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那波と輝を繋ぐ悲憤
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「お兄ちゃん、何やってるの?」
「それはこっちのセリフ。……一人?」
人ごみの中に妹の後ろ姿が見えて、慌てて追いかけてきたが、気づけばずいぶんと那波から離れてしまった。
「ううん、友達はたこ焼きの方に並んでる。手分けして並んだ方が早そうだから」
「かあさんは来てる?」
「来ないって言ってたよ。様子だけ見てきてって言われたけど」
なんとなく那波と一緒にいるところを家族に見られたら恥ずかしいという気持ちしかなかったが、それを聞いてホッとする。
「で、お兄ちゃんは何やってるの? 私、みたらしに並ぶけど、お兄ちゃんも行く?」
美都夜は俺の握るチケットに視線を落とす。
「そうだなー、そうするかな」
那波のことは気になるが、手ぶらで戻るわけにも行かない。
仕方なく、美都夜と共にみたらしだんごを求める客の列に並んだ。
「お兄ちゃんの学校って、真面目そうな感じの人が多いよね」
「そうか? まあ、そうか……」
那波は生徒手帳にある身だしなみの見本のような身なりだが、芽依は茶髪だし、輝に至っては校則を無視した容貌だ。
周囲にいるのが奇抜な人間ばかりだからぴんとこなかったが、確かにその他の生徒は絵に描いたような平凡な生徒ばかりだ。俺もまたその一人。
「でもさ、さっきすごい人見たよ」
「すごい人? 何がすごいんだよ」
「それがね、ちょっと変わった感じの色のグレイの髪で、左側の前髪だけやたらと長いの。おしゃれ眼帯なんてしてるし、変な人ーって思っちゃった。でもね、めちゃくちゃカッコいいの。制服着てたから、この学校の生徒だと思う!」
輝だ。
それ以外にないだろう。
美都夜はまるでアイドルに向けるような憧憬のまなざしをする。一目で女心をつかんでしまう魅力なら、彼は十二分に持っている。
「おしゃれ眼帯か……」
美都夜からしたら、シャープなデザインのシックな眼帯もおしゃれに見えるようだ。
「お兄ちゃん、あの人って左目、見えてるよねー。なんでおしゃれで眼帯してるんだろうね」
「見えてる?」
いつも美都夜には驚かされる。思いがけないことを言うものだ。
「そうだよ。だって左側から来た女の子があの人にぶつかりそうになった時、軽々よけたもん。見えてなきゃあんな風にはよけれないよ」
確か、輝はサッカー部での練習中、まるで見えているかのようなファインプレーを見せるのだと芽依が言っていた。
彼女もまた、輝はおしゃれで眼帯しているのではないかと言っていたか。
「気配だろ、気配。運動神経抜群らしいから」
「ふぅん。カッコ良くて運動神経良くて、頭も良かったりしたら、お兄ちゃんがかわいそうに思えるね」
「どういう意味だよ」
「それを私に言わせるの? 察してよねー」
俺だってわかっている。那波に似合うのは輝のような美男子で、身の丈に合わない恋をしてることぐらい。
那波には好きな人がいて、それは輝かもしれなくて、やつが彼女に恋愛感情などないと言って抱きしめたりしたから、彼女は絶望して悲観したんじゃないかとか……。
とりとめのないことを延々と悩んだりしても、俺は彼女の似合いにはなれない。
それでも、俺は那波を支えたいと思っている。楽しいことを楽しいと思えるように、彼女の世界を広げる手伝いが出来るなら助けたいと思っている。
そうは言っても、むなしいものだ。
知らずため息をつく俺などおかまいなしに、美都夜は満足げにみたらしだんごを受け取った。
「じゃあ、後でお兄ちゃんのクラスの出し物見に行くねー」
いいも悪いもなく、返事する前に美都夜は去っていく。
俺もまたテントをめぐり、チケットをすべて商品に交換し終えると、那波の元へと向かった。
気になって腕時計を確認した。待たせすぎたかもしれない。
彼女なら待つことをいとわないだろうが、待つ場所は部室ではないのだから、嫌な思いをしていないとも限らない。
浅はかに那波から離れるのではなかった。
後悔しつつも、彼女に待つよう支持した花壇にたどり着いた俺は、思いがけない光景を目にして立ち尽くした。
那波はわたがしを持って花壇の前にいた。しかし、那波の隣には、わたがしをつまみながら笑顔を見せる輝がいた。
「それにしても、珍しいな、あんたが一人で文化祭に出るなんてさ」
輝は俺がいることに気づくことなく、那波の腰にそっと腕を回した。
思わず前傾姿勢になるが、少しばかり緊張したかのように肩を強張らせるだけで嫌がる様子のない那波を見たら、なかなか足が踏み出せない。邪魔なのは、俺の方かもしれない。
「木梨くんに誘われたからよ」
「木梨凪? へえ、あいつに誘われれば簡単に出てくるんだな。ずいぶん気を許したものだ」
輝がちらっと見せた嫉妬のオーラに那波は気づかないのか、誤解を解こうともせず無言だ。
「で、その木梨凪はあんたをほったらかしにして自分だけ楽しんでるわけだ?」
「いいのよ、気にしてないわ」
そんな……。
那波はまるで俺がもう戻らないと思ってるような言い方をする。
「じゃあさ、今から部室に戻るか? この間は邪魔が入ったが、俺の気持ちは変わらない」
輝の長い指が那波の髪を巧みにかきあげて耳にかける。やけに艶めいた目をした輝があらわになった耳たぶに唇を寄せていくのを見たら、激しく波をうった心臓が俺の足を前へと突き動かした。
「飛流さんっ、ごめん待たせて。妹がいたから、つい遅くなって……」
言い訳する俺を美都夜が見ていたら、私のせいにしないでよと怒りそうだが、今はそんなこと気にしていられない。
輝が那波に求めていることを阻止するためなら、俺はどんな嘘でも平気でつけるだろう。もし那波が輝を求めていないなら……だが。
「木梨くん、いたのね、あなた」
存在感が全くないらしい。
那波はようやく俺を認めると、サッと素っ気なく輝から離れて俺の元へと早足で歩み寄ってくる。それだけなのに、俺は嬉しくてならない。
やっぱり那波は、俺を待っていたんだと思えて。
「本当ごめん。でもさ、食べるものは全部もらってきたから」
「気にしてないのよ、木梨くん。私、もう部室に戻ろうと思ってたの。妹さんがいらしてるなら私に遠慮することないのよ」
「違うよ。全然違う。部室に戻るのはかまわないけど、だったら俺も行くから」
輝と那波を部室で二人きりにさせるなんて考えられない。
「そう、では行きましょう」
那波は部室に戻りたくて仕方ないようだ。
無理に文化祭に誘ったりして、居心地の悪い思いをさせたのだろう。
反省と後悔で胸が苦しくなる俺に背を向けた那波は、面白くない表情をむきだす輝に声をかけた。
「もう行くわ。部のことで用事がある時は、部室まで来ていただいてもかまわないわ」
それ以外の用事なら訪れるなと、けん制したのだろうか。やはり、那波の好きな人は輝ではないのか。
「ちょっと待った。俺の行動を制限する権限はあんたにはないぜ」
輝が那波に近づこうとするから、俺はすぐさま二人の間に無言で割り込んだ。輝は不機嫌に右の眉を上げる。
「飛流さんは部長だから権限はあるよ。本気なら、嫌がってることぐらい気づくべきだと思う」
「嫌がる? わかったような口を利くが、俺を嫌がってるって那波がいつ言った? 先入観だけで出しゃばるのは感心しないね」
「嫌だって言えない飛流さんだから、代わりに言ってるんだ」
那波が輝を好きなら拒んだりしないだろう。
むしろ、別に好きな人がいるから、彼の好意を全面的に受け入れないのだと考えた方が納得が行く。
しかし、那波の言葉が俺を迷わせる。
「木梨くん、やめて」
「飛流さん?」
「輝のことは誤解よ。彼は私にとって必要な存在なの」
「え……?」
「探してたものを、輝は持ってる。だから私にとってかけがえのない人よ」
「……理解できないよ、飛流さん」
那波はいつも唐突で、詳しい説明をしようとしない。
俺は理解できないことが多くて、戸惑うばかりで、彼女の言動から輝のことをそこまで大切に考えてるなんてわかるはずもなかった。
「木梨くんに理解してもらいたいとは思ってないの。ただ、部活動を邪魔する行為は良くないと思うから」
「つまり、部室以外でなら受け入れられるって話だ?」
輝が満足そうにうなずくのと、那波が目を伏せたのは同時のことだった。
肯定も否定もしない彼女の態度は、やはり肯定か。
「飛流さん……」
「木梨くん、もう行きましょう? 話し合いは無駄よ」
取りつく島もなく一方的に那波は言うと歩き出す。輝はついてこないが、俺と目が合うと優越的な眼差しを見せた。
「お兄ちゃん、何やってるの?」
「それはこっちのセリフ。……一人?」
人ごみの中に妹の後ろ姿が見えて、慌てて追いかけてきたが、気づけばずいぶんと那波から離れてしまった。
「ううん、友達はたこ焼きの方に並んでる。手分けして並んだ方が早そうだから」
「かあさんは来てる?」
「来ないって言ってたよ。様子だけ見てきてって言われたけど」
なんとなく那波と一緒にいるところを家族に見られたら恥ずかしいという気持ちしかなかったが、それを聞いてホッとする。
「で、お兄ちゃんは何やってるの? 私、みたらしに並ぶけど、お兄ちゃんも行く?」
美都夜は俺の握るチケットに視線を落とす。
「そうだなー、そうするかな」
那波のことは気になるが、手ぶらで戻るわけにも行かない。
仕方なく、美都夜と共にみたらしだんごを求める客の列に並んだ。
「お兄ちゃんの学校って、真面目そうな感じの人が多いよね」
「そうか? まあ、そうか……」
那波は生徒手帳にある身だしなみの見本のような身なりだが、芽依は茶髪だし、輝に至っては校則を無視した容貌だ。
周囲にいるのが奇抜な人間ばかりだからぴんとこなかったが、確かにその他の生徒は絵に描いたような平凡な生徒ばかりだ。俺もまたその一人。
「でもさ、さっきすごい人見たよ」
「すごい人? 何がすごいんだよ」
「それがね、ちょっと変わった感じの色のグレイの髪で、左側の前髪だけやたらと長いの。おしゃれ眼帯なんてしてるし、変な人ーって思っちゃった。でもね、めちゃくちゃカッコいいの。制服着てたから、この学校の生徒だと思う!」
輝だ。
それ以外にないだろう。
美都夜はまるでアイドルに向けるような憧憬のまなざしをする。一目で女心をつかんでしまう魅力なら、彼は十二分に持っている。
「おしゃれ眼帯か……」
美都夜からしたら、シャープなデザインのシックな眼帯もおしゃれに見えるようだ。
「お兄ちゃん、あの人って左目、見えてるよねー。なんでおしゃれで眼帯してるんだろうね」
「見えてる?」
いつも美都夜には驚かされる。思いがけないことを言うものだ。
「そうだよ。だって左側から来た女の子があの人にぶつかりそうになった時、軽々よけたもん。見えてなきゃあんな風にはよけれないよ」
確か、輝はサッカー部での練習中、まるで見えているかのようなファインプレーを見せるのだと芽依が言っていた。
彼女もまた、輝はおしゃれで眼帯しているのではないかと言っていたか。
「気配だろ、気配。運動神経抜群らしいから」
「ふぅん。カッコ良くて運動神経良くて、頭も良かったりしたら、お兄ちゃんがかわいそうに思えるね」
「どういう意味だよ」
「それを私に言わせるの? 察してよねー」
俺だってわかっている。那波に似合うのは輝のような美男子で、身の丈に合わない恋をしてることぐらい。
那波には好きな人がいて、それは輝かもしれなくて、やつが彼女に恋愛感情などないと言って抱きしめたりしたから、彼女は絶望して悲観したんじゃないかとか……。
とりとめのないことを延々と悩んだりしても、俺は彼女の似合いにはなれない。
それでも、俺は那波を支えたいと思っている。楽しいことを楽しいと思えるように、彼女の世界を広げる手伝いが出来るなら助けたいと思っている。
そうは言っても、むなしいものだ。
知らずため息をつく俺などおかまいなしに、美都夜は満足げにみたらしだんごを受け取った。
「じゃあ、後でお兄ちゃんのクラスの出し物見に行くねー」
いいも悪いもなく、返事する前に美都夜は去っていく。
俺もまたテントをめぐり、チケットをすべて商品に交換し終えると、那波の元へと向かった。
気になって腕時計を確認した。待たせすぎたかもしれない。
彼女なら待つことをいとわないだろうが、待つ場所は部室ではないのだから、嫌な思いをしていないとも限らない。
浅はかに那波から離れるのではなかった。
後悔しつつも、彼女に待つよう支持した花壇にたどり着いた俺は、思いがけない光景を目にして立ち尽くした。
那波はわたがしを持って花壇の前にいた。しかし、那波の隣には、わたがしをつまみながら笑顔を見せる輝がいた。
「それにしても、珍しいな、あんたが一人で文化祭に出るなんてさ」
輝は俺がいることに気づくことなく、那波の腰にそっと腕を回した。
思わず前傾姿勢になるが、少しばかり緊張したかのように肩を強張らせるだけで嫌がる様子のない那波を見たら、なかなか足が踏み出せない。邪魔なのは、俺の方かもしれない。
「木梨くんに誘われたからよ」
「木梨凪? へえ、あいつに誘われれば簡単に出てくるんだな。ずいぶん気を許したものだ」
輝がちらっと見せた嫉妬のオーラに那波は気づかないのか、誤解を解こうともせず無言だ。
「で、その木梨凪はあんたをほったらかしにして自分だけ楽しんでるわけだ?」
「いいのよ、気にしてないわ」
そんな……。
那波はまるで俺がもう戻らないと思ってるような言い方をする。
「じゃあさ、今から部室に戻るか? この間は邪魔が入ったが、俺の気持ちは変わらない」
輝の長い指が那波の髪を巧みにかきあげて耳にかける。やけに艶めいた目をした輝があらわになった耳たぶに唇を寄せていくのを見たら、激しく波をうった心臓が俺の足を前へと突き動かした。
「飛流さんっ、ごめん待たせて。妹がいたから、つい遅くなって……」
言い訳する俺を美都夜が見ていたら、私のせいにしないでよと怒りそうだが、今はそんなこと気にしていられない。
輝が那波に求めていることを阻止するためなら、俺はどんな嘘でも平気でつけるだろう。もし那波が輝を求めていないなら……だが。
「木梨くん、いたのね、あなた」
存在感が全くないらしい。
那波はようやく俺を認めると、サッと素っ気なく輝から離れて俺の元へと早足で歩み寄ってくる。それだけなのに、俺は嬉しくてならない。
やっぱり那波は、俺を待っていたんだと思えて。
「本当ごめん。でもさ、食べるものは全部もらってきたから」
「気にしてないのよ、木梨くん。私、もう部室に戻ろうと思ってたの。妹さんがいらしてるなら私に遠慮することないのよ」
「違うよ。全然違う。部室に戻るのはかまわないけど、だったら俺も行くから」
輝と那波を部室で二人きりにさせるなんて考えられない。
「そう、では行きましょう」
那波は部室に戻りたくて仕方ないようだ。
無理に文化祭に誘ったりして、居心地の悪い思いをさせたのだろう。
反省と後悔で胸が苦しくなる俺に背を向けた那波は、面白くない表情をむきだす輝に声をかけた。
「もう行くわ。部のことで用事がある時は、部室まで来ていただいてもかまわないわ」
それ以外の用事なら訪れるなと、けん制したのだろうか。やはり、那波の好きな人は輝ではないのか。
「ちょっと待った。俺の行動を制限する権限はあんたにはないぜ」
輝が那波に近づこうとするから、俺はすぐさま二人の間に無言で割り込んだ。輝は不機嫌に右の眉を上げる。
「飛流さんは部長だから権限はあるよ。本気なら、嫌がってることぐらい気づくべきだと思う」
「嫌がる? わかったような口を利くが、俺を嫌がってるって那波がいつ言った? 先入観だけで出しゃばるのは感心しないね」
「嫌だって言えない飛流さんだから、代わりに言ってるんだ」
那波が輝を好きなら拒んだりしないだろう。
むしろ、別に好きな人がいるから、彼の好意を全面的に受け入れないのだと考えた方が納得が行く。
しかし、那波の言葉が俺を迷わせる。
「木梨くん、やめて」
「飛流さん?」
「輝のことは誤解よ。彼は私にとって必要な存在なの」
「え……?」
「探してたものを、輝は持ってる。だから私にとってかけがえのない人よ」
「……理解できないよ、飛流さん」
那波はいつも唐突で、詳しい説明をしようとしない。
俺は理解できないことが多くて、戸惑うばかりで、彼女の言動から輝のことをそこまで大切に考えてるなんてわかるはずもなかった。
「木梨くんに理解してもらいたいとは思ってないの。ただ、部活動を邪魔する行為は良くないと思うから」
「つまり、部室以外でなら受け入れられるって話だ?」
輝が満足そうにうなずくのと、那波が目を伏せたのは同時のことだった。
肯定も否定もしない彼女の態度は、やはり肯定か。
「飛流さん……」
「木梨くん、もう行きましょう? 話し合いは無駄よ」
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