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共闘することにした2(2/3)
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「ところで、アマニールを追及するための証拠はどれくらいそろっているのでしょうか。」
私は自分だけが把握していない重要な進捗状況を確認する。
「アマニールと配下の各家門で働いていた秘書等の側近を証人として12人確保している。アマニール侯爵とリーズ家の覚書も入手している。バルテノクス侯爵位の奪取に関しては、ほぼ完璧に追及できる。」
「現侯爵の初期の侍従は仲違いの末、酒に酔って川に転落する不審死をしている。その娘が父親の日記を保管していて証拠として出してくれた。そこに直系の者たちを貶め殺した内容が詳細に書かれていた。昔のことだから限りはあるが、科学捜査で立証できているものも多くて逮捕状は間違いなく取れる。」
良かった!ウィローブロック夫人とマーキュリー夫人の名誉は回復されるのね。
私は理解した内容をまとめる。
「バルテノクスの事件は解決予定、仮想財閥の軍事開発に関しては不確定だけど独占禁止法への抵触では間違いなく叩ける。あとは元社員の告発を元にバルテノクスの件に乗じて捜査令状を取って追及する。マクレガーへの計略は状況証拠のみで、出たとこ勝負といったところでしょうか。」
「マクレガーには申し訳ないがその通りだ。もっと時間をかければ叩けるかもしれないがも時間に猶予がないんだ。」
レオンハルト殿下は本当に申し訳ないといった表情で答えた。致し方ないことだ。軍事衛星の開発は日々進行しているのだろうから。
「まぁ、それでいいと思います。」
アダルベルト様とフィリーナ様は驚きの表情を浮かべ、レオンハルト殿下は苦虫を噛み潰したような表情をした。
「アマニールが倒れれば一時的に危機は脱せます。マクレガーの価値に気付いて奪取しようとする者がいるかもしれませんが、法整備まであと数年の辛抱です。その間、一時的にワイマール家のご厚意で傘下に入れてもらうこともできますし。」
アダルベルト様とフィリーナ様は気まずそうな表情になった。
厚意で傘下に入れる、つまりワイマール公爵家がホワイトナイトになり、現在の体制を保ったまま買収金額そのままで数年後に売却してくれることを意味している。それには私とシオンの婚姻が前提となるわけだけれど。
「公子と公爵は同じ方向を向いているのかしら?」
「いえ、実際のホワイトナイトになるのにデンバートン伯爵となります。公子はワイマール公爵位を継ぐまでの間、一時的にデンバートン伯爵位を継いでマクレガー製薬の持株会社の臨時社長になります。」
そうなるとワイマールの後ろ盾が実質ある状態で、シオンだけの裁量で救済をできるようになるのだ。
「リリーちゃん、この場合は皇家に守ってもらったほうがいいんじゃない?」
意外な反応だった。ブルマン家で守ってもらうのは根回しが複雑過ぎるからだ。
「マクレガー製薬は、これから数年間でいくつもの新薬をリリースする予定の会社です。特に増毛剤、アルツハイマー病の薬と抗がん剤はドル箱なのでマクレガーの資産価値は格段に上がるでしょう。キャッシュですぐに買えるほどの資金を用意できるのはサルニア国内にはワイマール家以外無いと思います。」
「「「・・・」」」」
雰囲気が重い。でもいつまでもこの部屋にいるわけにはいかないので話を進めないと。
「ところでパーティ当日ですが、何をすればいいでしょうか。」
「そうね・・・。今日はその話をするのだったものね。当日は侯爵が証拠となる書類を保管している場所を突き止めたいの。アマニール侯爵は自身が卑劣だから他人も信用することができないみたいなの。なので、絶対に全ての約束事の書類を保管しているようだと間諜が報告してきているの。」
私は苦笑いしてしまう。自分が卑劣だから他人も信用できないのね。
「あと、ハミル様がどの程度、問題を把握しているか探りを入れたいわね。」
バルテノクスの件で任意同行させるときに令状を取って家宅捜索する。その際に証拠隠滅を防ぐために書類の在処を把握して素早く差押える必要がある。
ハミルお兄様はキーになる人物だ。向こう側の人間になってないといいけど。
「それでは、わたくしは明日の夜にでもマクレガー家に行って父と話して参ります。」
「俺も行こう。」
「え・・・レオンハルト殿下が我が家に来るのですか?」
「不都合でも?」
「不都合はないのですが、あまりリスクをとらないほうが良いのでは?目立ちますよね・・・」
「市井の調査に行くことにしておく。夜の外出はよくしているしな。」
「・・・わかりました。来訪のことを伝えておきます。」
私がそう答えると、レオンハルト殿下は頷いた。
「いや、迷惑だろう。」
「本当よ。せっかく家族とくつろげると思ったら上司が家に来るなんてねぇ。」
「うるさいな」
レオンハルト殿下はフィリーナ様とアダルベルト様を睨んで唇を尖らせる。こんな子供みたいな表情もするのね。
私は自分だけが把握していない重要な進捗状況を確認する。
「アマニールと配下の各家門で働いていた秘書等の側近を証人として12人確保している。アマニール侯爵とリーズ家の覚書も入手している。バルテノクス侯爵位の奪取に関しては、ほぼ完璧に追及できる。」
「現侯爵の初期の侍従は仲違いの末、酒に酔って川に転落する不審死をしている。その娘が父親の日記を保管していて証拠として出してくれた。そこに直系の者たちを貶め殺した内容が詳細に書かれていた。昔のことだから限りはあるが、科学捜査で立証できているものも多くて逮捕状は間違いなく取れる。」
良かった!ウィローブロック夫人とマーキュリー夫人の名誉は回復されるのね。
私は理解した内容をまとめる。
「バルテノクスの事件は解決予定、仮想財閥の軍事開発に関しては不確定だけど独占禁止法への抵触では間違いなく叩ける。あとは元社員の告発を元にバルテノクスの件に乗じて捜査令状を取って追及する。マクレガーへの計略は状況証拠のみで、出たとこ勝負といったところでしょうか。」
「マクレガーには申し訳ないがその通りだ。もっと時間をかければ叩けるかもしれないがも時間に猶予がないんだ。」
レオンハルト殿下は本当に申し訳ないといった表情で答えた。致し方ないことだ。軍事衛星の開発は日々進行しているのだろうから。
「まぁ、それでいいと思います。」
アダルベルト様とフィリーナ様は驚きの表情を浮かべ、レオンハルト殿下は苦虫を噛み潰したような表情をした。
「アマニールが倒れれば一時的に危機は脱せます。マクレガーの価値に気付いて奪取しようとする者がいるかもしれませんが、法整備まであと数年の辛抱です。その間、一時的にワイマール家のご厚意で傘下に入れてもらうこともできますし。」
アダルベルト様とフィリーナ様は気まずそうな表情になった。
厚意で傘下に入れる、つまりワイマール公爵家がホワイトナイトになり、現在の体制を保ったまま買収金額そのままで数年後に売却してくれることを意味している。それには私とシオンの婚姻が前提となるわけだけれど。
「公子と公爵は同じ方向を向いているのかしら?」
「いえ、実際のホワイトナイトになるのにデンバートン伯爵となります。公子はワイマール公爵位を継ぐまでの間、一時的にデンバートン伯爵位を継いでマクレガー製薬の持株会社の臨時社長になります。」
そうなるとワイマールの後ろ盾が実質ある状態で、シオンだけの裁量で救済をできるようになるのだ。
「リリーちゃん、この場合は皇家に守ってもらったほうがいいんじゃない?」
意外な反応だった。ブルマン家で守ってもらうのは根回しが複雑過ぎるからだ。
「マクレガー製薬は、これから数年間でいくつもの新薬をリリースする予定の会社です。特に増毛剤、アルツハイマー病の薬と抗がん剤はドル箱なのでマクレガーの資産価値は格段に上がるでしょう。キャッシュですぐに買えるほどの資金を用意できるのはサルニア国内にはワイマール家以外無いと思います。」
「「「・・・」」」」
雰囲気が重い。でもいつまでもこの部屋にいるわけにはいかないので話を進めないと。
「ところでパーティ当日ですが、何をすればいいでしょうか。」
「そうね・・・。今日はその話をするのだったものね。当日は侯爵が証拠となる書類を保管している場所を突き止めたいの。アマニール侯爵は自身が卑劣だから他人も信用することができないみたいなの。なので、絶対に全ての約束事の書類を保管しているようだと間諜が報告してきているの。」
私は苦笑いしてしまう。自分が卑劣だから他人も信用できないのね。
「あと、ハミル様がどの程度、問題を把握しているか探りを入れたいわね。」
バルテノクスの件で任意同行させるときに令状を取って家宅捜索する。その際に証拠隠滅を防ぐために書類の在処を把握して素早く差押える必要がある。
ハミルお兄様はキーになる人物だ。向こう側の人間になってないといいけど。
「それでは、わたくしは明日の夜にでもマクレガー家に行って父と話して参ります。」
「俺も行こう。」
「え・・・レオンハルト殿下が我が家に来るのですか?」
「不都合でも?」
「不都合はないのですが、あまりリスクをとらないほうが良いのでは?目立ちますよね・・・」
「市井の調査に行くことにしておく。夜の外出はよくしているしな。」
「・・・わかりました。来訪のことを伝えておきます。」
私がそう答えると、レオンハルト殿下は頷いた。
「いや、迷惑だろう。」
「本当よ。せっかく家族とくつろげると思ったら上司が家に来るなんてねぇ。」
「うるさいな」
レオンハルト殿下はフィリーナ様とアダルベルト様を睨んで唇を尖らせる。こんな子供みたいな表情もするのね。
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