レディース異世界満喫禄

日の丸

文字の大きさ
1,053 / 1,656

閑話 師団長達の語らい

しおりを挟む
「話し合いで決まった事を皆に話してくるよ」



レンちゃんはそう言って部屋を出て行った。



「それでソルティ?どうだったの?」



私の質問にソルティは笑顔から真剣な表情になる。

今回の防衛戦は私は途中参加だったのでどうだったのかを聞くべくそうソルティに聞いてみた。



「レンちゃんを師団長にしたいくらいよ、凄いわねあの子は」



真剣な顔でそう言って来るって事はかなりの事をレンちゃんはやってくれたのだろう。



「聞かせてくれる?」



レンちゃんとの話し合いもだけどソルティとも話は最低限の事しかしていなかったので詳しく聞くことにする。



「多分レンちゃんがいなければテムザまで魔物の群れに押し込まれたでしょうね」



私はそのままソルティの話を聞く。



「【スタンピード】が起きて第一波の魔物の群れの半分以上をレンちゃんのパーティーで吹き飛ばしたのよ」



・・・・・・・・・・・・・・・・ソルティは真剣な顔で言ってるので冗談を言ってるとは思えない。



「小休憩とその後の休憩の時に聞いた話なんだけど、ウインドドラゴンのブレスとパーティーメンバーの広範囲魔法で先制攻撃をして魔物を半分位減らしたらしくてね大袈裟に言ってるのかと思ったんだけど、聞く人全員が同じ事を言っていたから本当の事よ」



額に汗をにじませながら口を開く。



「初手でどれくらい減らせたと思ってる?」



私の質問にソルティは真剣な顔で口を開く。



「500は越えてると思う」



確かにレンちゃんやパーティーメンバーが強いのは知っていたけどこれほどとは。



「あとレンちゃん達は率先してドラゴンを相手にしていたわ、他の魔物より厄介だから」



【輝夜】のメンバーならドラゴン相手でも引けは取らないという事だろう。



「アンヌシア・・・信じられる?レンちゃん達はほぼ一撃でアースドラゴンを倒していったのよ?」



「え?」



私達もドラゴン相手でも勝つ自信はある、でもそれは時間をかけて倒す事が出来るという事、今の話のように一撃は無理!!



「あと討伐者達の指揮もしていたわ、そのおかげで防衛縁崩壊を防いでいたし」



その話を聞いてあたしはため息をつく。



「本当にうちに来てくれないかしらね?レンちゃんは騎士の間ではかなりの人気だし師団長になればメイシェル王国も安泰なんだけど」



私がそう言うとソルティが苦笑しながら口を開く。



「陛下が許可なさらないでしょうね、それとレンちゃんも絶対にやらないと思うわ」



「でしょうね」



私がそう言うとソルティがすねた顔になる。



「アンヌシア達はずるいのよ、レンちゃんと遊んだことがあるんだから!私だってレンちゃんと遊びたいのに!!」



「たのしかったわよ?本当に」



「むぅ!!」



私はソルティの反応を見て笑った後に真面目な顔に戻り口を開く。



「ソルティ、第三師団の騎士を選抜して頂戴、私も第二師団の中から選抜して討伐チームを作るわ」



「わかったわ」



そう言ってソルティが立ち上がり部屋を出て行った。



【スタンピード】が落ち着いたら陛下への報告をしなければならないのだけど、きっとまた頭を抱える事になるだろうなと思いながら私も部屋を出て第二師団が集まって休んでいる場所へと歩いて行く。



「リンダ」



他の騎士と話をしていたリンダを見つけ声を掛ける。



「はい」



「【スタンピード】が終息しそうよ、なのでこれから第二師団の騎士達で討伐チームを組んでもらって周囲に討伐に向かってもらいたいの、10人1チーム位でね、ドラゴンを相手するかもしれないからその事はしっかりと伝えておいて」



「わかりました」



そう言って今まで話していた騎士に指示を出し始めたので私は本部である建物へと戻る。



「最後まで油断しないようにしないとね」



私の仕事は出来るだけ犠牲者を出さないよう立ち回る事だから。

しおりを挟む
感想 1,344

あなたにおすすめの小説

公爵家次男はちょっと変わりモノ? ~ここは乙女ゲームの世界だから、デブなら婚約破棄されると思っていました~

松原 透
ファンタジー
異世界に転生した俺は、婚約破棄をされるため誰も成し得なかったデブに進化する。 なぜそんな事になったのか……目が覚めると、ローバン公爵家次男のアレスという少年の姿に変わっていた。 生まれ変わったことで、異世界を満喫していた俺は冒険者に憧れる。訓練中に、魔獣に襲われていたミーアを助けることになったが……。 しかし俺は、失敗をしてしまう。責任を取らされる形で、ミーアを婚約者として迎え入れることになった。その婚約者に奇妙な違和感を感じていた。 二人である場所へと行ったことで、この異世界が乙女ゲームだったことを理解した。 婚約破棄されるためのデブとなり、陰ながらミーアを守るため奮闘する日々が始まる……はずだった。 カクヨム様 小説家になろう様でも掲載してます。

無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……

タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。

公爵家の末っ子娘は嘲笑う

たくみ
ファンタジー
 圧倒的な力を持つ公爵家に生まれたアリスには優秀を通り越して天才といわれる6人の兄と姉、ちやほやされる同い年の腹違いの姉がいた。  アリスは彼らと比べられ、蔑まれていた。しかし、彼女は公爵家にふさわしい美貌、頭脳、魔力を持っていた。  ではなぜ周囲は彼女を蔑むのか?                        それは彼女がそう振る舞っていたからに他ならない。そう…彼女は見る目のない人たちを陰で嘲笑うのが趣味だった。  自国の皇太子に婚約破棄され、隣国の王子に嫁ぐことになったアリス。王妃の息子たちは彼女を拒否した為、側室の息子に嫁ぐことになった。  このあつかいに笑みがこぼれるアリス。彼女の行動、趣味は国が変わろうと何も変わらない。  それにしても……なぜ人は見せかけの行動でこうも勘違いできるのだろう。 ※小説家になろうさんで投稿始めました

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

俺に王太子の側近なんて無理です!

クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。 そう、ここは剣と魔法の世界! 友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。 ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。

転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~

ピエール
ファンタジー
おばあちゃん。 異世界転生しちゃいました。 そういえば、孫が「転生するとチートが貰えるんだよ!」と言ってたけど チート無いみたいだけど? おばあちゃんよく分かんないわぁ。 頭は老人 体は子供 乙女ゲームの世界に紛れ込んだ おばあちゃん。 当然、おばあちゃんはここが乙女ゲームの世界だなんて知りません。 訳が分からないながら、一生懸命歩んで行きます。 おばあちゃん奮闘記です。 果たして、おばあちゃんは断罪イベントを回避できるか? [第1章おばあちゃん編]は文章が拙い為読みづらいかもしれません。 第二章 学園編 始まりました。 いよいよゲームスタートです! [1章]はおばあちゃんの語りと生い立ちが多く、あまり話に動きがありません。 話が動き出す[2章]から読んでも意味が分かると思います。 おばあちゃんの転生後の生活に興味が出てきたら一章を読んでみて下さい。(伏線がありますので) 初投稿です 不慣れですが宜しくお願いします。 最初の頃、不慣れで長文が書けませんでした。 申し訳ございません。 少しづつ修正して纏めていこうと思います。

異世界に落ちたら若返りました。

アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。 夫との2人暮らし。 何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。 そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー 気がついたら知らない場所!? しかもなんかやたらと若返ってない!? なんで!? そんなおばあちゃんのお話です。 更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。

この野菜は悪役令嬢がつくりました!

真鳥カノ
ファンタジー
幼い頃から聖女候補として育った公爵令嬢レティシアは、婚約者である王子から突然、婚約破棄を宣言される。 花や植物に『恵み』を与えるはずの聖女なのに、何故か花を枯らしてしまったレティシアは「偽聖女」とまで呼ばれ、どん底に落ちる。 だけどレティシアの力には秘密があって……? せっかくだからのんびり花や野菜でも育てようとするレティシアは、どこでもやらかす……! レティシアの力を巡って動き出す陰謀……? 色々起こっているけれど、私は今日も野菜を作ったり食べたり忙しい! 毎日2〜3回更新予定 だいたい6時30分、昼12時頃、18時頃のどこかで更新します!

処理中です...