元勇者はのんびりとしたもふもふライフを送りたい!〜魔王倒したら手の平返ししてきた方々?特に仕返しはしませんが助ける気もないですよ〜     

おいどんべい

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第1章

卑怯な事

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集団の最後と思われる人間が結界内に入った。
その瞬間僕は魔法によって全員を拘束した。

「なっなんだ⁈」
「おいこんなの聞いてねぇぞ!」

いきなり魔法で拘束されるのは予測していなかったようだ。
一応、氷魔法を使い靴と服の上から膝までを凍らせる。
これで簡単には動けなくなっただろう。
集団の人々は状況が分かっていないようで今もおどおどとしている。
中には足元の氷だけでも溶かそうと火魔法を足元に出し続けている。
因みにこれは逆効果だ。
強い冒険者であれば効果があるかも知れないが相手はそれほど強くない。
僕の出した氷を溶かそうとしても溶かし切る事はできずただただ自分の足をびしょ濡れにするだけなのだ。
それに、継続的に足を凍らされているため溶けた水は靴の中に入りこみそれすら凍ってしまう。
服の上から凍らされるのと直接凍らされるのでは全然違う。
寒さによって何かしら障害が出てくるのも時間の問題だろう。

「クワァァァ!おい!いるんだろう!こんな卑怯な手を使わないで出てこいよ!」
「拘束なんてしやがって!真っ向勝負ってもんをしらねぇのかよ!」

は?1人に対して集団で挑んできた奴にそんな事は言われたくないな。
せめて話は聞いてやるか。

「おいシープ。オレ自身に結界を張ってくれないか?」
「良いメェよ」

結界がしっかり張られたのを確認し、僕は集団の前に出た。
とはいえ認識疎外をかけているからどこにいるかは気付かれてないのだけど。

「一体君たちは何のためにここまできたんだい?」
「「「「「⁈」」」」」
「おい!どこから話してやがる!堂々と前に来て話せよ!」
「何を言っているんだい?君たちは。僕はちゃんと前にいるじゃないか?」
「は?馬鹿にするのも大概にしやがれ!」

はぁ…荒れくれてるなぁ。
集団は全員仮面を付けていて一体誰なのかは分からない状態だ。
まぁ国営ギルドに頼まれた冒険者達だろうが。

「馬鹿になんてしてないさ。ただ事実を言っているそれだけのこと」
「事実だぁ?何言ってんだ?俺達に見えてないという事はいないって事だろう?」
「はぁ…そんなに僕の姿が見たいのか。良いよ見せてあげるよ」

僕だけ認識疎外を解除する。

「なっ!」
「ほら。いただろう?ちゃんとここにさ」
「今の…一体どうやって…」
「それよりもさっきの質問に答えてくれないかい?」
「さっきの質問?」
「もう忘れちゃったのか?一体君たちは何の用でここに来たんだい?」

集団はリーダーと思われし人間を見る。
恐らく周りは護衛という事なんだろう。
リーダーと思われる人間はこちらを見た。

「わざわざ言わなくとも分かっているだろう?ロン」

そこには僕に向かって魔法を放とうとするドミテルの姿があった。
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