異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様

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第3章 快適生活へ向けて頑張ろう!

060 落とし穴とは卑怯な!

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再度助け出し、ポーションを与える。

「おのれ! 落とし穴とは卑怯な!」
「いや、丸見えだったし」
「私の武勇を恐れての罠か!」
「めっちゃ弱そうに見えるけど」
「いちいち否定するな!」

だって普通同じ穴に落ちないだろ。
あ~、もしかしたら、子猫には見にくいのかもしれない。

「ほれ、上からよく見ろ。
 アレが2回も落ちた穴。見えてる? 2回落ちた穴だよ?」
「2回2回言うな! 見えてるわっ!」
「気をつけないと3回目が来そうだから言ってるんだよ」
「ふっ、私もバカではない。3度も同じ事になる訳が無い!」

世の中ではそれをフラグと言う。

だが、この子猫は発想を変えた!

「同じ方向に進むから同じ穴に落ちるのだ。ならば、違う方向に進めば良いだけの事!」

世の中ではそれを……。
いや言うまい。何らかの邪魔が入り、同じ穴に再度落ちるとは言うまい。

「そっちが穴。ではこっちに進むとしよう。ではまた後で」
「はいはい、そうですね」
「おざなりな返事!」

プリプリと怒りながら穴とは違う方向に進む子猫。

そして、そっちの方向にもあった穴に落ちた。


救出と治療。

「もしかして、お前ってめっちゃドジ? ドジっ子なの?」
「し、失礼な! そんな事は無い! 少し見づらいだけなのだ!」

見づらい? どういう事?
俺は子猫の目をじっと見てみる。

……左目が少し白く濁ってるようにも見えるな。
もしかして、生まれつき左目が見えてないのか?
ポーションで治らないんだから、生まれつきだと思うんだよね。

目と言えば頭の一部。
ならば俺の顔用のポーションを飲ませたらどうだろうか?
『頭部限定で即治療』という効果がつけてあるんだけど、先天性異常も治療するかも?

「おい、これ飲んでみ?」
「ポーションばかり飲んでてお腹がタプタプなのだが?」

ポーションってすぐに消化されないのね。
勉強になるわぁ。数飲めないってデメリットだ。

「ま、ま、良いから良いから」
「ちょ、待って、うぐ、判った、飲む、飲む!」

管の先を口に押し当てたら、諦めて飲んでくれた。
パワハラじゃないから! 治療だから!

飲んだようなので、再度目を凝視してみる。
濁りが減ったような気がする。光の加減かな?

「何か違いはあるか?」
「違い? 違いとは?」
「視界が変わったとか」
「は? 視界が変わるわけ……ん? んん?! 少し視界が広くなったような気が……」

どうやら効いているようだ。
しかし即治療のはずなのに完全に治っていないとは。
俺以外だと時間がかかるのか、それともそれほど強力な異常なのか。

「ちょっと治るのに時間が必要かも。もしくは何度か飲まないと治らないのかも。
 って事で、明日再診して、必要ならまたポーションを飲んでもらうから」
「治療?! 私はどこか悪かったのか?!」
「生まれつきなら、そりゃ気づかないよな。目が悪いと思う。
 でも治ってきてるから、再診が必要だ。だから今日はここに泊まれ」
「そ、そうなのか? わ、わかった」


クマが消える前にキャンプの準備が出来たから良かった。

子猫も一緒に入れてあげる。
晩飯は要らないらしい。副作用かと思ったけど、ただ単にポーションで腹一杯なだけだった。

質問攻めされる前に、俺の事を何もかも話しておく。
驚いたり呆れたりしてたが、最後には達観してた。
そうそう、人生には諦めも必要だよ。

最後にサルを呼び出して警戒させて、就寝した。
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