9 / 119
キスまでの距離
9
しおりを挟む
***
「あら、湊さん、今日は遅くなるんじゃなかったの?」
「気が変わったんだ。食事はしてきたからいらないよ」
二階にあがる階段を昇りかけたところで、リビングから出てきた母親が声をかけてきた。
それもそうだろう。今日は上條沙耶のささやかな誕生日パーティーに行ってくると話したのだから、上條家となんとしてでもつながりを持っていたい母親が気にするのは当然だ。
こんなことなら迂闊に話すのではなかった。いや、正確に言えば、上條沙耶の父親に電話しているところを見られてしまい、仕方なく話すことになったのだが。
「沙耶さんには会わなかったの?」
母親の質問には答えず、そのまま無言で階段を昇る。後ろから、母親のため息に混じって、バカにするような笑いを含んだ声が飛んでくる。
「沙耶ちゃんには会ったんだよなー、湊」
「秀人……」
振り返ると、兄の秀人が薄笑いを浮かべて、不安そうな母親の後ろに立っていた。
「沙耶なんて知らないよ」
「まあ、しらばっくれたくもなるよな」
「意味がわからないね」
「おまえはどこにいても目立つからな。知りたくなくても俺の耳に入ってくるんだよ」
「秀人さん、何の話?」
母親は理解でなくて、ますます不安そうにする。
「お母さんが気に病む話ではないですよ。大丈夫。湊は沙耶ちゃんとうまくいきますよ」
「そうなの? 湊さん」
「知らないよ」
勝手なことばかり言う秀人に背を向けて、二階にある自室へ向かう。すると、「湊、照れるなよ」と、秀人は楽しそうに後を追いかけてきた。
階段を上がって右側の自室に入ると、ドアを閉める前に秀人も入ってきた。
「いい加減なこと言うなよ」
ネクタイを緩めながら吐き捨てる。秀人は後手に閉めたドアに寄りかかった。
「湊は見事に沙耶ちゃんにふられました、なんて母さんに言ったら失神するぜ」
「誰がふられたって?」
眉がぴくりと上がるのがわかる。俺は今、自分でも自制できないような怒りを覚えているのだ。
しかし、秀人は容赦がない。そっとしておいてやろうなんて優しさなど持ち合わせていないのだ。
「ムリ、って道のど真ん中で叫ばれたんだろ? おまえをふった女を見たのは初めてだって、同僚が嬉しそうに電話してきたよ。沙耶ちゃんもなかなか男を見る目があるんだなって感心していたのさ」
「俺じゃないだろ」
「まあまあ、知らぬふりをするのも結構だが、事実は変えられないからな。問題は、これからどうするか? だろ」
「どうもこうもないさ。俺はもう二度と、上條沙耶には関わらないよ。わかったなら出て行ってくれよ」
上着を脱ぎ捨て、そのままベッドに横になる。秀人はしばらく立ち去る気配もなく部屋にいたが、背を向けて寝たふりをすると、無言で出ていった。
ため息を吐き出し、目を閉じた。
なんでこんなことになったんだ。沸き上がる思いはそれだけだ。本当なら今頃、上條沙耶を俺の女にしていたところだったのに。
沙耶が俺を拒むなんて考えてもみなかった。いや、沙耶と一緒にいた女が余計なことを言うから、彼女は俺を拒否したのだ。そうでも思わなければ、やるせない気持ちの行き場がない。
冷静になれ、と仰向けになり、腕を目元にあてた時、部屋のドアがノックされた。返事をする間もなくドアが開いて、姿を見せたのは秀人だ。
勝手に俺の部屋に入ってくるのは秀人ぐらいなものだ。
「なんだよ」
ちらりと視線だけ送ると、秀人は無遠慮にソファーに腰を下ろし、腕を組んだ。
「段取りしてきてやったよ」
「段取り? なんの?」
「沙耶ちゃんに湊との結婚を説得するよう、上條さんに電話しておいた。少し驚いてはいたが、光栄だと喜んでおられたよ」
「なっ……」
上半身を起こし、「余計なことを!」と食ってかかったが、秀人は薄笑いを浮かべた。
「沙耶ちゃんはどう見ても世間知らずのお嬢様だろ? ああいうのに遊びで手を出すと後悔するぞ。どうせ、責任とって結婚することになるんだ。結婚してから、存分に楽しめばいいだろ。飽きたら浮気したらいいんだ。上條さんは文句言わないさ。いや、言えないだろうな」
「勝手なこと言うなよ」
「湊と沙耶ちゃんの結婚は祝福されたものになるんだから、文句言うなよ」
「俺はまだ……」
「結婚する気がない? なら、今すぐ上條さんに電話入れるんだな。その代わり、もう沙耶ちゃんに会うことは出来なくなるけどな」
秀人はそう言うと、スマホをベッドの上へと放り投げてくる。
秀人はいつもそうだ。
俺の幸せを認めたくなくてか、無意識なのか故意か、俺が苦しむことになる行動を取る。
ベッドに投げ出されたスマホを見下ろす俺を、秀人は腕を組みながら楽しげに見ている。
「出ていってくれないか」
「俺がいると話しづらいか」
「考える時間が欲しいんだ。上條さんの連絡先なら俺も知ってる」
秀人のスマホを手に取り、ベッドから降りる。部屋のドアを開け、秀人にスマホを突き返す。
秀人はすんなり部屋を出たが、ドアを閉めようとする俺の手をつかんでさえぎり、顔を覗き込んできた。
「今さら考える時間なんて必要ないだろ? 欲しい女なら、どんな手を使ってでも手に入れた方がいい」
その目に浮かぶ嘲笑に、俺の苛立ちは高ぶった。
「自分ができなかったからって、俺に強制するなよ。沙耶のことは俺なりに考えてる」
「ふーん、考えてるねぇ。じゃあ、なおさら俺がしたことに感謝するんだな。沙耶ちゃんは円華と違っておとなしいから、結婚を拒んだりはしないだろうしな」
「そういうことを言ってるんじゃ……」
「相手の気持ちなんて考えてたら、一生幸せな結婚生活なんて送れないぜ。沙耶ちゃん以外の女と結婚したって、上條に執着してるあの人がいびり倒すに決まってるんだ。おまえは沙耶ちゃんとしか結婚できないんだよ」
「沙耶は……」
沙耶の気持ちはどうなる。好きでもない男と一生を過ごす人生は、俺には想像できない。
秀人はその気持ちさえも見透かしたように、口角をあげた。
「結城家の結婚に愛情なんていらないだろって話をしてるんだよ。まあ、多少気がとがめたとしても、思い通りにならない女を抱くのも楽しいだろうしな」
秀人は言いたいことを言って満足したのか、自らの手でドアを閉めた。
俺はため息を落とすと、ポケットに入っているスマホを取り出して、沙耶の父親の連絡先へ指を落とした。
「あら、湊さん、今日は遅くなるんじゃなかったの?」
「気が変わったんだ。食事はしてきたからいらないよ」
二階にあがる階段を昇りかけたところで、リビングから出てきた母親が声をかけてきた。
それもそうだろう。今日は上條沙耶のささやかな誕生日パーティーに行ってくると話したのだから、上條家となんとしてでもつながりを持っていたい母親が気にするのは当然だ。
こんなことなら迂闊に話すのではなかった。いや、正確に言えば、上條沙耶の父親に電話しているところを見られてしまい、仕方なく話すことになったのだが。
「沙耶さんには会わなかったの?」
母親の質問には答えず、そのまま無言で階段を昇る。後ろから、母親のため息に混じって、バカにするような笑いを含んだ声が飛んでくる。
「沙耶ちゃんには会ったんだよなー、湊」
「秀人……」
振り返ると、兄の秀人が薄笑いを浮かべて、不安そうな母親の後ろに立っていた。
「沙耶なんて知らないよ」
「まあ、しらばっくれたくもなるよな」
「意味がわからないね」
「おまえはどこにいても目立つからな。知りたくなくても俺の耳に入ってくるんだよ」
「秀人さん、何の話?」
母親は理解でなくて、ますます不安そうにする。
「お母さんが気に病む話ではないですよ。大丈夫。湊は沙耶ちゃんとうまくいきますよ」
「そうなの? 湊さん」
「知らないよ」
勝手なことばかり言う秀人に背を向けて、二階にある自室へ向かう。すると、「湊、照れるなよ」と、秀人は楽しそうに後を追いかけてきた。
階段を上がって右側の自室に入ると、ドアを閉める前に秀人も入ってきた。
「いい加減なこと言うなよ」
ネクタイを緩めながら吐き捨てる。秀人は後手に閉めたドアに寄りかかった。
「湊は見事に沙耶ちゃんにふられました、なんて母さんに言ったら失神するぜ」
「誰がふられたって?」
眉がぴくりと上がるのがわかる。俺は今、自分でも自制できないような怒りを覚えているのだ。
しかし、秀人は容赦がない。そっとしておいてやろうなんて優しさなど持ち合わせていないのだ。
「ムリ、って道のど真ん中で叫ばれたんだろ? おまえをふった女を見たのは初めてだって、同僚が嬉しそうに電話してきたよ。沙耶ちゃんもなかなか男を見る目があるんだなって感心していたのさ」
「俺じゃないだろ」
「まあまあ、知らぬふりをするのも結構だが、事実は変えられないからな。問題は、これからどうするか? だろ」
「どうもこうもないさ。俺はもう二度と、上條沙耶には関わらないよ。わかったなら出て行ってくれよ」
上着を脱ぎ捨て、そのままベッドに横になる。秀人はしばらく立ち去る気配もなく部屋にいたが、背を向けて寝たふりをすると、無言で出ていった。
ため息を吐き出し、目を閉じた。
なんでこんなことになったんだ。沸き上がる思いはそれだけだ。本当なら今頃、上條沙耶を俺の女にしていたところだったのに。
沙耶が俺を拒むなんて考えてもみなかった。いや、沙耶と一緒にいた女が余計なことを言うから、彼女は俺を拒否したのだ。そうでも思わなければ、やるせない気持ちの行き場がない。
冷静になれ、と仰向けになり、腕を目元にあてた時、部屋のドアがノックされた。返事をする間もなくドアが開いて、姿を見せたのは秀人だ。
勝手に俺の部屋に入ってくるのは秀人ぐらいなものだ。
「なんだよ」
ちらりと視線だけ送ると、秀人は無遠慮にソファーに腰を下ろし、腕を組んだ。
「段取りしてきてやったよ」
「段取り? なんの?」
「沙耶ちゃんに湊との結婚を説得するよう、上條さんに電話しておいた。少し驚いてはいたが、光栄だと喜んでおられたよ」
「なっ……」
上半身を起こし、「余計なことを!」と食ってかかったが、秀人は薄笑いを浮かべた。
「沙耶ちゃんはどう見ても世間知らずのお嬢様だろ? ああいうのに遊びで手を出すと後悔するぞ。どうせ、責任とって結婚することになるんだ。結婚してから、存分に楽しめばいいだろ。飽きたら浮気したらいいんだ。上條さんは文句言わないさ。いや、言えないだろうな」
「勝手なこと言うなよ」
「湊と沙耶ちゃんの結婚は祝福されたものになるんだから、文句言うなよ」
「俺はまだ……」
「結婚する気がない? なら、今すぐ上條さんに電話入れるんだな。その代わり、もう沙耶ちゃんに会うことは出来なくなるけどな」
秀人はそう言うと、スマホをベッドの上へと放り投げてくる。
秀人はいつもそうだ。
俺の幸せを認めたくなくてか、無意識なのか故意か、俺が苦しむことになる行動を取る。
ベッドに投げ出されたスマホを見下ろす俺を、秀人は腕を組みながら楽しげに見ている。
「出ていってくれないか」
「俺がいると話しづらいか」
「考える時間が欲しいんだ。上條さんの連絡先なら俺も知ってる」
秀人のスマホを手に取り、ベッドから降りる。部屋のドアを開け、秀人にスマホを突き返す。
秀人はすんなり部屋を出たが、ドアを閉めようとする俺の手をつかんでさえぎり、顔を覗き込んできた。
「今さら考える時間なんて必要ないだろ? 欲しい女なら、どんな手を使ってでも手に入れた方がいい」
その目に浮かぶ嘲笑に、俺の苛立ちは高ぶった。
「自分ができなかったからって、俺に強制するなよ。沙耶のことは俺なりに考えてる」
「ふーん、考えてるねぇ。じゃあ、なおさら俺がしたことに感謝するんだな。沙耶ちゃんは円華と違っておとなしいから、結婚を拒んだりはしないだろうしな」
「そういうことを言ってるんじゃ……」
「相手の気持ちなんて考えてたら、一生幸せな結婚生活なんて送れないぜ。沙耶ちゃん以外の女と結婚したって、上條に執着してるあの人がいびり倒すに決まってるんだ。おまえは沙耶ちゃんとしか結婚できないんだよ」
「沙耶は……」
沙耶の気持ちはどうなる。好きでもない男と一生を過ごす人生は、俺には想像できない。
秀人はその気持ちさえも見透かしたように、口角をあげた。
「結城家の結婚に愛情なんていらないだろって話をしてるんだよ。まあ、多少気がとがめたとしても、思い通りにならない女を抱くのも楽しいだろうしな」
秀人は言いたいことを言って満足したのか、自らの手でドアを閉めた。
俺はため息を落とすと、ポケットに入っているスマホを取り出して、沙耶の父親の連絡先へ指を落とした。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。
それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。
14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。
皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。
この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。
※Hシーンは終盤しかありません。
※この話は4部作で予定しています。
【私が欲しいのはこの皇子】
【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】
【放浪の花嫁】
本編は99話迄です。
番外編1話アリ。
※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる