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チタとアイ
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「アイ、か……」
タンザと再会を果たした最初の言葉はそれだった。
その頃アイは父親を亡くし、母親とともに細々と暮らしていた。王妃を輩出した家として、タンザの厚い庇護を受けていたアイは金銭に苦労することもなく、優秀な医者の治療も受けられていた。
すべてはチタがタンザに嫁いだおかげ。そして何より、タンザのくれる愛情のおかげとアイは思っていた。
そんなアイでも一つだけ気がかりなことがあった。それはタンザが第二王妃を娶ったことだ。
噂では白銀の王と名高いカル国王が赤鷹討伐に出かけた先で見つけた生粋のフィンの民との結婚だと言う。それはそれは妖艶な美姫で、たちまちタンザは虜になってしまったのだとか。
アイはチタを心配した。しかしチタに手紙を寄越しても、大丈夫だから心配しないで、という返事しか返って来なかった。
アイにはどうすることも出来ないまま時は過ぎ、第二王子誕生の知らせがセドニーを駆け巡ったのは先月のことだ。
だから目の前にタンザが現れたのにはアイも驚いた。目深にフードをかぶっていたにもかかわらず、アイと気づいた彼にも驚いていた。
「王立図書館へは、よく?」
二言めにタンザはそう言った。
「本を読むのが好きで」
アイはフードをはずし、数冊の本を抱えてそう答えた。タンザはすぐにアイから本を取り上げて、すべての書物がセドニーの歴史に関するものだと知ると感心するような息をついた。
「あなたが男だったなら、私の優秀な右腕になれただろう」
タンザはそう言って、アイを側に置けないことを嘆いた。
「私は今でもあなた様のお側にいることができていると思えていて、幸せです」
素直なアイはタンザへの愛情を口にした。それがタンザの疲れた心に響いたのだろう。
その日は図書館で別れたが、翌日の夜、タンザはアイとの約束を破り、アイの寝室に現れた。
「タンザ様……っ」
「許せ、アイ。あなたを思うとこうせずにはいられない」
ベッドで横になっていたアイにタンザはいきなりかぶさった。
久しぶりの再会で、会えなかった時間を埋めるにはいささか急な行為だった。それでも幾度も唇を重ねるうちにあふれ出す愛情がアイを素直にさせた。
アイはずっとタンザが好きだった。彼に与えられた命が彼に会える時間を作ったなら、それを受け入れるのも運命に思えた。
「アイ……、今宵はあなたを抱きに来た」
深いキスをした後、タンザはそう耳元で囁いた。愛の告白に全身が赤らむような感覚になりながら、アイはタンザの胸元をそっとつかんだ。
「なぜもっと早くにこうしなかったのだろう」
タンザはアイにまたがり、寝間着のひもをゆるめた。するりとはだける胸元から現れた真っ白な肌に、タンザは目を細める。
「私たちが愛し合うには時間が必要でした」
出会った頃ならば、こうして愛し合うことはできなかっただろう。タンザを受け止める体力などアイにはなかった。
「ずいぶんと遠回りをした」
それがいいのかどうかはわからない。そう言って、タンザはアイの首筋に吸い付いた。
「……あっ、……んん……っ」
タンザの手のひらが貧弱な胸を包み込んだ恥ずかしさと、乳房をもてあそぶ指先から与えられる快楽で、甘い息が漏れた。
「あ、……あんまり綺麗ではないでしょう?」
病で伏せっていた身体は決して魅力的ではないとアイは知っていた。チタのような艶やかで弾ける肌が羨ましかった。タンザを満足させられるのは、チタしかいないと。
「なぜそのようなことを言う? こんなに綺麗な心の娘には出会ったことがない」
タンザの言葉はくすぐったかった。セドニーを知り尽くす男の言葉だからこそ余計に。
「可愛らしいピンクだ。まだ咲いてはいないが、俺がみごとに咲かせてやろう」
タンザは胸の先端に吸いつく。鈍感なそこを舌先で転がしながら、遠慮がちに膨れ上がってくるのを楽しむように幾度も吸い付いた。
「タ、タンザさま……」
「ん?」
「あの、こんなことは初めてで、私……何をしたら……」
真っ赤になるほおに両手を当てて、アイは真っ直ぐな目でタンザを見上げる。
「初めての時はそのぐらいで良い。何かしたいのならば、俺に触れていろ」
そう言って、タンザは衣服を脱ぎ捨てると、下腹部にアイの手をいざなった。アイは固いものに触れるとすぐに驚いて手を引っ込めた。
「い、いけないわ……」
「これからあなたの中に入るものだ。すぐに愛おしくなる」
タンザがにやりと笑うから、アイは真っ赤になるしかない。
「不安なら手を握っていろ」
タンザの差し出す左手をアイは抱きしめた。アイの身体を高まらせるには、右手一本で十分だったのだろう。
ぎゅっと目を閉じて、アイはタンザの行為に集中していた。胸の先端をもてあそんでいた指がお腹の上を滑り、太ももを押し開いていく。恥ずかしくてすぐに閉じてしまうと、タンザは「怖くない」と囁いて、熱い息を吹きかけながら足の間に顔を埋めてきた。
熱い息とともに、熱い舌がアイの入り口をなぞった。びくんっ、っと身体が跳ね上がると、タンザはますます激しく舌を動かした。初めは強張っていた全身も、次第に力が抜けていく。
アイの口からは甘い吐息が漏れて、力なく投げ出された足にキスをしていくタンザの指が、そっと中へ入ってくる。
「最初はつらいかもしれないが、これは愛し合うには不可欠な痛みだ」
初めは浅く、中へと入ってきた。ピリッとした痛みを感じて腰を浮かすと、さらに深く侵入してくる。愛し合うことの痛みに驚くアイを内側から優しく優しく愛撫するタンザを愛おしく思った。
「あなたの子は産めないかもしれません……」
「気にするな。私はただ、あなたとこうして過ごせることが幸せだ。その先で愛が形となることがあるならば、嬉しく思う」
控えめに告白したアイの中へ、タンザはゆっくりと身体を収めた。
「もっと奧へ入るぞ」
タンザは快楽に負けて、アイの中を進む。力むアイの背中に腕を回したまま、今度はゆっくりと抜いていく。二人の中で生まれる高揚感に、アイは目をくらませる。
「気持ちいいか」
「は……あぁ……」
タンザの問いに吐息で答える。
「私も気持ちがいい」
指を組み合わせ握り合い、タンザは激しく腰を動かした。そのたびにアイの小さな胸が揺れて、美しい唇から甘い息が漏れた。
そんな日々を毎日のように過ごした。タンザの愛は果てることがなくて、アイの身体へ活力を注ぎ込むようでもあった。
その愛が形となったのは、二年後のこと。ベッドの上に座るタンザにまたがり、命じられたままにゆっくりと腰を動かすアイは、やはり恥ずかしさと快楽に溺れながら、タンザと口づけを交わしながら告白した。
「子を宿したかもしれません」
「まことか?」
「お医者さまがそうではないかと」
「そうか。やっと」
タンザは愛おしげにぎゅっとアイを抱きしめた。
「私の妻になるか?」
アイはベッドに仰向けに倒されながら、戸惑いを見せた。
「チタはこのことを?」
「すべて知っていて、何も言わぬ。賢い女だ」
「でもチタも、あなた様を愛していて……」
「妻になりたくないというなら無理は言わぬ。あなたの身体の方が心配だ」
タンザもアイが王宮で生きていけるとは思っていなかったのだろう。王妃になることを無理強いしたりはしなかった。
「子を産めるか、不安です……」
「優秀な医者を呼ぼう。あなたを死なせたりはしない。たとえ私の子と認められなくとも、刻印は授ける」
アイの視線がタンザの右胸に向けられる。そこには力強いブルードラゴンの刻印がある。彼が王子であることの証。そしていずれ国王になる権利を与えられた証。
「女の子が生まれたら、刻印はかわいそう」
「何を言う。私とアイの子だと証明できる唯一の証だ。私と同じ場所に授けよう。それを誇りに思える日が必ず来る」
タンザはアイを強く強く抱きしめてそう言った。離れて生きることを選んだのは、二人の愛の深さを表してもいた。
「アイ、か……」
タンザと再会を果たした最初の言葉はそれだった。
その頃アイは父親を亡くし、母親とともに細々と暮らしていた。王妃を輩出した家として、タンザの厚い庇護を受けていたアイは金銭に苦労することもなく、優秀な医者の治療も受けられていた。
すべてはチタがタンザに嫁いだおかげ。そして何より、タンザのくれる愛情のおかげとアイは思っていた。
そんなアイでも一つだけ気がかりなことがあった。それはタンザが第二王妃を娶ったことだ。
噂では白銀の王と名高いカル国王が赤鷹討伐に出かけた先で見つけた生粋のフィンの民との結婚だと言う。それはそれは妖艶な美姫で、たちまちタンザは虜になってしまったのだとか。
アイはチタを心配した。しかしチタに手紙を寄越しても、大丈夫だから心配しないで、という返事しか返って来なかった。
アイにはどうすることも出来ないまま時は過ぎ、第二王子誕生の知らせがセドニーを駆け巡ったのは先月のことだ。
だから目の前にタンザが現れたのにはアイも驚いた。目深にフードをかぶっていたにもかかわらず、アイと気づいた彼にも驚いていた。
「王立図書館へは、よく?」
二言めにタンザはそう言った。
「本を読むのが好きで」
アイはフードをはずし、数冊の本を抱えてそう答えた。タンザはすぐにアイから本を取り上げて、すべての書物がセドニーの歴史に関するものだと知ると感心するような息をついた。
「あなたが男だったなら、私の優秀な右腕になれただろう」
タンザはそう言って、アイを側に置けないことを嘆いた。
「私は今でもあなた様のお側にいることができていると思えていて、幸せです」
素直なアイはタンザへの愛情を口にした。それがタンザの疲れた心に響いたのだろう。
その日は図書館で別れたが、翌日の夜、タンザはアイとの約束を破り、アイの寝室に現れた。
「タンザ様……っ」
「許せ、アイ。あなたを思うとこうせずにはいられない」
ベッドで横になっていたアイにタンザはいきなりかぶさった。
久しぶりの再会で、会えなかった時間を埋めるにはいささか急な行為だった。それでも幾度も唇を重ねるうちにあふれ出す愛情がアイを素直にさせた。
アイはずっとタンザが好きだった。彼に与えられた命が彼に会える時間を作ったなら、それを受け入れるのも運命に思えた。
「アイ……、今宵はあなたを抱きに来た」
深いキスをした後、タンザはそう耳元で囁いた。愛の告白に全身が赤らむような感覚になりながら、アイはタンザの胸元をそっとつかんだ。
「なぜもっと早くにこうしなかったのだろう」
タンザはアイにまたがり、寝間着のひもをゆるめた。するりとはだける胸元から現れた真っ白な肌に、タンザは目を細める。
「私たちが愛し合うには時間が必要でした」
出会った頃ならば、こうして愛し合うことはできなかっただろう。タンザを受け止める体力などアイにはなかった。
「ずいぶんと遠回りをした」
それがいいのかどうかはわからない。そう言って、タンザはアイの首筋に吸い付いた。
「……あっ、……んん……っ」
タンザの手のひらが貧弱な胸を包み込んだ恥ずかしさと、乳房をもてあそぶ指先から与えられる快楽で、甘い息が漏れた。
「あ、……あんまり綺麗ではないでしょう?」
病で伏せっていた身体は決して魅力的ではないとアイは知っていた。チタのような艶やかで弾ける肌が羨ましかった。タンザを満足させられるのは、チタしかいないと。
「なぜそのようなことを言う? こんなに綺麗な心の娘には出会ったことがない」
タンザの言葉はくすぐったかった。セドニーを知り尽くす男の言葉だからこそ余計に。
「可愛らしいピンクだ。まだ咲いてはいないが、俺がみごとに咲かせてやろう」
タンザは胸の先端に吸いつく。鈍感なそこを舌先で転がしながら、遠慮がちに膨れ上がってくるのを楽しむように幾度も吸い付いた。
「タ、タンザさま……」
「ん?」
「あの、こんなことは初めてで、私……何をしたら……」
真っ赤になるほおに両手を当てて、アイは真っ直ぐな目でタンザを見上げる。
「初めての時はそのぐらいで良い。何かしたいのならば、俺に触れていろ」
そう言って、タンザは衣服を脱ぎ捨てると、下腹部にアイの手をいざなった。アイは固いものに触れるとすぐに驚いて手を引っ込めた。
「い、いけないわ……」
「これからあなたの中に入るものだ。すぐに愛おしくなる」
タンザがにやりと笑うから、アイは真っ赤になるしかない。
「不安なら手を握っていろ」
タンザの差し出す左手をアイは抱きしめた。アイの身体を高まらせるには、右手一本で十分だったのだろう。
ぎゅっと目を閉じて、アイはタンザの行為に集中していた。胸の先端をもてあそんでいた指がお腹の上を滑り、太ももを押し開いていく。恥ずかしくてすぐに閉じてしまうと、タンザは「怖くない」と囁いて、熱い息を吹きかけながら足の間に顔を埋めてきた。
熱い息とともに、熱い舌がアイの入り口をなぞった。びくんっ、っと身体が跳ね上がると、タンザはますます激しく舌を動かした。初めは強張っていた全身も、次第に力が抜けていく。
アイの口からは甘い吐息が漏れて、力なく投げ出された足にキスをしていくタンザの指が、そっと中へ入ってくる。
「最初はつらいかもしれないが、これは愛し合うには不可欠な痛みだ」
初めは浅く、中へと入ってきた。ピリッとした痛みを感じて腰を浮かすと、さらに深く侵入してくる。愛し合うことの痛みに驚くアイを内側から優しく優しく愛撫するタンザを愛おしく思った。
「あなたの子は産めないかもしれません……」
「気にするな。私はただ、あなたとこうして過ごせることが幸せだ。その先で愛が形となることがあるならば、嬉しく思う」
控えめに告白したアイの中へ、タンザはゆっくりと身体を収めた。
「もっと奧へ入るぞ」
タンザは快楽に負けて、アイの中を進む。力むアイの背中に腕を回したまま、今度はゆっくりと抜いていく。二人の中で生まれる高揚感に、アイは目をくらませる。
「気持ちいいか」
「は……あぁ……」
タンザの問いに吐息で答える。
「私も気持ちがいい」
指を組み合わせ握り合い、タンザは激しく腰を動かした。そのたびにアイの小さな胸が揺れて、美しい唇から甘い息が漏れた。
そんな日々を毎日のように過ごした。タンザの愛は果てることがなくて、アイの身体へ活力を注ぎ込むようでもあった。
その愛が形となったのは、二年後のこと。ベッドの上に座るタンザにまたがり、命じられたままにゆっくりと腰を動かすアイは、やはり恥ずかしさと快楽に溺れながら、タンザと口づけを交わしながら告白した。
「子を宿したかもしれません」
「まことか?」
「お医者さまがそうではないかと」
「そうか。やっと」
タンザは愛おしげにぎゅっとアイを抱きしめた。
「私の妻になるか?」
アイはベッドに仰向けに倒されながら、戸惑いを見せた。
「チタはこのことを?」
「すべて知っていて、何も言わぬ。賢い女だ」
「でもチタも、あなた様を愛していて……」
「妻になりたくないというなら無理は言わぬ。あなたの身体の方が心配だ」
タンザもアイが王宮で生きていけるとは思っていなかったのだろう。王妃になることを無理強いしたりはしなかった。
「子を産めるか、不安です……」
「優秀な医者を呼ぼう。あなたを死なせたりはしない。たとえ私の子と認められなくとも、刻印は授ける」
アイの視線がタンザの右胸に向けられる。そこには力強いブルードラゴンの刻印がある。彼が王子であることの証。そしていずれ国王になる権利を与えられた証。
「女の子が生まれたら、刻印はかわいそう」
「何を言う。私とアイの子だと証明できる唯一の証だ。私と同じ場所に授けよう。それを誇りに思える日が必ず来る」
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