秘密の扉 短編【R】

葉月彩香

文字の大きさ
12 / 23

支配者② 自信家

しおりを挟む
 俊彦に命令されるまま、俺はソファーに座る俊彦を跨ぐように座って、その堂々としたものを、ゆっくりと体内に埋め込んだ。その様子を、射抜くような鋭い視線で凝視している。
 深く息をついて、その衝撃、というか熱に堪える。
 俊彦は、よくやったとでも言いたげに俺の額に張り付いた前髪を細い綺麗な右手でかきあげ、そのまま手のひらを顔に沿って滑らせて、人差し指で俺の唇をなぞる。
「綺麗な唇だな…」
 柔らかな眼差しを湛え、まぶしそうに俺を見る。
 俺に埋め込ませたまま、動こうとしない俊彦を睨みつけると、ふふっと笑った。
「久志、動けよ」
 自信たっぷりに命令する俊彦に、俺は責める目を投げかけたが、やはり…というか、聞き入れられないようだ。
 仕方なく、俺は俊彦の無駄な肉が一切ない腹に手を突いて、ゆるく腰を揺らした。
「ん…」
 甘い快感に思わず出る声をかみ殺すと、唇に張り付いていた俊彦の指が俺の唇を割った。
「声出せよ」
 一本、二本…指が口内に入れられ、閉じることが出来ない…。
「あっ…ぅ…」
 空いていた左手が、俺の太腿をゆるゆると撫でさらに、俺を高めようと動く。
 ざわざわと俺の背筋を電撃に似た快感が走る。
 左手が、やわらかく俺の屹立を捕らえ、軽く愛撫を加える。
「お前に見下されるのも、たまにはいいな」
 口元に余裕の支配者の笑みが浮かび、俊彦が感じ入ったように呟いた。
「はっ…ん…ぁ…」
 俊彦の協力がないため、一人で動いて…俺だけが高まっていく…。
「久志、この刺激だけでいけよ」
「なっ…」
 あまりの注文に、俺は言葉を失って…睨みつけた。
 だが、中途半端に高められた熱は、すでに押さえ込むことも出来ないほど育っている。
 覚悟を決めて、俺は深く深く律を刻む。

 だが……もどかしい…
 足りない熱を得ようと、自分のものに手を出すが、俊彦に防がれる。
「勝手に触るなっていつも言ってるだろ?」
「っ……」
「後ろだけでイけって言っただろ」
「む…り…っ」
「そんなわけあるかよ、久志。いけるよな?」
 こういう時だけ、殊更優しく言う。
 …俊彦に翻弄される俺。すごく悔しい…。
 ぎりりと唇を噛み締めるが、どうしようもなくて…俺は達するために、目を閉じて自らの腰を振りつつ快感を追った。
「ふっ…はっ…」
 猥らな自分の姿を、一人冷静な目で見ているのだろう……。
 考えるだけでかぁっと身体が熱くなる。
「ひぃぁ…っ…ふっ…は…く……くはっ…」
 腰だけの刺激で高められた俺は、最終段階へと向かう。
 だけど、一人でイくのは寂しくて……
 上半身をかがめて、俊彦にキスを強請る。
「としっひこ……」
 俊彦はうっすらと笑って、切羽詰った俺に関係なく、ゆっくりと唇を重ねた。
 長く、深く、優しいキスで……
 そんなキスを受けながら俺は、果てた。 
 
 
 
 

 
「…いつもながら…セックス時の俊彦って自分勝手……」

 情事が終わり、肩に顔を埋めながら、俺は抗議する。
「それでも俺を好きだろ?」
「…すげ~自信だな」
 俺は俊彦の言葉に呆れてしまった。

「自信過剰って俊彦のことを言うんだ。余ってる分、一割でいいから俺にくれよ」
「ふっ、いつでもやるよ」
 ため息をついて続けた俺の言葉に、やはり自信たっぷりに笑って、口付けをくれた。

 それは……甘い…とても、甘い甘い…口付けだった。

 
2005/01/17
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

創作BL短編集

さるやま
BL
短編まとめました。 美形×平凡、ヤンデレ、執着・溺愛攻め多め

R指定

ヤミイ
BL
ハードです。

隣の親父

むちむちボディ
BL
隣に住んでいる中年親父との出来事です。

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

処理中です...