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那波と輝を繋ぐ悲憤
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「ちょっと凪くんっ、どこ行くのっ?」
教室の周囲は人だかりが絶えず、もはや喫茶店の営業どころではない。
少しぐらい受付がいなくても誰も気にしない状況だ。
弥生に引き止められたが、那波に会ってどんな顔をしたらいいのか気持ちの整理がつかず、この場から離れたくて仕方ない。
「頭冷やしてくる」
そう言って、俺は人気のない場所へと向かう。
文化祭が行われている本館と、学園長室などがある別館へつながる渡り廊下は、調理室から一番近い。
どうやら俺は、人気のない場所を見つけるのが得意になっているようだ。
転校してから心を許せる友人を、俺はまだ見つけることができていない。
そんな俺にとって那波の存在は大きい。だが、彼女に関わることで、少なくとも平凡な学校生活を遠ざけているのだ。
だから、一人になれる場所を知らず知らずのうちに探しているのかもしれない。
渡り廊下に差し掛かり、俺は足を止めた。先客だ。文化祭だから、ここにも人が来るのだ。そう思ったが、引き返すことなく進んだ。そこで佇むのが、芽依だったからだ。
「凪……、どうしたの?」
俺に気づいた芽依が尋ねる。
「芽依こそ」
違和感を覚えた。いつもの芽依ではない気がして。
「私は、あー……、ちょっとお疲れ」
芽依はちょっと笑って、渡り廊下の柵にもたれる。少し元気がないのだ。いつも明るい笑顔を振りまく彼女に感じた違和感はそれだったようだ。
「準備から大変だったもんな。B組の準備まで手伝うからだよ」
芽依のお人好しにもほどがある。嫌な顔一つしないで手伝うから、クラスメイトたちも甘えるのだ。
それに、誰もが芽依と一緒に過ごせる時間を楽しみにしていた。
芽依はこの学園のマドンナだ。
俺みたいな平凡な生徒が特別な関わりを持つなんて贅沢なほど、綺麗で優しくて明るい女性。
妹の那波もまた、俺にとってはマドンナなのだ。だから、傷つく必要なんて何もない。那波と並ぶ輝はお似合いだったじゃないか。
芽依を見て、那波を想う俺の気持ちが沈んでるなんて気付かない彼女は、アッと思い出したように言う。
「そう言えば、那波は? 那波は来た?」
「……来たよ。今頃はケーキ食べてるよ」
「そうなんだっ、良かった。弥生たちがちゃんと連れ出してくれたんだね」
「違うよ」
「違う……?」
「樋野先輩だよ。飛流さんは樋野先輩に誘われたから来たんだ」
それを言葉にしたら胸がずきりと痛む。
俺や芽依に出来ないことを、サラッと輝は出来るのだ。敗北以外のなにものでもない。
「樋野先輩が? 私がチケット渡したから、那波を誘ったんだね。先輩って、やっぱり那波のこと好きなのかな」
俺の悲愴ぶりに対し、芽依は対極的な笑顔だ。芽依にとって、那波の恋人は誰でもいいのかもしれない。那波を幸せにする存在なら、誰でも……。
ちょっと笑ってしまう。俺を救世主だと言った言葉なんて、もろいものだ。
「樋野先輩は飛流さんが好きだとは思うよ」
「やっぱりっ。那波はどうかなー」
「さあ。……でもさ、芽依はなんでそんなに飛流さんに恋人が出来たらいいなんて思うわけ?」
無理やり雰囲気に乗せられて、恋人同士になったって幸せにはなれないだろう。那波が流されているというわけではないが、そう思いたくなるのは俺の女々しさからか。
「那波に聞いた? 高校卒業したら那波はどうなるか」
「……あ、あぁ。なんとなくは聞いたよ」
那波は高校卒業したら家に入るのだ。
そう話してくれた彼女は、外界から隔離された空間で生きることに納得しているようでもあった。
「那波って本当、凪にはなんでも話すのね」
あきれと感心が入り混じる笑顔で、芽依は続ける。
「那波は高校卒業したら、楽しいことなんてなんにもなくなるの。だからね、恋ぐらいしてもいいって思うの。あの子に、一度ぐらい楽しいって気持ちを感じてもらいたいの」
「……恋は楽しいことばかりじゃないよ。傷つくこともある」
輝が遊びで那波にキスをしたなら、彼女は傷つくだけだ。楽しいことなんて一つもないだろう。
そんなこと知る由もない芽依は、不思議そうにするだけだ。
芽依もまた、恋は楽しいことばかりで、つらいことがあるなんて知りもしないのだろう。
「恋って複雑……?」
「相手を想って苦しくなる思いがわからないなら、きっと恋なんて出来ないよ」
「……私には、わからないっていう意味?」
「それはなんとも言えない。でもさ、それが言えるなら、飛流さんにも無理だよ。苦しいばかりが恋じゃないんだから」
俺は芽依を傷つけている。そう思うが、どうにもならずに言ってしまう。飛流姉妹が恋に傷つかない方法は一つしかないだろう。
それは、恋をしないことだ。
もし那波が高校卒業してあの屋敷に隔離されることになるなら、それが彼女にとっての幸せなのかもしれない。
そう思うのはやはり、俺のものにならないなら、誰のものにもなって欲しくない気持ちから来るものか。俺は本当にみっともない。
「……そっか」
それでも芽依は納得したようにうなずく。
「やっぱり……、別々に生きる道に幸せを見つけるのは無理かな」
ぽつりとつぶやいた芽依は、額に手を当てる。
「そろそろ行かなきゃ。ちょっと休んだら楽になったみたい」
「体調、そんなに良くない? あんまり無理しない方がいいよ」
柵に手をかける芽依に近づく。彼女はいつも明るく笑うから、体調が悪いことも隠してしまうに違いない。
「うん、大丈夫。お昼までは頑張るから」
そう言って柵から手を離した途端、芽依の身体はよろめいた。
もともと細い足がバランスを失うと、あっという間に崩れ落ちる。
「芽依っ」
俺はとっさに腕を伸ばす。
ふわっと甘い香りがして、柔らかなアッシュブラウンの細い髪が頬をかすめると、腕の中に柔らかで温かな感触がなだれ込む。
女の子の身体はこんなに柔らかいのだ。そう思ったら、緊張で腕に力が入る。
「……熱い」
俺はつぶやく。那波とは違う温かな身体だけど、それでもあまりに熱い。
「熱ある?」
「ちょっとだけだよ」
弱々しく笑いながら、俺から離れようとする芽依の足元はおぼつかない。
「保健室まで連れて行くよ」
「大丈夫なのに……」
芽依は俺の腕をつかみ、ようやく立てている。
「保健室行かないと」
責任感の強い芽依のことだ。自分に与えられた役割は果たそうとするだろう。
案の定、芽依が俺から離れていく。なんでもないような笑顔を見せる。頬が赤らんでいるのは熱のせいなのにとても綺麗で、熱があるなんて気づきもしなかった。
「……那波」
「え……?」
芽依はいきなり那波の名を口にする。そして、走り出そうとする。
走ったらダメだ。俺は慌てて芽依の腕をつかみながら振り返った。
視界の片隅で黒髪がなびいた。しかし、その髪はすぐに、廊下の曲がり角に消えていった。
「那波……?」
芽依は問うようにつぶやきながら、俺の腕の中に崩れ落ちてきた。
「ちょっと凪くんっ、どこ行くのっ?」
教室の周囲は人だかりが絶えず、もはや喫茶店の営業どころではない。
少しぐらい受付がいなくても誰も気にしない状況だ。
弥生に引き止められたが、那波に会ってどんな顔をしたらいいのか気持ちの整理がつかず、この場から離れたくて仕方ない。
「頭冷やしてくる」
そう言って、俺は人気のない場所へと向かう。
文化祭が行われている本館と、学園長室などがある別館へつながる渡り廊下は、調理室から一番近い。
どうやら俺は、人気のない場所を見つけるのが得意になっているようだ。
転校してから心を許せる友人を、俺はまだ見つけることができていない。
そんな俺にとって那波の存在は大きい。だが、彼女に関わることで、少なくとも平凡な学校生活を遠ざけているのだ。
だから、一人になれる場所を知らず知らずのうちに探しているのかもしれない。
渡り廊下に差し掛かり、俺は足を止めた。先客だ。文化祭だから、ここにも人が来るのだ。そう思ったが、引き返すことなく進んだ。そこで佇むのが、芽依だったからだ。
「凪……、どうしたの?」
俺に気づいた芽依が尋ねる。
「芽依こそ」
違和感を覚えた。いつもの芽依ではない気がして。
「私は、あー……、ちょっとお疲れ」
芽依はちょっと笑って、渡り廊下の柵にもたれる。少し元気がないのだ。いつも明るい笑顔を振りまく彼女に感じた違和感はそれだったようだ。
「準備から大変だったもんな。B組の準備まで手伝うからだよ」
芽依のお人好しにもほどがある。嫌な顔一つしないで手伝うから、クラスメイトたちも甘えるのだ。
それに、誰もが芽依と一緒に過ごせる時間を楽しみにしていた。
芽依はこの学園のマドンナだ。
俺みたいな平凡な生徒が特別な関わりを持つなんて贅沢なほど、綺麗で優しくて明るい女性。
妹の那波もまた、俺にとってはマドンナなのだ。だから、傷つく必要なんて何もない。那波と並ぶ輝はお似合いだったじゃないか。
芽依を見て、那波を想う俺の気持ちが沈んでるなんて気付かない彼女は、アッと思い出したように言う。
「そう言えば、那波は? 那波は来た?」
「……来たよ。今頃はケーキ食べてるよ」
「そうなんだっ、良かった。弥生たちがちゃんと連れ出してくれたんだね」
「違うよ」
「違う……?」
「樋野先輩だよ。飛流さんは樋野先輩に誘われたから来たんだ」
それを言葉にしたら胸がずきりと痛む。
俺や芽依に出来ないことを、サラッと輝は出来るのだ。敗北以外のなにものでもない。
「樋野先輩が? 私がチケット渡したから、那波を誘ったんだね。先輩って、やっぱり那波のこと好きなのかな」
俺の悲愴ぶりに対し、芽依は対極的な笑顔だ。芽依にとって、那波の恋人は誰でもいいのかもしれない。那波を幸せにする存在なら、誰でも……。
ちょっと笑ってしまう。俺を救世主だと言った言葉なんて、もろいものだ。
「樋野先輩は飛流さんが好きだとは思うよ」
「やっぱりっ。那波はどうかなー」
「さあ。……でもさ、芽依はなんでそんなに飛流さんに恋人が出来たらいいなんて思うわけ?」
無理やり雰囲気に乗せられて、恋人同士になったって幸せにはなれないだろう。那波が流されているというわけではないが、そう思いたくなるのは俺の女々しさからか。
「那波に聞いた? 高校卒業したら那波はどうなるか」
「……あ、あぁ。なんとなくは聞いたよ」
那波は高校卒業したら家に入るのだ。
そう話してくれた彼女は、外界から隔離された空間で生きることに納得しているようでもあった。
「那波って本当、凪にはなんでも話すのね」
あきれと感心が入り混じる笑顔で、芽依は続ける。
「那波は高校卒業したら、楽しいことなんてなんにもなくなるの。だからね、恋ぐらいしてもいいって思うの。あの子に、一度ぐらい楽しいって気持ちを感じてもらいたいの」
「……恋は楽しいことばかりじゃないよ。傷つくこともある」
輝が遊びで那波にキスをしたなら、彼女は傷つくだけだ。楽しいことなんて一つもないだろう。
そんなこと知る由もない芽依は、不思議そうにするだけだ。
芽依もまた、恋は楽しいことばかりで、つらいことがあるなんて知りもしないのだろう。
「恋って複雑……?」
「相手を想って苦しくなる思いがわからないなら、きっと恋なんて出来ないよ」
「……私には、わからないっていう意味?」
「それはなんとも言えない。でもさ、それが言えるなら、飛流さんにも無理だよ。苦しいばかりが恋じゃないんだから」
俺は芽依を傷つけている。そう思うが、どうにもならずに言ってしまう。飛流姉妹が恋に傷つかない方法は一つしかないだろう。
それは、恋をしないことだ。
もし那波が高校卒業してあの屋敷に隔離されることになるなら、それが彼女にとっての幸せなのかもしれない。
そう思うのはやはり、俺のものにならないなら、誰のものにもなって欲しくない気持ちから来るものか。俺は本当にみっともない。
「……そっか」
それでも芽依は納得したようにうなずく。
「やっぱり……、別々に生きる道に幸せを見つけるのは無理かな」
ぽつりとつぶやいた芽依は、額に手を当てる。
「そろそろ行かなきゃ。ちょっと休んだら楽になったみたい」
「体調、そんなに良くない? あんまり無理しない方がいいよ」
柵に手をかける芽依に近づく。彼女はいつも明るく笑うから、体調が悪いことも隠してしまうに違いない。
「うん、大丈夫。お昼までは頑張るから」
そう言って柵から手を離した途端、芽依の身体はよろめいた。
もともと細い足がバランスを失うと、あっという間に崩れ落ちる。
「芽依っ」
俺はとっさに腕を伸ばす。
ふわっと甘い香りがして、柔らかなアッシュブラウンの細い髪が頬をかすめると、腕の中に柔らかで温かな感触がなだれ込む。
女の子の身体はこんなに柔らかいのだ。そう思ったら、緊張で腕に力が入る。
「……熱い」
俺はつぶやく。那波とは違う温かな身体だけど、それでもあまりに熱い。
「熱ある?」
「ちょっとだけだよ」
弱々しく笑いながら、俺から離れようとする芽依の足元はおぼつかない。
「保健室まで連れて行くよ」
「大丈夫なのに……」
芽依は俺の腕をつかみ、ようやく立てている。
「保健室行かないと」
責任感の強い芽依のことだ。自分に与えられた役割は果たそうとするだろう。
案の定、芽依が俺から離れていく。なんでもないような笑顔を見せる。頬が赤らんでいるのは熱のせいなのにとても綺麗で、熱があるなんて気づきもしなかった。
「……那波」
「え……?」
芽依はいきなり那波の名を口にする。そして、走り出そうとする。
走ったらダメだ。俺は慌てて芽依の腕をつかみながら振り返った。
視界の片隅で黒髪がなびいた。しかし、その髪はすぐに、廊下の曲がり角に消えていった。
「那波……?」
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