異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様

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第5章 ダンジョンに行こう

149 特典が一杯?

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絶品。

その言葉以外必要無い程、美味かった。
うちにいる働いている人達にも出処を言わずに食べてもらったが、絶賛された。
ドラゴンの肉と言うと、食べてくれなかったと思うし、忖度した回答が出ると思ったんだよね。



さて、これで帝都に俺を縛るモノは無くなった。
いざ鎌倉へ!じゃなくて、いざ、ダンジョンへ!!

移動はいつもの通り、サイを具現化して乗っていく。

道中もいつもの通り、街に泊まらずに野宿。
街に寄れば、異世界人は必ず何かに巻き込まれるからね。(偏見)
何事も無くダンジョンまで行くには、寄らないのが一番なのだ。
けっして俺の格好が問題だからではない。ないと言ったらない!


そんなこんなで進む事4日。
もうすぐダンジョンのある街に到着するだろうと思われる程進んだ時……。
急にサイが道から逸れて、林の中を進み始めた。

「おいおい、どうしたんだ?」

話しかけても返答が無い。
まぁ元々返事なんかしてくれないんだけども。

進んでいた道がどこだったか分からなくなるくらい進んだ頃、サイが止まった。
その視線の先、サイの前には木を背にしている女性と、女性に剣を向けている男性。
う~わ、トラブルかよ。

女性は冒険者って感じで、顔は中の上。(俺の感想)
男性も冒険者っぽいけど何か装備がショボく見える。顔は無精髭が似合う?犯罪者面?(俺の感想)

「た、助けてっ!」
「手出しするなっ!」

女性からは助けてと言われ、男性から手出し無用と言われた。
俺としては面倒なので、男性の意見を支持したい所だ。
でもサイがここに向かったんだし、介入しろって事なんだろうなぁ……。

覚悟を決めた俺はすぐにゴリラを4体具現化する。
そしてどちらも逃げられないように周囲を囲む。

「俺個人としては介入したくないんですけど、さすがに見てしまったので。
 と言う事で、男性の方は刃物を下げてください。
 動物が周囲を囲っているので、双方共逃げないように。
 逃げたら捕獲しますし、逃げた方が『悪い方』という認識になりますので」
「襲われているの! 助けて!」
「うるせぇ!」

こいつら、俺の言ってる事が聞こえないのか?
それとも言ってる事が理解出来ない?

なので、手を叩いて聞こえるように注意を向ける。

…………失敗。
まだ言い合いしてるわ。

こりゃダメだ。物理的に止めよう。

「はい、今から3数えます。
 その後、喋ったり動いたりしたら強制的に止めます。
 動物を操れる俺が、この場では絶対的な強者です。貴族王族のような存在です。
 ちなみに強制的というのは暴力も含まれます。はい、1・2・3!」

おおっ! 静かになった。
成功です。

さて、止めたのは良いけども……どうしよう。
放置して行くのは…………はい、ダメですよね。そんな目で見るなサイよ。

こういうのってラノベやアニメだと、必ず女性が善、男性が悪なんだよな。
で、助ける事で、主人公と行動を共にするようになったり、惚れられたりと、特典が一杯。

そりゃ俺も男ですし? モテたいって願望はありますけども?
でも強制吊り橋効果みたいなのはなぁ。

そもそも俺の節穴アイでは、どちらが加害者でどちらが被害者なのか分からん!!
イメージで決めるのは裁判員制度として間違ってる! うん、混乱してて考えてる事が混乱してる!

諦めよう。
そして事情を聞くとしようか。
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