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エルフの里
後悔
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「なぁ、ユズリハ、私は、スケ達だけでなく、お前とも一緒に学んでいきたいと思ってるんだ」
カクさんは、泣きそうな顔で僕に言う。
「うん。僕も皆と一緒に居たいと思ってるよ?」
ねぇ?どうしたの、カクさん。
「うん、うん。私も、スケ達も同じ気持ちだと思ってる。
それには、お前がこの腕輪をつけてくれれば、解決するんだ。
なぁ、ユズリハ。
私は、別にお前のその髪も、耳が長くない事も、悪い事だとは、もう思ってないんだ。
だけど、
お前が城で一緒に学ぶのに、その髪色だけでもなんとかしないと許されないんだ。
これ、着けてくれないか?」
そう言って、カクさんは、宰相さんを振り返る。
すると宰相さんは
「そうです、そうです。本当にカクトゥス様はなんと慈悲深いのでしょうなぁ。
お前のような汚ならしい、穢れた存在でも側に置いてくださるという。
ならば、お前は喜んでその身を差し出し、こちらの言うことを聞くべきなのですよ。
ああ、もう本当は会話などせずとも、お前が率先して地べたにひれ伏し崇高なるハイエルフに、」
「宰相?!地べたにひれ伏せとは?私は皆と同じように、ユズリハとも一緒に!」
「おや?カクトゥス様、まだ教育が行き届いていないのですな。
まぁ、これからです。コレが城に来ればいくらでも躾は可能ですし、まぁ、躾などせずとも…
ま、まぁ、良いでしょう。
おい、お前、腕を出しなさい」
宰相さんは、箱を取り出すと、その中に腕輪が入っていた。
これ、なんか、もんのすっごい嫌な感じがするんだけど?
「ねぇ、カクさん。これを着けたらどうなるの?カクさん、これ見て何にも感じない?」
カクさんを真っ直ぐ見つめる。
「…宰相?
私も実物は初めてみたが、これは本当に髪の色を変える魔道具なのか?
ユズリハの黒い髪の色さえ隠せれば城で共に過ごしてもいいと、今までのように一緒に居ていいと約束してくれたよな?!」
「はいはい、これさえつければこの穢れた子供を城に連れ帰る事をお約束しましたよ?」
「宰相?!」
「カクさん?なんかこの人とカクさんが約束した事が違う気がする」
「ユズリハもそう思うか?なんかおかしいよな?!
宰相!一度帰るぞ!ブルーメ様が居る時に、」
「ええい!ごちゃごちゃとうるさい!!さっさとつければ良いんだ!!」
キレた宰相さんが僕の腕を掴もうとしたら
「メ"ェ"ェェ!!」「グッフォッ!」
ムクが宰相さんに頭突きをかまして転ばせ
「バウワウ!!!」「ダハッ!」
わびすけが、え?でっかくなってるんだけど?そんで、宰相さんのお腹にドスっと勢いよく座って、あ、縮んだ。
「んにゃーー!!」「ヒィィ!!」
かえでが、顔面をおもいっきり引っ掻いてるんだけど?!
あ、ムクがあの腕輪、蹴ってお外にポイした。
「メェェェ!!!」『ユズリハ、アレ絶対ダメ!!』
僕もカクさんも呆然とその光景を見てたけど、ムクの声で我に返った。
「ムク!ありがとう!アレ、やっぱりおかしいよね?ダメなやつだよね!」
「メェ!」
「な、なぁ、ユズリハ?お前んとこの精霊、精霊なのに物理攻撃なの?!」
「カクさん!そこはどうでも良くない?!今はアレがダメなことが大事よ!」
「そ、そうか?いやまぁそうなんだけど、そうなんだけど…」
「それよりも!カクさんとこの風のライドくんは、ばぁちゃんにすぐに戻って、って伝言お願いできる?!かえでは、アレじゃぁ、きっとここを離れないから!」
かえでは今度は宰相さんの頭に張り付いて「ん"に"ゃ"ぁ"ぁ"!!」『ハ・ゲ・ろぉぉぉ!!!』って頭を引っ掻いてる。
「メェ!!」『ハゲさすのか!』
「って、ムクまで髪の毛食べようとしないで?!ぺって出して!お腹壊したらどうするの!ぺっしなさい!」
「ユズリハ、精霊の腹の心配なのか…?」
カクさんは、ふにゃりと気が抜けたように肩を落として聞いてきた。
「カクさん!ライドくんは?!」
いやいやカクさん!まだ気が抜けないよ?!
「あぁ、うん、なんか、私がブルーメ様の名前を出した時に、すでに自分で行ってしまっていた。
ははは、精霊達の方が判断力が高いな…」
「それって、ライドくんも上位精霊になってるかもよ!ばぁちゃんが言ってた!自分で動ける精霊は上位精霊だ、って!カクさんを守るために動いてくれたってことでしょう!ライドくん、カッコいいね!!」
そう言ったら、カクさんは驚いたように目を見開いたあと、泣き笑いのようになって
「そうか、そうか。宰相に騙された私を、精霊達は心配してくれてるのか、守ってくれようとしてるのか。
なんと不甲斐ないな…」
カクさん、めっちゃ落ち込んでる?!
「カクさんはいい人だよ!だって、宰相さん大人だよ!子供の僕達を騙そうとする人が悪いでしょう?!」
そんなこと言ってたら
「メェ!」「んにゃ♪」
と声がしたので宰相さんの方を振り向くと、
バチバチゴウゴウとなかなかの音をたてた風のドームが出来上がって、
歯を剥き出しにした桜子が仁王立ちで、ドームの中に居る宰相さんを睨み付けていた。
カクさんは、泣きそうな顔で僕に言う。
「うん。僕も皆と一緒に居たいと思ってるよ?」
ねぇ?どうしたの、カクさん。
「うん、うん。私も、スケ達も同じ気持ちだと思ってる。
それには、お前がこの腕輪をつけてくれれば、解決するんだ。
なぁ、ユズリハ。
私は、別にお前のその髪も、耳が長くない事も、悪い事だとは、もう思ってないんだ。
だけど、
お前が城で一緒に学ぶのに、その髪色だけでもなんとかしないと許されないんだ。
これ、着けてくれないか?」
そう言って、カクさんは、宰相さんを振り返る。
すると宰相さんは
「そうです、そうです。本当にカクトゥス様はなんと慈悲深いのでしょうなぁ。
お前のような汚ならしい、穢れた存在でも側に置いてくださるという。
ならば、お前は喜んでその身を差し出し、こちらの言うことを聞くべきなのですよ。
ああ、もう本当は会話などせずとも、お前が率先して地べたにひれ伏し崇高なるハイエルフに、」
「宰相?!地べたにひれ伏せとは?私は皆と同じように、ユズリハとも一緒に!」
「おや?カクトゥス様、まだ教育が行き届いていないのですな。
まぁ、これからです。コレが城に来ればいくらでも躾は可能ですし、まぁ、躾などせずとも…
ま、まぁ、良いでしょう。
おい、お前、腕を出しなさい」
宰相さんは、箱を取り出すと、その中に腕輪が入っていた。
これ、なんか、もんのすっごい嫌な感じがするんだけど?
「ねぇ、カクさん。これを着けたらどうなるの?カクさん、これ見て何にも感じない?」
カクさんを真っ直ぐ見つめる。
「…宰相?
私も実物は初めてみたが、これは本当に髪の色を変える魔道具なのか?
ユズリハの黒い髪の色さえ隠せれば城で共に過ごしてもいいと、今までのように一緒に居ていいと約束してくれたよな?!」
「はいはい、これさえつければこの穢れた子供を城に連れ帰る事をお約束しましたよ?」
「宰相?!」
「カクさん?なんかこの人とカクさんが約束した事が違う気がする」
「ユズリハもそう思うか?なんかおかしいよな?!
宰相!一度帰るぞ!ブルーメ様が居る時に、」
「ええい!ごちゃごちゃとうるさい!!さっさとつければ良いんだ!!」
キレた宰相さんが僕の腕を掴もうとしたら
「メ"ェ"ェェ!!」「グッフォッ!」
ムクが宰相さんに頭突きをかまして転ばせ
「バウワウ!!!」「ダハッ!」
わびすけが、え?でっかくなってるんだけど?そんで、宰相さんのお腹にドスっと勢いよく座って、あ、縮んだ。
「んにゃーー!!」「ヒィィ!!」
かえでが、顔面をおもいっきり引っ掻いてるんだけど?!
あ、ムクがあの腕輪、蹴ってお外にポイした。
「メェェェ!!!」『ユズリハ、アレ絶対ダメ!!』
僕もカクさんも呆然とその光景を見てたけど、ムクの声で我に返った。
「ムク!ありがとう!アレ、やっぱりおかしいよね?ダメなやつだよね!」
「メェ!」
「な、なぁ、ユズリハ?お前んとこの精霊、精霊なのに物理攻撃なの?!」
「カクさん!そこはどうでも良くない?!今はアレがダメなことが大事よ!」
「そ、そうか?いやまぁそうなんだけど、そうなんだけど…」
「それよりも!カクさんとこの風のライドくんは、ばぁちゃんにすぐに戻って、って伝言お願いできる?!かえでは、アレじゃぁ、きっとここを離れないから!」
かえでは今度は宰相さんの頭に張り付いて「ん"に"ゃ"ぁ"ぁ"!!」『ハ・ゲ・ろぉぉぉ!!!』って頭を引っ掻いてる。
「メェ!!」『ハゲさすのか!』
「って、ムクまで髪の毛食べようとしないで?!ぺって出して!お腹壊したらどうするの!ぺっしなさい!」
「ユズリハ、精霊の腹の心配なのか…?」
カクさんは、ふにゃりと気が抜けたように肩を落として聞いてきた。
「カクさん!ライドくんは?!」
いやいやカクさん!まだ気が抜けないよ?!
「あぁ、うん、なんか、私がブルーメ様の名前を出した時に、すでに自分で行ってしまっていた。
ははは、精霊達の方が判断力が高いな…」
「それって、ライドくんも上位精霊になってるかもよ!ばぁちゃんが言ってた!自分で動ける精霊は上位精霊だ、って!カクさんを守るために動いてくれたってことでしょう!ライドくん、カッコいいね!!」
そう言ったら、カクさんは驚いたように目を見開いたあと、泣き笑いのようになって
「そうか、そうか。宰相に騙された私を、精霊達は心配してくれてるのか、守ってくれようとしてるのか。
なんと不甲斐ないな…」
カクさん、めっちゃ落ち込んでる?!
「カクさんはいい人だよ!だって、宰相さん大人だよ!子供の僕達を騙そうとする人が悪いでしょう?!」
そんなこと言ってたら
「メェ!」「んにゃ♪」
と声がしたので宰相さんの方を振り向くと、
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