レディース異世界満喫禄

今を皆と一緒に楽しむことが最優先だべ！！

「あ！そうだ！！」



あたしはある事を思い出し入場門に居るエムリオさんに声を掛ける。



「エムリオさん、さっそくで悪いんだけど此処に行きたいんだけど、此処からどういう風に行ったらいいかな？」



あたしはカロラの書いた地図をエムリオさんに見せる。



「失礼します・・・・・ここならあそこに見える通路から進んでもらい、香辛料専門の店があるのでそこを右に曲がってください、そしてそのまま進み酒場がありますからそこを左に曲がり暫く進むとあると思います」



・・・・・・・多分覚えた！！



「ありがとう、んじゃ行ってみるよ」



あたし達はエムリオさんにお礼を言ってから進み始める。



街に入ると流石王都という事もあり物凄い人だ、それを見てかなりワクワクしている。

新しい街にテンション上がるよね！！

リステアの嬉しそうに周りを見ながら歩いていて、あたし達はエムリオさんに言われた道を歩いていき、迷わずに目的の場所に着いた。



「此処でいいんだよね？」



目の前にはアズエルにある自宅より少し小さな一軒家がある。



「あれ？間違えた？宿じゃないよ？」



宿に着くと思っていたら目の前には一軒家・・・家の前で戸惑っているとドアが開きカロラが出て来た。



「あ・・・お疲れ様ですレン様」



偶然出て来たらしくあたし達が居たことに驚いていたけど立ち直り一礼してそう言って来た。



「うん、カロラ宿を取ったんじゃないの？」



疑問に思ったので聞いてみると、カロラは苦笑しながら口を開く。



「レン様、今後は宿ではなく一軒家を借りるか、購入するしかないと思います」



「へ？何でさ？」



賃貸はともかく普通は新しい街に行く度に家を購入するなんてありえないべ？



「もうアニマルズさんとドラゴンズさん達が過ごせる部屋がないと考えた方がいいでしょう」



・・・・・・なるほど！！確かにうちの子達と一緒に泊まるにはかなり大きな部屋を取っていたけど【アラビータ】の件でノワールも仲間になって数増えたもんね。

カロラに言われて納得出来た。



「んじゃここを暫く借りることにしたの？」



あたしの問いにカロラが頷く。



「はいとりあえずは此処で我慢してください、もし【レスティオール】が気に入ったのであれば相応しい物件を探して購入しますから」



「いやいやいや！我慢するとかないよ？此処で充分だし、普通の平民が何件も家を持つのはおかしいから！期間限定の賃貸でいいよ！」



あたしの言葉にカロラが首を傾げて口を開く。



「平民？・・・・・誰がですか？」



「へ？」



「レン様そこに座ってください」



「へ？」



まるでエルスさんみたいに言い出したカロラを見て冷や汗をかいて後ずさりする。



「いいからお座りください」



家に入ってすぐの所で正座でカロラを見上げる。



「いいですかレン様、普通の人は複数の王様の友達は居ませんし、Ａランカーでもありません、それに神様と友達でもなければ、国を救ったり、女王様になったりはしません、お分かりですか？」



カロラが並べた事を聞くと確かにそうかもしれないと思える・・・・・・が！！



「えっともしかしたら他にもそんな人いるかもしれないよ？」



「いません！」



えーーーーー！！あたしはただ『だらだらと生きたい』だけの人間だよ？



「まあそんな事はどうでもいいべよ、今はこの街を楽しむべ！！」



あたしが今までやってきた事とかどうでもいいべ、今を皆と一緒に楽しむことが最優先だべ！！

あたしの言葉にカロラが苦笑する。



「わかりました、では一休みした後に観光に行きましょう」



「うん」



いよいよ観光だべ！！