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第2章 チートになれたので自重しません
028 交番へ一直線コース
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道中で気付いた事。
魔法を習っておけば良かった。
ライターもマッチも無いので、火が付けられない。
具現化でライターを出してやったけど、こういう細かい事で使ってたら必要な時に使う魔力が無くなるんじゃないかと思ってしまう。
まぁ、魔法を使っても同じかもしれないけど。
火を付けるアイテムくらいは入手すべきだった。
こうして進む事、8日。
後2~3日で着くだろうと思った矢先、今度は商隊に捕まった……。
「そこの怪しいヤツ、止まれ!」
「怪しい者じゃないですよ」
「雨も降ってないのに全身隠してるヤツが怪しくない訳ないだろう! 顔も隠してるし!
しかも街道を一人で歩いているのに武器も持っていない! 怪しいとしか言いようが無い!」
ぐっ! 正論中の正論だ。
確かに今の俺の姿で日本の街中を歩いてたら、即職務質問されるだろう。
交番へ一直線コースだ。猫まっしぐら!
俺に声をかけて来た人は、どうやら商隊の護衛っぽい。
なので抵抗しないよという意思表示の為に両手を上に上げる。
このポーズが異世界で通用するかは知らないけど。
「自分は冒険者で、帝都に向かってる最中です」
「ウソを付け! 冒険者なら武器くらい持ってるだろう!」
「自分は……魔法使いなんです」
魔法使いならローブ姿だし、武器を持ってなくてもおかしくないでしょ!と思い言ってみた。
「魔法特化でも武器くらい持っているのが普通だ!」
あるぇ~?! マジで?!
三角帽子で杖持ってるんじゃないの?!
くそぅ、ラノベめ! 俺にウソを教えたな!
……よく考えたら、当たり前か。
魔法使いが接近戦出来なきゃ、クソザコだもんな。接近されたら終わり。
アレだ。ロマンってやつだ。ビキニアーマーとかと同じだ。
じゃあこの世界には居ないだろうな、ビキニアーマー着た女性。くっ!
「……どうして泣き声なんだ?」
「いえ、ちょっとロマンが……」
「ロマン?」
「こっちの話です。とにかく、自分は冒険者です。犯罪者ではありません。
身分証を出しましょうか?」
「……いや、まず顔を見せろ」
え~、脱ぐの?!
頭狙われたらおしまいじゃん。
脱ぎたくない! 適当な言い訳をして脱がなくても良いようにしなくては!
「……自分は頭に大きな傷があり、見せたくないんです。でも、そこまで言うのであれば顔なら見せます」
「……そうか。では顔を出せ」
「はい」
さすがに正面からいきなり攻撃して来ないだろ。
剣には手をかけてるけど、抜いてないし。
弓で狙ってる人もいないしな。
俺はレースをめくって、顔を出す。
「これで良いですか?」
「うむ……。確かに何かを企んでいるようには見えないな。
というか、本当に冒険者か? 覇気が無いぞ?」
ほっとけ! どうせ平和ボケした顔だよ!
だいたい、異世界に飛ばされたなら、モテる顔になるのが普通だろうが!
元々の10人並の顔ってどういう事だよ!
「では身分証を見せてもらおうか」
「はいはい。あっ、懐に手を入れるけど、攻撃しないでくださいね?」
「分かっている。しかし、ゆっくりとしろよ?」
俺は懐からゆっくりと身分証を出す。
「すまないが、地面に置いてくれ。それから5歩下がってくれ」
「了解でーす。汚さずに返してくださいね?」
「分かっている」
護衛の人は、俺の身分証を拾い上げて確認した後、俺と身分証を交互に二度見した。
「お前、Fランクの冒険者なのか……」
「えっ? 俺ってFランクなんですか?!」
「自分のランクも知らなかったのか?!」
「ええ。見てなかったので」
「……疑って悪かった」
あれ? 何か納得された。
「Fランクだと何か?」
「自分のランクも知らないくらいだから、何も知らないんだろうな。
Fランクだと、街と街を移動出来るギリギリのランクだ」
「そ、そうなんですね? あれ? それだと余計に怪しいんじゃ?」
「自分で言うか? まぁそうだが。
ただ、ランクはあくまで冒険者ギルドが決めた事。歴戦の傭兵でも加入当初はGランクにされる。
だから年齢の割にランクが低ければ、何か事情があると思われるのが普通だ」
そういう事か。
強くても冒険者ギルドに貢献してなきゃランクが低いと。
俺の場合、頭に傷があるってウソ言ったから、それが元で冒険者になったと思われた?
怪我の功名? 嘘から出た真? う~ん、違うな。嘘も方便?
とにかく、信じてもらえたので良かった。
「疑った詫びに、帝都まで同行しないか?」
「え~と……勝手に決めて良いんですか?」
「俺がこの商隊のリーダーだから大丈夫だ」
まさかのトップ!
トップが先頭に立って不審者の相手したらダメでしょ!
あっ、自分で不審者って言っちゃった。
魔法を習っておけば良かった。
ライターもマッチも無いので、火が付けられない。
具現化でライターを出してやったけど、こういう細かい事で使ってたら必要な時に使う魔力が無くなるんじゃないかと思ってしまう。
まぁ、魔法を使っても同じかもしれないけど。
火を付けるアイテムくらいは入手すべきだった。
こうして進む事、8日。
後2~3日で着くだろうと思った矢先、今度は商隊に捕まった……。
「そこの怪しいヤツ、止まれ!」
「怪しい者じゃないですよ」
「雨も降ってないのに全身隠してるヤツが怪しくない訳ないだろう! 顔も隠してるし!
しかも街道を一人で歩いているのに武器も持っていない! 怪しいとしか言いようが無い!」
ぐっ! 正論中の正論だ。
確かに今の俺の姿で日本の街中を歩いてたら、即職務質問されるだろう。
交番へ一直線コースだ。猫まっしぐら!
俺に声をかけて来た人は、どうやら商隊の護衛っぽい。
なので抵抗しないよという意思表示の為に両手を上に上げる。
このポーズが異世界で通用するかは知らないけど。
「自分は冒険者で、帝都に向かってる最中です」
「ウソを付け! 冒険者なら武器くらい持ってるだろう!」
「自分は……魔法使いなんです」
魔法使いならローブ姿だし、武器を持ってなくてもおかしくないでしょ!と思い言ってみた。
「魔法特化でも武器くらい持っているのが普通だ!」
あるぇ~?! マジで?!
三角帽子で杖持ってるんじゃないの?!
くそぅ、ラノベめ! 俺にウソを教えたな!
……よく考えたら、当たり前か。
魔法使いが接近戦出来なきゃ、クソザコだもんな。接近されたら終わり。
アレだ。ロマンってやつだ。ビキニアーマーとかと同じだ。
じゃあこの世界には居ないだろうな、ビキニアーマー着た女性。くっ!
「……どうして泣き声なんだ?」
「いえ、ちょっとロマンが……」
「ロマン?」
「こっちの話です。とにかく、自分は冒険者です。犯罪者ではありません。
身分証を出しましょうか?」
「……いや、まず顔を見せろ」
え~、脱ぐの?!
頭狙われたらおしまいじゃん。
脱ぎたくない! 適当な言い訳をして脱がなくても良いようにしなくては!
「……自分は頭に大きな傷があり、見せたくないんです。でも、そこまで言うのであれば顔なら見せます」
「……そうか。では顔を出せ」
「はい」
さすがに正面からいきなり攻撃して来ないだろ。
剣には手をかけてるけど、抜いてないし。
弓で狙ってる人もいないしな。
俺はレースをめくって、顔を出す。
「これで良いですか?」
「うむ……。確かに何かを企んでいるようには見えないな。
というか、本当に冒険者か? 覇気が無いぞ?」
ほっとけ! どうせ平和ボケした顔だよ!
だいたい、異世界に飛ばされたなら、モテる顔になるのが普通だろうが!
元々の10人並の顔ってどういう事だよ!
「では身分証を見せてもらおうか」
「はいはい。あっ、懐に手を入れるけど、攻撃しないでくださいね?」
「分かっている。しかし、ゆっくりとしろよ?」
俺は懐からゆっくりと身分証を出す。
「すまないが、地面に置いてくれ。それから5歩下がってくれ」
「了解でーす。汚さずに返してくださいね?」
「分かっている」
護衛の人は、俺の身分証を拾い上げて確認した後、俺と身分証を交互に二度見した。
「お前、Fランクの冒険者なのか……」
「えっ? 俺ってFランクなんですか?!」
「自分のランクも知らなかったのか?!」
「ええ。見てなかったので」
「……疑って悪かった」
あれ? 何か納得された。
「Fランクだと何か?」
「自分のランクも知らないくらいだから、何も知らないんだろうな。
Fランクだと、街と街を移動出来るギリギリのランクだ」
「そ、そうなんですね? あれ? それだと余計に怪しいんじゃ?」
「自分で言うか? まぁそうだが。
ただ、ランクはあくまで冒険者ギルドが決めた事。歴戦の傭兵でも加入当初はGランクにされる。
だから年齢の割にランクが低ければ、何か事情があると思われるのが普通だ」
そういう事か。
強くても冒険者ギルドに貢献してなきゃランクが低いと。
俺の場合、頭に傷があるってウソ言ったから、それが元で冒険者になったと思われた?
怪我の功名? 嘘から出た真? う~ん、違うな。嘘も方便?
とにかく、信じてもらえたので良かった。
「疑った詫びに、帝都まで同行しないか?」
「え~と……勝手に決めて良いんですか?」
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まさかのトップ!
トップが先頭に立って不審者の相手したらダメでしょ!
あっ、自分で不審者って言っちゃった。
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