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しおりを挟む「今日は2人で出掛けよう!」
朝食を摂りながら、ローレン様がそう提案されました。
あのキスの後、何をするわけでもなくあのままでした。
身体を合わせ、首筋に顔を埋めたままでした。
気がつけば日も昇り、ドアから起床のお知らせが鳴りました。
つまり2人とも一睡もしていません。
私は良いのです。
明日にはお昼寝できますから。
ローレン様をあの手この手で休ませようと思ったのですが、アンが裏切りました。
セバスがそれに乗りました。
他の侍女達や料理人まで。
・・・本当に退屈させてくれません。
そして今、王立公園にいます。
ローレン様は色々な意味で有名なご様子。
噂もまだ残っているんでしょう。
ですから妻として胸を張って歩きます。
・・・胸はありませんが。
私は痛みはもう無いのですが、肩の痣がまだ残っているので、この暑い時期に少し袖のあるものしか着れません。
ローレン様は騎士団の制服ではなく、襟付きの白いシャツとシックな紺色のショースを履いていらっしゃいます。
初めて私服を見てときめく・・・なんて事は全くありませんでした。
シャツがもう筋肉でパツンパツンなんです。
少し力を入れれば破けそうなほどに。
私の中でワタシが腹を抱えて笑っています。
許されるなら私もそうしたかったくらいです。
ワタシがラピュタの親方とか世紀末覇者とか言っていますが、その記憶は私に見せてくれませんでした。
そして笑いを堪えながら他愛もない話をしました。
私が質問をしてローレン様が答える。
ただそれだけです。
好きな食べ物はなんですか?
嫌いな食べ物はなんですか?
小説は読まれますか?
どんな小説が好きですか?
苦手なジャンルはありますか?
本当に脚が好きなんですか?
最後の質問以外はサラサラと和かに答えてくださいました。
他にもたくさん質問しました。
ローレン様は私を知っていても、私はローレン様の事を何も知らないのです。
せいぜいアンから聞いた、オネショを10歳までしていたとかその程度なのです。
ただ公園を散歩した。
屋台で買ったホットドッグをベンチに座って食べた。
他愛もない話をした。
そんな事が面白い、と感じたのは初めてです。
ローレン様はどう思っていらっしゃるのかしら?
きっと、私の顔を見てニコニコとしていらっしゃるのがその答えだと思います。
屋敷への帰り道で腕を組みました。
といっても、ローレン様にしがみついているようなものでしたが。
ですが、その硬い腕はあの時を思い出させます。
そしてその時の私の思いを、ワタシはもう笑いませんでした。
ただ深い溜息をつき、フッと消えて行きました。
もう腕の痛みはありません。
ですので、夜は私を引っ張る練習をして頂こうと思います。
「痛くない強さで・・・そうです、そっとですよ?軽く、軽くですよぉっ?!」
とさっきからベッドの上をコロコロと転がされております。
「す、すまない、エレーナが羽根のように軽くて・・・」
褒められているのでしょうか?
・・・貶されていなくもない気がします。
ベッドの上で仰向けでむくれていると、ローレン様がベッドに腰を掛けられました。
「エレーナ・・・キスの練習もしたい」
・・・この珍獣は引っ張るのも満足に出来ないのに、何を仰ってるのでしょうか。
ですが私も唇の感触を思い出して・・・つい頷いてしまいました。
珍獣が大きい身体で四つん這いになり、私を覆います。
あの時と同じ顔で私を見つめます。
今度は私が目を瞑る番です。
厳つい乙女より様になるはずです。
唇が軽く重なり直ぐに離れます。
それが一度、二度、三度と軽く繰り返されます。
焦ったさを感じて目を開けました。
ローレン様が肘を落として身体を低くされました。
それでも私をすっぽりと包みます。
「エレーナ・・・」
その時の目を見て・・・私は調教の失敗を予感しました。
近づく顔を前に目を閉じます。
唇が重く重なり息苦しさを覚えました。
閉じられた私の口を、珍獣の舌がこじ開け暴れ始めました。
その舌に求められるがまま、私の舌を差し出します。
歓喜する珍獣はソレを啜り舐め絡めた。
息苦しさを我慢出来ず、顔を背けます。
私の荒い呼吸ではなく、興奮して荒い吐息を吐きながら珍獣が呟きました。
「・・・絶対に手は触れない・・・大丈夫だ」
そして私の口と舌を陵辱する事を再開しました。
私には拒否権はありません。
一介の女ではないのです。
公爵の妻なのです。
子を成す事を義務づけられた物なのですから。
拒否権はなくとも息苦しさには抗えません。
無理やり口と口を引き離しました。
珍獣の目はもう私の感情の無い瞳は見ません。
「あっ・・・んっ・・・」
耳を見て唇で喰み、舌で舐られます。
嬲られる耳に吐息と鳴き声が届きます。
私の名前を感情の赴くままに呟き続けます。
「エレーナ・・・はぁはぁ、エレーナ・・・」
そしてそれは陵辱する場所を首筋へと移します。
ねっとりとした舌が、生暖かい鼻息が、吸いつく唇が、今まで刺激された事のない首筋を襲います。
声を押し殺し身を震わせる事しか出来ません。
珍獣が首筋の終着点まで辿り着きました。
邪魔でしかない私の身を包む布を睨みます。
上から辿々しい手付きで、私に触れる事なくボタンを外しました。
一番上を外し現れた私の肌に唾を飲みます。
早く獲物にしゃぶりつきたい珍獣は、更に手元に力を入れました。
二つ目のボタンが外れ、荒い吐息がより強くなります。
「きゃあっ?!」
三つ目のボタンを外そうとして、そこから布が破け右半身が大きく露出されました。
声を上げた私ではなく、慎ましい胸を覆う布を睨みつけます。
鎖骨から陵辱を始めます。
「い、んっ、いやで、す、や、やめ、あっ・・・」
あの優しい目を、優しい微笑みを、良心を期待して絶え絶えに声をあげてみました。
その声に珍獣は更に興奮をして、顔と舌で布を剥ぎ取り乳房を嬲りました。
そして私の名を呪詛の様に繰り返すのです。
私は諦め、そっと目を閉じました。
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