田さんに紹介した理由だよ」
「そんなの……」
「聞かなくてもわかる?」
結衣ちゃんはこくんとうなずく。
結衣ちゃんが聞きたくないというならそれでいい。俺は結衣ちゃんが欲しい。そして幸せにする自信がある。
「でもね、俺も知ったからにはフェアでいたいんだ」
「フェア?」
「きっと結衣ちゃんを泣かせてしまうな、俺」
雅也が自分から話すと言ったことを遮ってまで、俺は自分の口から話したいと思った。
結衣ちゃんを苦しみから救ってやりたい。と思うと同時にそれは、俺が苦しむ結果を生むかもしれない。それでも俺は結衣ちゃんが好きだから、話をしようと思う。
君はそんなことって言うかな。
俺も聞いた時は唖然としてしまったよ。
そんなこと……って、笑ってしまったよ。
「あのさ、結衣ちゃん」
「はい」
結衣ちゃんは覚悟を決めた顔で俺を見上げる。
「結衣ちゃんと雅也はコンパで知り合ったんだよね?」
「あ、はい……、そうです」
「本当はあの日、雅也じゃなくて杉田さんが行く予定だったんだってさ」
「……え」
「仕事の都合で行けなくなって、代わりに雅也が行ったらしいよ」
「じゃあ……」
結衣ちゃんはちょっと身を乗り出した。
「佑樹が来る予定だったから、雅也さんは私を佑樹に紹介したの?」
それだけのこと?って、結衣ちゃんは力が抜けたように椅子に背をもたれさせた。
「結衣ちゃん、それとね……」
「あ、やっぱり結衣だっ」
俺が身を乗り出した時、結衣ちゃんの後ろに一人の青年が姿を見せた。
見知らぬ若い青年だ。彼は大きなキャリーバッグを持ったまま軽い足取りで寄ってくると、気安げに結衣ちゃんの肩に触れた。
大事な話があるから会いたい。
思い切って結衣ちゃんにメールしたら、わかりました、と返事がかえってきた。
指定したレストランへ、約束の時間より遅れてやってきた結衣ちゃんは、気まずそうに頭をさげた。
そっと微笑むと、結衣ちゃんも笑顔を見せてくれた。
今日は杉田さんが転勤で行ってしまう日だから来ないかと思っていた。だけど俺は、雅也から聞いたことを伝えなければならないと思っていた。
それは杉田さんがいなくなる今日でなければならないとも思っていた。
「急に呼び出したりしてごめんね」
「全然。芳人さん、だいぶ待ちましたよね」
「気にしないで」
向かい合って座り、飲み物だけ注文する。
笑顔を見せてはくれるものの、結衣ちゃんはやはり元気がない。
「今日呼び出したのは、すごく大切な話をしたいと思ったからなんだ」
「はい……」
「結衣ちゃんと俺の今後にも関わる問題だと思う」
「芳人さん、あの……」
「わかってる」
結衣ちゃんは俺の気持ちを知っている。今はそんな気持ちになれないだろうことは、俺も知っている。
「今から話すことを聞いて、それでも杉田さんを信じられないというなら……」
俺の口から何が語られるのかと困惑する結衣ちゃんの瞳をじっと見つめる。
「結衣ちゃん、俺と付き合って欲しいんだ」
一瞬、結衣ちゃんの顔に緊張が走る。しかしすぐに目を伏せ、ゆっくりと、すごくゆっくりとだけど、確実にうなずいた。
注文していた飲み物が届き、結衣ちゃんは俺のすすめで少しだけ口をつけた。落ち着いてくれただろうか。
「俺が今から話すことは雅也から聞いたことなんだ」
「雅也さんから?」
「そう。雅也が結衣ちゃんを杉田さんに紹介した理由だよ」
「そんなの……」
「聞かなくてもわかる?」
結衣ちゃんはこくんとうなずく。
結衣ちゃんが聞きたくないというならそれでいい。俺は結衣ちゃんが欲しい。そして幸せにする自信がある。
「でもね、俺も知ったからにはフェアでいたいんだ」
「フェア?」
「きっと結衣ちゃんを泣かせてしまうな、俺」
雅也が自分から話すと言ったことを遮ってまで、俺は自分の口から話したいと思った。
結衣ちゃんを苦しみから救ってやりたい。と思うと同時にそれは、俺が苦しむ結果を生むかもしれない。それでも俺は結衣ちゃんが好きだから、話をしようと思う。
君はそんなことって言うかな。
俺も聞いた時は唖然としてしまったよ。
そんなこと……って、笑ってしまったよ。
「あのさ、結衣ちゃん」
「はい」
結衣ちゃんは覚悟を決めた顔で俺を見上げる。
「結衣ちゃんと雅也はコンパで知り合ったんだよね?」
「あ、はい……、そうです」
「本当はあの日、雅也じゃなくて杉田さんが行く予定だったんだってさ」
「……え」
「仕事の都合で行けなくなって、代わりに雅也が行ったらしいよ」
「じゃあ……」
結衣ちゃんはちょっと身を乗り出した。
「佑樹が来る予定だったから、雅也さんは私を佑樹に紹介したの?」
それだけのこと?って、結衣ちゃんは力が抜けたように椅子に背をもたれさせた。
「結衣ちゃん、それとね……」
「あ、やっぱり結衣だっ」
俺が身を乗り出した時、結衣ちゃんの後ろに一人の青年が姿を見せた。
見知らぬ若い青年だ。彼は大きなキャリーバッグを持ったまま軽い足取りで寄ってくると、気安げに結衣ちゃんの肩に触れた。
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