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愛を確かめたくて
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「あー、もう限界」
ストレッチを終えて、スポーツドリンクでのどを潤す。そのまま、ヨガマットの上に仰向けになって、首にかけたタオルで汗をぬぐう。
「限界は困るね」
クスクス笑って、陸斗さんがソファーから立ち上がる。
「陸斗さんはずっと寝てましたね」
「気づいたらね。沙月がいてくれるだけで、安心して眠れるらしい」
「なんですか? それ」
ただ疲れがたまってるだけじゃないのか。なんて思うけど、そう言われるのは悪い気がしない。
ヨガマットのそばにひざをついた彼は、私のほおをなでてくる。
「すっごく汗かいてますから、あんまり……」
彼の手を取って拒もうとするけど、疲労感からか、みじろぐだけでせいいっぱい。
「動けない?」
「まだちょっと動きたくないかも。このヨガマットも、気持ちよくって」
通常よりぶ厚いだろう。このまま眠ってしまいたくなるぐらい、心地いい。
「そう。なんでも褒めてくれるね、沙月は」
「だって、RIKUZENってほんとにすごいから。陸斗さんはランニングマシーン使ってみました? ついつい、走りすぎちゃうぐらい、楽しいですよ」
「俺はまだ」
「陸斗さんもやればいいのに」
「ああ、やりたいね」
陸斗さんがいきなり私の上にまたがり、顔の横に腕をついてくる。
「あ……ちょ、ちょっとっ」
腕を突きあげたら、たやすく彼につかまれてしまう。
「まだ体力はある?」
「な、ない、ないですっ」
ブンブンっと首をふる。
「まあ、なくても大丈夫。俺に任せてればいいよ」
そう言うと、彼はおもむろにシャツを脱ぐ。
厚い胸板ときれいな上腕二頭筋、割れた腹筋が目に飛び込んできて、パッと両手で顔を覆う。
「プールで見ただろ」
「そ、それとこれは違いますっ」
「どう違う? 今から抱かれるから、違うって感じる?」
「だ……っ」
「沙月がいいっていうなら、抱きたい」
私の手首を優しくつかんで、そっと顔からはがす。そのまま彼は首を下げて、優しいキスを落とす。
「汗だくだから、無理です」
「すぐに俺も汗だくになるから気にしない」
「陸斗さんがよくても私が嫌です」
「シャワー浴びる? 待つよ」
「……待たれても困ります」
スッと目をそらすのに、優しくほおを支える手のひらに押し戻される。
「いいって言うまで、帰さないって言ったら? まあ、帰すつもりもないんだけどね。外泊したら、ご両親は心配する?」
「し、心配はしないと思いますけど……」
たまには泊まってこい、なんていう母だ。メール一本入れておけば大丈夫だろう、って、……ああ、だめ。なに考えてるの、私。
「どうしたら、いいって言ってくれる? あんまり拒まれると、自信なくすよ」
頼りなげに眉を下げるから、心が揺れる。自信がないなんてことあるの? 彼に惹かれない女性なんていないだろうに。
「す、好きって言ってくれないとダメです」
「好きだよ」
「軽すぎませんっ?」
「愛してるって言ったら、納得する?」
「愛してるんですか?」
「そうだね。好きだし、愛してるよ。自分でも不思議なぐらい、沙月を欲しがってる」
シャツのすそをつかんで上げようとするから、ハッと手でおさえる。
「まだダメ?」
「どうして私なんですか? 陸斗さんなら、ほかに……」
「ほかの女性なんて興味ないよ。沙月がいい」
「どうして……」
ちょっと笑って、私のこめかみにキスをする。
「沙月はミーハーなくせに、俺にはミーハーにならないからだ。RIKUZENのマシーンには飛びつくのに、全然俺には抱きついてくれないな」
「そ、そんなことないと思います」
「そんなことあるよ。沙月こそ、俺が好きなのか?」
「す、……好きです」
「軽く言うね」
くすくす耳もとで笑う彼の息が、くすぐったい。
「陸斗さんほどじゃないです。好きなものは好きだから、好きって言ってるんです」
「じゃあ、いい?」
そっと私の目をのぞく彼と、見つめ合う。
「こ、ここで?」
「まさか。ベッドに連れていくよ」
「じゃあ、なんで脱いだんですか」
「観念するかなと思ってね。沙月はすぐに恥ずかしがるから」
「は、恥ずかしいに決まってます」
「どうして?」
そう問いながら、陸斗さんは私の背中に腕を回し、たやすく抱き上げる。
「好きな人のカラダ見て、ドキドキしないわけないです」
彼の首にしがみつき、真っ赤になる顔を彼の肩にうずめる。
「ああ、沙月はいろんなカラダ見てるからね」
「語弊があります」
「そうだね。男として見るカラダは、俺だけにしておけ」
優しく彼に抱かれたまま、ドアを抜ける。リビングに戻ってきた彼は、さらに進んで、違うドアを開けた。
いきなり目に飛び込んできたのは、キングサイズのベッド。彼は私をそこへゆっくり沈めると、余裕そうにほほえんだ。
「優しくするから、安心して抱かれてろよ」
ストレッチを終えて、スポーツドリンクでのどを潤す。そのまま、ヨガマットの上に仰向けになって、首にかけたタオルで汗をぬぐう。
「限界は困るね」
クスクス笑って、陸斗さんがソファーから立ち上がる。
「陸斗さんはずっと寝てましたね」
「気づいたらね。沙月がいてくれるだけで、安心して眠れるらしい」
「なんですか? それ」
ただ疲れがたまってるだけじゃないのか。なんて思うけど、そう言われるのは悪い気がしない。
ヨガマットのそばにひざをついた彼は、私のほおをなでてくる。
「すっごく汗かいてますから、あんまり……」
彼の手を取って拒もうとするけど、疲労感からか、みじろぐだけでせいいっぱい。
「動けない?」
「まだちょっと動きたくないかも。このヨガマットも、気持ちよくって」
通常よりぶ厚いだろう。このまま眠ってしまいたくなるぐらい、心地いい。
「そう。なんでも褒めてくれるね、沙月は」
「だって、RIKUZENってほんとにすごいから。陸斗さんはランニングマシーン使ってみました? ついつい、走りすぎちゃうぐらい、楽しいですよ」
「俺はまだ」
「陸斗さんもやればいいのに」
「ああ、やりたいね」
陸斗さんがいきなり私の上にまたがり、顔の横に腕をついてくる。
「あ……ちょ、ちょっとっ」
腕を突きあげたら、たやすく彼につかまれてしまう。
「まだ体力はある?」
「な、ない、ないですっ」
ブンブンっと首をふる。
「まあ、なくても大丈夫。俺に任せてればいいよ」
そう言うと、彼はおもむろにシャツを脱ぐ。
厚い胸板ときれいな上腕二頭筋、割れた腹筋が目に飛び込んできて、パッと両手で顔を覆う。
「プールで見ただろ」
「そ、それとこれは違いますっ」
「どう違う? 今から抱かれるから、違うって感じる?」
「だ……っ」
「沙月がいいっていうなら、抱きたい」
私の手首を優しくつかんで、そっと顔からはがす。そのまま彼は首を下げて、優しいキスを落とす。
「汗だくだから、無理です」
「すぐに俺も汗だくになるから気にしない」
「陸斗さんがよくても私が嫌です」
「シャワー浴びる? 待つよ」
「……待たれても困ります」
スッと目をそらすのに、優しくほおを支える手のひらに押し戻される。
「いいって言うまで、帰さないって言ったら? まあ、帰すつもりもないんだけどね。外泊したら、ご両親は心配する?」
「し、心配はしないと思いますけど……」
たまには泊まってこい、なんていう母だ。メール一本入れておけば大丈夫だろう、って、……ああ、だめ。なに考えてるの、私。
「どうしたら、いいって言ってくれる? あんまり拒まれると、自信なくすよ」
頼りなげに眉を下げるから、心が揺れる。自信がないなんてことあるの? 彼に惹かれない女性なんていないだろうに。
「す、好きって言ってくれないとダメです」
「好きだよ」
「軽すぎませんっ?」
「愛してるって言ったら、納得する?」
「愛してるんですか?」
「そうだね。好きだし、愛してるよ。自分でも不思議なぐらい、沙月を欲しがってる」
シャツのすそをつかんで上げようとするから、ハッと手でおさえる。
「まだダメ?」
「どうして私なんですか? 陸斗さんなら、ほかに……」
「ほかの女性なんて興味ないよ。沙月がいい」
「どうして……」
ちょっと笑って、私のこめかみにキスをする。
「沙月はミーハーなくせに、俺にはミーハーにならないからだ。RIKUZENのマシーンには飛びつくのに、全然俺には抱きついてくれないな」
「そ、そんなことないと思います」
「そんなことあるよ。沙月こそ、俺が好きなのか?」
「す、……好きです」
「軽く言うね」
くすくす耳もとで笑う彼の息が、くすぐったい。
「陸斗さんほどじゃないです。好きなものは好きだから、好きって言ってるんです」
「じゃあ、いい?」
そっと私の目をのぞく彼と、見つめ合う。
「こ、ここで?」
「まさか。ベッドに連れていくよ」
「じゃあ、なんで脱いだんですか」
「観念するかなと思ってね。沙月はすぐに恥ずかしがるから」
「は、恥ずかしいに決まってます」
「どうして?」
そう問いながら、陸斗さんは私の背中に腕を回し、たやすく抱き上げる。
「好きな人のカラダ見て、ドキドキしないわけないです」
彼の首にしがみつき、真っ赤になる顔を彼の肩にうずめる。
「ああ、沙月はいろんなカラダ見てるからね」
「語弊があります」
「そうだね。男として見るカラダは、俺だけにしておけ」
優しく彼に抱かれたまま、ドアを抜ける。リビングに戻ってきた彼は、さらに進んで、違うドアを開けた。
いきなり目に飛び込んできたのは、キングサイズのベッド。彼は私をそこへゆっくり沈めると、余裕そうにほほえんだ。
「優しくするから、安心して抱かれてろよ」
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