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支配者
しおりを挟む「うぁ…う…あ…」
俺のうめき声(他人が聞いたら喘ぎ声かもしれないけれど)の合間に俊彦が俺の名前を呼ぶ。
愛しい…というのと同じ声色で。
俊彦は、いい加減にしてくれってくらいしつこい…。
もう…助けてくれ…。
俺を…解放してくれ…。
開放を切望する俺を見て、俊彦が獣の顔で笑う。
「久志…つらいか?」
俺のこの状況を見てて、そんな言葉が吐けるのかと殴りたくなるが、切羽詰った俺はぶんぶんと思いっきり頭を縦に振る。
すると、俊彦が満足そうに笑う。
俺は、俊彦の機嫌のよさに、やっと解放されるのだとほっとして息をつくが、俊彦は冷たく「まだだ…」と告げて俺を奈落に落とし、さらに攻め続ける。
「ひいっ、ああ…とし…とし、ひ…こ…も…ぁ…」
俺はさらに強く深く打ち込まれた楔に悲鳴を上げる。
俺のものをきつく戒めているものをどうにか外そうとするが、それも俊彦に妨げられる。
「あ?何をやっている。俺の許しもなく勝手に俺のものに触るんじゃない」
俺の身体は俺のもの…のはず…だが……
「ごめ…あ…ひぃ…もう…ぁ……ひぁ」
俺は俊彦に謝罪し、許しを請う。
もうきちんと言葉を紡ぐことができず、溢れ出る涙で視界も見えない。
俺の限界がわかったのだろう。
俺の涙を拭ってくれ、とびきりの優しげな笑みで俺を見ている。
それをしたのも、ここまでの苦しみを与え続けたのも、そして開放してくれるのも…すべて目の前の…俊彦。
俊彦は俺の戒めに指をかけると、一気に解き放った。
「っ――――――――――!」
声にならない声を上げて、俺は飛沫を上げた。
そしてそれきり意識を失った。
遠ざかる意識の中、俊彦の温かい腕の中に包まれて、優しげな声を聞いた気がした。
「久志…愛している」
2004/08/30
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