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会合の夜、定時上がりで久々の高級レストランにテンションが上がる。つられてマルティナさんもテンション高め・・・いや、彼女はいつもナチュラルハイなんだけどね。ナチュラルハイな彼女は星付きのレストランに相応しく夜会巻きにしてくれた。
最近の美容業界は、"艶肌"をトレンドに押し出している。ヴィーナス・コネクションのメイクのレシピをそのままマルティナに渡して施してもらった。美容業界がしかける今年から数年間のトレンドはチークやアイメイクを控えめにしたナチュラルメイク風に決定しているらしい。
「すごい綺麗です。髪をアップにしている分、美しい肌が更に際立ちますね。ベースメイクって本当に大事なんだなぁ。」
「そうですね。肌を強調させたいからアイシャドウは無しでマスカラとアイラインを濃茶色でナチュラルに。口紅はローズ系パールでグロスなしでお願いできますか。」
「了解です」
さすが、ヴィーナス・コネクションのメイクレシピだ。鏡で左右を見て確認して満足する。そろそろアダルベルト様が迎えに来てくれるころだ。
メイク室から私の居間に戻る。
居間にはもう来客がありバルコニーのガラス戸から外を眺めている。逆光でよく見えないがアダルベルト様はシルエットもイケメンね。この部屋は角部屋で南側も西側もほぼガラスで、採光良好すぎるのよね。
(アダルベルト様、勝手に入ってきたのかしら?)
「お待たせいたしました。本日はエスコートありがとうございます。」
彼はこちらを振り返る。窓から入ってくる夕日に目が少し慣れてきた。
「いつも美しいけど、今夜は花と豊穣の女神が降臨してきたのかと思ったよ。」
ん???
「レオンハルト殿下?」
「うん?」
こちらに歩み寄ってくる彼の顔の表情は相変わらず逆光だが、ぼんやりと見えてきた。少し目を細めて幸せで蕩けそうな表情をしていた。彼が一言目を発した時から私の心臓はうるさく鳴っている。
「フィリーナ様のエスコートはどうされたのですか?」
「アダルベルトが行っているけど?」
「婚約者候補なのにですか?」
「私的な会合だっていったでしょ。今日はアマニール侯爵が送り込んでいる間諜を全員休みか出張に出しているし、そもそもエスコートなんて候補者達の誰にもしたことないし。」
「へ・・・へぇ。」
間抜けな返事になってしまった。大丈夫だって言うんだから、まぁいいか。
「さて。美しいお嬢様、参りましょうか。」
「あ・・・はい。よろしくお願いします。」
レオンハルト殿下は高級店に相応しいブラックタイをしていた。女神フローラを引き合いに出してもらった私は、桜のような薄ピンク色のチュールドレスに濃さの違う3色の桃色の架空の花が刺繍されたものを着ている。架空の花だと季節を問わずに着られるからいいよね。コサージュは濃いピンク色のダリアを模した飾りでクラッチバッグとお揃いだ。ピアスとネックレスは年相応にルビーではなくガーネットのもの。
今日はネイルも靴もピンク色で全身ピンク女。
ベースが白に近いピンクなのでそこまで目立たないが、もう年齢的にピンクはそろそろ厳しい。
殿下は黙って微笑んで私に手を差し出した。私も微笑んで彼の手に私の手を重ねた。
きらきらと輝く茜色に染まった部屋を出て私たちはそれぞれの護衛2人と共に車に乗り込んだ。今日の殿下の護衛はリオンさんだ。
オーギュスト・ガルシアのある保護区、E区18bに向かう。皇族の車は申請なしで保護区を走ることができる。正直、速度を出せないので場所によっては歩いて行ったほうが早いのだけれど警護の問題で車で移動するほうが何かと都合がいいらしい。
エスコートの時に添えた手は車に乗るときに離した。いつもは面白い話をしてくれるレオンハルト殿下は窓の外を見て黙っている。
私は得体の知れない不安を感じていた。
やや重い雰囲気のままオーギュスト・ガルシアについた。護衛がまず降りてレオンハルト殿下が続く。私が最後に降りるときに殿下が手を取ってエスコートしてくれる。彼はエスコートの姿勢を取って私は彼の腕に手を添えた。ドアマンがドアを開けてくれレディーファーストで私は先に中に案内される。アダルベルト様とフィリーナ様は少し前に到着されてウェイティングルームで待っていた。
高級レストランの客はディスプレイの一つだ。最も対外的に見せたい客を窓側の一番目立つ席に座らせる。外から丸見えだし、席は離れているものの他の客もいるので食事中は大事な話はしないのだろう。今回のメインテーマはアフターディナーで行く個室で話すことになると思われる。
私たちは席まで案内され、給仕は景色の良い2席の椅子を引いた。私は1番身分は下だがレディーファーストなのでフィリーナ様と同じタイミングで席に着く。高級レストランのテーブルセットのナプキンの折り方は芸術的ね。そんなキレイなナプキンを二つに折ってにセットし、手はテーブルの上に置く。
子供の頃からの教育の賜物で、正式な食事の場での振る舞いが身体に染み付いている。
例え第三身分であってもアマニールと取引することのできる帝国民ならば自然に振る舞えるはず。私がリンド聖皇国の人にマナーの違和感を感じた理由を改めて確認した。
食事会は楽しく進んだ。昔から仲が良かった私以外の3人は彼らだけが分かる話をする・・・ということはなく4人で楽しく会話できる内容だった。
ちなみに見た目と違ってアダルベルト様は甘党でフィリーナ様は辛党なようだ。アダルベルト様は食後のチーズの時に甘いポートワインを嬉々として頼んでいたしデザートもたくさん選んでいた。フィリーナ様は食事の残りのカベルネが主張する重いワインを癖のあるチーズと合わせて飲んでいた。酒の吸引器の遺伝子は健在ね。彼女はデザートは一口大のチーズケーキを一つだけ。可憐な容姿からは想像できない。
エスプレッソを飲み終わったタイミングで給仕が声をかけてくる。
「アフターディナーに別室をご用意しております。」
いよいよ本題だ。
別室に行くと飲み物を用意してもらってから給仕は下がらせた。リオンさんは部屋に残り、レオナルドさんは部屋の外で警護する。
「ハミル・アマニール様の一時帰国のパーティーの件だけど・・・っと、その前にレオはリリーちゃんに近過ぎじゃない?」
私もそう思っていました。こんなに広い部屋の大きなソファに座っていて私達の距離は近すぎる。
「俺たちしかいないんだからいいんじゃないかな?」
「コンプライアンスの観点から言うとセクシャルハラスメント。」
「触ったりしてないだろ。」
「相手が嫌がったらハラスメントだろ。気をつけろよ。」
話が進まないな。私は腰を浮かせて一人分の距離をとった。
「続きをお願いします。」
レオンハルト殿下は再び少しずつ近付いてきた。そうね、とつぶやいてからフィリーナ様が話し出す。
「で、パーティの件だけど。っとその前に現在の進捗状況。まず、アマニールとリンド聖皇国とのつながりは絶妙に隠されてたわ。アマニール銀行のシステム運用にリンドが噛んでいるみたい。リリーちゃんの情報があって良かったわ。」
この国で営業する全ての銀行は金融局の出す指針に基づいてシステム設計をしている。ワイマール率いるWBMとKTCPという2代大手コンピューター企業が中心となってシステムを作っていて、一番最初にシステム導入したバンク・オブ・ブルマンのシステムを基に他社もほぼ同じシステムを導入している。ベストプラクティスといって、システムを類似させることによって金融局の作業負荷を軽減させ、2社目以降は開発費を大幅に抑えられるメリットがある。ベストプラクティスの仕組みがある以上、受注先は必ずWBMとKTCPになる。アマニール銀行もそこは同様だ。
「アマニール銀行のシステム運用はWest Information Technologyというシステム保守会社が請け負っているの。パリシナ総研という会社が資本金の51%を出資してて、残りはテパ社とクク社が出資している。社員はサルニア人2割とパリシナ人1割とリンド人が7割。」
「クク社はよく知らないのですが、テパはリンド有数の大企業で会頭が宰相夫人の弟でしたよね。確かによく考えられてますね・・・。保守運用の会社だと定期的に報告会をするし、不審に思われることなく定期的に接触できますからね。」
「ただでさえ、ワイマールとKTCPの寡占が問題になっているから他の会社が入ってくることに金融局は寛容だ。それで特に問題にならなかったわけだな。」
「下請けにすることによってテパ社とクク社の名前が全面に出なかったんですね。」
「クク社はシステムの下流開発の大手よ。システム保守は業務対象じゃないから、West Infotmation Technologyに何かのシステムを開発させているのね。」
システム開発にはフェーズがあってコンサルティング等の上流工程から開発・実装までの下流工程までがある。クク社はプログラマーを多く抱える企業だ。保守は運用開始後のシステムを管理するフェーズで、コンサルティングや開発とは別のスキルが必要だ。
しばらく沈黙が流れる。
「テパは安価な労働力と国の税制優遇によって、傘下のグループ会社が廉価な後発医薬品を作って新興国を中心に勢力を拡大しています。黎への流通量もかなり多く現地に拠点をいくつも持っています。」
私の話を3人は真剣な表情で聞いていた。
「聖皇庁は酒や麻薬と同様に麻酔の使用も認めていません。」
つまり、土地も労働力もあるけれど芥子の栽培はできない。そして、麻もドラッグに使用するような品種ではなくて衣服用の品種のみの栽培しかできない。
「そこから導き出されるのは、やはりアマニールとリンド聖皇国がマクレガーを手中に収めて新薬から薬物の製造システムを手に入れようとしていることだな。原料は貧しい小国で製造させる可能性が高そうだな。」
「殿下、リンド聖皇国は黎をグレート・ビリアに代わって支配したいのでしょうか。」
「多分、チリマを吸収してリンド帝国を復活させたいんだと思う。今の世界の3極がリンドにとっては気に入らないのだろう。」
古代ではチリマ、リンド、アルーノ、ライドの4国しか世界に国はなかった。今の3極といわれるアルーノ・ユニオン、サルニア帝国、太陽国が世界の中心になっていることが古代の大国としては許せないという話を聞いたことがある。
「バルテノクスの件とは別でこんな大掛かりな野望を抱いているとはね・・・。壮大な計画だよね。人間の欲ってどこが底なんだろうな・・・。」
アダルベルト様の言葉の後、再び4人共思考して沈黙が流れた。
最近の美容業界は、"艶肌"をトレンドに押し出している。ヴィーナス・コネクションのメイクのレシピをそのままマルティナに渡して施してもらった。美容業界がしかける今年から数年間のトレンドはチークやアイメイクを控えめにしたナチュラルメイク風に決定しているらしい。
「すごい綺麗です。髪をアップにしている分、美しい肌が更に際立ちますね。ベースメイクって本当に大事なんだなぁ。」
「そうですね。肌を強調させたいからアイシャドウは無しでマスカラとアイラインを濃茶色でナチュラルに。口紅はローズ系パールでグロスなしでお願いできますか。」
「了解です」
さすが、ヴィーナス・コネクションのメイクレシピだ。鏡で左右を見て確認して満足する。そろそろアダルベルト様が迎えに来てくれるころだ。
メイク室から私の居間に戻る。
居間にはもう来客がありバルコニーのガラス戸から外を眺めている。逆光でよく見えないがアダルベルト様はシルエットもイケメンね。この部屋は角部屋で南側も西側もほぼガラスで、採光良好すぎるのよね。
(アダルベルト様、勝手に入ってきたのかしら?)
「お待たせいたしました。本日はエスコートありがとうございます。」
彼はこちらを振り返る。窓から入ってくる夕日に目が少し慣れてきた。
「いつも美しいけど、今夜は花と豊穣の女神が降臨してきたのかと思ったよ。」
ん???
「レオンハルト殿下?」
「うん?」
こちらに歩み寄ってくる彼の顔の表情は相変わらず逆光だが、ぼんやりと見えてきた。少し目を細めて幸せで蕩けそうな表情をしていた。彼が一言目を発した時から私の心臓はうるさく鳴っている。
「フィリーナ様のエスコートはどうされたのですか?」
「アダルベルトが行っているけど?」
「婚約者候補なのにですか?」
「私的な会合だっていったでしょ。今日はアマニール侯爵が送り込んでいる間諜を全員休みか出張に出しているし、そもそもエスコートなんて候補者達の誰にもしたことないし。」
「へ・・・へぇ。」
間抜けな返事になってしまった。大丈夫だって言うんだから、まぁいいか。
「さて。美しいお嬢様、参りましょうか。」
「あ・・・はい。よろしくお願いします。」
レオンハルト殿下は高級店に相応しいブラックタイをしていた。女神フローラを引き合いに出してもらった私は、桜のような薄ピンク色のチュールドレスに濃さの違う3色の桃色の架空の花が刺繍されたものを着ている。架空の花だと季節を問わずに着られるからいいよね。コサージュは濃いピンク色のダリアを模した飾りでクラッチバッグとお揃いだ。ピアスとネックレスは年相応にルビーではなくガーネットのもの。
今日はネイルも靴もピンク色で全身ピンク女。
ベースが白に近いピンクなのでそこまで目立たないが、もう年齢的にピンクはそろそろ厳しい。
殿下は黙って微笑んで私に手を差し出した。私も微笑んで彼の手に私の手を重ねた。
きらきらと輝く茜色に染まった部屋を出て私たちはそれぞれの護衛2人と共に車に乗り込んだ。今日の殿下の護衛はリオンさんだ。
オーギュスト・ガルシアのある保護区、E区18bに向かう。皇族の車は申請なしで保護区を走ることができる。正直、速度を出せないので場所によっては歩いて行ったほうが早いのだけれど警護の問題で車で移動するほうが何かと都合がいいらしい。
エスコートの時に添えた手は車に乗るときに離した。いつもは面白い話をしてくれるレオンハルト殿下は窓の外を見て黙っている。
私は得体の知れない不安を感じていた。
やや重い雰囲気のままオーギュスト・ガルシアについた。護衛がまず降りてレオンハルト殿下が続く。私が最後に降りるときに殿下が手を取ってエスコートしてくれる。彼はエスコートの姿勢を取って私は彼の腕に手を添えた。ドアマンがドアを開けてくれレディーファーストで私は先に中に案内される。アダルベルト様とフィリーナ様は少し前に到着されてウェイティングルームで待っていた。
高級レストランの客はディスプレイの一つだ。最も対外的に見せたい客を窓側の一番目立つ席に座らせる。外から丸見えだし、席は離れているものの他の客もいるので食事中は大事な話はしないのだろう。今回のメインテーマはアフターディナーで行く個室で話すことになると思われる。
私たちは席まで案内され、給仕は景色の良い2席の椅子を引いた。私は1番身分は下だがレディーファーストなのでフィリーナ様と同じタイミングで席に着く。高級レストランのテーブルセットのナプキンの折り方は芸術的ね。そんなキレイなナプキンを二つに折ってにセットし、手はテーブルの上に置く。
子供の頃からの教育の賜物で、正式な食事の場での振る舞いが身体に染み付いている。
例え第三身分であってもアマニールと取引することのできる帝国民ならば自然に振る舞えるはず。私がリンド聖皇国の人にマナーの違和感を感じた理由を改めて確認した。
食事会は楽しく進んだ。昔から仲が良かった私以外の3人は彼らだけが分かる話をする・・・ということはなく4人で楽しく会話できる内容だった。
ちなみに見た目と違ってアダルベルト様は甘党でフィリーナ様は辛党なようだ。アダルベルト様は食後のチーズの時に甘いポートワインを嬉々として頼んでいたしデザートもたくさん選んでいた。フィリーナ様は食事の残りのカベルネが主張する重いワインを癖のあるチーズと合わせて飲んでいた。酒の吸引器の遺伝子は健在ね。彼女はデザートは一口大のチーズケーキを一つだけ。可憐な容姿からは想像できない。
エスプレッソを飲み終わったタイミングで給仕が声をかけてくる。
「アフターディナーに別室をご用意しております。」
いよいよ本題だ。
別室に行くと飲み物を用意してもらってから給仕は下がらせた。リオンさんは部屋に残り、レオナルドさんは部屋の外で警護する。
「ハミル・アマニール様の一時帰国のパーティーの件だけど・・・っと、その前にレオはリリーちゃんに近過ぎじゃない?」
私もそう思っていました。こんなに広い部屋の大きなソファに座っていて私達の距離は近すぎる。
「俺たちしかいないんだからいいんじゃないかな?」
「コンプライアンスの観点から言うとセクシャルハラスメント。」
「触ったりしてないだろ。」
「相手が嫌がったらハラスメントだろ。気をつけろよ。」
話が進まないな。私は腰を浮かせて一人分の距離をとった。
「続きをお願いします。」
レオンハルト殿下は再び少しずつ近付いてきた。そうね、とつぶやいてからフィリーナ様が話し出す。
「で、パーティの件だけど。っとその前に現在の進捗状況。まず、アマニールとリンド聖皇国とのつながりは絶妙に隠されてたわ。アマニール銀行のシステム運用にリンドが噛んでいるみたい。リリーちゃんの情報があって良かったわ。」
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「アマニール銀行のシステム運用はWest Information Technologyというシステム保守会社が請け負っているの。パリシナ総研という会社が資本金の51%を出資してて、残りはテパ社とクク社が出資している。社員はサルニア人2割とパリシナ人1割とリンド人が7割。」
「クク社はよく知らないのですが、テパはリンド有数の大企業で会頭が宰相夫人の弟でしたよね。確かによく考えられてますね・・・。保守運用の会社だと定期的に報告会をするし、不審に思われることなく定期的に接触できますからね。」
「ただでさえ、ワイマールとKTCPの寡占が問題になっているから他の会社が入ってくることに金融局は寛容だ。それで特に問題にならなかったわけだな。」
「下請けにすることによってテパ社とクク社の名前が全面に出なかったんですね。」
「クク社はシステムの下流開発の大手よ。システム保守は業務対象じゃないから、West Infotmation Technologyに何かのシステムを開発させているのね。」
システム開発にはフェーズがあってコンサルティング等の上流工程から開発・実装までの下流工程までがある。クク社はプログラマーを多く抱える企業だ。保守は運用開始後のシステムを管理するフェーズで、コンサルティングや開発とは別のスキルが必要だ。
しばらく沈黙が流れる。
「テパは安価な労働力と国の税制優遇によって、傘下のグループ会社が廉価な後発医薬品を作って新興国を中心に勢力を拡大しています。黎への流通量もかなり多く現地に拠点をいくつも持っています。」
私の話を3人は真剣な表情で聞いていた。
「聖皇庁は酒や麻薬と同様に麻酔の使用も認めていません。」
つまり、土地も労働力もあるけれど芥子の栽培はできない。そして、麻もドラッグに使用するような品種ではなくて衣服用の品種のみの栽培しかできない。
「そこから導き出されるのは、やはりアマニールとリンド聖皇国がマクレガーを手中に収めて新薬から薬物の製造システムを手に入れようとしていることだな。原料は貧しい小国で製造させる可能性が高そうだな。」
「殿下、リンド聖皇国は黎をグレート・ビリアに代わって支配したいのでしょうか。」
「多分、チリマを吸収してリンド帝国を復活させたいんだと思う。今の世界の3極がリンドにとっては気に入らないのだろう。」
古代ではチリマ、リンド、アルーノ、ライドの4国しか世界に国はなかった。今の3極といわれるアルーノ・ユニオン、サルニア帝国、太陽国が世界の中心になっていることが古代の大国としては許せないという話を聞いたことがある。
「バルテノクスの件とは別でこんな大掛かりな野望を抱いているとはね・・・。壮大な計画だよね。人間の欲ってどこが底なんだろうな・・・。」
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