異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様

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第1章 早くチートになりた~い

014 はぁはぁ……

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翌日。

「ちょっと今から召喚獣?を呼び出すので」
「召喚獣?」
「え~と、イノシシみたいなヤツが出るって事」
「なんだそれ! 面白そうじゃねぇか!」
「貴方はそのような事が出来るのですね」
「ええ。必要無いので出してませんでしたが、移動距離もあるので」

という理由にしておく。
だって、歩いて現場まで行ったら、また体力が上がりそうなんだもん。

「おい、それは戦えるのかよ?」
「出来るとは思いますけど、弱いですよ?」
「強いのは出せないのかよ?」
「今の俺じゃ無理ですねぇ」
「何でだ?」
「レベルが足らなくて」
「だからレベルが上げたいって言ってるのですね。納得しました」

エイさんはどうやら戦いたいらしい。戦闘狂かな?
ビーゼルさんは、俺がレベルが上げたい理由が知りたかった模様。

「だったらもっと強いヤツが居る所に行かねーとな!」
「まぁまぁ落ち着いて。とりあえず熊でも狩りましょう」

この二人だと、熊なんか問題無いっぽい。
しかし、俺がとどめを刺すんだよ? 熊? 無理ですって。

「とにかく、見せてくれ!」

エイさんが希望するので、デフォルメしたイノシシを具現化して呼び出した。

「よ、弱そうだな……」
「だから言ったじゃないですか。弱いって」
「…………」
「えっと、ビーゼルさん?」
「か…………」
「か?」
「カワイイ…………」

驚きの新事実。
ビーゼルさんはカワイイ物が好きらしい。

デフォルメした物じゃないと1体しか呼べないのでこうしたのだが。

「他にも呼べますけど?」
「ウ、ウサギをお願いできますか?!」
「わ、判りました」

ウサギをデフォルメして描き、具現化する。

「マジですか……神よ」

神扱いされた。
今にも鼻血を出しそうなくらい喜んでいる。
それを見た俺とエイさん、そしてイノシシとウサギも引いている。
ウサギなんか、俺の後ろに隠れてるもん。
俺が呼び出したんだぞ! 俺を盾にするな!

「はぁはぁ……さ、触っても良いですか? 良いですよね?」
「いや、引いてるんで、勘弁してください」
「さ、触れないですか?!」

背景に雷が落ちたように見えるくらい落ち込んだ。
あの~、早く現場に行きたいんですけど。
俺の護衛ですよね? 仕事してくださいよ。

どうしようかとエイさんと顔を見合わせていると、ビーゼルさんがガバッと起き上がった。

「どうしたら私に懐きますか?! キョウヤさん! いや、キョウヤ様! お願いです!!」
「わ、判りましたから! 縋りつかないで!! エイさん、ヘルプ!!」
「こんなビーゼル初めてみたわ……。どうにかしてやってくれ」

まさかの助力無し!
っていうか、一定の距離開けないで!

「離れてくれれば、なんとかしますから!」
「本当ですね! 聞きましたからね! 出来なかったら許しませんからね!」

怖いです。剣に手をかけないでください。

俺はまたスケジュール帳を取り出して、デフォルトのウサギを描く。
そしてそれに矢印を書き「ビーゼルさんを好いている」と注釈を入れて具現化する。

出てきたウサギはビーゼルさんに近づき、足元をクンクンしている。
ビーゼルさんは、恐る恐るその背を撫ぜる。良かったウサギは抵抗しなかったわ。

「…………至福」
「あの~、至福なのは結構な事ですけど、行きませんか?」
「……今日は止めにしましょう」
「「何でだよ!!」」

俺とエイさんの声が重なってしまった。

「行かないなら消しますけど」
「……くっ、卑怯な」
「いやいや、貴方の仕事ですよ? 連れて行っても良いですから」
「しょうがないですね。行きますか。はいはい、ピョンちゃん、行きまちょうね~」

ピョンちゃん?!
もう名前まで付けたようだ。
後、赤ちゃん言葉、気持ち悪いです。

「……エイさん、どうにかしてくださいよ」
「出したお前の責任だろ?」
「いやいや、同じパーティー仲間でしょ?」
「いやいや」
「いやいや」

現場に着くまで、エイさんとは責任のなすりつけ合いをした。
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